健診項目を理解して無駄なく受診|よくある検査とオプションの選び方
健康診断(健診)は、病気の早期発見や生活習慣の改善に役立つ重要な機会です。
健診の項目や内容は種類によって異なり、目的に応じて適切に選ぶことが大切です。
この記事では、一般的な健診項目とオプション検査の特徴、検査前日の過ごし方まで詳しく解説します。
目次
健診項目一覧と検査でわかること
健診では基本的な身体測定から血液検査まで、幅広い検査が行われます。
それぞれの項目で何がわかるのかを理解することで、結果を正しく活用できます。
身体測定
身長・体重・BMIを計測し、肥満ややせの確認、生活習慣病リスクの評価に使用します。
腹囲を測定し、内臓脂肪の指標として、メタボリックシンドロームの判定に活用します。
血圧測定
血圧測定では、高血圧や低血圧の確認をすることで動脈硬化のリスク評価につながります。
尿検
尿検では、尿に含まれる糖の量や、尿に含まれるたんぱく質の量を調べ、糖尿病や腎臓病などの疑いがないかを評価します。
また、尿に血が混じる尿潜血も調べることで、腎臓や尿路系の異常を早期発見に役立ちます。
血液検査
血液検査では以下などの複数の項目を検査します。
- 脂質(LDL・HDL・中性脂肪):動脈硬化や心疾患リスクの評価に使用されます。
- 肝機能(AST・ALT・γ-GTP):肝炎や脂肪肝などの早期発見につながります。
- 腎機能(クレアチニン・eGFR):腎疾患リスクの評価に使用されます。
- 血糖・HbA1c:糖尿病のリスクを評価します。
- 貧血:貧血の有無を調べます
胸部X線・心電図
胸部X線では、肺炎や結核、肺がんなどといった病気が隠れていないかを検査します。
心電図(ECG)は、不整脈や心筋障害の早期発見に有効です。
視力・聴力・問診
日常生活に影響する感覚機能(視力・聴力)の評価を行います。
生活習慣や既往歴、服薬状況などの問診でリスク評価を行います。
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健診項目は健診の種類によって異なる
健診は目的や対象によって、受けられる項目が異なります。
代表的なのは「一般定期健診」と「人間ドック」です。
一般定期健診
一般定期健診では、主に生活習慣病の早期発見が目的となります。
一般的な検査項目例として以下などが挙げられます。
- 身体測定
- 血圧
- 尿検査
- 血液検査
- 胸部X線
- 心電図
- 視力・聴力
人間ドック
人間ドックでは癌などの病気の早期発見を目指します。
人間ドックは任意の追加オプションを組み合わせ、個人の病気のリスクに合わせた健診が可能です。
検査項目例として以下などが挙げられます。
- 基本項目(一般健診と同じ)
- 腹部・胸部CT
- 頭部MRI
- 血液検査(腫瘍マーカー、甲状腺機能、リウマチ、B型肝炎、C型肝炎、梅毒など)
- 胃カメラ・大腸カメラ
- 超音波検査(肝臓・腎臓・甲状腺など)
- 便潜血検査
- 呼吸機能検査
健診項目に追加できる主なオプション検査
オプション検査は、定期健診ではカバーされないリスクの把握に役立ちます。
一般的なオプションとして以下などが挙げられます。
- CT検査:肺がん、腹部臓器のがんなどを中心に画像的に確認します
- 腫瘍マーカー:消化器がん、前立腺がんなどのスクリーニングを行います
- 超音波検査(エコー):心臓・腹部臓器・頸動脈の血流評価などが可能です
- 胃カメラ・大腸カメラ:消化管のがんや炎症性病変の早期発見につながります
以下に当てはまる方は、がんや動脈硬化のリスクが高いため、オプション検査が勧められます。
- 家族歴にがんや心血管疾患がある方
- 生活習慣病や肥満、高血圧、糖尿病のリスクが高い方
- 過去の健診で異常値があった方
関連記事:高血圧症と脂質異常症は気が付きにくい?定期的な健診が大切!
健康診断前日の過ごし方と注意点
健診前日は、検査内容によって食事やアルコールの摂取など注意すべき点がいくつかあります。
食事:脂っこいものを控え、消化に良い食事を心がける。
検査10時間前から絶食とし、水分は水やお茶とする。
- アルコール:前日は飲酒を避ける
- 薬の服用:医師の指示に従い、必要に応じて調整を行う
- 睡眠:十分な睡眠で体調を整える
詳しい前日の過ごし方はこちらの記事も参考にしてください:健康診断前日に気を付けること
西春内科・在宅クリニックでできる対応
当院では、一般健診や人間ドックの受診前相談から、オプション検査の提案まで、必要に応じて、医師と相談しながら自分に最適な検査プランを作成できます。
また当院はCTを完備しており、精密検査も可能です。
健診結果の説明に際しては、各項目の詳しい評価を医師より直接お伝えし、生活習慣の改善アドバイスを行っておりますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
健診は、自覚症状がない段階で病気を早期に発見し、健康管理を見直す絶好の機会です。
基本的な検査項目だけでなく、リスクに応じたオプション検査を組み合わせることで、より精度の高い健康評価が可能です。
リスクに応じて無駄なく必要な検査を受けることで、将来の健康リスクを大きく減らすことができます。
監修医師: 西春内科・在宅クリニック 院長 島原 立樹

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経歴
名古屋市立大学 医学部 医学科 卒業三重県立志摩病院
総合病院水戸協同病院 総合診療科
公立陶生病院 呼吸器・アレルギー疾患内科