なぜ眼精疲労で頭痛になるの?効果的なツボや予防対策を紹介
日常的な頭痛に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
頭痛の原因がわからず不安になっている方もいらっしゃると思います。
しかし、実はその頭痛…目の疲れ(眼精疲労)からきているものかもしれません。
今回は眼精疲労で頭痛が起こる原因や、眼精疲労に効果のあるツボ・マッサージなどについて詳しく解説していきます。
目次
眼精疲労になる原因
眼精疲労は目の酷使によって引き起こされます。
具体的には以下のような原因が複合的に関与して眼精疲労を悪化させるため注意が必要です。
| 長時間のディスプレイの使用 | PC、スマホ、テレビゲームなどの長時間利用は眼精疲労の一番の原因 |
| 近くのものを長時間見続ける | 仕事や勉強による近くのものを長時間見続ける場合、目の焦点を一点に固定するため眼精疲労を引き起こす可能性がある |
| 不適切な作業環境 | 照明の不足、過度な明るさ、画面の位置、作業中の体勢などの作業環境が目に負担をかけることもある |
| まぶしい光 | 点滅する照明や強い光は目の負担となり眼精疲労を引き起こす可能性がある |
| 目の乾燥 | 目の乾燥が眼精疲労を引き起こす可能性がある |
| 合っていないメガネ・コンタクトの使用 | 度のあっていないメガネやコンタクトは目の負担が増え眼精疲労を引き起こす可能性がある |
眼精疲労で頭痛が起きる理由
眼精疲労が持続している際には目の焦点を合わせようとして過度に目や頭部の筋肉に負担がかかることで頭痛が起こるとされています。
また眼精疲労を起こす原因自体も頭痛を悪化させることがあります。
特に長時間の座った状態でのパソコン作業などは眼精疲労の原因となるだけでなく、肩から首にかけての筋肉が硬くなってしまうことで筋緊張性頭痛を引き起こすことがあります。
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眼精疲労で頭痛以外に起こりやすい症状
眼精疲労は頭痛だけでなく様々な全身症状を呈します。
以下に起こりうる症状を挙げていきます。
| 首や肩のこり | 眼精疲労により肩周辺の筋肉のこりを引き起こします。 |
| 頭重感やめまい | 眼精疲労からめまいの症状が現れることがあります。 めまいが酷くなる場合は吐き気を伴うこともあります。 |
| まぶたのピクつき(痙攣) | 目のまぶたが不随意に痙攣することがあります。眼精疲労が悪化すると痙攣の頻度が増えていきます。 |
| ドライアイ | 眼精疲労が持続することで、目を使う作業をしていない時も目が乾燥する状態が続くことがあります。 |
これらの症状以外にも眼精疲労が重篤化すると耳鳴りや不眠の症状が出ることもあります。
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片目だけ眼精疲労になることはありえる?
眼精疲労は基本的には両目に症状が出ます。
そのため片目だけ症状が出るようでしたら緑内障や群発頭痛、角膜ヘルペスといった他の眼科疾患の可能性があります。
片目だけに症状が出ている場合は早めに医療機関を受診しましょう。
眼精疲労に効くツボやマッサージ
眼精疲労には以下のツボが効果的です。
太陽穴(たいようけつ)

両側のこめかみにある太陽穴は、目の疲労を軽減するのに役立つツボです。
親指を使って、軽く太陽穴を押さえることでリリーフできます。
攢竹(さんちく)

両眼の間にある攢竹ツボも、目の疲労を和らげるために使用できます。
中指を使って、このツボを軽く押さえると効果的です。
睛明(せいめい)

両目の内側にある睛明ツボは、目の疲労や眼精疲労を緩和するのに役立ちます。
親指を使って、このツボをやさしく押すことができます。
また、ツボ押しだけでなく、以下のマッサージも眼精疲労を和らげる効果があり、おすすめです。
アイマッサージ
毎日のアイマッサージは、目の疲れを和らげるのに役立ちます。
清潔な指を使って、目のまわりを円を描くようにマッサージし、軽く圧をかけてリラックスさせましょう。
また、温かいコンプレスを使っても目の周りの筋肉をほぐすことができます。
パルスマッサージ
まばたきすることで、目の周りの血液の循環を助けることができます。
数回の早いまばたきを行い、それから目をしばらく閉じてリラックスさせましょう。
また、眼精疲労の症状があるかたは長時間のデスクワークが原因となっていることが多く、そのほとんどが肩や首の筋肉が過度に緊張しています。
そしてその緊張により筋緊張性頭痛を併発していることが多いです。
そのため肩周辺のストレッチやマッサージが眼精疲労の症状の改善に有効です。
また湯船につかることも血流改善から筋肉のリラックス効果があります。
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眼精疲労の治し方・治療について
眼精疲労による症状が酷く、上記のマッサージやストレッチでも症状が改善しない場合はどうすればいいのでしょうか?
眼精疲労の治療としてドライアイ改善のため人工涙液による補液や点眼薬を使用します。
上記の治療で改善されない場合、アデホスコーワという内服薬を用いることもあります。
アデホスコーワとは、血管拡張作用により血流を増加させ、生体内の代謝を賦活し臓器の機能を改善させる内服薬です。
眼精疲労にならないためにできる予防対策
眼精疲労の治療法について説明しましたが、眼精疲労は予防が最も重要です。
予防方法はいくつかあり、以下に列挙します。
適度な休息をとる
ディスプレイ作業などを行っている際にこまめに目を休ませるようにしましょう。
忙しくて休憩が取れない場合は20分ごとに視線をディスプレイから外すだけでも目の負担を減らすことができます。
またストレッチなども合わせて行うと理想的です。
作業環境を整える
ディスプレイや椅子の高さを自分の体型に合うように調整することで目の負担を軽減することができます。
また肩や首の負担も軽減することから筋緊張性頭痛を起こす可能性も下がります。
加えてディスプレイの明るさや点滅を減らす、部屋の照明を明るくするなども眼精疲労対策に有効です。
メガネ・コンタクトレンズを調整する
視力矯正が合っていないと眼精疲労は悪化します。
1年毎に視力矯正が自分に合っているか眼科にて検査してもらいましょう。
目薬を使用する
こまめに目薬を使うことで目の乾燥を防ぎ眼精疲労やドライアイを予防することができます。
睡眠をしっかりと
睡眠不足の時は眼精疲労が悪化しやすくなります。
そのため睡眠が不足している場合は作業を早めに切り上げるようにしましょう。
西春内科在宅クリニックができる対応
眼精疲労による症状に当てはまるものはありましたでしょうか?
眼精疲労から様々な全身症状が出ることが説明しましたが、眼精疲労以外の原因が隠れている可能性も否定できません。
少しでも上記の症状でお困りでしたら一度西春内科在宅クリニックで相談してみてはいかがでしょうか?
西春内科在宅クリニックは一般的な内科疾患から整形外科疾患や耳鼻科疾患など多岐にわたる病気の診察が可能です。
また診察から必要であれば適切な医療機関へ紹介し、さらに高度な治療へと繋げることが可能です。
眼精疲労だけでなく、気になる症状がありましたら、まずは西春内科在宅クリニックでお気軽にご相談ください。
まとめ
今回は、眼精疲労で頭痛が起こる原因や、眼精疲労に効果のあるツボ・マッサージなどについて解説しました。
いかがでしたでしょうか?
眼精疲労になると、頭痛や肩こり、目の痙攣などの症状を引き起こし、重症化すると耳鳴りや不眠などを引き起こします。
日頃から眼精疲労にならないように予防や、対策をして症状が出ないようにしていけるといいですね。
今回の解説が目の疲れや頭痛で悩んでいる方の手助けの一助になれば幸いです。
参考文献
1)東原尚代. 日本医事新報 2021;5046:44
2)岩佐真弓. MB ENT 2022;268:31-37
3)小原澤英彰. 治療増刊号 2004:86;427-436
監修医師: 福井 康大
監修医師: 西春内科・在宅クリニック 院長 島原 立樹
▶︎詳しいプロフィールはこちらを参照してください。
経歴
名古屋市立大学 医学部 医学科 卒業三重県立志摩病院
総合病院水戸協同病院 総合診療科
公立陶生病院 呼吸器・アレルギー疾患内科


