ぎっくり腰になるかもしれない予兆|病院へ行くべき痛みレベルを解説

公開日:2023.10.10 更新日:2024.11.13

ぎっくり腰

2019年の厚生労働省の調査では

病院を受診する理由として”腰痛”は男性で第一位、女性では肩こりに次ぐ第二位となっており、悩んでいる方がとても多い症状です。

中でも「ぎっくり腰」は突然起こり、動くこともできないほどの痛みがあることもあります。

今回は、ぎっくり腰の原因や症状、対処法などについて解説していきます。

急な腰痛で困っている方はぜひ参考にしてみてください。

 

 

ぎっくり腰の原因とは


ぎっくり腰

ぎっくり腰とは急に起こった強い腰痛を指す一般的に用いられている名称であり、病名や診断名ではありません。

そのため、ぎっくり腰の痛みの原因は様々であり、腰の中の関節の捻挫や軟骨である椎間板の損傷、腰を支える筋肉や靭帯の損傷などが考えられます。

しかし、足に痛みやしびれがあったり、力が入らないなどの症状があったりするときには椎間板ヘルニアや中年以上では腰部脊柱管狭窄症などの病気の可能性もあります。

さらに、がんが背骨に転移して痛みを生じたり、ばい菌による背骨や軟骨(椎間板)の化膿などの重大な原因が潜んでいることも時にあります。

そのため、腰痛がひどいときは整形外科を受診して診断を受けることが大切です。

 

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ぎっくり腰の症状と痛みレベル


ぎっくり腰

ぎっくり腰の症状は何か物を持ち上げようとしたときや、腰をねじるなどの動作をしたときなどに起こることが多いです。

しかし、朝起きた直後や何かしていなくても起こることもあります。

ここから、ぎっくり腰の症状と痛みのレベルについて解説していきます。

軽症の場合


軽度のぎっくり腰では、動作の時に少し痛みがある程度ですので、慎重に過ごせばいつもと同じような日常生活を送れます。

通常は1〜2週間程度で自然によくなることが多いのです。

しかし、腰痛の他に足の痛みやしびれなどの症状がある場合や、痛みが長引いているときには病院を受診することがお勧めです。

中程度の場合


痛みのレベルが中程度の時には日常生活が大変な程度の腰痛がみられるので、慎重に日常生活を送ることが必要です。

重度の場合


重度の腰痛では、痛みがひどく、立ったり座ったりする動作や、歩行も困難な状態になります。

痛みがひどい場合には動くのも大変ですが、診断をつけるためにも早めに整形外科を受診することが必要です。

 

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筋膜性腰痛とぎっくり腰の違い




筋膜性腰痛とは、筋肉を覆っている筋膜がなんらかの理由で損傷したり炎症を起こすことで痛みを生じる腰痛のことを言います。

ぎっくり腰が腰痛全般を言うので、ぎっくり腰の方がより広い概念で、その中に筋膜性腰痛が含まれることとなります。

腰痛の原因を調べた近年の報告によれば、腰痛の原因の内訳は

  • 背骨の関節(椎間関節)由来が22%
  • 筋膜性腰痛が18%
  • 椎間板による痛みが13%
  • 脊柱管狭窄が11%
  • 椎間板ヘルニアが7%


と言われています。

そのため、筋膜性腰痛は腰痛の原因の中で比較的多いと考えられます。

 

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ぎっくり腰の前兆・予兆チェックリスト




ぎっくり腰は突然起こることが多いのですが、前兆がある場合もあります。

ここからぎっくり腰の前兆、予兆について解説していきます。

✅寝返りでの腰の痛み
✅仰向けで寝ていると腰が痛む
✅起き上がる時、立ち上がる時に腰が痛む
✅前屈みで腰が痛む
✅座っていると腰が痛む
✅歩いた時や階段で腰が痛む
✅咳、くしゃみで腰に響く

これらのうち3つ以上あてはまる方はぎっくり腰になる可能性があります。


症状が悪化する前に早めに整形外科や整骨院で治療を受けることがお勧めです。

 

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ぎっくり腰になったときの対処法やツボ




ぎっくり腰になった時には痛みで動けなくなってしまい慌ててしまうことと思います。

まずは症状をしっかり確認して、すぐに病院を受診した方がよい症状があるか確認しましょう。

また腰痛の対処法とツボについても解説するので参考にしてください。

ぎっくり腰になった時に確認することとして、緊急性のある腰痛の可能性を除外することが必要です。

緊急性のある腰痛は下記のようなものです。

✅骨折
✅細菌の感染
✅大動脈解離など血管の病気

これらの病気の可能性がある症状は下記となっています。

✅高齢(もしくは未成年)
✅安静時の痛み
✅胸部の痛みを伴う、突然の激痛
✅癌の治療をしている、ステロイドなどの免疫を抑制する治療を行っている
✅最近体重が減少している
✅発熱
✅足の痺れ、麻痺などの神経の症状がある
✅排尿の問題(尿がでないなど)がある


上記のような症状があるときにはただのぎっくり腰ではない可能性が高いので早めに病院を受診するようにしましょう。

次にぎっくり腰の対処法について解説します。



参考記事:ぎっくり腰になる原因とは?症状のチェック項目と合わせて解説!|イノルト整形外科

安静

 

ぎっくり腰

急性期の痛くて動けないようなときは安静を保ち、動けるようになったら無理をしない範囲で動きましょう。

多少痛くても、痛みの範囲で動かすようにした方が治りは早いです。

お薬での治療

 

ぎっくり腰

病院を受診すると、痛み止めのお薬が処方されます。

飲み薬、坐薬、湿布などの種類があり、それぞれを組み合わせて炎症を抑えることで痛みを和らげます。

リハビリ、エクササイズ、マッサージ

 

ぎっくり腰

ストレッチやヨガ、ピラティスなどのエクササイズは運動療法と言われており、腰痛自体の治療や再発予防に有効です。

また、マッサージも痛みを和らげることが期待できます。

効果的なツボは腰を押してみて痛みがある部分です。

入浴後やベッドに入る前などに、心地よい程度の強さで押してあげることで痛みの改善に効果があります。

 

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ぎっくり腰で動けないときはどうすればいい?


ぎっくり腰

ぎっくり腰になってしまって動けないときは、まずは慌てずに症状を確認することが大切です。

先述した通り突然の激痛や発熱、足の痺れ、麻痺、尿がでないなどの症状がなければ緊急性は低いと考えられます。

そのため、無理をせずに安静にして、腰に負担がかからない楽な姿勢を取り、患部を冷やすようにしましょう。

また、痛み止めの薬を使って、痛みの範囲で腰のストレッチを行います。

痛みがよくなってきて動けるようになってきたら早めに病院を受診して診断をつけてもらい、治療を開始するようにしましょう。

 

 

病院やクリニックでの処方について


病院やクリニックを受診した際には痛み止めのお薬が処方されます。

痛み止めは飲み薬、坐薬、湿布、注射などの種類があります。

ここから、お薬の成分について解説していきます。

非ステロイド性抗炎症薬


ぎっくり腰

ロキソニンやイブプロフェン、アスピピリンといった薬剤で、炎症を抑えて痛みを和らげます。

腰痛に対して第一選択薬で市販薬も多く販売されています。

副作用として胃腸障害や腎機能障害、喘息などが起こり得ます。

アセトアミノフェン


ぎっくり腰

カロナールという薬剤名で販売されています。

こちらも腰痛に対して第一選択薬で、子供や高齢者でも安全に使用でき、非ステロイド性抗炎症薬よりも副作用が少ないというメリットがあります。

筋弛緩薬




筋弛緩薬とは、筋肉の緊張状態を緩和させる薬のことです。

ぎっくり腰では、筋肉の緊張が腰痛を悪化させていることがあります。

そのため筋肉を弛緩させることで、痛みを和らげる効果が期待できます。

オピオイド


ぎっくり腰

オピオイドとは「医療用麻薬」のことです。

非ステロイド性抗炎症薬やアセトアミノフェンで効果が少ない時には作用が弱い弱オピオイドが処方されることがあります。

吐き気や便秘などの副作用がありますが、吐き気止めや便秘薬を使用することで問題なく使える方がほとんどです。

 

 

西春内科在宅クリニックができる対応


ぎっくり腰である急性腰痛症は発症した直後は激痛で動くことができませんが、多くの方は安静とお薬で自然によくなります。

しかし、腰痛をしっかり直すためにも整形外科の受診が望ましいです

痛みがひどい場合は別の病気の可能性もあります。

西春内科在宅クリニックでは、レントゲン検査が可能です。

丁寧な問診と身体検査を行い、必要に応じてレントゲン検査を行います。

症状を和らげるよう、鎮痛剤の処方も行えますのでまずはお気軽にご相談ください。

また、必要に応じて近隣の病院へ紹介することが可能です。

 

 

まとめ


ぎっくり腰とは急に起こった強い腰痛を指す名称です。

痛みの原因は様々であり、腰の中の関節の捻挫や軟骨である椎間板の損傷、腰を支える筋肉や靭帯の損傷などが考えられています。

痛みが強いときには安静、お薬での治療を行い、痛みが和らいできたら病院を受診して診断をつけてもらうようにしましょう。

また、痛みの範囲内でストレッチ、エクササイズを行うことが腰痛の再発予防にお勧めです。

お困りの症状がありましたらいつでもご相談ください。

参考文献
日本整形外科学会.ぎっくり腰
ぎっくり腰を即効で治す方法4選!痛みレベル別の症状と正しい治し方
筋膜性腰痛とぎっくり腰の違いってなに?
【ギックリ腰の前兆】チェックする方法
腰痛のツボを知って、痛みの軽減や予防をしよう

この記事の監修医師

監修医師: 整形外科医 三浦 隆徳

専門領域

股・膝関節

資格・業績

日本整形外科学会整形外科専門医
医学博士
2017年 第66回東日本整形災害外科学会 学術奨励賞受賞
2019年 第68回東日本整形災害外科学会 学術奨励賞受賞

監修医師: 福井 康大