風邪をひいたらひたすら寝るのが効果的?体調が悪い時の過ごし方を徹底解説

公開日:2022.11.07 更新日:2024.2.26

風邪
こんにちは!西春内科・在宅クリニック副院長の朝岡と申します。


みなさん、風邪を引いた経験ありますか。

風邪の正式は『風邪症候群』『急性上気道炎』といいます。

その名前のとおり、喉より上に位置する鼻、咽頭、喉に炎症が生じることで風邪状態になります

風邪ウイルスの数は200種類以上といわれています。

主に風邪は約90%はウイルスで占めてられており、残りの約10%は細菌やマイコプラズマ、クラミジアなどウイルス以外による感染でおこります。

そこで、本記事では風邪をひいたときに知っておいてほしい自宅での過ごし方や食事、入浴、睡眠についてお話しさせて頂きますね。

 

 

風邪をひいたときに摂るべき食事や栄養素は?


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風邪を引いたとき、すごくしんどいですよね。

実は栄養、睡眠、環境を整えることが風邪をひいたときの対応として非常に重要と考えられています。

まずは、栄養に関してですが、ウイルスに対しての抵抗力を高める食事摂取をお勧めします。

消化の良い良質のたんぱく質やバランスのとれたビタミンなどの摂取が大切です。

ビタミンC
は特に野菜や果物に豊富に含まれている栄養素で、風邪のときは積極的に摂取するようにしましょう。


体を温める食材としてショウガ、ネギなどをスープに入れて一緒に摂取することも胃腸に対して有効です。

また、調子が悪い時は体の代謝も悪くなっているので、唐辛子などの辛味製品や、揚げ物などの油の多い食べ物は避け、消化の良いおかゆなどを食べることをおすすめします。

とはいえ、体がしんどい時には食べ物を摂るのもつらいこともあります。

子供の場合は、一口も食べてくれないことも多いです。栄養に関しては人間の体には脂肪等のエネルギーの貯蓄があるため、すぐにエネルギーが枯渇することはありません

しかし、水分は別です


熱を下げるために、人は発汗することで熱を外に逃がし体温を調節します。

水分がとれない場合は脱水症状をきたし、場合によっては入院が必要になる可能性があります。

唾液、汗、排泄物を通して水分が一定で出ていくため、水分の摂取はとても重要なのです。


風邪をひいたときに接種しやすいものとしては、プリンやゼリー、スポーツドリンク、適度な経口補水液があります。

また、飲酒はお勧めしません。アルコールを分解することに体力が消耗したり、薬の作用に影響を及ぼし、副作用が出る可能性があるからです。

間違っても体調が悪い時に飲酒をするのはやめましょう。

 

 

風邪をひいたときの適切な室内の温度・湿度


風邪

 

風邪ウイルスに感染してしまった後に環境を整えてもウイルスの排除はできません

しかし、体調が悪い中でも体調が楽になるような温度、湿度に設定することは大切です。

風邪ウィルスが生存しにくい環境を整えるためには、温度20~23度、湿度50~60%あたりを保ちましょう


また、環境を整えることで予防的に風邪ウイルスに感染するのを避けることができます。

風邪の季節というと冬を思い浮かべる方がほとんどだと思いますが、これには理由があります。

風邪ウイルスは低温に強いため、気温の低い冬には特に動きが活発になるのです。


また冬は空気が乾燥しているため、鼻や口などへウイルスが侵入しやすくなるのにも注意が必要です

よって、温度と湿度ともにウイルスが生存しにくい環境を整えることが風邪ウイルスを予防するカギとなります。

 

 

風邪をひいたときの自宅での衣服・衣類について


風邪

 

風邪をひいたときは、通気性のよい衣服の着用をお勧めします。

なぜなら、風邪をひいているときは体温が高くなっているため、汗をかく等で熱を発散することが必要だからです。

また、汗をかいた場合は衣服を着替えることで発汗をしやすくすることができるため、頻繁に着替えることも大切です。

 

 

風邪をひいたときはひたすら寝るのが効果的


風邪

 

風邪の時に睡眠をとることは非常に効果的です。

風邪をひいているということは体がウイルスに冒されている状態であり、熱が出ていればなおさらしんどく感じるでしょう。

残念ながら現在の医療では風邪ウイルスをすぐに駆逐できないため、体力を高めてウイルスが死ぬ、あるいは体外へ排出されるまで待つことが大切です。

風邪で寝込んでいるときに薬を飲んで眠り、起きたら体調が少しよくなっているのを経験したことのある方は多いと思います。

こうしたことから、風邪をひいたらひたすら寝ることが極めて重要であると考えます。

 

関連記事:インフルエンザワクチンの副反応・副作用で起こる症状や出やすい人の特徴について解説!

 

 

風邪をひいたときのお風呂はどうすればいい?


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よく風邪をひいたときにお風呂に入ってはいけないといわれていますが、これに関して有力なデータは現時点では発表されていません

発熱時の入浴にはふらつきによる転倒や体温調節の不良といったリスクが考えられます。

しかし、入浴後の水分摂取と保温を行えば大丈夫なので、可能であればお風呂に入ることを推奨します

もちろん状況に応じて湯舟につからずにシャワーのみで素早く済ませてみるのも手です。

心地よい睡眠につなげるためにも、お風呂に入ることで体も気分もリフレッシュしましょう。

 

風邪をひいたときに病院に行かなくても自宅で治せる?

先ほども申し上げた通り、風邪ウイルスのほとんどは自然に時間経過を待つことで改善されます。

風邪ウイルスに対しての特効薬はないので、病院に行ったからといって早く治ることはありません

しかし、風邪に伴う発熱、咳、痰、鼻水などの随伴症状を薬で抑えることは可能です。

薬の服用によって対症療法を行うことで、ウイルスと戦うための体力を高めることができるでしょう。

 

関連記事:風邪をひいたかも・・病院に行くべきタイミングはいつ?風邪と症状が似ている病気の見分け方

 

 

西春内科在宅クリニックができる対応

当クリニックでは風邪症状に似ている、コロナ感染症やインフルエンザの検査を行うことができます。

また、症状に合わせて薬を適切に処方し対応することが可能です。

少しでも辛いと感じたら、遠慮なく当院までご相談ください。

 

 

まとめ

今回は、身近にあふれている『風邪』をひいたときに、できる対処法。

つまり栄養摂取、睡眠、環境を整えることの重要性について説明しました。

なるべく早く症状がよくなるヒントを得ていただけたら幸いです。

 

 参考文献

●日本内科学会雑誌第105巻第3号 感染症診療の最近の話題~急性気道感染症を中心に~

鹿児島県医師会「知識と予防が大切-急性上気道炎-」

この記事の監修医師

監修医師: 横浜内科・在宅クリニック 院長 朝岡 龍博

経歴

2016 名古屋市立大学 卒業、 豊橋市民病院 初期研修医勤務
2018 豊橋市民病院 耳鼻咽喉科
2020 名古屋市立大学病院 耳鼻咽喉科
2021 一宮市立市民病院 耳鼻咽喉科
2022 西春内科・在宅クリニック 副院長
2023 横浜内科・在宅クリニック 院長

資格

舌下免疫療法講習会修了
厚生労働省 指定オンライン診療研修修了
緩和ケア研修会修了
難病指定医
麻薬施用者

監修医師: 福井 康大