低温やけどの治し方は?水ぶくれの処置や対処法について解説
こんにちは、皆様「低温やけど」を知っていますでしょうか?
低温やけどは皮膚の下でやけどが起こっている状態で、見た目ではなんともないことが多いやけどです。
そのため気付いた時には深いやけどに…という事があります。
そのようなことにならない為に、今回は低温やけどについて対処法や予防法などを解説していきます!
目次
低温やけどとは
低温やけどとは低温(44~50℃くらい)のものに長時間接することで起こるやけどの事を言います。
一般的に44℃のものにおよそ6時間接触し続けると低温やけどになると言われています。
就寝時など、数時間かけて発症するケースが多いですが、50℃に近いものだと、数分触れているだけで起こることもあります。
そして、接する時間が長いほど深い火傷になります。
44℃~50℃前後というのは、例えば湯たんぽやカイロなど、短時間触れるだけでは痛みなどはなく寒い時には心地よく感じるものです。
普通のやけどと何が違う?
では、普通のやけどとの違いは何でしょうか?
普通のやけどとは沸騰しているお湯やその鍋に触れたらすぐにやけどしてしまいますよね。
例えば高温でお肉を焼くイメージです。
逆に低温やけどは低温でじっくり時間をかけてお肉を焼くイメージです。
外側は焦げませんが、中まで火が通りますよね。
高温の物は反射的にサッと手を引っ込めたりしますが、低温やけどで発症する場合は熱いと感じた時点で既に低温やけどになっているところが特徴です。
低温やけどの原因
では、どんなものが低温やけどの原因になるのでしょうか?
意外と身近なものが多く、湯たんぽやカイロ、電気毛布など、寒い時期に使用しそのままうたた寝して発症…というケースが非常に多いです。
- 湯たんぽ…布団を暖めるために使用し、就寝前に布団から取り出しましょう。カバーをつけることでリスクを軽減することが出来ます。
- 使い捨てカイロ…素肌には当てず衣服の上から使用するようにしましょう。
- 電気毛布、ホットカーペットなどの暖房器具…できるだけ寝る前に電源を切りましょう。タイマー機能などを活用し、長時間同じ場所に当たることを避けましょう。
- スマホ、モバイルバッテリー…意外と充電中のスマホは発熱しており低温やけどのリスクがあります。就寝中に寝返りを打っても触れないところに置きましょう。
低温やけどの症状
低温やけどだけでなく、やけどには損傷を受けた深さによって下の様に分類されます。
Ⅰ度
皮膚の表面だけに障害を受ける。
見た目…乾燥していて、日焼けをした時のような赤みがある。
症状…ひりひりした痛みがある。
Ⅱ度(浅達性)
見た目…赤くなり、痛い。
症状…水ぶくれができる。痛みがある。
Ⅱ度(深達性)
見た目…やや白っぽい
症状…水ぶくれができる。強い痛みがある。
Ⅲ度
皮膚のすべての層に障害を受ける。
見た目…黒や白、褐色になる。
症状…水ぶくれはできない。激しい痛み、もしくは痛みが無い。
低温やけどの応急処置
低温やけどが起きた場合、まずはとにかく患部を冷やすことが大切です。
目安として10分~30分ほど流水で冷やしましょう。
冷やすことでやけどが深くなることを防ぎ、痛みを和らげることが出来ます。
また、低温やけどは見た目では深さが判断できないので、放置せず病院を受診しましょう。
氷や保冷材などは冷たすぎて、長時間冷やしてしまうと凍傷や低体温になってしまったりする可能性があります。
また、やけどにはアロエや味噌を塗る民間療法がありますが、深度の分からない低温やけどにはほとんど効果がありません。
奥深くまで損傷している可能性がある為です。
低温やけどの治療法
低温やけどの治療法は深さによって異なります。
Ⅰ度~Ⅱ度(浅達性)では炎症を抑えるステロイド外用剤による治療や、やけど専用の絆創膏による治療を行っていきます。
Ⅱ度(深達性)~Ⅲ度などの損傷レベルが深い場合は専門の医療機関での治療が必要です。
皮膚が壊死してしまった場合には、皮膚が自己再生することが困難な為、壊死した皮膚を除去(デブリードマン)、皮膚移植する場合もあります。
低温やけどは見た目では深さがわからないことが多いので病院を受診し、診察してもらいましょう!
低温火やけどの水ぶくれの処置は?
水ぶくれが出来ている場合には潰さずそのままにしましょう。
潰してしまうとその跡から雑菌が入り込んでしまい症状が悪化する危険性がある為です。
処置としては、ラップにワセリンを塗り患部の上に巻き、清潔に保ちましょう。
万が一水ぶくれを潰してしまったら、破れた皮をそのままにし、上記の処置を行ってください。
また、ガーゼで覆う事は避けましょう。
なぜならガーゼが水ぶくれの皮に張り付き、剥す際に強く痛むためです。
服を着ていてその下が水ぶくれになっている場合は、服の上から流水で冷やし、脱がずにそのまま病院を受診しましょう。
低温やけどの予防法
とはいえ寒い時期にカイロや電気毛布などの暖房器具などを使わないというのは難しいですよね💦
したがって低温やけどを予防するためには暖房器具、防寒グッズの使用する際に、説明書に記載された使用方法を守る事が大切です。
どれも、素肌に当てず長時間同じ場所を暖めないこと、タイマー機能などを活用し就寝中の使用を避けるなど、
正しい使い方を徹底することで低温やけどのリスクを低減することが出来ます。
特に高齢者や小さいお子様、神経障害があり感覚が鈍い方などは低温やけどのリスクが高い為、十分に注意しましょう。
西春内科・在宅クリニックでの対応方法
西春内科・在宅クリニックでは、軽症のやけどであればワセリンなどの保湿剤、抗生物質の塗り薬、抗炎症作用のある塗り薬、やけど下部分の外傷処置を行います。
また、やけどが重症であれば専門の医療機関へご紹介をいたします。
まとめ
低温やけどは本人が気付かない内に症状が進行していくのが特徴です。
そのため迅速な対応が必要です。
応急処置として流水で冷やしたとしても、見た目ではどれだけ進行しているか判断が出来ない為、基本的には医療機関に受診しましょう!
暖房器具や防寒グッズの使用上の注意を確認し、正しく使うことで低温やけどは予防することが出来ます。
参考文献
低温やけどって普通のやけどと違うの? 低温やけどの基礎知識: COLUMN-Maison KOSÉ
やけど(熱傷)|一般社団法人 日本創傷外科学会 一般の皆様へ
低温やけどはすぐに応急処置を!身近にある原因を知って適切な予防に努めよう
低温やけどにご注意ください! |クリニックコラム | タナカ皮膚科
低温やけどって見た目はなんともないけど大丈夫?対処や予防法を解説|三井住友海上
『低温やけど』の症状、原因、対処法。重症にならないように予防が大切|田辺三菱製薬