虫刺されの種類別症状は?応急処置や受診の目安を解説
夏になるとアウトドアの楽しみが増えますが、同時に虫刺されのリスクも高まります。
虫刺されは一見同じように見えても、刺す虫の種類によって症状や対処法が異なります。
この記事では、虫刺されの種類別症状と応急処置、受診の目安について詳しく解説します。
目次
虫刺されの種類別症状
虫刺されはその原因となる虫の種類によって症状が異なります。
ここでは代表的な9種類の虫刺されについて説明します。
蚊
蚊に刺されると、まず感じるのはかゆみです。
刺された部分が赤く腫れ、かゆみが数時間から数日続くことがあります。
蚊の唾液に含まれる成分がアレルギー反応を引き起こす為、これがかゆみや腫れの原因となります。
ブユ
ブユという虫は、関東地方では「ブヨ」、関西地方では「ブト」とも呼ばれます。
ブユに刺されると、強い痛みが生じます。
刺された直後は痛みを感じ、時間が経つとともにかゆみが増してきます。
刺された部位が大きく腫れ、水ぶくれができることもあります。
ブユは山間部や川辺などで見られます。
アブ
アブに刺されると、鋭い痛みと共に刺された部分が赤く腫れ上がります。
蚊やブヨに比べて刺された時の痛みが強く、腫れも広範囲にわたることが多いです。
アブは草むらや湿地帯、家畜の近くでよく見られます。
ダニ
ダニに刺されると、刺された部分がかゆくなり、赤く小さな斑点が現れます。
ダニは布団やカーペット、ペットの毛などに潜んでおり、刺された箇所が複数ある場合が多いです。
ノミ
ノミに刺されると、刺された部分が小さく赤くなり、強いかゆみが伴います。
ノミはペットから人に移りやすく、刺された跡が点状に複数現れるのが特徴です。
ハチ
ハチに刺されると、激しい痛みと共に刺された部分が赤く腫れ上がります。
場合によっては急激にアレルギー反応を起こし、アナフィラキシーショックによって命を落とすこともあります。
ハチ刺されは特に注意が必要です。
ムカデ
ムカデに刺されると、強い痛みと共に刺された部分が腫れ、赤くなることがあります。
ムカデの毒は神経に作用し、刺された部分がしびれることもあります。
毛虫
毛虫に刺されると、かゆみや痛みを伴う赤い発疹が現れます。
毛虫の毛には毒が含まれており、触れるだけで症状が現れることがあります。
その他
その他の虫刺されとして、アリやハエなどがあります。
これらの虫刺されもかゆみや痛みを伴うことが多いです。
表:虫刺されの種類別症状、起こりやすい場所やシチュエーション、緊急性の有無
虫の種類 | 主な症状 | 起こりやすい場所やシチュエーション | 緊急性の有無 |
蚊 | かゆみ、赤い腫れ | 夏の夕方、草むら、庭 | 低 |
ブユ | 強い痛み、腫れ、水ぶくれ | 山間部、川辺、キャンプ場 | 中 |
アブ | 鋭い痛み、広範囲の腫れ | 草むら、湿地帯、家畜の近く | 中 |
ダニ | かゆみ、赤い斑点 | 布団、カーペット、ペットの毛 | 低 |
ノミ | 強いかゆみ、点状の赤い斑点 | ペットの周り、室内 | 低 |
ハチ | 激しい痛み、広範囲の腫れ | 庭、草むら、花の近く | 高 |
ムカデ | 強い痛み、腫れ、しびれ | 山間部、木の下、古い家屋 | 高 |
毛虫 | かゆみ、痛み、赤い発疹 | 樹木の下、公園 | 中 |
その他(アリ、ハエ等) | かゆみ、痛み | 庭、草むら、室内 | 低 |
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虫刺されの応急処置
虫刺されの応急処置は、症状の悪化を防ぎ、早期に回復させるために重要です。
唾を塗る、爪で十字線の跡を入れる、というのを昔はよく聞きましたが、これらはあまり効果的とは言えません。
唾液にはごくわずかに抗菌作用がありますが、それだけでは刺された部位のかゆみや腫れを抑えることはできません。
むしろ、唾液には多くの細菌が含まれているため、感染症のリスクを高める可能性があります。
爪跡を入れる事も、爪で皮膚に傷をつけることで一時的にかゆみを感じにくくなることはありますが、傷に細菌が入り込み、感染のリスクが高まります。
つまり、これらで対処して治っていた時は、かゆみを感じにくくなった際に自然治癒していたという場合がほとんどです。
そこでここでは、基本的な正しい対処方法を紹介します。
患部を清潔にする
まず、刺された部分を清潔に保つことが大切です。
石鹸と水で丁寧に洗い、細菌感染を防ぎましょう。
患部を冷やす
次に、冷やすことでかゆみや腫れを抑えます。
冷たいタオルや氷のうを患部に当てると効果的です。
ただし、直接氷を当てると凍傷の危険があるため、布で包んで使用してください。
薬を塗る
最後に、薬を塗布することで、かゆみや腫れを軽減します。
ステロイド入りの軟膏や抗ヒスタミン剤が含まれたクリームが効果的です。
虫刺されにおすすめ市販薬
市販薬は種類が豊富で、どれを選べばよいか迷うことがあります。
以下に、おすすめの市販薬をランキング形式で紹介します。
- ポイズンリムーバー – 速効性があり、かゆみや腫れを迅速に抑えます。
- ムヒアルファEX – 抗ヒスタミン剤とステロイドが配合されており、即効性があります。
- ウナコーワクール – 清涼感があり、かゆみを和らげる効果が高いです。
- フルメトロン – 強力なステロイドが配合されており、炎症を抑える効果があります。
- アレルギール軟膏 – 軽度のかゆみに効果的で、肌に優しい処方です。
関連記事:虫刺されの腫れがひどい・大きいときの対処法|どんな虫に注意すべき?
虫刺されの予防方法
虫刺されを防ぐためには、日常的に気を付けることが必要です。
以下に予防方法を紹介します。
肌の露出を減らす
外出時には長袖・長ズボンを着用し、肌の露出を最小限に抑えましょう。
特に夕方以降は蚊が活動的になるため注意が必要です。
虫の駆除
家庭周りの水たまりをなくすことで蚊の繁殖を防ぎます。
また、蚊取り線香や殺虫剤を使用するのも効果的です。
虫に近寄らない
虫が多い場所(湿地帯、草むらなど)を避けることも予防策の一つです。
また、明るい色の服を着ることで虫が寄ってきにくくなります。
虫よけスプレーの使用
虫よけスプレーを使用することで、虫刺されのリスクを大幅に減らせます。
ディートやイカリジンを含む製品が効果的です。
虫刺されで医療機関を受診する目安
虫刺されは通常、家庭での処置で十分ですが、以下の場合は医療機関を受診することをおすすめします。
- 刺された部位が異常に腫れる、または痛みがひどい場合
- 発熱やリンパ節の腫れが見られる場合
- アレルギー反応(呼吸困難、めまい、全身のかゆみ)が出た場合
- 二次感染(膿が出る、患部が赤く熱を持つ)が疑われる場合
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医師による虫刺されに対する意見
実臨床ではハチ刺傷が最も問題になりやすいです。
全身の皮疹、口唇や口腔内が腫れる、息苦しくなる、腹痛などの症状が急激に出現する場合は重篤なアレルギー反応を起こしている可能性があります。
その場合は緊急治療を要するため迷わず救急要請をしてください。
また、例えば虫刺されの自覚がなくても、野山に入ったあとに原因不明の高熱や全身性に赤い斑点(皮疹)が出現することがあります。
これはマダニによる虫刺されが原因であったなどのケースがしばしばあります。
この場合は抗生物質による治療が必要となりますので、早急な医療機関への受診が必要です。
西春内科・在宅クリニックでできる対応
当クリニックでは症状に応じてCTやレントゲンなど各種検査を行うことが出来ます。
重症と診断した場合は入院可能な病院へ紹介状の作成をいたします。
また、オンライン診療も行っているので、緊急性の判断が必要な場合などで是非ご活用ください。
オンライン診療について詳しくはこちらをご覧ください。▽
まとめ
虫刺されは日常生活の中で誰もが経験するものです。
正しい知識を持って適切に対処することで、症状を軽減し、快適な生活を送ることができます。
この記事を参考に、虫刺されに対する備えをしっかりと行いましょう。
参考文献
- 虫刺されの腫れが治らない時は?虫刺されの薬や予防法について解説 | ひまわり医院(内科・皮膚科)
- 薬剤師が解説虫刺され薬ランキング上位の商品はどんな商品?
- 子どもの虫刺されは病院に行くべき?受診の目安は?