夏風邪とは?コロナとの違いや長引く原因を解説

公開日:2024.6.25 更新日:2024.10.04

夏風邪


最近暖かくなり始め、もうすぐ夏が来ますね。


夏が近づくと、暑さだけではなく体調管理にも気を配ることが必要です。


エアコンの使いすぎなどで夏バテを起こしたり、夏風邪を引いたりします。


また、最近は減っていますがコロナと症状が似ているため、心配になる方もたくさんいるかと思います。


今回は『夏風邪』の特徴や原因、そして『コロナ』との違いについて見ていきましょう。



夏風邪とは?


夏風邪

夏風邪とは、6月末から8月にかけて流行するウイルス感染症のことです。

 

冬風邪を引き起こすウイルスは乾燥を好みますが、夏風邪を引き起こすウイルスは高温多湿を好みます。

 

さまざまな風邪のウイルスのうち、夏風邪の原因となるウイルスを3つご紹介します。


関連記事:風邪で病院へ行くべきか?受診する目安や行くタイミングを解説

夏風邪の原因となるウイルス


夏風邪

アデノウイルス

 

アデノという言葉は、扁桃腺(喉)やリンパ腺という意味があります。

 

アデノウイルスは6月から8月に流行りプールで感染することが多かったため、プール熱と呼ばれています。

 

大人が感染すると重症化しやすいので注意が必要です。

 

主な症状として、喉の腫れや痛み、頭痛、高熱、激しい咳、結膜炎、大腸炎や下痢などがあります。

 

エンテロウイルス

 

エンテロという言葉は、腸という意味があり、エンテロウイルスは喉から感染し腸の中でウイルスが増殖します。

 

非常に感染力が強く、一般的には1つの地域で大勢に感染します。

 

最も多くみられるのは小児の感染ですが、稀に大人も感染することがあります。

 

主な症状として出現するのは、発熱、喉の痛み、鼻水、咳、下痢、腹痛、口内炎などです。

 

コクサッキーウイルス

 

コクサッキーウイルスとは、エンテロウイルスの仲間で腸の中でウイルスが増殖します。

 

次の項目で説明するヘルパンギーナを引き起こし、口腔領域で左右対称で小水疱が現れるのが特徴です。

 

大人も発病しますが、小児の感染が多くみられます。

 

主な症状としては、高熱、喉の痛み、口内炎、食欲不振、頭痛、下痢、嘔吐などがあります。




夏風邪は3種類に大別される

 

夏風邪

「三大夏風邪」をご存知でしょうか?

上記で紹介したウイルスが原因で発症する感染症です。

感染症の名前と特徴、原因ウイルスを見ていきましょう。

手足口病

 

手足口病は、エンテロウイルスとその仲間であるコクサッキーウイルスが引き起こします。

 

特徴的な症状として口の中や手のひら、足底や足背などに2~3mmの水疱性発疹などが現れる感染症です。

 

感染経路は、飛沫感染・接触感染・糞口感染が知られています。

 

4歳くらいまでの幼児を中心に夏季に流行が見られる疾患で、2歳以下が半数を占めます。

 

咽頭結膜熱(プール熱)

 

咽頭結膜熱(プール熱)は、アデノウイルスによって引き起こされる感染症で、主に発熱や喉の痛み、結膜炎の症状が現れます。

 

感染経路は、飛沫感染と接触感染であり、プールでの接触やタオルの共用などで感染することもあるため、プール熱と呼ばれることもあります。

 

通常、6月頃から徐々に増加し始め、7〜8月がピークです。

 

ヘルパンギーナ

 

ヘルパンギーナは、発熱と口腔粘膜に現れる水疱性の発疹を特徴とした急性のウイルス性咽頭炎です。

 

原因ウイルスはコクサッキーウイルスで、その中でもA郡に分類されるものが引き起こします。

 

乳幼児の感染が多く、初夏から秋にかけて流行します。

 

発熱、全身倦怠感、食欲不振、咽頭痛、嘔吐、四肢痛などの症状が見られます。


関連記事:夏風邪の特有の症状とは|長引く理由や治し方を解説

夏風邪とコロナの違いについて


夏風邪


ただ夏風邪を引いただけでも、コロナウイルスが流行ってからは「コロナだったらどうしよう」と心配になる方が多いかと思われます。

 

夏風邪と新型コロナウイルス(COVID-19)は症状が非常に似ており、医師でも検査せずに完璧に判別するのは困難です。

 

判断するには新型コロナの検査を受けるか、2週間以内のコロナ感染者との接触があったかどうかの確認が必要です。

 

夏風邪はウイルスや細菌などの病原体によって引き起こされる、鼻やのどの急性炎症の総称で、特に咳や痰などの症状が顕著に出ます。

 

コロナウイルスは、発熱や咳、倦怠感、嗅覚や味覚の異常などの症状が現れます。

 

症状が続いたあと、急に重症化して肺炎などを合併し、入院となるケースもあります。




夏風邪が長引くのはなぜ?


夏風邪

普通の風邪はすぐ治るのに、夏風邪を引いた時は治るのが遅いと感じたことはありませんか?

 

夏風邪が長引く原因を3つ挙げていきます。

 

夏風邪を引き起こすウイルスの特性によるもの

 

夏風邪の主な原因はウイルスであるため抗生剤が効きません。

 

そのため基本的には、カロナールやロキソニンなどの解熱鎮痛剤を服用するといった対症療法での治療となります。

 

冬と比べて予防対策がおろそかになりがちなため

 

感染予防と聞くとインフルエンザのイメージが強いためか、夏になると感染予防がおろそかになってしまう方が多いです。

 

手洗いやうがいを徹底し、原因物質を寄せ付けないようにすることが感染を予防するのに効果的です。

 

暑さによる体力の低下で抵抗力が落ちるため

 

夏になると暑くなるため夜寝る時間が減り、睡眠不足になったり、食欲が低下し冷たい物ばかり食べてしまい、栄養不足になるため免疫力が低下しやすいです。

 

免疫力を低下させないためにも睡眠をしっかりと取り、栄養バランスの良い食事を摂るように心がけましょう。


関連記事:免疫力を高める方法や食べ物について|低下してしまう原因も解説

夏風邪の治し方は?


夏風邪

夏風邪は抗生剤が効かないため、基本的に根治させる治療法は存在しませんが、症状を和らげる方法はあります。

 

十分な睡眠と休養

 

風邪を和らげるには、温かくして十分な睡眠を取ることが大切です。

 

寝間着や寝具を吸湿性が良いものを使い、8時間を目安に睡眠時間を取りましょう。

 

十分な睡眠と休養を取ることで、免疫力を高めて体を回復させることが出来ます。

 

適切な薬の選択

 

先述したように風邪には特効薬はありません。

 

症状を抑える解熱鎮痛剤などでの対症療法を行います。

 

熱だけでなく、咳や鼻水、喉の痛みもある場合には、多くの症状に対応できる総合風邪薬を選びましょう。

 

温度・湿度の管理

 

体を冷やしすぎると免疫力が低下してしまい、お腹を冷やしすぎると腸の働きが悪くなります。

 

お腹や体を冷やしすぎないためにも、室温は28℃くらいに設定しましょう。

 

また、夏風邪のウイルスは高温多湿を好み、湿度が50%を超えると活発に働きます。

 

除湿器などを使い、湿度を50%以上にしないようにしましょう。



西春内科・在宅クリニックでできる対応

 

西春内科・在宅クリニックでは、夏風邪やその他の季節性疾患に対する診療を行っています。

 

コロナ・アデノウイルスの抗原検査も可能です。

 

また、医師の診断に基づく適切な治療やアドバイスを提供し、自宅での療養指導も行っています。




まとめ

 

夏風邪は、手足口病、咽頭結膜熱、ヘルパンギーナの3種類に大別されます。

 

症状が新型コロナウイルスと似ているため、適切な検査や接触歴の確認が重要です。

 

夏風邪が長引く原因や対策を理解し、十分な休養や栄養、適切な環境を整えることが大切です。

参考文献

手足口病とは
夏かぜの症状と治療について|健診会 滝野川メディカルクリニック
夏風邪はなぜ引くの?長引く原因と治し方の​ポイントを知ろう!

この記事の監修医師

監修医師: 福井 康大