動悸や息切れが治らない|原因はコロナの後遺症?ストレス?対処方法について解説

公開日:2022.12.09 更新日:2023.12.25

動悸・息切れ
「動悸」「息切れ」は多くは心臓や気管支・肺の病気が原因で起こります。

最近増えてきたのが、新型コロナウイルス感染症にかかって、熱も下がり咳が出なくなっても、動悸や息切れがして苦しいと訴える患者さんが増えてきました。

実はその症状、コロナの後遺症かもしれません。

今回は動悸・息切れの原因や、治療方法について解説していきましょう。



新型コロナ感染症の後遺症に多い動悸や息切れの特徴


動悸・息切れ

動悸とは、自分の心臓の拍動するドキドキという動きにより、不快感や違和感を覚えることです。

心臓の拍動する速度が早くなったり遅くなったり、脈が飛んだりなどの脈も不整が起こることで動悸を自覚されることが多いです。

不整脈がなくても動悸を感じることがあります。

脈拍数というのは自分の意識では動かせない自立神経で制御されています。

しかし、ストレスなどで心拍に異常に敏感になったり、自律神経の働きが乱れることで動悸を自覚することもあります。

息切れも、実際に気管支喘息や肺炎、心不全などの病気で息切れを起こすことが多いのです。

身体に明らかな異常がなくても息切れを自覚して、息が吸えなくなってしまってパニックを起こす方もいらっしゃいます。

新型コロナの後遺症で動悸・息切れが起こることもあります。

新型コロナウイルス感染症は、単に肺炎を起こすウイルスではなく、以下の病気などを起こす可能性のある感染症だということがわかってきました

  • 心筋梗塞
  • 心不全
  • 不整脈
  • 脳梗塞
  • 血栓塞栓

新型コロナウイルス感染症の後遺症として代表的な症状として動悸・息切れ以外にも以下の症状など、多彩にあります。

  • 疲労感
  • 倦怠感
  • 関節痛
  • 筋肉痛

頻度は報告によりばらつきがありますが、息切れ・動悸は18-88%、動悸は5-68%に及びます。

新型コロナの後遺症の場合には時間が経てば大半は改善します。

しかし、1年後も動悸・息切れなど後遺症の症状が残る方もいるようです。

実際に心不全や肺炎後の後遺症として症状が出る場合もありますが、心臓・肺に異常がなくても症状が出てしまうこともあります。

新型コロナの後遺症の動悸・息切れは、胸のレントゲン検査や心電図などの検査をしても異常はないにもかかわらず、症状が持続してしまうのが特徴です。

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その他考えられる動悸や息切れの原因


動悸・息切れ

新型コロナの後遺症以外で動悸・息切れを起こす原因の中で、心臓の病気は見逃せません。


最も危険な病気としては、心筋梗塞や心不全で心臓の機能が低下している場合です。

心臓は通常定期的に脈を打っていますが、脈がゆっくりすぎる徐脈、早すぎる頻脈、リズムの乱れがある不整脈の場合には動悸、息切れの原因になります。

診断や治療が遅れると命の危険があります。


飛行機などで長時間座って動かない状態の後に、動き出したら突然動悸や息切れが出たなどの場合には、肺血栓塞栓症を疑います。

脚にできた血栓が肺に血液を送る肺動脈に詰まってしまうことで、肺での酸素供給ができず、動悸息切れの症状がでます。

肺血栓塞栓症も治療が遅れると命に関わりますので、疑った場合にはすぐに病院受診が必要です。

心臓や肺の病気でなくても、以下が原因になって動悸・息切れが起こる場合があります。

  • 貧血や低血糖
  • 甲状腺機能異常
  • 脱水
  • ストレス
  • 睡眠不足などによる自律神経の乱れ
  • カフェインの取りすぎ
  • 薬剤性

動悸や息切れが起きやすい人の特徴


前途したように、心筋梗塞や心不全、心房細動などの不整脈は、高齢者で合併しやすい病気です。

高齢者でなくて、高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満などがある場合には若い方でも心臓病のリスクは高くなります。

その他以下などの病気でも動悸・息切れが起こりやすくなります。

  • 貧血
  • 甲状腺機能異常
  • 更年期障害
  • 自律神経失調症

◆動悸はなぜ起こる?原因や起こりやすい人の特徴とは|すぐに病院に行くべき症状を解説

動悸や息切れの治し方


動悸、息切れの治し方は、原因によります。

心筋梗塞や心不全、肺血栓塞栓症などの重い病気の場合にはすぐに病院を受診し治療を行う必要があります。

診断や治療が遅れた場合には、命の危険が出てきます。

貧血、低血糖、甲状腺機能異常などが原因の場合にも、病気の治療をすることで動悸、息切れの症状は改善します。

病気が原因ではなく、ストレスや睡眠不足によって起こっているものの場合には、ホームケアとしてストレスを溜めない、睡眠を十分に取れるような生活習慣に見直しましょう。

自立神経失調のための生活習慣で気を付けるポイントは、自律神経失調の原因になるストレスを解消する方法を知ることです。

散歩や体操などの適度な運動、入浴などがおすすめです。

もし動悸や息切れが続くときは


動悸・息切れ

例えば運動後などに動悸や息切れが出て、数分で改善してしまう場合、この症状が何度もあるようなら平日の日中に内科に相談してみましょう。

症状が改善せず、30分以上症状が継続する場合や悪化傾向の場合には、すぐに病院を受診しましょう。

動悸・息切れの症状が軽いものの、2-3日継続する、コロナ感染症後から常に症状があるなどの場合にも、病院でご相談ください。

まずは心臓や肺の病気がないかどうかを診察や検査を行います。

特に治療が必要な病気がない場合には、ストレスや自律神経失調症などを疑います。

ストレスを溜めないような生活習慣についてアドバイスをさせていただきます。



西春内科在宅クリニックができる対応


西春内科在宅クリニックでは、動悸や息切れの症状が持続し辛い場合、ご自宅にお伺いし診察や治療を行います。

症状に対して医薬品や漢方薬で症状を改善させることができます。

コロナ感染症の後遺症として症状がある場合には、長い期間症状が続く方もいます。

辛い症状がある場合には、ぜひご相談ください。



まとめ


今回は新型コロナの後遺症として出やすい動悸・息切れの原因や治療方法について解説しました。

新型コロナ感染は感染している時も、その後も辛い症状が続く場合があります。

記事を読んでいただき気になる点や不安なことがある場合には、お気軽に医師にご相談ください。

参考文献

新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き 罹患後症状のマネジメント

日本循環器学会「日本不整脈心電図学会合同.不整脈の診断とリスク評価に関するガイドライン」

この記事の監修医師

監修医師: 救急科専門医 新井 久美子 

監修医師: 西春内科・在宅クリニック 院長 福井 康大


▶︎詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

三重大学医学部医学科 卒業
三重県立総合医療センター 
N2 clinic