インフルエンザは潜伏期間でもうつるの?感染力や期間について解説!

公開日:2023.12.25 更新日:2024.2.21

インフルエンザ潜伏期間

インフルエンザは私たちの身近な感染症の一つであり、毎年多くの人がこのウイルスに感染しています。

しかし、多くの人が誤解しているのは、インフルエンザは感染後すぐに症状が出るわけではないという事実です。

インフルエンザは、個人の健康だけでなく、家族や周囲の人々にも影響を与える可能性が大きいため、その特性を正しく理解し、適切に予防と対策を行うことが非常に重要です。

今回は、インフルエンザの潜伏期間やその間の感染力、そしてその間にどのように対処すればよいのかについて解説します。

この記事が、インフルエンザの潜伏期間についての理解を深め、適切な予防策を講じるための参考となれば幸いです。



目次

インフルエンザになってもすぐに症状が出ない理由


インフルエンザ 潜伏期間

私たちがインフルエンザウイルスに感染してもすぐに症状が現れないのは、ウイルスの生態と私たちの免疫システムの特性に起因します。

まず、インフルエンザウイルスが私たちの体内に侵入すると上気道の細胞に付着し、細胞内に入り込みます。

しかし、ウイルスが増殖し、体内に影響を及ぼすには時間が必要です。

細胞内でウイルスが複製する過程には、数日かかることがあり、この間、症状は特にありません。

続いて、ウイルスが体内で増殖し始めても、免疫システムがすぐに反応するわけではありません。

免疫システムはウイルスの侵入を検知し、適切な反応をするまでに時間がかかります。

この「ウイルスの増殖」「免疫システムの反応」の時間差が、症状がすぐに現れない理由の一つです。

インフルエンザの潜伏期間は、一般的に1~3日程度とされています。

この期間は、ウイルスが増殖していますが、まだ体に大きな影響を与えていない時期です。

この時期には、感染していることに気づかない人が多く、無意識のうちに他人にウイルスを伝播させるリスクがあります。

また、人によって免疫システムの反応速度には個人差があります。

一部の人では免疫システムが迅速に反応し、症状が早期に現れることもある一方で、免疫応答が遅い人や、基礎疾患や疲れなどで免疫力が低下している人では、症状が出るまでの時間が長くなることがあります。

さらにインフルエンザウイルスには複数の株が存在しており、それぞれが異なる特性を持っています。

一部のウイルス株は他の株よりも潜伏期間が長い可能性があり、これが症状の出現に影響を与えることがあります。

特に潜伏期間中の行動が、ウイルスの拡散に大きく影響するため、冬の季節は特に注意が必要です。

常日頃からこまめな手洗いやうがいを心がけ、体調不良を感じたら早めに休息をとり、必要に応じて医療機関を受診することが重要です。

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インフルエンザの潜伏期間


インフルエンザ 潜伏期間

インフルエンザは、感染したウイルスが体内で増殖し始めてから症状が現れるまでに、通常1~3日間の潜伏期間を持ちます​​。

この期間中、感染者は症状がないためインフルエンザに罹っているという自覚がないことが多いですが、ウイルスは体内で密かに活動し、徐々に増殖していきます。

この潜伏期間の長さは、感染したインフルエンザウイルスの種類や感染者の免疫状態によって異なることがあります。

免疫力が強い人や以前に同じウイルス株に感染した経験がある人は、ウイルスに迅速に反応し、潜伏期間が短くなる場合があります。

一方で、免疫力が低下している人や高齢者では、ウイルスの増殖が進むまでに時間がかかり、潜伏期間が長くなることもあります。

そして潜伏期間が終わると、発熱、倦怠感、咽頭痛、関節痛などの典型的なインフルエンザの症状が出現します。

発症直後のインフルエンザは、迅速検査では陽性が出にくい場合があり、陰性であってもインフルエンザでないとは断言できません。

医師は、患者の症状や流行状況を考慮して臨床診断を行います​​。

(周囲で感染者が出ている場合にはみなし陽性と診断を受けることもあります。)


上記のように、インフルエンザは発症早期の診断が困難な場合もあるため、重篤な状態でなければ症状出現の翌日に受診することが推奨されます。

症状の強さや持続期間には個人差があり、多くの場合、発症後4~5日で症状が軽快する傾向にあります。

治療に関しては、解熱薬による対症療法が一般的であり、65歳以上の高齢者や重症化のリスクがある基礎疾患を持つ人には、抗インフルエンザ薬が用いられることもあります。

ただし、発症から2日以内に治療を開始しないと、効果が得られない可能性があるため、インフルエンザを疑う場合には早期の受診が重要です​​。

以上のように、潜伏期間を理解しておくことはインフルエンザの予防と早期対応に役立ちます。

もし皆さんがインフルエンザに感染したと疑われる場合には、なるべく他人との接触を避け、症状が現れたら医療機関に相談することが重要です。



インフルエンザは潜伏期間中でもうつる?


インフルエンザ 潜伏期間

インフルエンザは潜伏期間中にも他人にうつるのでしょうか?

答えは「はい」です。

インフルエンザウイルスは潜伏期間中、すなわち症状が現れる前から他人に感染する能力を持っています。

これはインフルエンザウイルスが体内に入り、増殖を始めると同時に感染力を持つようになるためです。

では、潜伏期間中にどのようにしてインフルエンザウイルスは他人に感染するのでしょうか?

主な感染経路は、感染者が咳やくしゃみをした際に放出される飛沫(ひまつ)です。

これらの飛沫にはウイルスが含まれており、他人がこれを吸い込むことで感染します。

さらに、ウイルスが付着した手で目や鼻、口を触ることでも接触感染により広がる可能性があります。

インフルエンザが潜伏期間中に感染力があることを知っていると、予防対策に大きく影響します。

たとえば、インフルエンザが流行している時期には、以下などの対策が重要になります。

  • なるべく人混みを避ける
  • 手洗いを徹底する
  • うがいをする
  • マスクを着用する

また、自分がインフルエンザに感染しているかもしれないと思ったら、たとえ自分が元気であっても人との接触を極力減らすと共に、症状が続く場合には医療機関を受診し、無理をせずに自宅での安静を保つことも大切です。

インフルエンザの潜伏期間中の感染力は、予防策の観点から見ると非常に重要です。

自分自身だけでなく、周囲の人々の健康を守るためにも、この時期の適切な対応と予防策の徹底が必要です。

インフルエンザの流行期間中は、特にこれらの点に注意して、健康的な生活を心がけましょう。

関連記事:帯状疱疹でワクチンを打つべき理由とは?うつる可能性についても解説

インフルエンザの潜伏期間を過ぎるとどんな症状が出るのか


インフルエンザ 潜伏期間

インフルエンザの潜伏期間が過ぎると、多くの人が明確な症状を経験します。

これらの症状は、インフルエンザウイルス感染によって引き起こされる身体の反応であり、感染の早期発見と治療に役立ちます。

では、具体的にどのような症状が現れるのでしょうか?

高熱


インフルエンザの最も一般的な症状の一つが高熱です。

38度以上、時には40度近くまで上昇することもあります。

この熱は数日間続くことが多く、体力の消耗や脱水症状を引き起こすことがあります。

特に子供や高齢者では、熱による合併症に注意が必要です。

筋肉痛と関節痛


インフルエンザウイルスに感染すると、全身の筋肉や関節に痛みを感じることがあります。

この痛みはしばしば「筋肉痛」「関節痛」と表現され、体の重だるさや全身疲労感とともに現れ、高熱と共に数日間持続することが多いです。

咳と喉の痛み


咳もインフルエンザの代表的な症状の一つで、特に乾いた咳が特徴的です。

また、喉の痛みやイガイガする感覚も多数報告されています。

これらの症状は、呼吸器系にウイルスが影響を及ぼしていることを示しており、長引く場合も多いため注意が必要です。

頭痛


頭痛はインフルエンザに伴う一般的な症状で、特に熱が高いときに強く感じることがあります。

この頭痛はしばしば、全体的な倦怠感や疲労感と関連しています。

悪寒と寒気


悪寒や寒気は、体温が急激に上昇する際に感じられることが多い症状です。

これは体がウイルスに対抗しようとしている免疫反応の一部です。

長期間持続すると体力の消耗にもつながるため、高熱が続く場合には解熱薬を使用するなどして症状の緩和に努めることが大切です。

鼻水や鼻づまり


インフルエンザでは、風邪と同様に鼻水や鼻づまりの症状が見られることがあります。

これらの症状は、特に子供に多いとされています。

通常ウイルスの減少に伴って改善しますが、特にインフルエンザが流行しやすい冬場にアレルギー症状が出やすい場合には症状が長引くこともあります。

消化器系の症状


一部の患者では、インフルエンザ感染後に吐き気や嘔吐、腹痛、下痢などの消化器系の症状を経験します。

これらの症状は特に子供に多く見られる傾向があり、下痢や嘔吐が続くと脱水症状を引き起こす可能性があるため注意が必要です。

疲労感と倦怠感


インフルエンザにかかると、たとえ高熱が出ていない場合でも強い疲労感や倦怠感を感じることが多いです。

これはウイルスが体内で活動し、体が感染と戦っているために起こります。

こうした症状を認めた場合にはなるべく無理をせず安静にするようにしましょう。

インフルエンザの潜伏期間中の過ごし方


インフルエンザの潜伏期間中には、もしかしたら自分自身が感染しているかもしれないという自覚を持ちながら、適切な行動を取ることが重要です。

この期間は症状が出ないため、無意識のうちにウイルスを広めてしまうリスクがあります。


ここでは、潜伏期間中における適切な過ごし方について詳しく解説します。

基本的な予防策の徹底


インフルエンザ 潜伏期間

手洗いと手指消毒の実施


こまめに手を洗うことはウイルスの拡散を防ぐ最も基本的な方法です。

石鹸と水を使って少なくとも20秒間は手を洗いましょう。

手の指の間や甲の部分は十分に洗えていないケースもあるため、特に意識をして洗い流すようにしてください。

また外出先では、手を洗えない場合にアルコール含有の手指消毒剤を利用することも効果的です。

マスクの着用


電車やオフィスビルなど人混みの中や公共の場では、なるべくマスクを着用して口や鼻を覆うことが推奨されます。

これにより、咳やくしゃみから生じる飛沫の拡散を抑えることができます。

自身の無理のない範囲でマスク着用を心がけましょう。

健康状態のモニタリング


インフルエンザ 潜伏期間

体温の定期的なチェック


発熱はインフルエンザの最も一般的な症状です。

できれば毎日体温を計測し、また異常があれば早めに医療機関への相談を検討しましょう。

小さな体調の変化に注意する


頭痛や倦怠感、筋肉痛など、いつもと異なるインフルエンザの兆候となる症状に注意しましょう。

少しでも症状があるようなら無理をせず休息をとることも大切です。

十分な栄養摂取と水分補給


インフルエンザ 潜伏期間

バランスの良い食事


自分の身体の免疫機能をサポートするために、しっかりと栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。

特に、野菜や果物などビタミンやミネラルを豊富に含む食品を積極的に取り入れることが重要です。

十分な水分補給


体内の水分バランスを保つためには、十分な水分摂取が必要です。

特に発熱がある場合には、自身が思っている以上に身体の水分が逃げて行ってしまいます。

さらに冬場は夏と比べると喉が乾きにくいケースもあるため、こまめに水分摂取を意識して脱水状態にならないよう注意しましょう。

高齢者の場合は自身では喉の渇きを自覚しにくいケースも多く、周囲の声掛けも効果的です。

安静の保持


インフルエンザ 潜伏期間

十分な休息を取る


体がウイルスと戦うためには、十分な休息を取り体力を回復させることが必要です。

普段よりも長めに睡眠を取り、必要なら昼寝をすることも効果的です。

無理をしない


体調が悪い時は、無理をせずに家でゆっくり過ごすことが大切です。

激しい運動や睡眠を削っての仕事、過度のストレスは出来る限り避けましょう。

社会的責任の意識


インフルエンザ 潜伏期間

人混みを避ける


潜伏期間中は、知らず知らずのうちに他人にウイルスを広めてしまう可能性があるため、できる限り人混みを避けることが望ましいです。

自宅での作業


可能であれば、自宅で仕事をするなどして、職場や学校への出勤・登校を控えましょう。

医療機関への相談


インフルエンザ 潜伏期間

早期の医療相談


体調に異常を感じた場合は、早めに医療機関への相談を検討してください。

特に、高齢者や基礎疾患を持つ人は重症化しやすいため、注意が必要です。

これらの過ごし方は、自分自身だけでなく、周囲の人々をインフルエンザ感染から守るためにも重要です。

潜伏期間中でも各自が自覚的に行動することで、感染の拡大を防ぐことが可能です。

普段から行動を意識して健康を維持し、周囲に配慮した行動を心がけましょう。

インフルエンザになったときの対処法は?


インフルエンザに感染した場合には、適切な対処法を取ることが症状の軽減と早期回復につながります。

ここでは、インフルエンザに感染した際の具体的な対処方法について詳しく説明します。

早期に医療機関を受診する


インフルエンザ 潜伏期間

迅速な診断と治療


インフルエンザを疑う症状が現れたら、翌日くらいには医療機関を受診しましょう。

あまりにも受診が早いと診断がつかないことがありますが、迅速な診断と治療が何より重要です。

特に発症から48時間以内に受診することで、抗インフルエンザ薬の効果が高まります。

抗インフルエンザ薬の服用


医師の処方に従って、必要な場合には抗インフルエンザ薬を服用しましょう。

これらの薬はウイルスの増殖を抑え、症状の軽減と回復を早める効果があります。

ただし薬を飲んだとしてもすぐに症状がなくなるわけではないので、十分な休息をとって体力の回復に努めることが大切です。

十分な休息を取る


インフルエンザ 潜伏期間

できるだけ安静に過ごす


体力を十分に回復させてウイルスと戦うためには、十分な休息が必要です。

できる限り自宅で安静に過ごし、必要なら休暇を取って休養をとりましょう。

適切な睡眠


良質な睡眠は免疫機能をサポートします。

夜遅くまで仕事や作業を行うことは止めて夜は早めに床に就き、昼間も体が必要とするときは無理せず休息を取りましょう。

水分補給を心がける


インフルエンザ 潜伏期間

十分な水分摂取


発熱時には自分で思っている以上に体が多くの水分を失います。

脱水症状を防ぐためにも、水やお茶、スポーツドリンクなどでこまめに水分を摂るようにしましょう。

また、カフェインやお酒は利尿作用があり水分摂取には適さないため、摂り過ぎないように注意してください。

飲みやすい飲料の選択


のどの痛みがある場合には、温かい飲み物やスープ、生姜湯などが飲みやすいかもしれません。

水分補給のためにも症状にあった飲み物を選んでください。

栄養バランスの良い食事をとる


インフルエンザ 潜伏期間

消化の良い食事


食欲がない時でも、体力維持のためには栄養を十分摂取することが大切です。

身体に余分な負担をかけないようになるべく消化の良い柔らかい食事や、栄養バランスの取れた食品を選びましょう。

ビタミンとミネラルの摂取


インフルエンザからの回復に必要な免疫機能をサポートするために、野菜や果物を中心にビタミンやミネラルが豊富な食品を意識的に摂ることが効果的です。

症状の緩和


インフルエンザ 潜伏期間

解熱薬の適切な使用


高熱で苦しい場合には、医師の指示に従って適切に解熱剤を服用しましょう。

解熱薬は体温が何度以上だから飲む、というのはあくまで目安であり、体温がそこまで高くなくても頭痛や関節痛など全身の症状が強い場合には内服して問題ありません。

ただし、基礎疾患や併用薬剤がある場合には内服する解熱薬の種類や使用間隔に注意が必要な場合もありますので、医師や薬剤師の指示を確認してください。

うがいと加湿


喉の痛みを和らげるために、定期的にうがいをしましょう。

うがい薬がない場合でも、水だけのうがいでも効果は期待できます。

また、加湿器の使用など室内の湿度を適切に保つことで、喉や鼻の粘膜を保護することができます。

感染の拡散を防ぐ


インフルエンザ 潜伏期間

他人との接触を避ける


感染を周囲に広げないためにも、他人との接触をなるべく避けるようにしましょう。

特に、高齢者や免疫力が低下している人との接触は避けるべきです。

咳エチケットの実践


咳やくしゃみをする際は、必ずティッシュや肘、手などで口と鼻を覆い、周囲への飛沫の拡散を防ぎましょう

その後に手洗いやうがいなども行うとより効果的です。

症状の悪化に注意する


インフルエンザ 潜伏期間

症状の変化に注意


息苦しさや胸の痛み、症状の長期化など、症状の悪化が見られる場合にはすぐに医療機関を受診して指示を仰ぐようにしましょう。

インフルエンザの治療と回復の過程では、自己管理と適切な医療ケアの両方が重要です。

健康を第一に考え、自分自身だけでなく他者への感染拡散も防ぐための行動を心がけましょう。

関連記事:免疫力を高める方法や食べ物について|低下してしまう原因も解説

西春内科在宅クリニックができる対応


西春内科在宅クリニックでは、インフルエンザに対する包括的な対応を提供しています。

インフルエンザの疑いがある患者に対して迅速な診断を行います。

当院では、インフルエンザ・新型コロナウイルスの同時検査を使用し感染しているかどうか確認することが可能です。

患者様の状態に合わせた抗インフルエンザ薬や解熱薬などの処方を行います。

インフルエンザの予防接種も行っていますのでお気軽にご相談ください!



まとめ


この記事を通じて、インフルエンザの基本的な知識から具体的な対処法に至るまで、幅広く解説してきました。

インフルエンザは単なる風邪とは異なり、その感染力や影響は重大な問題となります。

特に、潜伏期間中の感染力や適切な対処法の理解は、自身と周囲の健康を守るために重要です。

発熱や風邪症状などがある場合は早めに医療機関を受診しましょう。

当クリニックでも、発熱外来にて対応ができますのでお気軽にご相談ください。


参考文献

インフルエンザ:日本呼吸器学会

インフルエンザとは:国立感染症研究所

この記事の監修医師

監修医師: 循環器内科 小正 晃裕

  • 関西電力病院 循環器内科

監修医師: 西春内科・在宅クリニック 院長 福井 康大


▶︎詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

三重大学医学部医学科 卒業
三重県立総合医療センター 
N2 clinic