コロナ後遺症の喉の痛みが治らない!喉の違和感はいつまで続く?

公開日:2023.1.10 更新日:2024.12.04

コロナ後遺症のどの痛み


こんにちは。西春内科・在宅クリニックです。

寒くなってきて、またコロナウイルス感染症の患者さんが増えてきてしまいました。

本記事ではコロナ後遺症として報告例の多い「喉の痛み」を説明していこうと思います。

欧米ではLong COVIDや、Post-acute COVIDなどと呼ばれていますが、様々な症状を呈していることが報告されています。

その中でも咽頭痛や咽頭の違和感について、その病態や対策について詳しく解説していきたいと思います。



 

コロナ後遺症の喉の痛みや違和感を治す方法はある?


コロナ後遺症のどの痛み

のどの痛みに対しては、以下の薬が多く用いられています。

  • トラネキサム酸(トランサミン)
  • ロキソプロフェン(ロキソニン)
  • アセトアミノフェン(カロナール)


これらの薬は炎症や痛みを抑えるだけであり、感染症を治す薬ではありません。

長期にわたって症状がある方に対しては上咽頭擦過療法(*1)と呼ばれる治療が行われています。

コロナ後遺症に有効とも言われていますが、効果には個人差があり、治療適応となるかは耳鼻科の先生にご相談ください。

また、避けた方がよいこととしては次のようなものがあります。

  • 喫煙
  • 飲酒
  • 大声を出す
  • 刺激物(辛い物、すっぱいもの)を食べる
  • 熱いものを食べる


上記の行為などは、炎症の回復を遅らせる可能性がありますので避けた方が良いと考えられます。

上咽頭擦過療法(*1)=上咽頭に薬液を付けた綿棒などを擦り付ける方法

 

関連記事:新型コロナの後遺症の一覧と症状が長引くときの対処法

 

 

もしコロナ後遺症の喉の痛みや違和感は続くときは


コロナ後遺症のどの痛み

コロナウイルスの自宅療養期間が終了してからも咽頭痛が続き、少しも回復の兆候が見られない場合は病院を受診することをお勧めします。

はじめはかかりつけの先生あるいは耳鼻咽喉科を受診すると良いでしょう。

また、上記に書いたような内服治療をおこなっているにもかかわらず症状が持続する場合はコロナ後遺症外来の受診をお勧めします。


▶当院のコロナ後遺症外来について詳しくはこちら

 

喉の痛みや違和感で考えられる原因


コロナ後遺症のどの痛み

のどの痛みや違和感は咽頭(のどの奥)への病原体の感染が起こることで、局所の炎症が起こり、痛みを引き起こします。

新型コロナウイルス感染症においては、ウイルスが咽頭に感染し、炎症を引き起こすことがわかっています。

原因としては、コロナウイルス感染症だけでなく、以下などが痛みの原因となりえます。

  • インフルエンザなどの他のウイルス感染症
  • 溶連菌などの細菌感染症
  • アレルギー
  • 頻回にわたる咳
  • 空気の乾燥
  • 長期間にわたって叫ぶなどの筋障害
  • 喫煙

 


関連記事:【倦怠感・疲労感が続く】これって新型コロナ感染症の後遺症?その他考えられる原因

 

 

新型コロナ感染症の後遺症に多い喉の痛みや違和感の特徴


コロナ後遺症のどの痛み

慶應大学が中心となって1000人を対象として日本人の症状経過について調査しました。

その結果によるとコロナウイルス感染症では約24%で咽頭痛を生じていることがわかりました。

熱は80%、咳は57%と報告されています。

咽頭痛を引き起こす方は多いわけではないこともわかりますね。

咽頭痛の程度としては患者さんから「インフルエンザと同じくらい」との声を多くいただいております。

「水が飲めないほど」までの痛みを生じることは比較的少ないでしょう。

また、比較的長く症状が続いている方からは「痰が絡んでいる感じ」や「痰があるけど出ない」ということもお聞きしています。

おそらくではありますが、炎症のあとには必ずと言っていいほど浮腫(むくみ)が起きます。

その状態が痰が絡んでいる感じによく似てしまうため、症状として感じてしまうのでしょう。

発熱がおさまった後までのどの痛みや違和感が続く場合も見られます。

患者さんによっては、自宅療養期間を超えても症状が持続し、社会生活への復帰のタイミングが難しくなってしまう方も見られます。




新型コロナ感染症の後遺症で喉の痛みや違和感が回復する時期


コロナ後遺症のどの痛み

先ほどもお示しした、慶應大学の研究では1年間にわたって後遺症のデータを集めて報告しています。

咽頭痛の発症率については次のようになっています。

発症時24%
診断後3か月4%
診断後6か月3%
診断後1年2%


多くの患者さんで3か月以内に症状が回復していることがわかります。

発症時に咽頭痛があった患者さんの10%程度では1年近く症状が持続することがわかりました。

 

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咽頭炎との違いは?


発生している病態についてもいまだはっきりしていない部分も多いです。

局所で発生している事象としては、おそらく一般的な咽頭炎と同様と考えられます。

局所的な炎症の程度が強いためか、一般的な咽頭炎よりも症状改善までの期間が長い印象があります。

 

関連記事:動悸や息切れが治らない|原因はコロナの後遺症?ストレス?対処方法について解説

 

 

西春内科在宅クリニックができる対応


西春内科・在宅クリニックでは、症状に合わせた簡単な投薬治療を行うことができます。

初期治療については当院でも可能となりますので、「もしかしたら?」と思ったらまずは当院までご相談ください。


また、当クリニックはオンライン診療も行っております。

ご自宅にいながら診察からお薬の処方まで受けることが出来ます。

予約の仕方や費用など詳しくはこちらをご覧ください。

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まとめ


今回はコロナウイルス感染症後遺症のうち咽頭痛について説明しました。

のどの痛みはコロナウイルス感染症だけでなく、普段の生活でも起こりえる症状です。

コロナウイルス感染症では普段よりも「強い」症状が「長く」続く場合があるかと思います。

コロナウイルス感染症の後遺症で咽頭痛にお困りの場合はご相談いただくようお願いいたします。

参考文献
厚生労働科学研究成果データベース「新型コロナウイルス(COVID-19)の長期合併症の実態把握と病態生理解明に向けた基盤研究」

この記事の監修医師

監修医師: 福井 康大