体のむくみを取る方法とは?出やすい場所はどこ?

公開日:2024.5.24 更新日:2024.5.25

むくみ

こんにちは!西春内科・在宅クリニックです!

「夕方になると足が疲れる」「朝起きると顔がパンパンに」とお困りになった経験がある方もいらっしゃると思います。

むくみが出やすい場所がある事をご存じでしょうか?

今回はむくみが出やすい場所や部位ごとの対処法、原因などをご紹介します。

 

 

体のむくみの原因と予防方法は?


むくみ

「むくみ」というのは、体内の余分な水分や塩分が皮膚の下の組織に溜まっている状態です。

主な原因は大きく分けると2つあります。

1つ目は血流の悪化です。

血流が悪くなると酸素や栄養がうまく行き渡らず、水分や塩分のバランスが崩れてしまいます

その結果、血管から水分が出てしまう量が増えたり、血管やリンパ管が水分をうまく吸収できなくなります。

2つ目はリンパの流れの悪化です。

リンパの流れが滞ると、皮膚の下の組織に余分な水分や老廃物がたまります

この2つを引き起こす要因は多種多様で生活習慣や環境によって変化します。

そこで原因のいくつかを紹介するので、自分の生活習慣と比較しながら原因を見つけてみてください。

長時間の同じ姿勢


長時間同じ姿勢をとると血流が滞り、むくみが起こります。

デスクワークで座る時間が長かったり、長時間の立ち仕事が多かったりするとリスクが高まります。

こまめに席を立ったり、歩いたりするして予防しましょう。

運動不足


運動不足になると筋力が低下し、血流が悪化します。

適度な運動を習慣化し、筋力の低下を防ぐことが重要です。

過剰な水分・塩分の摂取


過剰な水分や塩分の摂取は、体内の水分バランスが崩れてしまう原因となります。

特に塩分の高い食事を摂ると、それを薄めるために余分な水分をため込んでしまいます

この結果、体内の水分量が増え、むくんでしまいます。

バランスの取れた食事と適切な水分摂取量を心掛けることで、予防することが出来ます。

体の冷え


体が冷えると筋肉が硬くなってしまい、血流やリンパの流れが滞り、むくみを引き起こします。

身体を温めることで筋肉を緩め、血流を改善することで予防できます。

むくみ

アルコールの摂取


お酒を飲んだ次の日に、むくんでいた経験がある方もいるのではないでしょうか?

アルコールを摂取すると血中のアルコール濃度が高まり、血管が拡張します。

それによって血管やリンパ管の働きが悪くなり、水分や老廃物が溜まってしまいます

また、アルコールの利尿作用によって体内から水分が排出され、塩分濃度が高まるのを緩和しようと水分を過剰摂取してむくんでしまうことも。

女性ホルモンの変動


女性の場合、女性ホルモンの変化によってむくみが起きることがあります。

排卵期の後、プロゲステロン(黄体ホルモン)という女性ホルモンの分泌量が増加します。

プロゲステロンは女性の体内で作られるホルモンで、妊娠や月経周期を調節するホルモンです。

このホルモンには体内に水分を蓄える働きがあるのでむくみが生じます。

妊娠・出産


妊娠中、お腹が大きくなると足の血流が悪くなり、足がむくみやすくなります

しかし、足だけでなく全身がむくんでいる場合は「周産期心筋症」による心不全の可能性があるので速やかに医療機関を受診しましょう。

薬の副作用


薬の副作用でむくみが生じる場合もあります。

例えばロキソプロフェンやアセトアミノフェン、血圧を下げるカルシウム拮抗薬、血圧を下げるACE阻害薬、抗生剤、抗がん剤、抗不整脈薬、抗うつ薬などが挙げられます。

服用を開始した際にむくみが生じた場合は、医師に相談するようにしましょう。

 

関連記事:高齢者の足のむくみの原因とは|放っておくと危険な理由も解説

 

体のむくみが出やすい場所は?


むくみ


顔は他の部位に比べて皮膚が薄く、表情筋や表面の血管が多いです。

このため、輪郭や表情に影響を与えやすく、目立ちやすいです。

「耳の下」「小鼻の横」この2か所を押したときに痛みがある場合は、むくんでいるという目安になります。


手、特に指はむくみやすいです。

立っているときに手を下に降ろしている事が多いと、重力の影響を受けて水分が溜まってしまうことが原因です。

歩行しているときも手を振った際の遠心力で指先に水分が溜まりやすくなります

なので、1日の終わりにむくんでいることが多いです。


脚も重力の影響を受けやすく、水分が下に溜まってしまうためむくみやすい場所です。

女性に多いものだと、着圧ストッキングなどで血流やリンパが滞ってしまうことも原因に挙げられます。

むくんでいるかチェックする方法は、指で5秒ほど押した後、手を離し10秒以上凹んだままであればむくんでいる証拠です。

他にも靴下跡が残ったままであったり、朝履いていた靴が夕方になると入らなくなったりします。

大腸


大腸もむくみを引き起こすことがあり、「むくみ腸」と呼ばれます。

臓器の中でも大腸や胃は消化やガスの生成の機能があるので、むくみやすい臓器です。

むくみ腸は、目で確認することはできませんが以下の症状が出ることがあります。

  • 便秘
  • 残便感
  • 下腹が張る
  • おならが臭い
  • ガスがたまる
  • 膨満感がある


当てはまる項目が多いほどむくんでいる可能性が高いです。

肌荒れや生活習慣病、免疫力の低下につながるので日頃のお通じの状態に注意することが重要です。

 

 

体のむくみが見られる病気・疾患


むくみ

むくみは、なんらかの疾患によって引き起こされている場合もあります。

特に疑われるのは血流やリンパなどの循環に関係している「腎臓」「心臓」「肝臓」です。

詳しく解説してまいります。 

腎機能障害


腎臓は血液中の老廃物をろ過し、尿として体外に排出する機能を担っています。

腎機能が低下していると、ろ過がうまく機能せず、水分や老廃物が溜まってしまいむくんでしまいます。

心不全


心臓が十分に機能せず、血液を体中にうまく送り出せていない状態です。

必要な酸素や栄養が不足し、むくみだけでなく疲労感も生じます。

肝硬変


肝臓では、血管内に水分を保持する働きを持つアルブミンなどのタンパク質を合成しています。

しかし、肝硬変によって肝機能が低下するとアルブミンなどの合成が減少します。

その結果、血管内の水分が保持されず、血管から水分が漏れ出てしまい、全身にむくみが生じることとなるのです。

下肢静脈瘤


女性によく見られる病気で、下半身の静脈が浮き出てきます

良性の病気なので命に関わるものではありませんが、足のむくみやだるさが生じます。

原因としては長時間の立ち仕事、遺伝的なもの、運動不足などです。

女性に多い理由は妊娠に関するホルモンが影響しているためと考えられています。

リンパ浮腫


がんなどでのリンパ節の切除、放射線治療、一部の薬物療法などにより、リンパ液の流れが悪くなることがあります。

その結果老廃物がたまり、むくんでしまいます

むくみ以外には、関節が曲げづらくなったりといった症状が見られるケースもあります。

体のむくみを取る方法は?


むくみ

適度な運動


体を動かすことで全身の血流、リンパの流れを活性化することが出来ます。

ウォーキングや水泳などの全身を使った有酸素運動が特におすすめです。

他にもサイクリングやストレッチもむくみに効果的です。

週に数回、30分から60分ほどが目安ですが、5分ほどでも効果を得られます。

また、運動する際は水分補給を十分に行いましょう。

脚を高くする


脚は他の部位よりも水分などが溜まりやすいところです。

寝る前などに10~20分ほど、脚を心臓よりも高くしてあげると血流が改善し、むくみに効果的です。

漢方薬を試してみる


漢方は複数の生薬を組み合わせた薬です。

身体に不要なものを取り除いたり、代謝を改善したりと、幅広い効果を期待できます。

藿香正気散(かっこんしょうきさん)


胃腸の働きを助けたり、体内から余分な水分を排出することを助けてくれます。

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)


こちらも胃腸の働きを助ける効果があります。

違いとしては、汗をかいた後の体の冷えや疲労を改善してくれます。

五苓散(ごれいさん)


胃腸の消化機能を改善し、余分な水分を排出する助けをしてくれます。

お酒や水分を取り過ぎた時のむくみに効果的です。

漢方薬の服用には、専門の医師や薬剤師に相談し、体質に合ったものを使用することが大切です。

マッサージをする


1日に1回、入浴後などの体が温まっている時に行うと効果的です。

心臓から遠い所から近い所へ向けて、痛気持ちいい力加減でマッサージすることがポイントです。

例えば足先から足首、ふくらはぎ、太ももといった順番で行います。

指のお腹や手のひらを使って、円を描くようにやさしくもみほぐしましょう。

力加減が強すぎると、皮膚や筋肉を傷つけてしまいます。

体を温める


湯船につかったり、半身浴を行うことで血流が改善します。

忙しくて湯船につかれない場合も、足元だけお湯を貯めて足湯にするだけでも効果があります

他にも温かい飲み物を飲んだり、冷房を使っているときは温度を少し上げる事でも効果的です。

 

 

足のむくみを即効で解消する方法はある?


むくみ

マッサージを行ったり、足の裏を刺激することだけでも一時的に解消することは可能です。

長時間同じ姿勢だった場合は少し歩くだけでも効果を得られます。

しかし、慢性的なむくみは即効で解消することは難しいです。

その場合は医師に相談することが大切です。

体のむくみは何科に行けばいい?


むくみ

症状によって受診する診療科が変わります。

まずは以下の症状が当てはまるかどうかで緊急性が高いか判断します。

緊急性が高い場合は救急外来か循環器内科を受診しましょう。

  • 突然むくみが生じ、痛みもある
  • 息苦しさ、胸の苦しさがある
  • 急なむくみと脚や手などの変色がある

それ以外の、慢性的なむくみ、むくみ以外にも症状がある場合、他の病気を治療しているときには、かかりつけ医もしくは内科に受診しましょう。

西春内科・在宅クリニックでできる対応


西春内科・在宅クリニックでは症状に合った漢方薬の処方、血液検査などが可能です。

それをもとに適切な治療方針の提案を行います。

患者様の症状や状況に応じて、適切な診察と迅速な対応を行いますのでご安心ください。

 

 

【まとめ】体のむくみは病気のサインかも?早めの診察を!


むくみは体内に余分な水分や老廃物が溜まった状態です。

意外にも夏に多い疾患でもあり、冷房や冷たい飲み物を多く摂取することが原因になります。

主に生活習慣や食事で改善することは可能ですが、中には大きな病気が潜んでいる可能性があります。

突然のむくみや痛みがある、慢性的なむくみがある際は速やかに医療機関を受診しましょう。

参考文献

むくみの原因9つを徹底解説!原因ごとの予防法や解消法も紹介 | MediPalette

【簡単】むくみをチェックする方法を症状・部位別に解説!足・顔・内臓を確認しよう

浮腫:むくみの原因は?どんな場所に起こるの?対処法は?検査や治療は?

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この記事の監修医師

監修医師: 西春内科・在宅クリニック 院長 福井 康大


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経歴

三重大学医学部医学科 卒業
三重県立総合医療センター 
N2 clinic