咽頭結膜熱(プール熱)とは?アデノウイルスとの違いや症状を徹底解説

公開日:2024.7.16 更新日:2024.10.11

咽頭結膜熱

 

暑くなってくるこれからの季節、家族や友人とプールで遊ぶ機会が増えてくるのではないでしょうか。


そんなプールを楽しんだ後に喉が痛くなったり、目が赤くなったりした経験はありませんか?


実はそれ、「咽頭結膜熱(プール熱)」かもしれません。


今回は、この病気の概要や症状、アデノウイルスとの関係について詳しく解説します。





咽頭結膜熱(プール熱)とは?

 

咽頭結膜熱

 

咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)とは、アデノウイルスが原因で発症する感染症の一つです。


年間を通して感染の可能性がありますが、特に夏季に多く、プールでの感染も認められることから、一般的に「プール熱」とも呼ばれることがあります。


咽頭結膜熱は非常に感染力が強く、学校や幼稚園など集団生活を送る場で流行しやすい病気です。


特に、子供が発症すると家庭内での感染も避けられない場合があるので注意が必要です。


関連記事:咽頭結膜熱(プール熱)ってどんな病気?大人もかかる?流行性角結膜炎との違いも解説!

咽頭結膜熱(プール熱)とアデノウイルスの違い

 

咽頭結膜熱

 

先述した通り、咽頭結膜熱はアデノウイルスが原因で発症するため、実質的に両者に違いはありません。


しかしアデノウイルスは多種多様な型が存在し、それぞれ異なる症状を引き起こします。


その中でも、咽頭結膜熱は、特定のアデノウイルス型(主に3型)が咽頭の痛みと結膜炎を同時に引き起こす場合に用いられる病名です。





咽頭結膜熱(プール熱)の症状

 

咽頭結膜熱

 

咽頭結膜熱の代表的な症状に、結膜炎があります。


結膜炎とは、目の結膜(白目)に炎症が起き、涙や目やに、かゆみといった症状が出る病気です。


咽頭結膜熱では他にも、インフルエンザやコロナウイルスといった感染症同様、発熱、咽頭炎、倦怠感、リンパの腫れなどの症状も見られます。


  • 結膜炎
  • 咽頭炎
  • 発熱
  • リンパ節の腫れ
  • 腹痛や下痢
  • 全身倦怠感

関連記事:アデノウイルスの症状とは?潜伏期間や感染経路について解説

咽頭結膜熱(プール熱)の潜伏期間は?

 

咽頭結膜熱

 

咽頭結膜熱の潜伏期間は、個人差がありますが一般に2~14日程と言われています。


また、3週間前後は他人への感染力が残っている状態なため、症状が治ったあとでも注意が必要です。


とはいえ、感染力が強いのは最初の数日のため、学校保健法では主症状がなくなってから2日間までが出席停止の期間となっています。





大人が咽頭結膜熱にかかると出勤停止になる?

 

咽頭結膜熱

 

咽頭結膜熱は子供に多い感染症ですが、子どもだけでなく大人も感染する可能性があります。


大人が感染した場合、出勤停止の明確な基準はないものの、学校保健法に準じて「主症状がなくなってから2日間の出勤停止」とする場合が多いです。


特に最初の数日間は他人に感染を広げるリスクが高いため、職場での感染拡大を防ぐために自宅で療養することが重要です。


症状が完全に消失するまでは、出勤を避けるのが望ましいです。


関連記事:子供に流行中のRSウィルス感染症とは?症状や保育園の登園はどうすればいい?

咽頭結膜熱で熱が出ないケースも?

 

咽頭結膜熱

 

咽頭結膜熱は、ほとんどの場合発熱症状が見られますが、稀に熱が出ないケースがあります。


しかし、結膜炎やのどの痛みといった症状を発症した場合は、熱がなくても咽頭結膜熱が疑われます。


このような場合は、早めに病院を受診して正しい診断を受けましょう。





西春内科・在宅クリニックでできる対応

 

西春内科・在宅クリニックでは、咽頭結膜熱の原因ウイルスであるアデノウイルスの検査が出来ます。


専門的な診断と適切な治療を提供し、感染の拡大を防ぐためのアドバイスも行っています。


咽頭結膜熱でなくとも、他の感染症が隠れている場合もあります。


何か調子が悪いと思ったら一度ご相談ください。





まとめ

 

咽頭結膜熱(プール熱)は、アデノウイルスによって引き起こされる感染症で、特に夏季に子供を中心に流行します。


命に関わるような事例はほとんどありませんが、感染力が強いため、集団生活を送る場では他の人に移してしまう可能性があります。


大人も感染する可能性があるため、体調に異変を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。

 

参考文献

この記事の監修医師

監修医師: 福井 康大