【チェックリスト掲載】インフルエンザを疑うべき初期症状とは?

公開日:2024.11.14 更新日:2024.11.15

インフルエンザ初期症状

 

肌寒い季節がやってきてこれから冬にかけてインフルエンザが流行する季節がやってきましたね。

 

体調の変化を感じた時、ただの風邪なのかインフルエンザなのかを見極めることはとても重要です。

 

特に、家族や周囲の方への感染を広げないためにも、早期の対策が求められるでしょう。

 

そこで、今回はインフルエンザの初期症状や見分け方、対応策について詳しく解説します。




インフルエンザを疑う初期症状のチェックリスト

 

インフルチェック

 

流行期に体調の変化を感じたら、インフルエンザの可能性を考えてみましょう。

 

以下の症状を確認することで、早期発見につながります。

 

チェックリストに当てはまる症状が多いほど、インフルエンザの可能性が高くなるので、病院への受診を検討しましょう。

 

  • 38℃以上の高熱
  • 強い頭痛
  • 全身の筋肉痛・関節痛
  • 激しい倦怠感や疲労感
  • 喉の強い痛み
  • 鼻水・鼻づまり
  • 悪寒・寒気
  • 吐き気や下痢

 

ただし、このチェックリストはあくまでも目安となります。

 

発熱しなくても倦怠感がある場合や、少し体調が悪いかも?といったいつもと様子が違うと感じた場合は、チェックリストに当てはまらなくても、無理せず病院に相談しましょう。

 

早期発見・早期治療が、重症化を防ぎ、周囲への感染拡大を防ぐ方法と言えます。

 

関連記事:インフルエンザのA型とB型の違いとは?知っておきたい基本情報

 

インフルエンザの初期症状が現れる順番は?

 

インフルチェック

 

インフルエンザの症状は、通常の風邪とは違い、急激に現れます。

 

朝は元気でも、午後には体調が一変することも珍しくありません。

 

一般的な症状の進行は、まず体が震えるような悪寒が始まり、その直後に38℃以上の高熱が出ます。

 

続いて、強い倦怠感や関節痛、頭痛などが現れます。

 

ただし、これは典型的な例であり、年齢や体調によって症状の現れ方は異なるので注意が必要です。

 

発熱が最初に来たり、喉の痛みから始まったりすることケースもあるため、先述した通りいつもと違う体調の変化を感じたら医療機関を受診しましょう。




「インフルエンザかも?」と思った時の対応

 

インフルチェック

 

インフルエンザの疑いがある場合は、早急な対策が重要です。

 

以下の対応方法を取ることで早期治療や感染拡大防止につながります。

 

  • 自宅での安静と休養
  • 水分補給
  • 他人への感染を防ぐ
  • 適切な室内環境を保つ

 

これらの対応について詳しく解説しましょう。

 

自宅での安静と休養

 

インフルエンザから回復するために最も大切なのは「休むこと」といえます。

 

十分な睡眠を取って安静にすることで、体の自然治癒力を高め、早く回復することが可能です。

 

もし市販の薬を服用する場合は、医師に相談してからにしましょう。

 

また、無理に体を動かすと肺炎などの深刻な病気を引き起こすリスクが高まるため無理をせずしっかりと休養しましょう。

 

水分補給

 

発熱しているときは水分をこまめに摂取することが非常に大切です。

 

発熱時の発汗は通常の2倍以上の水分が失われることもあり、脱水症状の恐れがあります。

 

そのため、喉が渇いていなくても、定期的に少しずつ水分を摂るよう心がけましょう。

 

また、電解質を含むスポーツドリンクやOS-1、体にやさしい温かいスープなどもおすすめです。

 

体温が上昇しているときは冷たい水よりも、常温か少し温かい飲み物の方が、身体に負担をかけません。

 

他人への感染を防ぐ

 

インフルエンザウイルスは主に咳やくしゃみの飛沫を通じて広がる「飛沫感染」と、ウイルスの付着した物を触ることで感染する「接触感染」の2つの経路で広がります。

 

周囲感染を防ぐためにも、以下の対策を必ず実行しましょう。

 

  • 人混みでのマスク着用
  • 食前や外出後の手洗いの徹底
  • 咳やくしゃみの際は、ティッシュや腕の内側で口と鼻を覆う
  • 使用したティッシュはすぐにフタ付きゴミ箱に捨てる
  • 共有物(ドアノブ、リモコンなど)を触った後は必ず手を消毒
  • タオルや食器の共用は避ける
  • 1時間に1回、5分程度の換気を行う

 

これらの対策を確実に実施することで、家族や周囲の人々への感染リスクを大きく減らすことができます。

 

そして、感染拡大を防ぐためにも、職場や学校には熱が下がってから少なくとも、2日間経ってから戻りましょう。

 

見た目の症状が改善しても、体の中にウイルスが残っており、感染する力があるためです。

 

適切な室内環境を保つ

 

インフルエンザウイルスは乾燥した環境で長く生存するため、部屋の湿度を適切に保つことが重要です。

 

また、適度な室温を保つことで喉や鼻の粘膜が潤い、ウイルスの侵入を防ぐことが可能です。

 

以下のポイントを意識して室内の環境を適切に保ちましょう。

 

  • 湿度は50~60%、室温は20~23℃が理想的
  • 加湿器を利用したり、濡れタオルを部屋に干すことで湿度を上げる
  • 換気を定期的に行う

 

関連記事:インフルエンザの予防は必要?日常でできる予防方法とおすすめの食品を解説

インフルエンザ・風邪・コロナを初期症状で見分けるには?

 

インフルチェック

 

インフルエンザ、風邪、そして新型コロナウイルス(COVID-19)は初期症状が非常に似ており、医師でも症状だけでは診断が難しいことが多いです。

 

確定診断をするためにもインフルエンザ、新型コロナウイルスの検査が必要となります。

 

以下の表に、それぞれの初期症状を比較して示します。

 

症状インフルエンザ風邪新型コロナウイルス
発熱突然の38℃以上の発熱軽度の発熱高熱が出ることも
頭痛強い軽度あり
筋肉痛・関節痛強いなし~軽度あり
倦怠感強い軽度強い
喉の痛みありありあり
鼻水・鼻づまりありありあり
悪寒ありなし~軽度あり
胃腸症状ありなし~軽度あり

 

もしインフルエンザ、新型コロナウイルスが疑わしい症状が現れた場合、自己診断は避けて病院での診断を受けましょう。

 

また、医療機関への受診が難しい場合はオンライン診療の利用を検討してください。




医師の見解

 

インフルエンザ、風邪、そして新型コロナウイルス(COVID-19)に関しては、症状だけで判別することは医師であっても困難です。

 

私の経験では、インフルエンザは突然の高熱(39~40℃)で始まることが多いのに対し、風邪やコロナは喉の痛みや鼻水から始まり、徐々に熱が出てくる傾向があります。

 

ただ例外も多く、基本的には全国的な流行状況、および患者さん周囲の感染状況を参考にしつつ、必要に応じてインフルエンザや新型コロナウイルスの抗原検査を行います。

 

インフルエンザの検査は発熱から12時間以降48時間以内が最適です。

 

発症12時間以内は検査の精度が低く(インフルエンザ検査の正確性は5~7割程度)、かつインフルエンザ治療薬は発症から48時間以内の服用が効果的だからです。

 

治療については、健康な成人の多くは、自然に回復します。

 

インフルエンザ治療薬のタミフルは、解熱時間を約18時間短縮する効果がありますが、副作用の可能性もあります。

 

そのため、メリットやデメリットを踏まえ、患者さんの状態や希望を考慮して処方を判断しています。

 

関連記事:インフルエンザワクチンにかかる費用や値段はどれくらい?メーカーの種類によって効果は変わる?

西春内科・在宅クリニックでのインフルエンザの初期症状への対応

 

当院ではインフルエンザのワクチン接種や抗原検査、処方まで行っています。

 

重症の可能性がある場合は、大きい病院へ紹介することもできます。

 

さらに、外出が難しい方や遠方の方にも対応できるよう、全国どこからでも利用できるオンライン診療を提供しています。

 

ご自宅で診察を受けられるので、移動の負担なく診察が可能です。

 

インフルエンザに関してお困りの際や、ご不明な点がある場合は、お気軽にご連絡ください。




まとめ

 

インフルエンザは、風邪や新型コロナウイルスと初期症状が似ているため、早期の見極めが難しいです。

 

突然38℃の高熱が出たり、関節痛や筋肉痛などの症状が現れた場合は、インフルエンザの可能性があります。

 

早めに対策を取ることで、症状の悪化や感染拡大を防ぐことが出来ます。

 

症状が疑わしい場合は自己診断せず、必ず医師の診察を受けて適切な対応を行ってください。

 

参考文献

 

八木医院|インフルエンザについて

 

冬の感染症② インフルエンザかもと思ったら、どうする?

 

KARADA内科クリニック|コロナ・風邪・インフルエンザの見分け方。感染症専門医が解説

この記事の監修医師

監修医師: 西春内科・在宅クリニック 院長 島原 立樹


▶︎詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

名古屋市立大学 医学部 医学科 卒業
三重県立志摩病院
総合病院水戸協同病院 総合診療科
公立陶生病院 呼吸器・アレルギー疾患内科

資格

日本専門医機構認定 内科専門医