花粉症で頭痛が起こる原因は?カロナールなどの鎮痛剤が有効かを解説
花粉症は花粉が様々な経路から体内に侵入することで起きるアレルギー反応です。
花粉症の症状として鼻水や目のかゆみはよく知られていますが、頭痛が起こることもあります。
どのようなときに花粉症による頭痛を疑うかを知っておくことで、早い段階で医療機関にかかることにもつながります。
花粉症による頭痛であれば花粉症の治療を行うことで症状改善を見込めるため、ぜひ記事の内容をご参考ください。
目次
花粉症で頭痛が起こる原因
副鼻腔に炎症が起こる
花粉症では、花粉が体内に侵入することでアレルギー反応が起こり、鼻炎や結膜炎などの炎症を生じます。
この炎症によって粘膜が腫れたり血管が拡張することで、かゆみや痛み、充血、鼻汁などの不快な症状が起こります。
花粉症の炎症は副鼻腔という鼻や目の周囲にある空洞でも生じることがあります。
副鼻腔に炎症が起こると、鼻づまりや、額、目の奥、頬などに痛みが生じ、これが頭痛として感じられます。
化学物質やサイトカインの放出
花粉症でアレルギー反応が起こると、様々な化学物質やサイトカイン(炎症性物質)が放出され、これらが脳内に作用することで頭痛が引き起こされます。
関連記事:花粉症の治し方はある?喉のイガイガや目の腫れの対処法を解説
花粉症による頭痛の特徴
額・目の奥・頬などに感じる痛み
副鼻腔の炎症によって起こる頭痛では、以下に鈍い痛みが生じるので、顔の表面に近い部分の痛みとして感じられます。
- 額
- 目の奥
- 頬
同じ頭痛でも、風邪をひいた際の頭痛は、一般に頭全体に感じられ、鈍い圧迫感やうずくような痛み、頭が重いような痛みとなります。
片頭痛では一般に頭の片側にズキン、ズキンと脈打つように痛みます。
頭を締め付けられるような圧迫感、頭全体が重い感覚
化学物質やサイトカインによる頭痛では頭を締め付けられるような圧迫感、頭全体が重い感覚が生じます。
風邪に伴う頭痛とは見分けることが難しい場合もあります。
花粉症による頭痛の対処と予防方法
病院を受診
花粉症による症状はある程度薬で抑えることが可能ですので、我慢せずに病院を受診しましょう。
花粉症の治療として用いられる抗アレルギー薬は、花粉の飛散が始まる少し前から始めることで、症状の悪化を防ぐことが可能になります。
最も患者数が多いスギ花粉の飛散は、例年2月ごろからピークを迎えるため、毎年花粉症に悩まされる人は冬のうちから病院に相談しておきましょう。
市販の花粉症の薬を服用
症状が軽度で、病院になかなか行けない場合には、市販薬でアレルギー症状を抑えることも可能です。
花粉症の市販薬には様々な種類があります。
フェキソフェナジン塩酸塩やエピナスチン塩酸塩は抗アレルギー薬の代表的な成分で、副作用が少なく眠くなりにくいのが特徴です。
注意点としては、常用薬がある場合飲み合わせが問題になる可能性がありますので、市販薬を使用する際は添付文書をよく確認してから服用するようにしましょう。
花粉との接触を避ける
花粉症による症状を軽減するためには、アレルゲンである花粉との接触を避けることが重要です。
花粉の飛散が多いと予想される日に外出する場合は、できるだけマスクやメガネ、帽子などの着用を心がけましょう。
家の中への花粉の流入を防ぐ
家の中に花粉を持ち込まないように、帰宅したら、洋服をよくはたいてから家に入りましょう。
また外部からの花粉の流入を避けるため換気は必要なときだけに限定して行うようにしたり、洗濯ものを干すときは部屋干しがおすすめです。
関連記事:花粉症と風邪の違い|花粉症でも受診は必要?その理由は?
花粉症による頭痛に解熱鎮痛剤は有効?
花粉症の治療としては抗アレルギー薬を使用することが一般的ですが、抗アレルギー薬を使用していても頭痛が完全にはよくならない場合も多々あります。
一般的に頭痛薬として用いられる、ロキソプロフェン、イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬や、アセトアミノフェンなどの解熱鎮痛薬は、花粉症による頭痛に対しても有効な場合が多いです。
必要に応じて、併用しましょう。
花粉症で引き起こされる頭痛以外の症状と対策
鼻水・くしゃみ
花粉との接触を避けるためにマスクをすること、鼻の粘膜の細胞から放出されるヒスタミンという化学物質が主に関わるため、抗ヒスタミン薬の内服や点鼻薬が有効です。
鼻づまり
鼻の粘膜の細胞から放出されるロイコトリエンという化学物質が主に関わるため、抗ロイコトリエン薬の内服や、炎症を抑えるためにステロイド点鼻薬が有効です。
咳
気道の過敏性が高まることによって症状が悪化します。
咳喘息などの慢性的な咳がある場合はその治療をしっかり受けましょう。
喉のかゆみ・不快感
のどの粘膜に花粉が付着して生じるため、うがいを心がけましょう。
目のかゆみ
目の粘膜の細胞から放出されるヒスタミンという化学物質が主に関わるため、抗ヒスタミン薬の内服や点眼薬が有効です。
炎症が強い場合には炎症を抑えるためにステロイド点眼薬が有効ですが、長期的な使用には注意が必要です。
肌荒れ
花粉によって皮膚炎が生じることもあります。
皮膚炎が起こると肌の乾燥や赤み、かゆみなどの症状が出ます。
皮膚が乾燥するとバリア機能が低下し花粉もより侵入しやすくなるので、保湿を心がけましょう。
関連記事:花粉による肌荒れを防ぐには?スキンケアと生活習慣のポイント
西春内科・在宅クリニックでできる対応
当院では花粉症を含め、アレルギー疾患全般の診療を行っております。
花粉症では頭痛をはじめ多岐に渡る症状が出現するので、症状に合わせた治療選択が重要です。
また、アレルゲン物質を特定するための血液検査も可能です。
原因や症状に応じて、舌下免疫療法も対応しております。
オンライン診療も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
今回は、花粉症による頭痛について解説いたしました。
花粉症による頭痛であれば花粉症の治療を行うことで症状改善を見込めるため、ぜひ記事の内容をご参考ください。
監修医師: 西春内科・在宅クリニック 院長 島原 立樹

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経歴
名古屋市立大学 医学部 医学科 卒業三重県立志摩病院
総合病院水戸協同病院 総合診療科
公立陶生病院 呼吸器・アレルギー疾患内科