風邪に対する豆知識のまとめ!食事やお風呂、睡眠など自宅での過ごし方
こんにちは!西春内科・在宅クリニック副院長の朝岡と申します。
みなさん、風邪を引いた経験ありますか。
風邪の正式は『風邪症候群』、『急性上気道炎』といいます。
その名前のとおり、喉より上に位置する鼻、咽頭、喉に炎症が生じることで風邪状態になります。
風邪ウィルスの数は200種類以上といわれています。
主に風邪は約90%はウィルスで占めていて、残りの約10%は細菌や、マイコプラズマ、クラミジアなどウィルス以外による感染でおこります。
そこで、今回は風邪をひいたときに知っておいてほしい自宅での過ごし方や食事、入浴、睡眠についてお話しさせて頂きますね。
目次
風邪をひいたときに摂るべき食事や栄養素は?
風邪を引いたとき、すごくしんどいですよね。
実は栄養、睡眠、環境を整えることが風邪をひいたときの対応として非常に重要と考えられています。
まずは、栄養に関してですが、ウィルスに対しての抵抗力を高める食事摂取をお勧めします。
消化の良い良質のたんぱく質やバランスのとれたビタミンなどの摂取が大切です。
ビタミンCは、特に野菜や果物に豊富に含まれていて、風邪の時は積極的に摂取するようにしましょう。
体を温める食材としてショウガ、ネギなどをスープに入れて一緒に摂取することも胃腸に対して有用です。
また、調子が悪い時は、体の代謝も悪くなっているので、唐辛子などの辛味製品や、揚げ物などの油の多い食べ物は避け、消化の良いおかゆなどを食べることをおすすめします。
とはいえ、体がしんどい時には食べ物を摂るのもつらいこともあります。
子供の場合は、一口も食べてくれないことも多いです。
ただ、栄養に関しては人間の体には脂肪等のエネルギーの貯蓄があるため、すぐにエネルギーが枯渇することはありません。
しかし、水分は別です。
熱を下げるために、人は発汗することで熱を外に逃がし体温を調節します。
水分がとれない場合は脱水症状をきたし、場合によっては入院が必要になる可能性があります。
唾液、汗、排泄物を通して水分が一定で出ていくため、水分の摂取はとても重要になります。
風邪をひいたときに接種しやすいものとしては、プリンやゼリー、スポーツドリンク、適度な経口補水液があります。
またアルコールの飲酒はお勧めしません。
アルコールを分解することに体力が消耗したり、薬の作用に影響を及ぼし、副作用が出る可能性があるからです。
間違っても体調が悪い時に飲酒は避けるようにしましょう。
風邪をひいたときの適切な室内の温度・湿度
風邪ウィルスに感染してしまった後に環境を整えるだけではウィルスの排除はできません。
しかし、体調が悪い中でも体調が楽になるような温度、湿度に設定することは可能です。
風邪ウィルスが生存しにくい環境を整えるためには、温度20~23度、湿度50~60%あたりを保つことが必要です。
また、環境を整えることで予防的に風邪ウィルスに感染するのを避けることができます。
風邪の季節というと冬を思い浮かべる方がほとんどだと思いますが、これには理由があります。
風邪ウィルスは低温に強いため、温度の低い冬ほどウィルスは動きが活発になります。
また冬は空気が乾燥しているため、鼻や口などへウィルスの侵入がしやすくなります。
よって、温度と湿度ともにウィルスが生存しにくい環境を整えることが風邪ウイルスを予防するカギとなります。
風邪をひいたときの自宅での衣服・衣類について
風邪をひいたときは、通気性のよい衣服の着用をお勧めします。
なぜなら、風邪をひいているときは体温が高くなっているため、汗をかく等で熱を発散することが必要です。
また汗をかいた場合は衣服を着替えることで、発汗をしやすくことができるため、頻繁に着替えることも大切です。
風邪をひいたときはひたすら寝るのが効果的
睡眠をとることは非常に効果的です。
風邪をひいているときは熱も出ており、非常に体調がしんどい状態です。
すぐに風邪ウィルスを除菌する方法は現在の医療ではないため、自然に除菌されるのに時間を待つことが大切です。
寝ている間に時間が経過し、就寝前よりは体調がよくなっているのを経験したことのある方は多いと思います。
また体がしんどい時は睡眠にて免疫力をあげようと人の身体は判断するので、自然と睡眠時間が多くなるはずです。
寝ている間も風邪ウィルスと戦っているため、熱を下げるために汗をたくさんかいて体温調節します。
そして睡眠によってつらいと感じる時間が少なくなることはうれしいですよね。
これらのことから、睡眠をとることは非常に効果的と考えております。
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風邪をひいたときのお風呂はどうすればいい?
よく風邪をひいたときにお風呂に入ってはいけないといわれていますが、これに関しては主なデータは現時点では発表されていません。
発熱時は、以下のようなことが考えられます。
- うとうとしているため、転倒のリスク
- 脱水や湯冷めにより体温調節がうまくいかない
入浴後の水分摂取と保温を行えば大丈夫なので、可能であればお風呂に入ることを推奨します。
もちろん状況に応じて湯舟につからずにシャワーのみで素早く済ませてみるのも手です。
心地よい睡眠につなげるためにも、お風呂に入ることで体をリフレッシュすることは大切と考えます。
風邪をひいたときに病院に行かなくても自宅で治せる?
風邪ウィルスのほとんどは自然に時間経過を待つことで改善されます。
特別風邪ウィルスに対して特効薬はないので、病院に行ったから早く治ることはありません。
しかし、風邪に伴う発熱、咳、痰、鼻水などの随伴症状を薬で抑えることは可能です。
これらの症状を薬によって抑えることで体調は楽になります。
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西春内科在宅クリニックができる対応
当クリニックでは風邪症状に似ている、コロナ感染症やインフルエンザの検査を行うことができます。
また症状に合わせて薬を適正に処方し対応することが可能です。
あくまで時間経過によって治る病気なので、少しでもつらい症状が少なくなればと症状に合わせて薬を処方行っています。
まとめ
今回は、身近にあふれている『風邪』をひいたときに、できる対処法。
つまり栄養摂取、睡眠、環境を整えることの重要性について説明しました。
なるべく早く症状がよくなるヒントを得ていただけたら幸いです。
参考文献
●日本内科学会雑誌第105巻第3号 感染症診療の最近の話題~急性気道感染症を中心に~
西春内科・在宅クリニック 耳鼻科 朝岡 龍博副院長
経歴
- 2016 名古屋市立大学 卒業
- 2016 豊橋市民病院
- 2018 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
- 2020 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
- 2021 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科