不眠とうつの関係性について|コロナ後遺症の可能性もある?
眠れないとどんどん体力と気力が削られてしまい、さらに気分が悪く…
そうなりがちな負の連鎖、不眠とうつの関係性について今回は解説していきます。
目次
不眠とうつの関係性について
日本では不眠に悩む方が多くいます。
不眠は、ストレスや疾患、薬の副作用、生活リズムの乱れによって引き起こされることがあります。
具体的な症状は、寝つきが悪い、眠りが浅い、早朝目が覚めるなどが挙げられます。
改善のためには、ストレスを減らし、生活リズムを整えることが重要です。
また、不眠とうつの関連性も指摘されており、不眠が長く続くと「うつ」のリスクが高まることが報告されています。
不眠に悩む場合は、専門医に相談することが大切です。
関連記事:五月病の症状やなりやすい人の特徴|うつ病との違いなども解説
ストレスも不眠の原因になる?
不眠症の多くは、ストレスが原因で起こることがあります。
ストレスフルな出来事に直面すると、多くの人が数日から数週間の間、眠りにくい状態になることがあります。
その中で、不眠が1ヶ月以上続く人もいます。
特に週に3回以上、3ヶ月以上続く場合は、不眠症の可能性が高くなります。
不眠症は、ストレスだけでなく、精神的な問題や身体的な疾患によっても引き起こされることもあります。
また、ストレスが続いたり、適切な睡眠環境や習慣が欠けている場合、不眠は慢性化する可能性があります。
眠れないことに対する恐怖心から、ますます眠れなくなることもあります。
さらに、以下のような睡眠に関する悪習慣が、不眠を悪化させる要因として考えられます。これらを修正することで、不眠を改善することができます。
参考記事:イライラして眠れない時はどうする?原因や対処方法を解説|Humming
寝る前の刺激物質の摂取
カフェイン(コーヒーや紅茶)、ニコチン(タバコ)、アルコールなどを摂取すると眠りにくくなることがあります。
寝床での過ごし時間の調整
寝不足を解消しようとして、長時間ベッドで過ごすことが逆効果となり、眠りが浅くなることがあります。
日中の活動量の確保
不眠が続くと、日中の活動量が減少しやすくなりますが、適度な運動をすることで、睡眠の質が向上することがあります。
睡眠時間の認識のズレ
実際の睡眠時間と自覚している睡眠時間が異なる場合があります。
睡眠時間を調整することで、より質の高い睡眠を得ることができます。
うつによる不眠の改善方法とは
まずは、考え方や生活習慣の改善から始めましょう。
ベッドで眠れないと感じる場合、無理に眠ろうとするのではなく、一度起きて本を読んだり、好きなことをして過ごすことをおすすめします。
生活習慣
- 毎日同じ時間に起きるよう心がける
- 運動を習慣づける。(寝る4〜5時間前に運動するのが理想的)
- 眠りやすい環境を整える(適温に調整した部屋、自分に合った寝具、遮光カーテンを使用することなど)
- 夕方以降のカフェイン摂取を控える
- 寝る前のスマホやパソコンの使用を控え、リラックスする時間を確保する
- 寝る前の飲酒やタバコを控える
人によって適切な睡眠時間は異なるため、「絶対に7時間は寝ないと」といった考え方は逆にストレスを与え、眠りにくくする可能性があります。
そのため、眠れないことを意識しすぎず、上記のようなポイントに注意しながら、リラックスして過ごすことが重要です。
内服薬
改善が難しい場合は、薬物治療や精神療法を検討してみましょう。
医師が適切な処方や治療法を提案してくれます。
最近では副作用や依存の少ないお薬も増えています。
抗うつ薬も不眠症状の改善に役立つ場合がありますので、医師と相談してみることをおすすめします。
関連記事:律神経失調症のセルフチェック26項目!こんな兆候は危険かも?|西春内科・在宅クリニック
うつは不眠だけでなく過眠もある?
うつ病で過眠症状が出る場合
うつ病の方は、慢性的なストレスを抱えていることが多く、それにより十分な睡眠が取れなかったり、疲れがたまったりします。
最近の研究では、うつ病に関連するセロトニンという物質の働きを制御する脳の領域が不快感を感じると活性化し、浅い眠りを維持しようとすることがわかっています。
しかし、浅い眠りでは体が十分に回復できず、日中に眠気が残ることがあります。
また、ストレスを受けると無意識のうちに睡眠を求めるようになることもあります。
睡眠は心身の疲労を回復させるため、うつ病による過眠症状は必要な反応とも言えますが、ストレスの原因にもなることがあります。
うつ病の治療薬で過眠症状が出る場合
うつ病の不安や緊張などの症状を抑えるために使用される抗うつ薬には、眠気が副作用として現れることがあります。
また、不眠症状を改善するために睡眠薬を用いることもあります。
このように、うつ病の治療薬が過眠の原因となることがありますが、自己判断せずに主治医と相談しながら適切に対処することが大切です。
コロナ後遺症で不眠とうつになることがある?
新型コロナウイルス感染後、不眠やうつ病などの精神症状が出ることが報告されています。
不安障害(不安症)
不安障害は、普段よりも過度な不安や恐怖を感じる状態です。
人前で話すことが怖くなったり、日常生活で緊張や不安を感じることがあります。
このような症状が長く続く場合は、不安障害の可能性があります。
気分障害
気分障害には、うつ病や躁うつ病などが含まれます。
うつ病では気分が沈んでしまい、日常生活に支障が出ることがあります。
また、躁うつ病では気分が高揚したり沈んだりすることがあります。
睡眠障害
睡眠障害には、不眠症や過眠症などがあります。
不眠症では寝つきが悪くなったり、中途覚醒が多くなったりします。
これらの症状が続く場合は、睡眠障害の可能性があります。
これらの精神症状は、コロナ後遺症として現れることがあります。
必要ならば、専門家と相談して適切な対処方法を見つけることが大切です。
関連記事:過食嘔吐になる原因|顔がむくんでしまう理由や治療方法を解説
コロナ後遺症の相談なら西春内科・在宅クリニックまで
西春内科・在宅クリニックでは新型コロナウイルス後遺症外来を行っております。
新型コロナ後遺症は、時間の経過とともに徐々に改善することが多いとされていますが、 半年以上続く患者さんもいます。
コロナ後遺症外来 – 西春内科・在宅クリニック(北名古屋市の内科・発熱外来・訪問診療)
また、常勤の内科医が様々な心身の不調に対して、診察を行っております。
まずは、精神的な不調の陰に、体の病気が隠れていないかを確認し、必要であれば最寄りの精神科や心療内科と連携し、治療を行っています。
心配な症状がある場合には、当院またはお気軽に最寄りの心療内科や精神科などクリニックや診療所を受診して相談しましょう。
【まとめ】うつによる不眠は医療機関へ相談を
不眠はストレスが原因なことが多く、長く続くとうつに発展する可能性が高まります。
ストレスは一度抱えると負の連鎖のように重なり、重症化してしまう事もあります。
生活習慣を改善したり、少しでも不調だと感じたらすぐに医師に相談し、早期治療を試みましょう。
参考文献
・不眠の原因と改善、うつ病との関連
・不眠症(睡眠障害)|こころの情報サイト
・うつ病で眠れない?今すぐできる対処法も解説! – MIZENクリニック豊洲内科・心療内科
・過眠とうつ病の関係性とは?過眠の症状と原因を医学論文をもとに解説 – MIZENクリニック豊洲内科
・新型コロナ後遺症の精神症状について | 新橋メンタルクリニック