薬の使用期限はどこを見る?保管のコツと正しい処分方法まで解説

公開日:2025.9.11 更新日:2025.9.11

体調不良のときには処方薬、市販薬などさまざまな薬が使用されますが、「ずいぶん前にもらった(買った)薬だけど、使用して良いのかな?」と迷った経験はありませんか?

使用期限を過ぎた薬は、成分や効能・安定性が保たれていない可能性があり、効果が弱まったり副作用のリスクが高まることがあります。

今回は、薬の使用期限の確認方法や種類別の目安、保管のコツなどについて解説します。

薬の使用期限を確認する方法

市販薬の使用期限の見方

箱や容器に「使用期限」「EXP」などと記載されています。

これは未開封の状態で、正しく保管した場合の期限を示しています。

処方薬の使用期限の見方

処方薬は薬局で分包されることが多く、袋やラベルに「調剤日」が記載されます。

一般的に使用期限は記載されませんが、処方日から3〜6か月以内が目安です。

また薬のシートには基本的にロット番号が記載されているため、ロット番号を基に調剤してもらった薬局で調べてもらうことができます。

開封済みと未開封で異なる

市販薬においては未開封であれば箱に記載の期限まで問題なく使えます。

しかし、開封後は空気や湿気で劣化が進みやすいため、1か月程度を目安に早めに使用しましょう。

薬の使用期限と有効期限の違い

使用期限とは何か

使用期限は「安全に使える期間」を示すもので、期限を過ぎると品質や安全性が保証されません。

一般的に製造されてから3~5年位が目安です。

有効期限との違い

「効果が保たれる期間」を指します。

一般的に期限が3年より短い一部の医薬品に設定されています。

処方薬の種類ごとの使用期限の目安

薬の種類ごとの使用期間の目安は以下の通りです。

ただし、目安ですので実際には調剤薬局での確認をしてください。

薬の種類使用期限の目安注意点
錠剤・カプセル6か月~1年湿気で劣化しやすい。
シロップ1週間〜10日冷蔵保存が必要な場合あり
点眼薬開封後1か月以内直接目に触れるため期限厳守
点鼻薬開封後1か月以内汚染防止のため早めに使用
軟膏・クリーム開封後6か月〜1年チューブタイプは比較的長持ち
粉薬3か月〜6か月湿気で劣化しやすい
自己注射薬製品ごとに規定あり取扱説明書を確認
インスリン製剤開封後1か月以内冷蔵保存が必要

使用期限の切れた薬を使用してもいい?

本来の効果を得られない

湿気、光、温度によって成分が分解され、効果が弱まり、本来の薬の効果を得られない可能性があります。

健康被害や副作用のリスク

湿気、光、温度などによって変質した薬は、体に悪影響を及ぼす場合があり安全性が担保されないため、期限切れの薬は使用せず、必ず処分しましょう。

薬を正しく保管する方法

直射日光・高温多湿を避けて保管する

温度、湿度、光を避けることで成分の分解が抑えられます。

冷蔵保存は必要な薬だけにする

主にシロップ剤や目薬、坐薬、未開封のインスリンなどは冷蔵保存が必要となることがあります。

保存方法については、薬剤師の指示に従いましょう。

薬はラベルや袋と一緒に分けて保管する

タブレット状の食品、殺虫剤、防虫剤など、見間違える可能性があるものとと一緒にしまっておくと、間違って飲んでしまう危険があります。

子どもの手が届かない場所に置く

子どもの誤飲事故の約2割が医薬品や医薬部外品といわれています。

特に小さいお子さまがいらっしゃるご家庭では、注意しましょう。

他の容器に詰め替えない

瓶等に詰め替えてしまうと誤用の原因となることがあります。

容器はそのままに保管しましょう。

期限切れ薬の正しい処分方法

家庭ゴミでの処分

錠剤は袋に包んで可燃ゴミへ。

シロップは新聞紙などに吸わせて処分します。

薬を、お茶屋コーヒーの出がらしと混ぜたり猫砂などと混ぜて、子どもやペットが誤って口にしないようにするとより安全に薬を処分できます。

薬局へ相談

調剤薬局では期限切れ薬の処分方法を案内してくれる場合があります。

迷ったら薬局に持参するのが安心です。

西春内科・在宅クリニックでできること

当院では「薬の整理・管理のご相談」や「残薬調整」など対応しております。

認知症や在宅療養中の方で、薬の管理が難しい場合もお気軽にご相談ください。

まとめ

薬の使用期限は「安全と効果を保証する大切な目安」となります。

今回の内容で使用期限の目安をお伝えしましたが、開封後は早めに使い切ることが基本です。

わからなければ自己判断で使用せず、医療機関や薬局へご相談ください。

薬を正しく管理することは、健康を守る第一歩です。

この記事の監修医師

監修医師: 西春内科・在宅クリニック 院長 島原 立樹


▶︎詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

名古屋市立大学 医学部 医学科 卒業
三重県立志摩病院
総合病院水戸協同病院 総合診療科
公立陶生病院 呼吸器・アレルギー疾患内科

資格

日本専門医機構認定 内科専門医