夏風邪とは?コロナとの違いや長引く原因を解説

公開日:2024.6.25 更新日:2025.12.25

最近暖かくなり始め、もうすぐ夏が来ますね。

夏が近づくと、暑さだけではなく体調管理にも気を配ることが必要です。

エアコンの使いすぎなどで夏バテを起こしたり、夏風邪を引いたり…。

今回は夏風邪の特徴や原因、コロナとの違いについて解説します。

夏風邪とは?

夏風邪とは、6月末~8月にかけて流行するウイルスに感染するものを指します。

冬に風邪を引き起こすウイルスは乾燥を好みますが、夏風邪を引き起こすウイルスは高温多湿を好みます。

関連記事:風邪で病院へ行くべきか?受診する目安や行くタイミングを解説

夏風邪の原因となるウイルス

夏風邪では主に以下の3つのウイルスが原因となります。

ウイルス名症状特徴疾患名
アデノウイルス・発熱
・のどの腫れ、痛み
・頭痛
・激しい咳
6月~8月に流行
大人が感染すると重症化しやすい
咽頭結膜熱
エンテロウイルス・発熱
・のどの痛み
・下痢
・腹痛
のどのに感染し、腸の中で増殖
1つの地域で流行
手足口病
コクサッキーウイルス・発熱
・のどの痛み
・口内炎
・下痢
エンテロウイルスの仲間
口内で左右対称の小水疱ができる
手足口病
ヘルパンギーナ

夏風邪は3種類に大別される

上記で紹介したウイルスが原因で発症する病気は三大夏風邪と呼ばれています。

感染症の名前と特徴、原因ウイルスを解説します。

手足口病

手足口病は、以下などの特徴的な症状が現れます。

  • 口の中・手のひら、足裏などに2~3㎜の水疱性発疹
  • 発熱(38℃以下の微熱)
  • 口の痛み(口内の発疹による)

感染経路は、飛沫感染・接触感染・糞口感染が知られています。

4歳くらいまでの幼児を中心に夏季に流行が見られ、2歳以下が半数を占めます。

咽頭結膜熱(プール熱)

咽頭結膜熱(プール熱)は、主に以下などの症状が現れます。

  • 発熱(39~40℃の高熱)
  • のどの痛み
  • 結膜炎(目の充血、目やに、涙、まぶしさを感じる)

感染経路は、飛沫感染と接触感染で、プールでの接触やタオルの共用などで感染することもあるため、プール熱と呼ばれることもあります。

通常、6月頃から徐々に増加し始め、7〜8月がピークです。

ヘルパンギーナ

ヘルパンギーナは、以下などの症状が現れる急性のウイルス性咽頭炎です。

  • 突然の高熱(38~40℃)
  • のどの奥に小さな水ぶくれ
  • 食欲不振

原因ウイルスはコクサッキーウイルスで、その中でもA郡に分類されるものが引き起こします。

乳幼児の感染が多く、初夏から秋にかけて流行します。

関連記事:夏風邪の特有の症状とは|長引く理由や治し方を解説

夏風邪とコロナの違いについて

夏風邪と新型コロナウイルス(COVID-19)は症状が非常に似ており、医師でも検査せずに完璧に判別するのは困難です。

判断するには新型コロナの検査を受けるか、2週間以内のコロナ感染者との接触があったかどうかの確認が必要です。

夏風邪はウイルスや細菌などの病原体によって引き起こされる、鼻やのどの急性炎症の総称で、特に咳や痰などの症状が顕著に出ます。

コロナウイルスは、発熱や咳、倦怠感、嗅覚や味覚の異常などの症状が現れます。

症状が続いたあと、急に重症化して肺炎などを合併し、入院となるケースもあります。

夏風邪が長引くのはなぜ?

普通の風邪はすぐ治るのに、夏風邪を引いた時は治るのが遅いと感じたことはありませんか?

夏風邪が長引く原因を3つ挙げていきます。

夏風邪を引き起こすウイルスの特性によるもの

夏風邪の主な原因はウイルスであるため抗生剤が効きません。

そのため基本的には、カロナールやロキソニンなどの解熱鎮痛剤を服用するといった対症療法での治療となります。

冬と比べて予防対策がおろそかになりがちなため

感染予防と聞くとインフルエンザのイメージが強いためか、夏になると感染予防がおろそかになってしまう方が多いです。

手洗いやうがいを徹底し、原因物質を寄せ付けないようにすることが感染を予防するのに効果的です。

暑さによる体力の低下で抵抗力が落ちるため

夏になると暑くなるため、睡眠不足になったり、食欲低下から栄養不足になったりすることで免疫力が低下しやすいです。

免疫力を低下させないためにも睡眠をしっかりと取り、栄養バランスの良い食事を摂るように心がけましょう。

関連記事:免疫力を高める方法や食べ物について|低下してしまう原因も解説

夏風邪の治し方は?

夏風邪は基本的に根治させる治療法は存在しませんが、症状を和らげる方法はあります。

十分な睡眠と休養

風邪を和らげるには、温かくして十分な睡眠を取ることが大切です。

寝間着や寝具は吸湿性が良いものを使い、8時間を目安に睡眠を取りましょう。

十分な睡眠と休養を取ることで、免疫力を高めて体を回復させることが出来ます。

適切な薬の選択

先述したように風邪には特効薬はありません。

症状を抑える解熱鎮痛剤などでの対症療法を行います。

熱だけでなく、咳や鼻水、喉の痛みもある場合には、多くの症状に対応できる総合風邪薬を選びましょう。

温度・湿度の管理

体を冷やしすぎると免疫力が低下してしまい、お腹を冷やしすぎると腸の働きが悪くなります。

お腹や体を冷やしすぎないためにも、室温は28℃くらいに設定しましょう。

また、夏風邪のウイルスは高温多湿を好み、湿度が50%を超えると活発に働きます。

除湿器などを活用し、湿度を50%以上にならないようにしましょう。

西春内科・在宅クリニックでできる対応

西春内科・在宅クリニックでは、夏風邪やその他の季節性疾患に対する診療を行っています。

コロナ・アデノウイルスの抗原検査も可能です。

また、医師の診断に基づく適切な治療やアドバイスを提供し、自宅での療養指導も行っています。

まとめ

夏風邪は、手足口病、咽頭結膜熱、ヘルパンギーナの3種類に大別されます。

症状が新型コロナウイルスと似ているため、適切な検査や接触歴の確認が重要です。

夏風邪が長引く原因や対策を理解し、十分な休養や栄養、適切な環境を整えることが大切です。

参考文献

手足口病とは
夏かぜの症状と治療について|健診会 滝野川メディカルクリニック
夏風邪はなぜ引くの?長引く原因と治し方の​ポイントを知ろう!

この記事の監修医師

監修医師: 福井 康大

監修医師: 西春内科・在宅クリニック 院長 島原 立樹


▶︎詳しいプロフィールはこちらを参照してください。

経歴

名古屋市立大学 医学部 医学科 卒業
三重県立志摩病院
総合病院水戸協同病院 総合診療科
公立陶生病院 呼吸器・アレルギー疾患内科

資格

日本専門医機構認定 内科専門医