ヘルパンギーナとは?症状や感染経路について徹底解説

公開日:2024.7.02 更新日:2024.7.03

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ヘルパンギーナ


ヘルパンギーナは「三大夏風邪」の一つに数えられる感染症です。

 

お子様が突然高熱になり喉の奥には小さい水ぶくれが、なんてことありませんか?

 

幼稚園や保育園から注意喚起があったりした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

そこで今回はヘルパンギーナについて詳しい症状や感染経路、その予防法についてお話ししていきます。




ヘルパンギーナとは

 

ヘルパンギーナ

 

39℃の発熱と口内に水疱性の発疹が出来るのが特徴的なウイルス性咽頭炎です。

 

大多数はエンテロウイルス属に属するウイルスで、主にコクサッキーウイルスA群が原因です。

 

毎年5月から流行し始め、6〜7月がピークとなります。

 

感染するのは4歳以下がほとんどで、1歳が特に多です。

 

そのため、子供が夏に感染する風邪として広く知られています。

 

重症化することは少ないですが、熱性けいれんなどを併発することもあります。


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ヘルパンギーナの症状

 

ヘルパンギーナ

 

発熱

 

ヘルパンギーナの発熱は突然起こり、39〜40℃の高熱が出ます。

 

中には熱性けいれんを起こす方もいるので注意が必です。


喉の痛み

 

発熱に続き喉が赤く炎症し、強い痛みや腫れが出てきます。

 

唾液を飲み込むことが困難になったり、よだれが多くなることで嘔吐することもあります。

 

喉の痛みにより水分が摂れなくて脱水症状になる危険性があるので注意が必要です。

 

口内の水疱

 

上あご、喉の奥に直径1〜2mm程の水疱性の発疹、いわゆる水ぶくれが出てきます。

 

やがて水ぶくれが破れて、えぐれたような傷になり、痛みを伴います。

 

同じ夏風邪と知られる手足口病との違いはこの水疱が口内だけに発生し、手や足に広がらないことです。

 

オレンジジュースなどの刺激のある飲み物を避け、冷たい麦茶などがおススメです。

 

食欲不振

 

高熱による倦怠感、喉の痛みや口内の痛みにより食事や水分摂取が思うように出来なくなります。

 

特に注意すべきは水分が摂れないことによる脱水症状です。




ヘルパンギーナはうつる?潜伏期間は?

 

ヘルパンギーナ

 

ヘルパンギーナは人から人へ移る感染症で、幼稚園や保育園で集団感染する例もあります。

 

感染はしていても症状が現れない潜伏期間は2〜4日程度で、その後発熱や喉の痛みの症状が出てきます。

 

症状が出始めた時期を「急性期」と言い、その時期が一番感染力が強いです。

 

また、感染から4週間後程度はウイルスが便から排出されます。

 

そのため看病している方が便を介して感染する、といった事になるのでマスクや手洗いうがいを忘れずに行いましょう。


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ヘルパンギーナの感染経路

 

ヘルパンギーナ

 

ヘルパンギーナにはワクチンが無いため、どのような感染経路があるのかを知り、それに対して予防を行うことが大切です。

 

飛沫感染

 

感染者の会話や咳、くしゃみの飛沫の中にウイルスが潜んでいます。

 

その飛沫が口や鼻などから体内に入ってくることで感染します。

 

双方マスクを着用する、換気を行うなどの対処が必要です。

 

接触感染

 

感染者が触れてウイルスが付着したドアノブやタオルなどに触って、そのまま飲食をしたり、目をこすることで感染します。

 

アルコールは効きにくいので、帰宅後や食事前には必ず手洗いうがいを行うことが大切です。

 

他にも手洗いのタオルを別にしたり、塩素系の消毒剤が有効なのでそちらを利用しましょう。


経口感染

 

ウイルスが付着している食べ物を食べたり、便を処理するときに間接的に口に侵入して感染することを指します。

 

便を処理するときはマスクをしたり、処理した後は手を必ず洗いましょう。




ヘルパンギーナは子どもの病気?大人がかかるとどうなる?

 

ヘルパンギーナ

 

ヘルパンギーナは子供だけでなく、大人も感染することがあります。

 

大人が感染した場合でも基本的な症状は子供とあまり変わりません。

 

ですが喉の痛みは非常に強いことが多いです。

 

また、水ぶくれも最大5mmほどになったり、リンパ節が腫れたりといった症状が出ます。

 

他にも免疫不全や基礎疾患のある方は重症化するリスクがあるので注意が必要です。


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ヘルパンギーナは何日で治る?

 

ヘルパンギーナ

 

抗ウイルス薬は無い為、症状に合わせた薬を使用する対症療法を行います。

 

通常は症状が出てから2~4日ほどで解熱、症状が軽快していきます。

 

しかし喉の痛みなどで飲食、水分補給が困難な場合は点滴が必要となり、回復するのに1週間以上かかる事もあります。

 

水分摂取を心掛け、安静にすることが一番大切です。




ヘルパンギーナに感染したら保育園は何日休む?

 

ヘルパンギーナ

 

ヘルパンギーナは明確に何日間休みといった決まりはありません。

 

ただ、学校保健法で「発熱や喉頭・口腔の水疱・潰瘍を伴う急性期は出席停止、治癒期は全身症状が改善すれば登校可能」と規定されています。

 

熱が下がり、喉の痛みや水疱が消えている、本人に元気がある状態を目安にしてみてください。

 

しかし、学校や保育園によっては出席停止期間を設けているところもあるので一度確認してみましょう。


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西春内科・在宅クリニックでできる対応

 

当クリニックでは、症状に合わせたお薬を処方いたします!

 

水分摂取が十分でなく脱水症状が見られるようであれば点滴も行えます。

 

ぜひお気軽にご相談くださいね。



まとめ

 

いかがでしたでしょうか?

 

重症化することは少ないヘルパンギーナですが、中には脱水症状や熱性けいれんを引き起こす感染症です。

 

ですが基本的な手洗いうがいをしっかり行うことで予防ができるので、ご家族皆様で行ってみてくださいね。

 

参考文献

ヘルパンギーナ(夏風邪) | 国立成育医療研究センター

大人のヘルパンギーナの特徴について【症状や喉の痛みの期間など】 | ひまわり医院(内科・皮膚科)

ヘルパンギーナの症状・原因・治療法を解説 大人がかかるとどうなるの?

この記事の監修医師

監修医師: 福井 康大