死に至ることもある怖い熱中症!ドクターおすすめの熱中症対策と治し方

公開日:2025.9.16 更新日:2025.9.16

昨今では新型コロナウイルス感染症でご不安な方がとても多いと思います。

その一方で、この季節に特有の油断できない病気が「熱中症」です。

最近は、暑い外でも感染対策のためマスクをつけることが多く、熱中症のリスクが上昇しています。

どのように熱中症予防を行うのか、熱中症になってしまった場合どのように対策すれば良いのかについて、解説します。

熱中症の症状とは

熱中症は高温多湿の環境にさらされることよって起こる病態全般を指しますが、その症状は多彩で、以下のようなものがあります。

炎天下で活動中に、「さっきまで元気だったのに、急に体調が悪くなった」と感じたら要注意です。

熱中症の症状に当てはまるかチェックしてみてください。

  • めまい、立ちくらみ
  • 筋肉痛
  • だるい、ほてり
  • 発熱
  • 吐き気
  • 力が入らない
  • 筋肉のつりやけいれん
  • 汗が止まらないまたは全く汗をかかない

重症の方では、以下などの怖い状態になることもあります。

  • 意識がもうろうとする
  • ふらふらして歩けない
  • 呼びかけに応じない

熱中症を引き起こす3つの原因とは?

熱中症を引き起こす原因には、「環境」、「からだ」、「行動」の3つがあると考えられています。

熱中症の原因①:環境

  1. 気温や湿度の高さ
  2. 風が入らない
  3. 閉め切った部屋
  4. 日差しが強い

など

熱中症の原因②:からだ

  1. 乳幼児、高齢者
  2. 持病のあるかた
  3. 脱水状態
  4. 寝不足

など

熱中症の原因③:行動

  1. 長時間の屋外作業
  2. 激しい運動
  3. 水分補給せずに運動
  4. なれない運動

など

外で激しい運動をした場合に熱中症を引き起こしやすいのはよく知られています。

しかし、上記の3要因のいずれかが悪いと、思わぬ環境でも熱中症を発症します。

具体的には、エアコンを使わない高齢者の室内での熱中症や、水分補給が不足した乳幼児の熱中症などです。

また、中には熱中症の症状に気づきにくい方もいらっしゃいます。

厚生労働省の発表では、平成30年7月〜9月までの間に、熱中症によって入院された患者数は、計1343人(熱中症患者即日登録調査2018による)でした。

その中でも61歳以上の入院者数が全体の半分以上を占めています。

気づかないうちに、重度の熱中症に至ることもあるので、ご自宅ではためらわずエアコンをつけて、生活しやすい温度を心がけましょう。

「環境」、「からだ」、「行動」の3つの原因から、熱中症を引き起こさない予防対策が必要です。

熱中症の応急処置について

軽い症状だと風邪にも似ていますが、症状が出現する前のエピソードから熱中症とわかることが多いです。

熱中症かな?と思ったら、以下のように対応してください。

①まずは、風通しがよく、涼しい場所へ移動し休む

②服をゆるめ、ぬれタオルや保冷剤などで体を冷やす

③スポーツドリンクや経口補水液などで、水分・電解質を補給する

ポカリスエットなど、塩分や糖分が含まれ、体内に水分を吸収しやすい飲料を摂取してください。

飲水が可能であれば、大事に至らないことが多いですが、中には嘔吐によって水分摂取ができない患者様も少なくありません。

また、意識がもうろうとしている場合も大変危険です。

①自力で水分摂取ができない

②意識障害、呼びかけに答えない

このような場合には、無理せずお近くの救急病院へ受診してください。

熱中症は死に至ることもある怖い病気です。暑い環境下で作業される方は特にこまめに水分を摂取しましょう。

この記事の監修医師

監修医師: 西春内科・在宅クリニック 院長 島原 立樹


▶︎詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

名古屋市立大学 医学部 医学科 卒業
三重県立志摩病院
総合病院水戸協同病院 総合診療科
公立陶生病院 呼吸器・アレルギー疾患内科

資格

日本専門医機構認定 内科専門医