アレルギー薬に強さの違いはある?タイプ別おすすめ市販薬ランキング

公開日:2025.4.22 更新日:2025.4.22

 

花粉症、ハウスダスト、ペットアレルギーなど、さまざまな原因によるアレルギー症状に悩んでいる人は多いと思います。

 

症状に対してアレルギー薬を選ぶ際は、効き目の強さや自分に合った薬なのかを見極めるのが重要なポイントです。

 

本記事では、アレルギー薬の種類や特徴を解説するとともに、市販薬をタイプ別におすすめランキング形式でご紹介します。

 

 

 

アレルギー薬に強さの違いはある?

 

 

アレルギー薬には確かに強さに違いはありますが、この強さの違いは効き目の強さだけではありません。

 

「強い薬=誰にでも効果がある」とは限らないので、使用する方に適した薬を選ぶためには以下のポイントを理解しておくのが重要です。

 

薬の「強さ」の要因

抗ヒスタミン薬やステロイド薬など、薬ごとに作用機序が異なります。

 

抗ヒスタミン薬は即効性があり、ロイコトリエン受容体拮抗薬は即効性はないですが予防的に使用されることも多いです。

 

さらに、市販薬は医療用薬と比べると、副作用のリスクを軽減するために成分量が控えめに調節されているので、これが効き目の違いとして感じられることもあります。

 

軽度の花粉症なら低用量の薬で十分効果を感じられたり、重度のアレルギーには高濃度の薬が必要なこともあるので、症状に合った薬を適切に選ぶことが重要です。

 

関連記事:舌下免疫療法のメリット|どんなアレルギーに有効?

 

アレルギー薬の種類

 

 

アレルギー薬はその作用機序によりいくつかの種類に分けられます。

 

それぞれの特徴を理解することで、自分の症状に合った薬を選びやすくなります。

 

抗ヒスタミン薬

抗ヒスタミン薬は、アレルギー症状の原因となるヒスタミンの働きをブロックする薬です。

 

特に花粉症やハウスダストによるくしゃみ・鼻水・目のかゆみなどの症状に効果を発揮します。

 

抗ヒスタミン薬には、1950年代に開発された第1世代、1980年代以降に開発された第2世代があります。

 

第1世代は即効性は非常に高いものの、眠気や口の渇きなどの副作用が多く、運転や機械操作を行う方には不向きです。

 

また、効果も4-6時間で効果が切れるため1日に複数回の服用が必要です。

 

成分として、クロルフェニラミン・ジフェンヒドラミン・プロメタジンなどがあります。

 

改良された第2世代は眠気の副作用が少なく、長時間効果が持続するため、日常生活に支障をきたしにくいなど利点が多いです。

 

ただし、即効性では第1世代と比べやや劣り、一部は医療機関での処方が必要となります。

 

成分として、フェキソフェナジン、ロラタジン、エバスチン、セチリジンなどがあります。

 

ロイコトリエン受容体拮抗薬

この薬は、アレルギー反応に関与するロイコトリエンという物質の働きを抑える薬です。

 

主に慢性的な鼻炎や喘息に対して使用されます。

 

ロイコトリエン受容体拮抗薬は、即効性はないのと効果を維持するために毎日の服用が必要ですが、副作用が少なく様々なアレルギー症状に幅広く適用することが可能です。

 

継続的に使用することでアレルギーや喘息の予防に効果が見込めます。

 

市販薬としては販売されていないので、慢性的な症状がある場合などに医療機関を受診し、医師の診断に基づいて処方を受けるのが一般的です。

 

成分として、モンテルカスト、プランルカストがあります。

 

ステロイド薬

ステロイド薬は、炎症や免疫反応を強力に抑制する作用を持つ薬です。

 

重度のアレルギー症状・鼻づまり・喘息・アトピーなどに有効です。

 

ステロイド薬は効き目は非常に強いのですが、医師の管理のもときちんと使用しないと副作用のリスクが増加します。

 

点鼻薬などの外用薬は局所的に作用するので、副作用のリスクは低くなり、優先的に使用されることが多いです。

 

内服薬は長期間の使用により、骨粗しょう症・免疫抑制のリスクなどがあり、急に中断した場合は副腎不全を起こす可能性もあります。

 

自己判断で使用をやめたり、量を増減したりすることは大変危険ですので、量を調節したい時は医師と相談しましょう。

 

成分としてプレドニゾロン・フルチカゾン・ブデソニド・ベタメタゾンなどがあります。

 

その他

 

その他にも、補助的に使用されるアレルギー薬もあります。

 

クロモグリク酸ナトリウムやNSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)です。

 

クロモグリク酸ナトリウムは、点鼻・点眼などの方法で予防薬として使用し、肥満細胞を安定化させてヒスタミンなどの炎症物質の放出を抑えます。

 

この薬は比較的安全性が高く、重大な副作用は少ないです。

 

NSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)は、アレルギー反応そのものを抑える効果はありませんが、症状に伴う痛みや腫れを軽減します。

 

成分として、イブプロフェン・ロキソプロフェン・アスピリンなどがあります。

 

 

市販のおすすめアレルギー薬【内服薬】

 

 

1位: アレジオン20(エスエス製薬)

 

項目

内容

有効成分

エピナスチン塩酸塩 20mg/錠

特徴・メリット

1日1回就寝前に服用で済む。効果が翌日まで持続。眠気が少なく日常生活に支障が出にくい

効果

鼻水・鼻づまり・くしゃみなどを緩和

副作用

まれに口の渇きがある

価格

約3,000円(24日分)

 

1日1回の服用で効果が持続します。

 

以前の抗アレルギー薬と違って眠気が出にくく、日常生活に支障をきたしにくい薬です。

 

2位: アレグラFX(久光製薬)

 

項目

内容

有効成分

フェキソフェナジン塩酸塩 60mg/錠

特徴・メリット

眠気が出にくいので車の運転も可能。効果の出始めが早い(約1時間で効果発現)

効果

鼻水・鼻づまり・くしゃみを改善

副作用

ごくまれに頭痛、だるさがある

価格

約2,000円(28日分)

 

眠気の副作用が特に少なく、運転や仕事中も使いやすいです。

 

効果が出るのが早いのが特徴です。

 

3位: クラリチンEX(大正製薬)

 

項目

内容

有効成分

ロラタジン 10mg/錠

特徴・メリット

1日1回服用で済む。錠剤が小さく飲みやすい。

効果

鼻炎による鼻水・鼻づまり・くしゃみを緩和

副作用

まれに眠気がある

価格

約4,000円(28日分)

 

錠剤が小さく飲みやすいです。

 

体への負担が少なく幅広い世代に適しています。

 

上記3製品はすべて新しいタイプの抗アレルギー薬で、昔の薬より眠気が出にくいのが特徴です。

 

ただし個人差があり、まれに眠気が出ることもあります。

 

関連記事:黄砂アレルギーとは?人体への影響やPM2.5との違いについて解説

 

市販のおすすめアレルギー薬【点鼻薬編】

 

 

1位: パブロン鼻炎アタックJL(大正製薬)

 

項目

内容

有効成分

ベクロメタゾンプロピオン酸エステル(ステロイド成分)

特徴・メリット

1日2回の使用で効果が24時間持続。眠くならない。液だれしにくい設計。長期間使用できる

効果

鼻づまり・鼻水・くしゃみなどアレルギー症状の根本改善

副作用

鼻の中の不快感(乾燥感など)、まれに鼻血

価格

約1,500円(8.5g入り)

 

炎症を抑える成分で症状を根本から改善します。

 

長期間使っても大丈夫で、しばらく使い続けることで効果が高まります。

 

2位:フルナーゼ点鼻薬(グラクソ・スミスクライン)

 

項目

内容

有効成分

フルチカゾンプロピオン酸エステル(ステロイド成分)

特徴・メリット

1日2回の使用で24時間効く。鼻の中だけで作用して体への影響が少ない。

効果

鼻水・鼻づまり・くしゃみのアレルギー症状を改善

注意点

鼻の中の不快感(乾燥など)。すぐには効かず、使い続けて効果が出てくる

価格

約1,500円(8ml入り)

 

病院でも使われる成分の市販薬です。

 

鼻の中だけで作用して体への影響が少なく安全性が高いです。

 

3位:ナザールスプレー(佐藤製薬)

 

項目

内容

有効成分

ナファゾリン塩酸塩(血管を収縮させる成分)、クロルフェニラミンマレイン酸塩

特徴・メリット

すぐに効果が出る。どこでも買いやすい。使い方が簡単

効果

すぐに鼻づまりを解消、鼻水・くしゃみも和らげる

注意点

1日最大6回までの使用制限あり。鼻の中の不快感・乾燥。1週間以上続けて使うのは避ける

価格

約700~1,000円(30ml入り)

 

すぐに効く定番品です。

 

一時的な症状を和らげるのに適していますが、長く使い続けるのは避けましょう。

 

ステロイド系(1位、2位)は使い続けることで効果が高まり長期使用も可能です。

 

血管収縮剤(3位)はすぐに効く反面、長く使うと鼻の粘膜に負担がかかるので注意が必要です。

 

 

市販のおすすめアレルギー薬【目薬編】

 

 

1位:ロートアルガード クリアブロックZ(ロート製薬)

 

項目

内容

有効成分

クロモグリク酸Na 1%、クロルフェニラミンマレイン酸塩 0.03%、プラノプロフェン 0.05%

特徴・メリット

アレルギーと炎症を同時に抑える高機能タイプ。メントール配合でスッキリした使い心地

効果

目のかゆみ・充血・涙目の緩和

注意点

1日4回までの使用制限あり。点眼時にスーッとした感じ。コンタクトレンズ装着中は使えない

価格

約1,500円(13ml入り)

 

アレルギーを抑える成分2種類と炎症を抑える成分配合の高機能タイプです。

 

すっきりした使用感が特徴です。

 

2位:アイリスAGガード(大正製薬)

 

項目

内容

有効成分

ケトチフェンフマル酸塩、グリチルリチン酸ニカリウム

特徴・メリット

1歳から使用可能で幅広い年齢層に対応。清涼感のある使い心地

効果

目のアレルギー症状(かゆみ・充血)の緩和

注意点

1日4回までの使用制限あり。さした直後に軽いしみる感じ。コンタクトレンズ装着中は使えない

価格

約1,000円(10ml入り)

 

小さな子どもから大人まで幅広い年齢層で使える抗アレルギー目薬です。

 

3位:ノアールPガード点眼液(佐藤製薬)

 

項目

内容

有効成分

ペミロラストカリウム 0.1%

特徴・メリット

1日2回(朝・夕)だけでよいので点眼回数が少なくて済む。防腐剤フリーで目に優しい

効果

目のかゆみ・充血の予防と緩和

注意点

点眼時に若干の苦味あり。

価格

約1,500円(8ml入り)

 

1日2回の点眼で効果が続く長時間タイプ。忙しい方に最適です。

 

各製品とも特徴が異なるため、生活スタイルに合わせて選びましょう。

 

コンタクトレンズを使っている方は、使用前にレンズを外すか、製品の説明書をよく確認してください。

 

これらの薬は症状や生活習慣に合わせて選ぶことが大切です。

 

効果がない場合や症状が長引く場合は医師に相談しましょう。

 

関連記事:花粉症の症状まとめ|喉のイガイガの治し方はある?

 

市販のアレルギー薬を使用するときの注意点

 

 

市販薬は薬局や薬店で購入でき、手軽に症状を軽減することが可能です。

 

しかし、使用時にはいくつかの注意点があります。

 

不適切な使い方をすると効果が十分に得られないばかりか、副作用のリスクも高まります。

 

以下の項目を読んで、安全かつ効果的に使用しましょう。

 

用法用量を守る

アレルギー薬を使用する際に最も重要なのは、用法・用量を守ることです。

 

理由として過剰に服用しても効果が高まるわけではないことと、副作用のリスクが増加することがあります。

 

抗ヒスタミン薬やステロイド薬は、長期的に過剰使用すると身体への負担が大きくなるので、特に気を付けなければなりません。

 

必ず、パッケージや説明書に記載されている用法・用量を確認してから服用し、もし飲み忘れた場合でも、1度に2回分服用することは厳禁です。

 

他の薬との飲み合わせに注意

アレルギー薬は他の薬と併用する際には、注意が必要です。

 

特に抗ヒスタミン薬は飲み合わせによって眠気や注意力低下が強まる場合があります。

 

飲み合わせで注意すべき薬として、睡眠薬や鎮静剤との組み合わせに注意が必要です。

 

これらの薬は眠気の副作用が増強される可能性があり、NSAIDsなどの鎮痛剤と併用する場合は、胃腸への負担が増すことがあります。

 

アレルギー薬を服用する場合には、現在使用している他の薬を医師や薬剤師にきちんと伝えて、相談することが重要です。

 

パッケージや説明書に併用禁止の薬や注意事項が記載されていることもあるので、その場合は書かれていることを厳守しましょう。

 

眠気が出る成分が含まれるものもある

市販のアレルギー薬には、眠気を引き起こす成分が含まれているものもあります。

 

特に第1世代の抗ヒスタミン薬は眠気を引き起こし、日常生活に影響を及ぼすことがあるため注意が必要です。

 

眠気を引き起こす成分としてクロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、プロメタジンがあります。

 

眠気を避けるためのポイントとして、運転や機械操作をする方は、フェキソフェナジンなど眠気の少ない第2世代の抗ヒスタミン薬を選ぶのが良いでしょう。

 

初めて服用する薬の場合は、休日などに自宅で1度服用し、眠気の程度を確認して問題がなければ日常生活に取り入れていきましょう。

 

症状が改善しない場合は医療機関に受診

市販のアレルギー薬を使用して症状が改善しない、あるいは悪化している場合には、医療機関の受診が必要なこともあります。

 

アレルギー症状が長引く場合は、重篤な疾患の可能性があり、そのサインかもしれません。

 

受診を考えるべき症状として、以下などが挙げられます。

 

  • 鼻づまりやかゆみが3日以上続く
  • 呼吸困難や喘息症状が現れる
  • 市販薬を正しく使用しても症状が悪化した

 

これらの症状が出た際は、専門的な診断を受けることでアレルギーの原因特定が可能になり、症状に応じた適切な薬の処方が受けられるので、速やかに医療機関を受診しましょう。

 

 

西春内科・在宅クリニックでできること

 

アレルギー症状が改善しない場合や、より専門的なケアを受けたい場合は、西春内科・在宅クリニックにご相談ください。

 

クリニックでは必要に応じて血液検査を行い、アレルギーの原因となる抗原を特定することができます。

 

検査の結果、慢性的なアレルギーなどがあれば、生活習慣の見直しや免疫療法を含む治療プランの提案をします。

 

市販薬では対処できない症状や、効果が弱いと感じている方には、医療用の薬を処方することも可能です。

 

患者様の体質に合わせて、医療用の抗ヒスタミン薬・ロイコトリエン受容体拮抗薬・ステロイド薬を処方をします。

 

 

まとめ

アレルギー薬には様々な種類があり、症状や生活スタイルに応じて選ぶことが可能です。

 

本記事では、内服薬、点鼻薬、目薬のおすすめランキングを紹介しましたが、今回紹介した薬以外にも様々なものがあるので、薬局で薬剤師に相談をするのもよいと思います。

 

使用時には用法・用量を守り、眠気や飲み合わせに注意することが必要です。

 

しかし、市販薬はすべての症状に対応できるわけではありません。

 

市販薬で症状が改善しない場合や、重度の症状がある場合は、病院で専門的な診療を受けることが必要となります。

 

適切な薬の使用や医療機関でのサポートを活用し、アレルギー症状をしっかりと管理して、快適な日常生活を送りましょう!

 

この記事の監修医師

監修医師: 西春内科・在宅クリニック 院長 島原 立樹


▶︎詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

名古屋市立大学 医学部 医学科 卒業
三重県立志摩病院
総合病院水戸協同病院 総合診療科
公立陶生病院 呼吸器・アレルギー疾患内科

資格

日本専門医機構認定 内科専門医