肘内障を1日放置したらどうなる?親が治すことはできる?

公開日:2024.8.20 更新日:2024.11.13

肘内障

うんていで遊んでいた子供が急に「痛いっ!」と叫び、激しく泣きだした…

 

時間が経つと落ち着いたように見ても、腕を動かさず、元気がない様子が気になる…といったことありませんか?

 

それはもしかしたら肘内障かもしれません。

 

今回はそんな肘内障について原因や1日放置してしまった場合や、親御様でも治せるのかなどについて紹介します。




肘内障とは?

 

肘内障

 

主に5歳以下の子供に多く見られる肘の「亜脱臼」です。

少しだけ女の子に多い傾向にあります。

肘から先は細い骨と太い骨の2本の骨で作られています。

細い骨が動くことにより肘から先を180度回転させることが出来ます。

太い骨近くから出ている「靭帯(じんたい)」という帯状の組織で細い骨を支えています。

 

通常、骨はくびれの部分で靭帯にしっかり固定されていますが、子供の骨はまだ発達途中でくびれが浅いため、靭帯の固定が甘く肘内障が起こりやすいのです。

 

主に以下のような状況で起こりやすくなります。

 

・手をつないでいる際に、子供の腕を急に強く引っ張ったとき
・手を引っ張り合って遊んでいるとき
・うんていなどにぶら下がって遊んでいるとき


関連記事:小児の肘内障についての確認方法や、肘内障の再発予防法について

肘内障の症状

 

肘内障

 

普段は元気な子供が突然「痛い!」と泣き出し腕を動かさずにかばうような仕草を見せた場合、肘内障の可能性があります。

ここでは、肘内障の症状「痛み」と「肘の動かしにくさ」について解説しましょう。

 

痛み

 

肘内障による痛みは非常に強く、子供が激しく泣くことが多いです。

痛みはありますが、腫れや赤みといった見た目の変化はほとんど見られません。

 

肘の可動域制限

肘内障は骨が靭帯から外れかけた状態です。

無理に動かそうとすると強い痛みが報じるため肘の曲げ伸ばしができません。

また、前腕が内向き(手のひらが前を向く形)にだらりとした状態になります。




肘内障は自然に治る?

 

肘内障

 

肘内障は基本的には自然に治ることは少なく、対応できる医療機関での整復処置が必要です。

動かさなければ痛みを感じないため、一見治ったように思えることもあります。

しかし、腕を上げようとしたり動かしたりする際に痛がったり嫌がる場合は、まだ治っていない証拠です。

医師による整復処置は通常短時間で痛みを和らげることができます。

肘内障の症状がみられる場合は、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。

関連記事:捻挫で歩けるけど痛いときは病院に行くべき?重症度チェックも紹介

肘内障を1日放置するとどうなる?

 

肘内障

 

泣き止んだからといって1〜2日間放置してしまうと下記のリスクがあります。

 

  • 元の位置に戻そうとしても戻りにくくなる
  • 一度治ったあとも再発しやすくなる

 

このため、肘内障が疑われる場合は、放置せずできるだけ早めに医療機関を受診することが大切です。




肘内障の整復方法は?親が治すことはできる?

 

肘内障

 

外れかけた靭帯を戻すことを整復処置と言い、方法としては「回内法」と「回外・屈曲法」の2つの方法があります。


回内法

  1. 肘を軽く曲げ、親指側の骨である「橈骨(とうこつ)」の先端を押さえる
  2. 手のひらを内向きに前腕ごと回転させる
  3. 「コクッ」という音が鳴り、数分後にバンザイの姿勢ができれば成功


回外・屈曲法

  1. 肘を軽く曲げ、親指側の骨である「橈骨(とうこつ)」の先端を押さえる
  2. 手のひらを外向きに前腕ごと回転させ、更に肘を曲げる
  3. 「コクッ」という音が鳴り、数分後にバンザイの姿勢ができれば成功

 

違いとしては前腕を回転させるのが内向きか外向きかの違いです。

この2つの方法のうち、成功率は回内法の方が高いという論文が出ており、回内法を使うケースが多いです。

文章や画像を見ていると一見できそうな気がしませんか?

ですが、親御さんによる整復処置はおすすめできません。

肘内障か骨折かを判断するためには、レントゲン検査などが必要です。

また、無理に整復しようとして神経や血管にダメージを与えてしまうリスクもあります。

そのため、必ず医療機関へ受診をし、適切な処置を受けることが重要となります。


関連記事:早く治したい方必見!骨折の見分け方と対処方法

夜中に子どもが肘内障になったらどうする?

 

肘内障

 

夜中に急にお子様が泣いたら焦ってしまいますよね…

しかし、まずは落ち着いて対処をしましょう。

肘内障が疑われるときは、痛みが出ないように腕を動かさず安静にしておくことが大切です。

その後、夜間でも対応可能な救急病院へ連絡をするか、#8000の子供医療電話相談(全国共通の小児救急電話相談)でアドバイスをうけましょう。

肘内障は腫れたり、熱を持ったりすることはほとんどないので、冷やす必要はありませんが、安易に動かしてしまわないよう注意がひつよです。




西春内科・在宅クリニックでできる対応

 

西春内科・在宅クリニックでは、肘内障の整復処置が可能です。

また、骨折が疑われる場合、レントゲン検査、超音波検査も行うことができます。

お子様が急に痛みを訴えた、腕を動かさないなどありましたらお気軽にご相談ください。

夜間休日の場合は、家来るドクターとしてご自宅にお伺いして整復処置を行うことが可能です。

お電話にてご相談ください。




まとめ

元気だったお子さんが突然泣き出し、腕に触れるのを嫌がる場合は肘内障の可能性が考えられます。

時間の経過とともに痛みが和らぐこともありますが、腕を動かさない、上にあげることが出来ないなどの症状がみられる場合は、できるだけ早く整形外科を受診しましょう。

肘内障を放置すると、治りにくくなったり、再発しやすくなるといったリスクがあります。

そのため、様子を見ずに早めの対応が必要です。

骨折や他のケガとの区別が難しいため、親御さんの自己判断で整復処置を試みることは避けましょう。

西春内科・在宅クリニックでも整復処置やレントゲン検査などが可能です。

お気軽にご相談ください。

 

参考文献

 

肘内障 – 有明みんなクリニック・有明こどもクリニック総合サイト

肘内障(肘が外れた・腕が抜けた) | 休日・深夜23時まで対応!さいたま市見沼区のせきぐち接骨院

肘内障 | こまつ整形外科クリニック

肘内障 – 小児科 – かわかみ整形外科・小児科クリニック

この記事の監修医師

監修医師: 福井 康大