高脂血症の症状とは?まぶたやアキレス腱にしこりができる?
いきなりですが、皆様。
高脂血症という病気をご存知でしょうか?
高脂血症とは、血中の中性脂肪や、コレステロール値が高い状態を示します。
現在では、高脂血症とは呼ばれず「脂質異常症」と診断名が変更されています。
今回はそんな高脂血症の概要や、原因や症状などについて詳しく解説していきます。
是非参考にしてみて下さい。
目次
高脂血症とは
高脂血症とは前途したように名称が変更され、現在は「脂質異常症」という診断名となっています。
血液中の中性脂肪や、コレステロール値が正常域を外れた状態を指します。
高血圧、糖尿病と同じように生活習慣病に含まれており、ほとんどが無症状です。
放置させていると動脈硬化が進み、脳卒中や心筋梗塞などといった命に関わるリスクが高まります。
関連記事:高血圧症と脂質異常症は気が付きにくい?定期的な健診が大切!
高脂血症の症状
高脂血症の症状として、自覚症状がほとんどありません。
しかし、放置していると動脈硬化が進み命に関わる重大な病気を引き起こすことから「サイレントキラー」とも呼ばれています。
高脂血症の他、高血圧症や、糖尿病も同じく「サイレントキラー」に含まれます。
まぶたやアキレス腱にしこりができることも
高脂血症の主な症状として黄色腫というものがあります。
まぶたの内側にできやすい黄色みを帯びたふくらみです。
大量に脂質を蓄積したマクロファージが幾度に積み重なることで発症します。
また、まぶたのみでなくアキレス腱が太く厚くなることがあります。
アキレス腱にコレステロールやコレスタノールが蓄積した場合に出現します。
高脂血症の原因
先述した通り、高脂血症は生活習慣病です。
そのため、原因として以下などが上げられます。
- 食べ過ぎ
- 運動不足
- 喫煙
- ストレス
その他、遺伝や体質などの様々な要素が複数重なり合って高脂血症になっていきます。
○○をしたので高脂血症になる。○○しなければ高脂血症にならなかったと考えるのはよくありません。
高脂血症でよく起こる合併症とは
サイレントキラーと呼ばれる高脂血症ですが、次に合併症について詳しく解説していきます。
動脈硬化
動脈硬化とは、血管が硬くなり弾力が失われた状態を指します。
高脂血症で血液中に脂質が増えすぎると、コレステロールが血管内に溜まり動脈硬化を引き起こします。
また、動脈硬化が進むことで脳卒中や心筋梗塞を引き起こします。
狭心症
狭心症とは、成人の心臓病で最も多い疾患です。
心臓の筋肉に酸素が足りず、胸の痛みや一時的な圧迫感などの症状が現れます。
狭心症も動脈硬化を進行させることで心臓をとりまく動脈(冠状動脈)が狭くなり狭心症を引き起こします。
狭心症が原因となって亡くなることがありませんが、放置しておくと心筋梗塞を引き起こし亡くなってしまう場合もあります。
虚血性心疾患
虚血性心疾患とは、動脈硬化や血栓などが原因で心臓の血管が狭くなり心臓に酸素や栄養が充分にいきわたらなくなることで起こる病気です。
前述した狭心症や心筋梗塞が含まれます。
原因が動脈硬化なので、高脂血症で動脈硬化が進むことで虚血性心疾患を引き起こします。
脳梗塞
脳梗塞とは、脳の血管が詰まることで血流が途絶え、脳の神経細胞が死んでしまう疾患です。
血流が途絶えると数時間以内に脳の神経細胞は完全に死んでしまい、再生は困難と言われています。
動脈硬化が原因となって脳梗塞が引き起こされることがあります。
関連記事:高血圧・糖尿病だと腎不全になりやすい?腎不全になりやすい人の特徴
高脂血症の治療法
食事療法
血液中のコレステロールは食事から吸収されるものもあります。
そのため、コレステロールが多く含まれる食事を摂取しすぎると、血液中のコレステロールの値が上昇します。
食べ物を摂取する際のコレステロール量は1日200mg以下を目標にしましょう。
また、体内のコレステロールを増やしやすくしてしまう飽和脂肪酸を含む牛・豚の死亡やバターなどを控え、コレステロールを下げる働きのある不飽和脂肪酸を含むマグロやサンマなどの魚やオリーブオイルなどを摂取しましょう。
その他、食物繊維を多く摂取したり、糖質を摂りすぎないことも重要です。
運動療法
高脂血症の治療として、中強度以上の有酸素運動を定期的に行うことがおすすめです。
有酸素運動の具体的な例は以下などです。
✅ウォーキング
✅水泳
✅エアロビ
✅サイクリング
✅スロージョギング
上記などの有酸素運動を毎日30分以上続けることをおすすめします。
30分という時間は合計で構いません。
少しずつ複数回に分けて合計30分以上になるように運動を行い継続することが大切です。
薬物療法
高脂血症は生活習慣病です。
そのため、いきなり薬での治療を開始するのではなく、まずは食事・運動療法を開始します。
食事・運動療法を行ったけれども改善がされなかった場合に、以下などの薬剤を使用し治療を行います。
①HMG-CoA還元酵素阻害剤
代表薬剤名:ロスバスタチン・アトルバスタチン・クレストールなど
コレステロールの合成速度を制御する酵素の働きを妨げる薬剤です。
②小腸コレステロールトランスポーター阻害薬
代表薬剤名:エゼチミブ
小腸からのコレステロールの吸収を制御することで、血中の悪玉コレステロールを低下させる薬剤です。
③EPA・DHA製剤
代表薬剤名:ロトリガ・エパデール
血小板凝集作用を抑え、動脈の血管壁の弾力性を保持する薬剤です。
④高脂血症治療剤
代表薬剤名:パルモディア・ベザフィブラート・フェノフィブラート・ベザトール
中性脂肪を減らす薬剤です。
これらの薬剤は、医師が診察・検査の結果から患者様に合わせて処方を行います。
自己判断での仕様は禁物です。
女性特有の高脂血症の原因とは?
女性の場合、50歳をすぎると閉経が伴います。
エストロゲンという女性ホルモンが脂肪代謝を助けていますが、閉経後はエストロゲンが減少していきます。
そのため、脂肪代謝も下がり、中性脂肪が増加しやすくなります。
上記のことから、閉経後は不摂生をしていなくても高脂血症になりやすくなっています。
女性の場合、更年期に入ってからは食生活や運動などで高脂血症のリスクを下げることが重要です。
高脂血症の相談なら西春内科・在宅クリニックまで
西春内科・在宅クリニックでは、高脂血症の検査として血液検査が可能です。
問診、身体診察などで高脂血症の兆候が見受けられたら血液検査を行います。
血中の総コレステロール値、善玉コレステロール値、悪玉コレステロール値、中性脂肪値を測定し、検査の結果から高脂血症と診断した場合、食事・運動療法をはじめ、適切な生活週間のアドバイスを行います。
食事・運動療法で改善が見られない場合、適切な薬剤の処方も行えますのでまずはお気軽にご相談ください。
症状のない疾患ですので、定期的な健康診断も大切です。
当院では、健康診断も行えますので気になることがある場合はお気軽にご相談ください。
まとめ
今回は、高脂血症の概要や、原因や症状などについて解説しました。
いかがでしたでしょうか?
生活習慣病の一つである高脂血症。
名の通り、生活習慣で改善が望める疾患です。
症状があまり出ない事が多いので軽く考えがちですが、放置しておくことで命に関わる合併症を発症する事もあります。
どんな疾患も早期発見・早期治療が大切です。
定期的な健康診断を行い、どこかに悪いところがないか、悪いところはしっかりと治療を行っていきましょう。
参考文献
神奈川ひまわりクリニック|高脂血症(脂質異常症)
e-ヘルスネット|脂質異常症を改善するための運動
順天堂大学医学部附属順 天堂医院|脂質異常症の食事療法
日本動脈硬化学|動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版