睡眠障害は何科に行けばいい?原因や症状を徹底解説

公開日:2024.6.01 更新日:2024.11.13

睡眠障害

こんにちは!西春内科・在宅クリニックです!

皆様、睡眠はしっかりと取れているでしょうか?

なかなか寝付けずにお悩みの方も少なくないのではないでしょうか?

寝なきゃと焦れば焦るほど眠れなくなりとても辛い時があると思います。

本記事では「睡眠障害」について、原因や種類、治し方などをご紹介します。

 

 

睡眠障害の主な原因


睡眠障害

睡眠障害とは睡眠の量や質が適切ではなく、日常生活に支障をきたす状態です。

その状態を引き起こす原因は実に多岐にわたります。

ここでは主な原因を紹介いたします。

不眠症


睡眠障害と言えば「不眠症」を思いつく方が多いのではないでしょうか?

夜の寝つきが悪い、眠りが浅くすぐに起きてしまうという様に睡眠が十分に取れていない状態です。

その結果日中の慢性的な眠気や疲れ、集中力の低下などの症状が現れます。

日本人の5人1人は不眠症に悩まされているほど最も多い睡眠障害です。

睡眠時無呼吸症候群


睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりを繰り返し、体の低酸素状態が発生している病気です。

10秒以上息が止まる状態を無呼吸といい、平均して1時間に5回以上無呼吸が見られる場合は睡眠時無呼吸症候群とされます。

気道が細くなる「閉塞型」、呼吸を司る脳の機能低下が原因の「中枢型」に分かれ、閉塞型が大部分を占めます。

睡眠時に空気の通り道が舌の付け根によって塞がれ呼吸が妨げられ、無呼吸、または断続的に空気が通っているいびきをかいている状態になります。

息苦しくて目覚めてしまったり、起床時に頭痛や倦怠感が生じます。

体が低酸素になる為、心臓、脳などに負担がかかり糖尿病や高脂血症などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります

脂肪により気道が狭くなりやすい為、肥満に深く関係しています。

レストレスレッグス症候群(RLS)


「むずむず脚症候群」とも呼ばれます。

お布団に入った後や、じっと座っているときに、脚の内側から不快感があり、脚を動かすと和らぐといった症状があります。

この不快感からうまく入眠やリラックスできずにストレスへと繋がります。

原因は解明されていませんが、神経同士の連絡を担う「ドパミン」という物質がうまく働かなくなるという説が有力です。

他にも鉄分不足、遺伝といった説もあります。

起立性調節障害


何らかの原因によって自律神経が乱れ、覚醒状態と休息状態のバランスが崩れてしまうことで起きる障害です

症状として眩暈やふらつき、頭痛、朝起きられないといったことが挙げられます。

小学校高学年から中学生の年齢での発症が多く、学校に行けなくなるといった問題もあります。

 

関連記事:不眠とうつの関係性について|コロナ後遺症の可能性もある?

 

睡眠障害のそのほかの要因


睡眠障害

上の項目で紹介した原因以外にも睡眠の量や質を低下させてしまう要因があります。

このような要因が一つだけではなく様々な要因が組み合わさり睡眠障害を引き起こします。

もし、今睡眠障害で悩んでいるのであれば、現状と比較してみましょう。

ストレス


日中の強いストレスや、眠らなきゃといったプレッシャーからくる慢性的な不安や緊張が原因で睡眠障害をきたすことがあります。

不規則な生活スタイル


睡眠には「メラトニン」というホルモンが重要です。

このホルモンは別名「睡眠ホルモン」と呼ばれており、体内時計に働きかけ覚醒と睡眠を切り替える作用があります。

これは太陽の光を浴びることで分泌が低下し、およそ15時間後に再分泌されて、眠気を感じるようになります。

不規則な生活、寝る時間がバラバラだったり、夜型の生活になると、うまくメラトニンが分泌されず、睡眠障害をきたします

身体的な問題


かゆみや、慢性的に痛みがあったり、気管支喘息などの呼吸困難、前立腺肥大や膀胱炎などの刺激といった、他の疾患による影響で睡眠がとれない事があります。

また、加齢による影響もあり、メラトニンの減少や体内時計の機能低下が原因で睡眠時間が少なくなります。

精神的な問題


うつ病などの精神病は高い確率で睡眠障害を併発してしまいます。

強い不安感により睡眠を阻害され、浅い睡眠になり睡眠の質が悪くなり、日中の活動にも集中力の低下や疲労感が残ったりします。

逆に睡眠障害からうつ病を発症する場合もあります。

薬剤の影響


治療中の薬の副作用で睡眠障害が発症することがあります。

身近なところで言うと花粉症などのアレルギー反応に使用される抗ヒスタミン薬です。

これは体の覚醒を促すヒスタミンという成分の働きを弱くする薬です

その結果眠気が生じ、体内時計を乱してしまう原因になります。

他にも副腎皮質ステロイド、気管支拡張薬、降圧薬などが挙げられます。

環境要因


騒音や気温などの環境が原因で睡眠を妨げられ、睡眠障害を起こしてしまいます。

照明が明るすぎて眠れなかったり、海外出張などで時差ぼけが原因になる事もあります。

 

 

睡眠障害の症状


睡眠障害

入眠障害


布団に入ってから30分~1時間以上かからないと寝られない状態です。

入眠時間は人によって異なるので、一概に障害とは言えませんが、基準となるのはそれが苦痛で、生活に支障をきたしているかどうかです。

中途覚醒


眠りが浅く、何度も目覚めてしまう状態です。

しっかりと寝た感覚が無く、日中に注意が散漫になったり、眠気に襲われたりと支障が出てしまいます。

早朝覚醒


起きたい時間や、普段の起床時間の1時間以上前に目覚めてしまい再び寝付けない状です。

日中の活動に支障がでたり、それが苦痛かどうかで障害になるかを決定します。

また、生活リズムが崩れ、昼夜逆転に繋がることもあります。

熟眠障害


「熟眠感欠如」とも言われ、十分に寝たはずなのに疲れが取れない、寝た気がしないなどの症状がでる障害です。

寝ていても眠りが浅く睡眠の質が不十分な場合に起こります。

 

関連記事:風邪をひいたらひたすら寝るのが効果的?体調が悪い時の過ごし方を徹底解説

 

寝すぎも睡眠障害?


睡眠障害

「過眠症」と言い、夜十分な睡眠をとっていても日中に強い眠気に襲われ、目覚めていられない病気です。

目を覚まし続ける役割を持つ、「ヒポクレチン」「オレキシン」というタンパク質をうまく作れない為に起こると言われていますが、原因は明らかになっておりません。

代表的なものは「ナルコレプシー」といい、10歳代で発症することが多いです。

眠れるなら問題ないのでは?とも思いますが社会生活において起きていなければならない場面でも、自分の意思とは関係なく眠ってしまう問題を抱えています。

 

 

睡眠障害は何科に行くべき?


睡眠障害

では、睡眠障害を自覚した際に何科を受診すればよいのでしょうか?

それは睡眠障害の種類や症状によって変わってきます。

「不眠症」入眠障害中途覚醒早期覚醒等がある場合は「内科」「心療内科」「精神科」へ受診しましょう。

「睡眠時無呼吸症候群」でいびきや日中の眠気がある場合は「内科」「耳鼻咽喉科」に受診しましょう。

内科の中でも循環器や呼吸器を専門に診ている医療機関に相談するのがおススメです。

「レストレスレッグス症候群(RLS)」は脳機能の異常が原因になっている可能性があるので「脳神経内科」へ受診しましょう。

「ナルコレプシー」で日中の強い眠気に困っている方は、「脳神経内科」「精神科」を受診しましょう。

 

関連記事:生あくびは危険?あくびとの見分け方や吐き気が起きた時の対処法

 

睡眠障害の治し方は?


睡眠障害

ライフスタイルの改善


睡眠に大切な事は脳と体をリラックスさせ、眠れる環境を整える事です。

携帯やパソコンの使用を控える


就寝前にこういった情報の多いものを使用すると脳が活性化してしまったり、液晶の強い光で眠れなくなってしまいます。

途中で起きてしまった際もついつい触ってしまいがちですが、再び入眠することが出来なくなるので控えましょう。

環境を整える


間接照明や遮光カーテンを使って暗い部屋を作りましょう

また湿度や温度も室温26℃前後、湿度60%前後が眠りやすい快適な環境になります。

最後に規則正しい生活を心掛けることで、睡眠の質を向上させます。

薬物療法


症状や重症度を鑑みて睡眠導入剤を使用する場合もあります。

脳の興奮を抑える神経伝達物質の働きを促す薬は即効性があり、入眠障害に適しています。

逆にメラトニンが作用する部分を刺激する薬は体内時計を整え、昼夜逆転や時差ぼけに適しています。

こちらは即効性はなく効果が出るのに2週間ほど必要になります。

また覚醒を維持するオレキシンというホルモンの働きを弱める薬もあり、薬の耐性や依存性が少ないとされています。

認知行動療法


医師とのカウンセリングを行い、睡眠状況を見直し、障害の要因を明らかにして、生活習慣を改善する非薬物療法です。

即効性はなく、効果を感じるのに時間はかかりますが、その後継続的に不眠の改善が見込めたり、薬の減量や中止も期待できます

光療法


人は太陽光を浴びることで体内時計を整えています。

その太陽光の代わりに高照度光療法器具を使い体内時計のリセット、メラトニンの分泌増加を狙います。

起立性調節障害や昼夜逆転に効果があるとされています。

参考記事:イライラして眠れない時はどうする?原因や対処方法を解説|Humming

 

 

西春内科・在宅クリニックでできる対応


西春内科・在宅クリニックでは睡眠環境改善のためのアドバイスを行います

症状に応じて薬物療法を行うことが可能です。

必要であれば最寄りの精神科や心療内科と連携し、治療を行っています。

 

 

【まとめ】睡眠障害は早めの受診を


睡眠は人生の3分の1から4分の1ほどを占めるといわれており、体や脳を休ませる大切な生命活動です。

睡眠障害により日中の活動に支障が出たり、睡眠時無呼吸症候群のように重篤な疾患につながるものもあります。

自覚症状が出たら自己判断せず、医療機関を受診しましょう

参考文献

睡眠障害は何科を受診すれば良いか? | 阪野クリニック

過眠症とは|睡眠障害の種類|不眠・眠りの情報サイト スイミンネット

この記事の監修医師

監修医師: 福井 康大