あかぎれを早く治す方法とは?できやすい部位や予防方法を解説
あかぎれは、皮膚の水分や脂分が抜け、肌の潤いが無くなることで起こる症状です。
最初はかゆみを伴い、ひび割れの状態となり、ひび割れから症状が悪化するとあかぎれになります。
本記事では、あかぎれを早く治す方法や、予防方法などを詳しく解説しています。
目次
あかぎれを早く治す方法とは?
治癒促進タイプの絆創膏を使用
あかぎれを早く治す方法として、治癒促進タイプの絆創膏がおすすめです。
傷を保護し、痛みを和らげ治すのに適した潤った環境を作り、皮膚がきれいに再生するのを促します。
指を動かしたり曲げる手仕事の方には不織布タイプ、水仕事の多い方は防水タイプなど生活スタイルに合わせたタイプを選ぶことがおすすめです。
患部を清潔に保つ
ひび割れやあかぎれができたら、患部を清潔に保つことが重要です。
あかぎれは放っておくと、傷が広がったり雑菌が入ったりして、症状がさらに悪化してしまいます。
手洗いをして清潔に保つことは大切ですが、洗いすぎは厳禁です。
何度も洗いすぎることで、手の皮脂が余分に洗い流されることにより、乾燥が進み、症状を悪化させることがあります。
水仕事で洗剤や石鹸を多く使用する人ほど患部がダメージを受けやすくなります。
洗浄剤はできるだけ低刺激性のものを使用し、優しく洗うようにしましょう。
こまめな保湿
あかぎれができる主な原因は乾燥ですので、市販薬などの保湿剤で皮膚を乾燥させないように保護しましょう。
保湿することで、肌に一定量の水分が保たれ、肌のバリア機能として、肌を乾燥や洗浄などから守ってくれます。
皮膚が潤えば、ひび割れやあかぎれを抑えることができるため、肌が乾燥しやすい人ほど保湿がおすすめです。
手袋であかぎれを保護
あかぎれになった指先などは、炎症を起こして敏感な状態になっているので、少しの刺激にも弱くなっています。
手袋などを使用し、患部を守ってあげることで、症状の悪化を防いでくれます。
皮膚科を受診
あかぎれは自分でケアすることもできますが、毎日の水仕事などで一向に症状が改善しない場合は、医療機関の受診をおすすめします。
痛みが引かない場合や赤くはれている場合などは早めに皮膚科に相談しましょう。
傷口に雑菌が入って腫れている場合には、外用薬だけでなく、抗生物質などの飲み薬など処方をされることもあります。
あかぎれができる原因
人間の皮膚は3つの層から成り立っており、一番外側に「表皮」と呼ばれる層があり表皮の一番外側の部分が「角質」です。
表皮の内側に「真皮」と呼ばれる層、さらにその奥に「皮下組織」があります。
表皮は外的刺激から体を保護し、皮膚に含まれる水分を逃がさないようにする役割があります。
夏は湿度があって皮膚の乾燥は進みませんが、冬は汗や皮脂の分泌が低下するため、肌が乾燥しやすい状態です。
肌が乾燥した状態で、洗剤、石鹸、アルコール消毒などに何度も肌が触れることで、皮膚から水分や脂分がぬけてしまい、その結果、表皮が乾燥して肌がかさついたり、突っ張るような感じになります。
さらに乾燥が進むと、表皮が硬く・厚くなり、本来持っている柔軟性や弾力性を失い、ひび割れや炎症を起こします。
ひび割れがさらにひどくなり真皮にまで到達した状態があかぎれです。
そのまま放置すると血管や神経まで損傷が広がり、痛みや赤み、出血などを伴うことがあります。
あかぎれの主な症状
皮膚は肌表面を覆っている表皮とその奥の真皮に分けられますが、あかぎれは表皮だけでなく、その奥にある真皮まで亀裂が入っている状態です。
乾燥して硬くなった皮膚が割れ、痛みや痒み、腫れなどの炎症を伴います。
あかぎれができやすい部位
手の指
手の指は、あかぎれが最もできやすい場所で、指先は何かに触れていることが多く、水仕事によって皮脂がながされてしまうことも少なくありません。
潤いに必要な水分まで抜け出てしまうと、非常に乾燥しやすくなってしまいます。
乾燥した状態で指を曲げたり伸ばしたりして皮膚が引っ張られると、亀裂が入ってしまいます。
よく使う部分なので、なかなか治りにくく、再発しやすいのが特徴です。
手の甲
指と同様に、常に外部に露出していて、また水仕事などで乾燥しやすくなっています。
皮膚が張っている関節部分などは、特にひび割れしやすくなります。
かかと
足の皮脂腺は、手の指ほど多くないため、擦れなどによって乾燥してしまうことも少なくありません。
かかと周辺は、皮膚が乾燥しやすく、すぐにカサカサになってしまい、体重を支えることで皮膚が硬くなります。
歩いたり走ったりすることが多い人ほど、踵にあかぎれができやすくなります。
あかぎれの予防方法
丁寧な保湿
手洗いや食器洗いなど水仕事をした後は、忘れずに丁寧に保湿するようにしましょう。
手洗いの度に保湿は少し面倒ですが、保湿を怠ると乾燥が進みあかぎれができやすくなってしまいます。
こまめな保湿があかぎれができるのを防ぐポイントです。
水仕事ではゴム手袋着用
毎日の食事の後片付けでの食器洗いは、あかぎれの大敵です!
洗浄力が強い洗剤や水が直接触れることで、乾燥を促してしまいます。
面倒でもゴム手袋をつけることで、手の油分が奪われるのを防ぎ、刺激を減らすことができます。
あかぎれができる前からゴム手袋を使用して、あかぎれにならないように予防することが大切です。
手洗い時の水温と拭き方に注意
手洗いをする際、温度の高いお湯を使うと、皮膚の油分が奪われ、乾燥しやすくなってしまいます。
手洗い時は、ぬるいと感じるくらいの水温で手洗いするとよいでしょう。
また、手洗い後に手を濡れたままにすると、水分が蒸発しやすくなりかえって乾燥しやすくなってしまいます。
タオルやペーパーなどで軽く押さえ水分をふき取るようにしましょう。
西春内科・在宅クリニックでできること
当院では、症状に合わせた処置や保湿剤などお薬の処方、アドバイスなど行うことが可能です。
日常生活で、手や足は必ず使いますので、まずは、あかぎれにならないよう、予防することが重要になります。
上記で述べた、予防法などが、皆様の体の健康に役に立てばと思います。
まとめ
あかぎれは、皮膚の水分や脂分が失われることで発生する症状です。
特に手の指先、手の甲、かかとによく見られ、放置すると症状が悪化する可能性があります。
治療には以下の方法が効果的です。
- 治癒促進タイプの絆創膏の使用で傷を保護
- 患部を清潔に保ち、過度な洗浄は避ける
- こまめな保湿で皮膚の乾燥を防ぐ
- 手袋などで患部を保護
- 症状が改善しない場合は皮膚科を受診
予防には日常的なケアが重要で、特に水仕事の後は丁寧な保湿を心がけましょう。
また、食器洗いなどの際はゴム手袋を着用し、手洗い時はぬるめの水を使用することで、皮膚の乾燥を防ぐことができます。
症状の改善と予防には、継続的なケアを意識的に行うことが大切です。
監修医師: 西春内科・在宅クリニック 院長 島原 立樹

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経歴
名古屋市立大学 医学部 医学科 卒業三重県立志摩病院
総合病院水戸協同病院 総合診療科
公立陶生病院 呼吸器・アレルギー疾患内科