食中毒になったときの対処法|原因となりやすい食材や予防法も紹介

公開日:2024.5.29 更新日:2024.10.08

食中毒

私たちは生きていく中で多くのものを口にしてきました。

しかし、食品にはウイルス・菌が付着しており、食中毒になる可能性があることをご存じですか?

菌が食品に付着していても、腐敗とは異なり『味・色・匂い』が変化することは少ない為、気が付かず摂取してしまい食中毒症状が出ることが多いです。

今回はそんな食生活を脅かす「食中毒」について原因や予防・対処法をご紹介します。

 

 

食中毒とは


食中毒

食中毒とは原因物質が付着した食品を摂取したことで、腸などの消化器に症状が起こることです。

発症する原因としては、大きく下記の2つが考えられます。

  • 有害、有毒物質(毒キノコ・アニサキスなど)を摂取したことで、原因物質が直接的に毒物となり症状が出る場合
  • ウイルス、細菌(カンピロバクター・黄色ブドウ球菌・ノロウイルスなど)といった微生物が消化官で増殖し感染症として症状が出る場合

食中毒の主な症状は下痢・腹痛・嘔吐などですが、発熱・倦怠感などの症状が出ることもあります。

基本的に食中毒は人から人に感染は少ないです。

ですが、腸官出血性大腸炎O-157・赤痢菌・ノロウイルスなどは感染力が強い為、人から人へ感染することがあります。

感染する種類(菌・ウイルス・原因物質)によって

  • なぜ症状が起こるのか
  • どんな食品に付着しているのか
  • いつ症状が出るのか
  • どんな症状が出るのか


…などが異なります。

原因が違えば予防方法も異なってきます。

自己判断で対処せず、原因・症状にあった対処をしていきましょう。

 

関連記事:腹痛と「吐き気」「冷や汗」「顔面蒼白」「下痢」が同時に見られる場合に考えられる原因とは?

 

原因の種類・詳しい特徴


食中毒

食中毒は原因となる菌やウイルスによって大きく5種類に分けられます。

  1. 細菌性食中毒:カンピロバクター、サルモネラ、腸管出血性大腸菌(O157・O111等)、黄色ブドウ球菌、セレウス菌、ボツリヌス菌
  2. ウイルス性食中毒:ノロウイルス、A型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス
  3. 化学性食中毒:洗剤・農薬・食品添加物・水銀(鉛)
  4. 自然毒食中毒:ふぐ・貝・トリカブト・毒キノコ・カビ
  5. 寄生虫食中毒:アニサキス・クリプトスポリジウム


食中毒の原因の大部分は、①細菌性食中毒②ウイルス性食中毒が占めています。

細菌性食中毒は梅雨から夏場にかけて多く発生し、ウイルス性食中毒は冬場にカキなどから発生することが多いです。

カキを食べて苦しい思いをした方、私だけではないですよね…?(笑)

 

 

各食中毒の特性・対処法


食中毒

原因となる主な細菌やウイルスの特徴・症状、そして対処法を一覧表にしました。


細菌性食中毒




(注1)ギラン・バレー症候群とは

原因ははっきりしていないが細菌感染・ウイルス感染などがきっかけで起こる病気です。

自身を守るための免疫システムが活発化し、自己の末梢神経を攻撃して手足に力が入りにくくなり、手足から徐々に身体や顔に症状が広がります。

重症の場合は呼吸に関係する筋肉の麻痺や自律神経に障害が起こり、不整脈や発汗の異常などの症状が起こることもあります。

(注2)乳幼児ボツリヌス症とは

ボツリヌス菌が作り出す、ボツリヌス毒素(自然界最強の毒素)によって神経麻痺性の中毒症状が起こる疾患です。

具体的な症状として、便秘、母乳を飲む力が弱くなる、よだれの増加、泣き声が小さいといったもので、重症の場合は呼吸困難になる事もあります。

大人と違い1歳未満の乳幼児は腸内環境が整っていないため、ボツリヌス菌が増殖・発育しやすく症状が悪化してしまいます。

はちみつ・黒糖・コーンシロップに含まれている可能性が高いです。


ウイルス性食中毒


食中毒

ウイルス性食中毒の中でも特に多い「ノロウイルス」についての特徴や症状、対処法です。

こちらを参考にして安全に牡蠣を食べましょう!

食中毒

 

関連記事:ストレス性胃腸炎とは?何日で治る?仕事は休むべき?

 

食中毒の対処方法とは


食中毒

基本的に食中毒は悪いものを体外に出し切る方が良いとされています。

自己判断で市販の下痢止め・吐き気止めで様子を見るのではなく、病院へ相談・受診し適切な診断・処方を受けて様子を見ていきましょう。

受診の目安


  • 水分が取れない
  • 血便がある
  • 症状が継続・悪化している 
  • 体の弱っている人(乳幼児・高齢者・妊娠中など)

 

上記に当てはまる場合は、消化器内科へ早めに受診・再診をしましょう。

自宅での様子の見方


【水分補給】


少量ずつでいいので摂取していきましょう。

  • スプーン1杯の少量(白湯・経口補水液)
  • 吐き気、嘔吐がなければ10分ごとに摂取
  • 本人が食べられる物、消化にいい(おかゆ・バナナ・リンゴ)ものを少量ずつ食べる

【嘔吐症状】


吐きやすい体勢、のどに詰まらない体勢をとりましょう。
  • 右を下に横向き(嘔吐物がのどに詰まり窒息する可能性があるので、乳幼児は注意)
  • 上体を少し高くする
  • 膝を曲げお腹を楽にする
  • 服を緩め体への刺激を軽減

【呼吸症状】


肩呼吸(ゼコゼコ)・呼吸時に鎖骨辺りがくぼんでいる・口周りが紫等の症状あれば

  • 寝ている方が楽な人は、横向きにして寝かせてあげる
  • 座っている方が楽な人は、机あり:クッションを置き、抱えるように前かがみになる
                机なし:手を膝につき前かがみ
  • 煙、冷気等の刺激を除去する
  • 服を緩め呼吸しやすくする

 

〖あるといいもの〗

感染拡大を予防するためのおススメグッズです。

  • マスク
  • ビニール袋
  • 手袋
  • バケツ
  • キッチンペーパー(もしくは新聞)

 

 

食中毒を予防するには


食中毒

食中毒を起こさない為に出来る事は、そんなに難しくありません。

少し意識を向けるだけで出来ることばかりなので、下記の3点を実施してみてください。

  1. 【付けない】菌を付けない(手指・調理機器を適時洗う、消毒する)
  2. 【増やさない】早めに食べる(長期間の保存や常温での放置をしない)
  3. 【やっつける】十分な加熱(温度・時間を意識して調理する)

 

上記のポイントを注意するだけで防げる可能性がグンと上がります。

 

関連記事:虫垂炎の原因や症状について知りたい!治療や手術は?

 

西春内科・在宅クリニックでできる対応


西春内科・在宅クリニックでは症状の経過等を問診し、必要に応じたお薬の処方や経過観察中のフォローアップを行います。

また、脱水症状が見受けられる場合は点滴などを実施し適切な処置を行います。

ご不安な際はいつでもご相談・ご来院頂ければと思います。

 

 

【まとめ】食中毒の正しい対処法を知ろう


食中毒などの体調不良が起きるのはいつも突然です。

もし起きたときは正しい対処法をとり、療養期間を短くしていきましょう。

間違った対処法をすると症状の長期化・周囲への感染拡大といった状態に・・・。

症状が出た際は医療機関へ相談・受診をし、正しい診断・処置を受けることが大切です。

安全な調理・管理方法で、おいしいご飯を食べるのが一番!

ご家族皆様健康で素敵な毎日が送れるようにしましょうね。

参考文献

食中毒の種類と症状について | 医療法人AGIH 秋本病院

食中毒になるとしたら、何時間後くらいに具合が悪くなるのですか?【食品安全FAQ】

食あたり(食中毒)の対処法は?医療機関を受診する目安や注意点を解説 

食中毒の原因について。ご家庭での予防方法も解説 | キャップスクリニック(医療法人社団ナイズ)

この記事の監修医師

監修医師: 福井 康大