痛風の初期症状は足がピリピリ?一日で治る?どんな痛み?
☑「健康診断で尿酸の値が高い」と言われた
☑「そんなにビールばかり飲んでたら痛風になるよ」と言われた
なんて経験をされたことはないでしょうか。
「そういえば職場のおじさんが足痛そうにしていたけど、自分には関係ないかな~」なんて甘く見ていてはいけません。
近年、飽食の時代になり痛風、高尿酸血症は増加傾向にあります。
昔の人はよく言ったもので「風が吹くだけで痛む」ような激痛に襲われるのが痛風の特徴です。
早い段階で生活習慣を改善して痛風を予防できるなら、それに越したことはありません。
今回は痛風の特徴や原因、対策について解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。
目次
痛風とは
痛風とは、体内の尿酸が多い状態が続いたことで尿酸が結晶として析出し、急激に関節を刺激して炎症を起こしている状態をいいます。
溶けきれなくなった砂糖がコップの底に溜まるように、体内の尿酸が上がりすぎると血液の中に溶けきれなくなり、関節の中に結晶が析出(固体が分離して出てくること)するのです。
尿酸が結晶化しているのでチクチクと関節を攻撃されているというイメージです。
痛風の初期症状|足の指がピリピリしたら要注意!
痛風は特に前兆もなく、いきなり足の親指の付け根付近に激痛が走って自覚することが多いです。
しかし、一定数の方が足の指に「ピリピリ」であったり「ムズムズ」とした違和感を覚えたと訴えることも。
これが先述した「関節の中に溶けきれなかった尿酸の結晶が関節にいたずらをしている」ときの自覚症状となります。
痛風になるとどんな痛みがあるのか
主に足の親指の付け根などに激痛があるのが痛風の特徴ですが、痛み方にも特徴があります。
関節のピリピリやムズムズ感といった不快感の後に痛みに移行し、24時間以内にピークに達するのが特徴です。
痛みの種類としては、ズキズキと疼くような激痛があるのが特徴です。痛風発作は夜に起こることが多いです。
痛風の痛みは一日で治る?
痛風は生活習慣病のひとつであり、何か処置を施したからといって一日で治るものではありません。発作と痛みはだいたい数日から2週間程度で治ることが多いです。
ただし、これは発作が一時的に治まっているだけであり、原因となっている尿酸値の高さを改善しないことには再発の恐れがあることに注意しましょう。
痛風に効く薬や痛み止めについて
「そんなことはいいから、この足の痛みをどうにかしてくれ!」という方もいらっしゃるでしょう。
その場合、すぐにお近くの医療機関を受診されることをおすすめします。
急性の痛風発作の治療は消炎鎮痛薬とコルヒチン、ステロイドで行います。これらが主成分の薬があれば服用してみても良いでしょう。
また、患部を氷で冷やすと痛みが楽になります。
発作を乗り越えた場合は、尿酸値を下げるお薬も検討します。
尿酸降下薬の候補は以下の通りです。
- 尿酸合成阻害剤(例;アロプリノール、フェブキソスタット、etc.)
- 尿酸排泄薬(例;プロベネシド、ベンズブロマロン、etc.)
- 尿酸酸化酵素(例;ラスブリカーゼ、etc.)
細かい使い分けなどは今回は割愛します。
発作の時には、なによりも関節炎を和らげることが大事なので、冷やして痛み止めを使うというふうに考えていただければよいでしょう。
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▶︎痛風の症状の特徴や起こりやすい場所とは?原因となる食べ物についても
痛風は女性にも発症する?
女性が痛風になった話を聞くことはあまりありませんが、尿酸値が高ければ男女関係なく発症します。高尿酸血症の頻度は全人口の男性で20%、女性で5%と報告されています。
イメージどおり男性に多いのが特徴ですが、女性の方も油断できません。
厚生労働省の国民生活基礎調査で推定される痛風患者数は、2016年の時点で全国で100万人を超えているとされ、急速に増加していると報告されています。
痛風になる原因
「なんとなく痛風がどんな病気なのかわかってきたよ」という方も増えてきましたでしょうか。
では痛風はなぜ起こるのでしょうか?
最初に少し述べたように、痛風は尿酸結晶による関節炎です。
尿酸の結晶がちくちくと関節を痛めているイメージでしたね。
しかし結論から言うと、この結晶形成の因子はよくわかっていません。
血液の酸性度、尿酸の溶解度、体温などさまざまな要素によるものと考えられていますが、どのような原因で尿酸が結晶化して関節に沈着するのかはわかっていません。
かといって高尿酸血症の人のうち、ほとんどの人は痛風にならないということがわかっています。
尿酸値が高くても、結晶になって関節にダメージを与えるかどうかは人それぞれです。
関節に沈着して炎症を起こすかどうかには、遺伝子の違いがあるといったことなどが議論されています。
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▶︎痛風の症状の特徴や起こりやすい場所とは?原因となる食べ物についても
痛風になりやすい人の特徴
先ほど述べたように高尿酸血症があるからといって痛風になるとは限りません。
しかし尿酸値が高いと尿酸が結晶になりやすいことは間違いありません。
したがって尿酸値が高い人は痛風になりやすいといってもよいでしょう。
生活習慣との関連もあり、厳密な相関関係があるかはわかりませんが、中年以上の男性に多いのも特徴です。
また先ほどの遺伝子の話にもつながりますが、ポリネシアの人々や台湾の原住民では欧米の2倍以上の罹患率と報告 されており、食文化だけでなく遺伝的な影響もあるのかもしれません。
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▶︎痛風の症状の特徴や起こりやすい場所とは?原因となる食べ物についても
痛風を予防するには?
「痛風がやっかいな病気というのはわかったから、どうしたらいいか教えてよ」という方もいらっしゃるかもしれません。
結論からいうと、適度な運動や食生活の改善など、普段から健康を維持するために努めることが最大の予防対策です。
特に下記の食材はプリン体と呼ばれる物質が多く含まれており、痛風の原因になると言われているので、食べ過ぎている人は注意しましょう。
- アルコール
- 赤身肉
- 魚卵
- レバー類
また、アルコールや砂糖は肝臓で代謝されて尿酸値が上がる原因になります。
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▶︎痛風の症状の特徴や起こりやすい場所とは?原因となる食べ物についても
西春内科在宅クリニックができる対応
当院では血液検査で尿酸値を測ることや消炎鎮痛薬や尿酸を下げるお薬を処方することができます。
高尿酸血症があっても痛風が起きるかどうかは別物というのが難しいところですが、患者様それぞれの状態・状況にあわせてベストな生活指導や投薬を行えるように日々努力しています。
気になる症状がございましたらお気軽に当院へご相談ください。
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▶︎痛風の症状の特徴や起こりやすい場所とは?原因となる食べ物についても
まとめ
以上、痛風の概要、特徴などに関してまとめてみました。
「風が吹いても痛い」というところから病名がとられるほど、昔から知られた病気なのに、よくわかっていないことも多く奥が深いですね。
ただ現時点でも食事や運動などの生活習慣との関わりが解明されていたり、日々治療法も進化しています。
健康診断で尿酸が高いと言われたり、足の親指が痛くなったりといったことに心当たりのある方は、一度ご相談に来られてはいかがでしょうか。
この記事が少しでも多くの方の参考になれば嬉しい限りです。最後までご覧くださりありがとうございました。
参考文献
1) 高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン. 日本痛風・核酸代謝学会ガイドライン改定委員会 編. 2019.
2) 冨田眞佐子ら. 高尿酸血症は増加しているか?. 痛風と核酸代謝 2006;30:1-5.
3) 厚生労働省 国民生活基礎調査 結果の概要 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/dl/04.pdf
4) Nicola D, et al. Gout. Lancet. 2016 Oct 22;388(10055):2039-52.