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更年期の関節痛とリウマチの違いとは?起床時や冬の症状に注目

更年期リウマチ違い

更年期における関節の痛みは、多くの方が経験する一般的な症状です。

しかし、この痛みが単なる更年期の影響なのか、それともリウマチなどの他の疾患が原因なのかを見分けることは非常に重要です。

本記事では、更年期の関節痛とリウマチの違い、特に起床時や冬の寒い時期に現れる症状に注目し、それぞれの特徴と対処法について解説します。

 

 

更年期に関節痛が生じるのはなぜ?


更年期リウマチ違い

更年期は、特に女性において重要な生理的変化の時期です。

この時期には、ホルモンバランスの大きな変動が生じ、それが様々な身体的不調を引き起こす原因となります。

特に影響を受けるのはエストロゲンというホルモンで、この減少が関節痛の一因になり得ます。

また、更年期に起こる関節痛は、リウマチの初期症状と似ていることがあります。

リウマチは自己免疫疾患で、関節の慢性的な炎症を引き起こします。

そのため、更年期に関節痛を経験する場合、リウマチの可能性も考慮する必要があります。

 

関連記事:関節リウマチのしてはいけない10項目とは|リウマチになりやすい性格がある?

 

 

更年期の関節痛はリウマチかも?ホルモンバランスの乱れによる関節痛とリウマチの特徴の違い


更年期リウマチ違い

更年期の関節痛とリウマチは、症状が似ているため、しばしば混同されがちです。

しかし、両者は原因と特徴が異なります。

これを理解するために、更年期のホルモンバランスの乱れによる関節痛とリウマチの症状を分けて考えてみましょう。

ホルモンバランスの乱れによる関節痛

原因

更年期のエストロゲン減少が主な原因です。

エストロゲンは関節の潤滑と健康を保つ役割を果たしているため、その減少は関節の痛みやこわばりに直結します。

症状の特徴

関節痛は一般的に軽度から中等度で、一時的なものが多いです。

手、膝、肩、腰など、複数の関節に痛みが現れることがありますが、痛みは絶えず同じ場所にあるわけではありません。

時間帯や環境の影響

症状は特定の時間帯に限定されず、日中にも感じることがあります。

気温や季節による影響は比較的少ないです。

リウマチ

原因

リウマチは自己免疫疾患で、体の免疫システムが誤って関節を攻撃し、炎症を引き起こします。

症状の特徴

リウマチによる関節痛は、一般的に慢性的で、関節の腫れや発赤を伴うことがあります。

痛みはしばしば対称性に現れ、同じ関節が両側に影響を受けます。

時間帯や環境の影響

症状は特に朝、起床時に顕著で、関節のこわばりが数時間続くことがあります。

寒い季節や湿度が高い環境では症状が悪化する傾向があります。

 

関連記事:自律神経失調症のセルフチェック26項目!こんな兆候は危険かも?

 

参考記事:関節リウマチかもしれない初期症状や変形性関節症との違いを解説!|イノルト整形外科

 

リウマチかも?と思ったら


更年期リウマチ違い

リウマチは、早期発見と適切な治療が重要な慢性的な自己免疫疾患です。

関節に痛みや腫れ、こわばりを感じた際、リウマチの可能性を考えることが重要になります。

以下に、リウマチを疑うべき状況とその後のステップを詳しく説明します。

リウマチを疑うべき症状

関節の痛みと腫れ

特に朝に強く感じる関節の痛みがあります。

リウマチはしばしば手の指、手首、足の関節に影響を及ぼします。

症状の持続性

一時的な関節痛と異なり、リウマチの症状は数週間から数ヶ月にわたって持続することが一般的です。

朝のこわばり

特に朝に強く感じる関節の痛みやこわばりが特徴です。

一般的には起きて30分で症状が落ち着きます。

微熱・倦怠感・食欲不振

37℃台の微熱や体のだるさ、食欲がわかないなどの症状がある場合があります。

対処法

リウマチを疑うべき症状が出た場合、早期に病院の受診をおすすめします。

発症から1〜2年の間に正しい治療を行うことで完治する率は高くなります。

治療としては、薬物療法や、リハビリテーション、手術療法などがあり、日常で出来るセルフケアと並行して治療を行っていきます。

 

関連記事:高齢者だけじゃない!40代からでもなる若年性認知症とは?なりやすい人や原因について

 

 

更年期の関節痛は早めに診てもらおう


更年期リウマチ違い

更年期による関節痛を放置すると、場合によってはリウマチによる関節の破壊が進行することがあります。

早期発見・早期治療が非常に重要であり、痛みや不調を感じたら迅速に医師の診断を受けるべきです。

 

関連記事:乳がんのしこりは痛みがない?なりやすい人の特徴や検査についても

 

 

更年期の関節痛の検査・治療なら西春内科・在宅クリニックへ


更年期の関節痛に対して、西春内科・在宅クリニックでは患者一人ひとりの症状に合わせた治療プランを立て、適切なケアを行っています。

また、西春内科・在宅クリニックではCT機器を導入しております。

常勤医に読影専門医(レントゲン・CT画像を読影するプロ)がおり、総合病院と遜色ない画像診断力があります。

CT検査で進行度の評価をすることが可能です。

専門的な治療を必要とする場合は、連携している病院等へご紹介させて頂きます。

 

 

名古屋市で急な往診は西春内科・在宅クリニックをご利用ください

当クリニックでは、夜間休日の急な病気やケガの際に、ご自宅で診察が出来るよう【家来るドクター】と連携して往診サービスを提供しています。

急な発熱や、風邪諸症状、皮膚のかゆみやかぶれ、火傷や軽い捻挫など幅広い症状に対応しています。

往診だけでなく、電話での医療相談も行っていますので、こんな症状の時どうしたらいいの?というお悩みなどお気軽にご相談ください。

 

 

まとめ


今回は、更年期の関節痛とリウマチの違いについて解説しました。

更年期の関節痛とリウマチは、似ているようで異なる症状を示します。

特に起床時や冬の寒い時期に痛みが強まる場合は、リウマチの可能性も考慮し、早めの診断と治療が重要です。

寒さが続いておりますが関節痛でお悩みの方はお気軽にご相談下さい。

本記事が更年期の関節痛とリマウチについての理解を深め、適切な対応をするための一助をなれば幸いです。

参考文献
時事メディカル|更年期の手指関節痛 リウマチとの違いは?
中外製薬|リウマチの症状とは~あれ?もしかしてリウマチ?~

関節リウマチのしてはいけない10項目とは|リウマチになりやすい性格がある?




関節リウマチとは、免疫反応の異常で関節に炎症が起こってしまい、関節の痛みや腫れが出る病気です。

症状が進行すると、関節が変形して歩きにくい・関節が動かなくなるなどといった強い症状が出てしまいます。

今回は、関節リウマチの原因や初期症状、治療などについて詳しく解説していきます。




関節リウマチになる原因




関節リウマチは、自己免疫の異常によって滑膜(かつまく)(*1)を攻撃してしまう病気です。

なぜ自己免疫の異常が起こるかについてはまだはっきりとわかっていない部分があります。

しかし、遺伝因子と環境因子が関与していると考えられています。

遺伝因子も一つだけではなく、関節リウマチの発症に関わる遺伝子はすでに数十個ほど見つかっています

しかも、それらの遺伝子を持っているからといって必ずしも関節リウマチになるというわけではありません

環境因子としては、以下などが知られています。

  • 喫煙
  • 感染症
  • 出産
  • 手術
  • ストレス

滑膜(*1)=関節を内側から覆っている膜

 

参考記事:関節リウマチの原因はストレス?なりやすい性格がある?|イノルト整形外科

 

関節リウマチのしてはいけない10項目とは




関節リウマチのしてはいけない10項目は下記になります。

  1. 激しい運動
  2. 関節を冷やす
  3. 和式トイレ
  4. 高い枕
  5. 肥満
  6. 重い物を持つ
  7. 正座
  8. 長時間同じ姿勢をとる
  9. 喫煙
  10. ストレスを溜める
以下でそれぞれ個別に解説します。

 

激しい運動

関節の痛みが出ている時に激しい運動をすると痛みが強くなります。

発熱をしている時や強い痛みがある時は激しい運動は避けて安静にしましょう。

発熱や強い痛みがない状態の時は、適度な運動を心がけましょう。

水中では膝に過剰な負荷がかからないため、水中運動はおすすめです。

リウマチによる炎症が強い時期でなければ、関節を定期的に動かして拘縮(凝り固まること)を予防しましょう

ゆっくり手足の関節を曲げ伸ばししたり、関節を支えるふとももの筋肉を鍛えたりすると効果的です。

 

関節を冷やす

関節を冷やすとリウマチの症状を悪化させる可能性があります。

痛みがある場所は外気に触れないように衣服やサポーターなどで覆いましょう

運動前に関節を温めてから運動をすると効果的です。

 

和式トイレ

和式トイレは膝を強く曲げなくてはいけないので、過剰な負荷となります。

洋式トイレに変更するなど工夫しましょう。

 

高い枕

関節リウマチは首の靭帯にも影響します。

症状が進むと、軽い力でも首の骨の脱臼(環軸椎亜脱臼)を起こしかねません。

環軸椎亜脱臼は首と頭の境目の部分の脱臼で、手足のしびれ、動かしにくい、呼吸がしにくい、めまい、ふらつきなどの重い症状を起こすこともあります。

首を無理に曲げたり伸ばしたりするような枕は避けて、タオルなどで調節しましょう

 

肥満

肥満は手足の指など末端に負担がかかるため、関節リウマチの場合は関節破壊が進む一因となりえます。

単純に健康を考慮する上でも肥満は様々なリスクがあるため、適正体重の維持に努めましょう。

 

重い物を持つ

重い物を持つと手足の指や膝といった、リウマチ性関節炎の好発部位に負担がかかります。

事情を話して他の人に依頼するか、専用の道具を使うようにしましょう。

 

正座

正座は下肢の関節に大きな負担がかかる姿勢です。

もし正座しなければならない状況が訪れたら、事情を説明して免除してもらうようにすると良いでしょう。

 

長時間同じ姿勢をとる

長時間同じ姿勢をとると、場合によっては同じ部位に負担がかかることに繋がります。

そのため、意識できるのであればこまめに姿勢を変えるか、負担の少ない姿勢を心がけましょう。

 

喫煙

喫煙も関節リウマチの悪化因子の一つとされています。

他の健康リスクもあるため、特に関節リウマチの場合は禁煙するのが望ましいです。

 

ストレスを溜める

ストレスを溜めることも関節リウマチの悪化因子とされています。

 

 

関節リウマチになりやすい性格がある?




免疫疾患であるため性格による罹患のしやすさというのは特にありません。ただし、神経症気質の人は初期症状にいち早く気づいたり、罹患後に患部をいじって増悪させてしまうケースがあることから、こうした性格の人がかかりやすいといわれることもあります。

遺伝が関連しているため、親や兄弟で関節リウマチの人がいる場合、そうでない人と比べると4倍も関節リウマチになりやすいことがわかっています。

男女比はおよそ1:3であり、女性に多い病気40〜50歳前後から症状が出てくることが多くあります。最近ではさらに高齢での発症が増えてきています。

 

 

関節リウマチの主な症状




関節リウマチの初期は、手首や足首の関節が左右両方とも腫れたりします

特に朝、からだを動かし始める時にこわばりを感じることが多いです

病状が進行すると、膝や股関節などの大きい関節に炎症が起こります

そして、水がたまったりして動かしにくくなり強い痛みが出ることがあります。

また、関節の痛みだけではなく、微熱やだるさ、貧血を起こす場合もあるので、注意が必要です。

関節リウマチは、以下など多くの合併症が起こりやすくなることがわかっています。

  • ドライアイや強膜炎(白目の炎症)などの眼の症状
  • ドライマウスやシェーグレン症候群(涙腺や唾液腺に炎症を起こす病気)などの他の自己免疫性疾
  • 首の骨の脱臼(環軸椎亜脱臼)
  • 間質性肺炎や心外膜炎などの肺・心臓の病気
  • アミロイドーシス(アミロイドという異常なタンパクが全身の臓器に沈着して機能障害を起こす病気)

 

関連記事:骨粗鬆症の薬が危険といわれる理由|副作用や注射治療について解説 | 横浜内科・在宅クリニック

 

 

関節リウマチの診断基準




関節リウマチは、症状が進行してしまう前に早期診断することが重要です。

関節の腫れが1ヶ所以上あり、以下のような他の病気よりも関節リウマチを疑うような場合に、血液検査を行い数値化して診断します。

関節の腫れや痛みを起こしうる他の病気

  • 変形性関節症
  • 痛風
  • 感染性関節炎
  • 乾癬性関節炎
  • その他の自己免疫性疾患・膠原病

一つの症状や血液検査項目から関節リウマチと診断することは難しく、全ての情報を総合的に判断する必要があります

血液検査では、炎症反応(CRP・血沈)やリウマトイド因子、抗CCP抗体などを確認します。

関節リウマチの治療について




関節リウマチの治療は、以下の薬を中心として使用されます。

  • 関節で起こっている免疫異常を抑える抗リウマチ薬
  • 痛みや炎症を軽減するステロイド
  • 痛み止めとして消炎鎮痛薬


抗リウマチ薬は、関節リウマチで起こる異常な炎症を抑える薬剤の総称です。

Disease modifying anti rheumatic drug; DMARD(疾患修飾性抗リウマチ薬)とも呼ばれます。

関節リウマチで最もよく用いられるのはメトトレキサートなどの免疫抑制薬や免疫調節剤です。

新薬として生物学的製剤とJAK阻害薬という分子標的薬が抗リウマチ薬に含まれます。

薬物治療を行っても関節の破壊や拘縮が強い場合は、人工関節置換術などの手術療法を行うこともあります。

 

関連記事:骨粗鬆症の薬が危険といわれる理由|副作用や注射治療について解説 | 横浜内科・在宅クリニック

 

 

関節リウマチの予防・改善策




関節リウマチの発症は遺伝要因と環境要因が複雑に関わっていることはわかっています。

しかし、未だに詳しいメカニズムはわかっていない状態です。

残念ながら関節リウマチで確立された予防法はありません

環境要因として以下があります。

  • 喫煙
  • 感染症
  • 出産
  • 手術
  • ストレス


また、疲れや体調不良など、免疫力が低下した時に発症しやすいと言われています。

食事のバランスや睡眠をしっかりとる、適度に運動するなどの生活習慣を整えて病気を予防しましょう。

ヨーグルトを食べると関節リウマチの予防になるという噂がありますが、こちらは残念ながら科学的根拠はありません

関節リウマチの患者さんでは乳酸菌などの腸内細菌が変化していることがわかっています。

しかし、必ずしもヨーグルトで予防・治療できるというわけではありません

関節リウマチを発症した場合には、早期診断と治療がとても大切です。

関節リウマチを疑った場合は、自己判断やセルフケアだけではなく病院を受診しましょう

関節リウマチはリウマチ内科や整形外科、総合内科で診察が可能です。

 

関連記事:痛風の症状の特徴や起こりやすい場所とは?原因となる食べ物についても

 

 

西春内科在宅クリニックができる対応


関節リウマチの症状が進行すると、痛みが強く通院が難しいこともあります。

また、冬場は寒さで症状が悪化してしまうこともあります。

そのような場合、西春内科在宅クリニックでは在宅診療で関節リウマチの診察や治療、薬の処方などを受けることができます。

まずはお気軽にご相談ください。



まとめ


今回は関節リウマチの原因や初期症状、治療などについて解説しました。

関節リウマチは一度の治療で症状がすっきり治ってしまうものではありません。

発症後長く付き合っていかなくてはならない疾患です。

最近では研究も進み、関節リウマチを早くから治療することで痛みや関節の重い障害を防ぐことができるようになってきました

そのためには、早期に関節リウマチを発見・治療することが大切です。

記事を読んでいただき、「もしかして関節リウマチかも?」と思ったり、関節の症状があったりする場合は、ぜひ病院を受診くださいね。

参考文献

日本リウマチ学会「メトトレキサートを服用する患者さんへ 第3版」のお知らせ

関節リウマチの合併症・副作用対策

日本整形外科学会「関節リウマチ」

関節リウマチの疫学・診断・診療ガイドライン

健康長寿ネット「関節リウマチの原因」

日本脊髄外科学会「頭蓋頚椎移行部病変(環軸椎亜脱臼など)」

前田悠一ら.関節リウマチ患者における腸内細菌叢の異常.日本臨床免疫会会誌Vol39.No1.

睡眠障害は何科に行けばいい?原因や症状を徹底解説

睡眠障害

こんにちは!西春内科・在宅クリニックです!

皆様、睡眠はしっかりと取れているでしょうか?

なかなか寝付けずにお悩みの方も少なくないのではないでしょうか?

寝なきゃと焦れば焦るほど眠れなくなりとても辛い時があると思います。

本記事では「睡眠障害」について、原因や種類、治し方などをご紹介します。

 

 

睡眠障害の主な原因


睡眠障害

睡眠障害とは睡眠の量や質が適切ではなく、日常生活に支障をきたす状態です。

その状態を引き起こす原因は実に多岐にわたります。

ここでは主な原因を紹介いたします。

不眠症


睡眠障害と言えば「不眠症」を思いつく方が多いのではないでしょうか?

夜の寝つきが悪い、眠りが浅くすぐに起きてしまうという様に睡眠が十分に取れていない状態です。

その結果日中の慢性的な眠気や疲れ、集中力の低下などの症状が現れます。

日本人の5人1人は不眠症に悩まされているほど最も多い睡眠障害です。

睡眠時無呼吸症候群


睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりを繰り返し、体の低酸素状態が発生している病気です。

10秒以上息が止まる状態を無呼吸といい、平均して1時間に5回以上無呼吸が見られる場合は睡眠時無呼吸症候群とされます。

気道が細くなる「閉塞型」、呼吸を司る脳の機能低下が原因の「中枢型」に分かれ、閉塞型が大部分を占めます。

睡眠時に空気の通り道が舌の付け根によって塞がれ呼吸が妨げられ、無呼吸、または断続的に空気が通っているいびきをかいている状態になります。

息苦しくて目覚めてしまったり、起床時に頭痛や倦怠感が生じます。

体が低酸素になる為、心臓、脳などに負担がかかり糖尿病や高脂血症などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります

脂肪により気道が狭くなりやすい為、肥満に深く関係しています。

レストレスレッグス症候群(RLS)


「むずむず脚症候群」とも呼ばれます。

お布団に入った後や、じっと座っているときに、脚の内側から不快感があり、脚を動かすと和らぐといった症状があります。

この不快感からうまく入眠やリラックスできずにストレスへと繋がります。

原因は解明されていませんが、神経同士の連絡を担う「ドパミン」という物質がうまく働かなくなるという説が有力です。

他にも鉄分不足、遺伝といった説もあります。

起立性調節障害


何らかの原因によって自律神経が乱れ、覚醒状態と休息状態のバランスが崩れてしまうことで起きる障害です

症状として眩暈やふらつき、頭痛、朝起きられないといったことが挙げられます。

小学校高学年から中学生の年齢での発症が多く、学校に行けなくなるといった問題もあります。

 

関連記事:不眠とうつの関係性について|コロナ後遺症の可能性もある?

 

睡眠障害のそのほかの要因


睡眠障害

上の項目で紹介した原因以外にも睡眠の量や質を低下させてしまう要因があります。

このような要因が一つだけではなく様々な要因が組み合わさり睡眠障害を引き起こします。

もし、今睡眠障害で悩んでいるのであれば、現状と比較してみましょう。

ストレス


日中の強いストレスや、眠らなきゃといったプレッシャーからくる慢性的な不安や緊張が原因で睡眠障害をきたすことがあります。

不規則な生活スタイル


睡眠には「メラトニン」というホルモンが重要です。

このホルモンは別名「睡眠ホルモン」と呼ばれており、体内時計に働きかけ覚醒と睡眠を切り替える作用があります。

これは太陽の光を浴びることで分泌が低下し、およそ15時間後に再分泌されて、眠気を感じるようになります。

不規則な生活、寝る時間がバラバラだったり、夜型の生活になると、うまくメラトニンが分泌されず、睡眠障害をきたします

身体的な問題


かゆみや、慢性的に痛みがあったり、気管支喘息などの呼吸困難、前立腺肥大や膀胱炎などの刺激といった、他の疾患による影響で睡眠がとれない事があります。

また、加齢による影響もあり、メラトニンの減少や体内時計の機能低下が原因で睡眠時間が少なくなります。

精神的な問題


うつ病などの精神病は高い確率で睡眠障害を併発してしまいます。

強い不安感により睡眠を阻害され、浅い睡眠になり睡眠の質が悪くなり、日中の活動にも集中力の低下や疲労感が残ったりします。

逆に睡眠障害からうつ病を発症する場合もあります。

薬剤の影響


治療中の薬の副作用で睡眠障害が発症することがあります。

身近なところで言うと花粉症などのアレルギー反応に使用される抗ヒスタミン薬です。

これは体の覚醒を促すヒスタミンという成分の働きを弱くする薬です

その結果眠気が生じ、体内時計を乱してしまう原因になります。

他にも副腎皮質ステロイド、気管支拡張薬、降圧薬などが挙げられます。

環境要因


騒音や気温などの環境が原因で睡眠を妨げられ、睡眠障害を起こしてしまいます。

照明が明るすぎて眠れなかったり、海外出張などで時差ぼけが原因になる事もあります。

 

 

睡眠障害の症状


睡眠障害

入眠障害


布団に入ってから30分~1時間以上かからないと寝られない状態です。

入眠時間は人によって異なるので、一概に障害とは言えませんが、基準となるのはそれが苦痛で、生活に支障をきたしているかどうかです。

中途覚醒


眠りが浅く、何度も目覚めてしまう状態です。

しっかりと寝た感覚が無く、日中に注意が散漫になったり、眠気に襲われたりと支障が出てしまいます。

早朝覚醒


起きたい時間や、普段の起床時間の1時間以上前に目覚めてしまい再び寝付けない状です。

日中の活動に支障がでたり、それが苦痛かどうかで障害になるかを決定します。

また、生活リズムが崩れ、昼夜逆転に繋がることもあります。

熟眠障害


「熟眠感欠如」とも言われ、十分に寝たはずなのに疲れが取れない、寝た気がしないなどの症状がでる障害です。

寝ていても眠りが浅く睡眠の質が不十分な場合に起こります。

 

関連記事:風邪をひいたらひたすら寝るのが効果的?体調が悪い時の過ごし方を徹底解説

 

寝すぎも睡眠障害?


睡眠障害

「過眠症」と言い、夜十分な睡眠をとっていても日中に強い眠気に襲われ、目覚めていられない病気です。

目を覚まし続ける役割を持つ、「ヒポクレチン」「オレキシン」というタンパク質をうまく作れない為に起こると言われていますが、原因は明らかになっておりません。

代表的なものは「ナルコレプシー」といい、10歳代で発症することが多いです。

眠れるなら問題ないのでは?とも思いますが社会生活において起きていなければならない場面でも、自分の意思とは関係なく眠ってしまう問題を抱えています。

 

 

睡眠障害は何科に行くべき?


睡眠障害

では、睡眠障害を自覚した際に何科を受診すればよいのでしょうか?

それは睡眠障害の種類や症状によって変わってきます。

「不眠症」入眠障害中途覚醒早期覚醒等がある場合は「内科」「心療内科」「精神科」へ受診しましょう。

「睡眠時無呼吸症候群」でいびきや日中の眠気がある場合は「内科」「耳鼻咽喉科」に受診しましょう。

内科の中でも循環器や呼吸器を専門に診ている医療機関に相談するのがおススメです。

「レストレスレッグス症候群(RLS)」は脳機能の異常が原因になっている可能性があるので「脳神経内科」へ受診しましょう。

「ナルコレプシー」で日中の強い眠気に困っている方は、「脳神経内科」「精神科」を受診しましょう。

 

関連記事:生あくびは危険?あくびとの見分け方や吐き気が起きた時の対処法

 

睡眠障害の治し方は?


睡眠障害

ライフスタイルの改善


睡眠に大切な事は脳と体をリラックスさせ、眠れる環境を整える事です。

携帯やパソコンの使用を控える


就寝前にこういった情報の多いものを使用すると脳が活性化してしまったり、液晶の強い光で眠れなくなってしまいます。

途中で起きてしまった際もついつい触ってしまいがちですが、再び入眠することが出来なくなるので控えましょう。

環境を整える


間接照明や遮光カーテンを使って暗い部屋を作りましょう

また湿度や温度も室温26℃前後、湿度60%前後が眠りやすい快適な環境になります。

最後に規則正しい生活を心掛けることで、睡眠の質を向上させます。

薬物療法


症状や重症度を鑑みて睡眠導入剤を使用する場合もあります。

脳の興奮を抑える神経伝達物質の働きを促す薬は即効性があり、入眠障害に適しています。

逆にメラトニンが作用する部分を刺激する薬は体内時計を整え、昼夜逆転や時差ぼけに適しています。

こちらは即効性はなく効果が出るのに2週間ほど必要になります。

また覚醒を維持するオレキシンというホルモンの働きを弱める薬もあり、薬の耐性や依存性が少ないとされています。

認知行動療法


医師とのカウンセリングを行い、睡眠状況を見直し、障害の要因を明らかにして、生活習慣を改善する非薬物療法です。

即効性はなく、効果を感じるのに時間はかかりますが、その後継続的に不眠の改善が見込めたり、薬の減量や中止も期待できます

光療法


人は太陽光を浴びることで体内時計を整えています。

その太陽光の代わりに高照度光療法器具を使い体内時計のリセット、メラトニンの分泌増加を狙います。

起立性調節障害や昼夜逆転に効果があるとされています。

参考記事:イライラして眠れない時はどうする?原因や対処方法を解説|Humming

 

 

西春内科・在宅クリニックでできる対応


西春内科・在宅クリニックでは睡眠環境改善のためのアドバイスを行います

症状に応じて薬物療法を行うことが可能です。

必要であれば最寄りの精神科や心療内科と連携し、治療を行っています。

 

 

【まとめ】睡眠障害は早めの受診を


睡眠は人生の3分の1から4分の1ほどを占めるといわれており、体や脳を休ませる大切な生命活動です。

睡眠障害により日中の活動に支障が出たり、睡眠時無呼吸症候群のように重篤な疾患につながるものもあります。

自覚症状が出たら自己判断せず、医療機関を受診しましょう

参考文献

睡眠障害は何科を受診すれば良いか? | 阪野クリニック

過眠症とは|睡眠障害の種類|不眠・眠りの情報サイト スイミンネット

不眠とうつの関係性について|コロナ後遺症の可能性もある?

不眠とうつ

眠れないとどんどん体力と気力が削られてしまい、さらに気分が悪く…

そうなりがちな負の連鎖、不眠とうつの関係性について今回は解説していきます。

 

 

不眠とうつの関係性について


不眠うつ

日本では不眠に悩む方が多くいます。

不眠は、ストレスや疾患、薬の副作用、生活リズムの乱れによって引き起こされることがあります。

具体的な症状は、寝つきが悪い眠りが浅い早朝目が覚めるなどが挙げられます。

改善のためには、ストレスを減らし、生活リズムを整えることが重要です。

また、不眠とうつの関連性も指摘されており、不眠が長く続くと「うつ」のリスクが高まることが報告されています。

不眠に悩む場合は、専門医に相談することが大切です。

 

関連記事:五月病の症状やなりやすい人の特徴|うつ病との違いなども解説

 

ストレスも不眠の原因になる?

不眠うつ


不眠症の多くはストレスが原因で起こることがあります。

ストレスフルな出来事に直面すると、多くの人が数日から数週間の間、眠りにくい状態になることがあります。

その中で、不眠が1ヶ月以上続く人もいます。

特に週に3回以上、3ヶ月以上続く場合は、不眠症の可能性が高くなります

不眠症は、ストレスだけでなく、精神的な問題や身体的な疾患によっても引き起こされることもあります。

また、ストレスが続いたり、適切な睡眠環境や習慣が欠けている場合、不眠は慢性化する可能性があります。

眠れないことに対する恐怖心からますます眠れなくなることもあります。

さらに、以下のような睡眠に関する悪習慣が、不眠を悪化させる要因として考えられます。これらを修正することで、不眠を改善することができます。

参考記事:イライラして眠れない時はどうする?原因や対処方法を解説|Humming

寝る前の刺激物質の摂取


カフェイン(コーヒーや紅茶)、ニコチン(タバコ)、アルコールなどを摂取すると眠りにくくなることがあります。

寝床での過ごし時間の調整


寝不足を解消しようとして、長時間ベッドで過ごすことが逆効果となり、眠りが浅くなることがあります

日中の活動量の確保


不眠が続くと、日中の活動量が減少しやすくなりますが、適度な運動をすることで、睡眠の質が向上することがあります。

睡眠時間の認識のズレ


実際の睡眠時間と自覚している睡眠時間が異なる場合があります

睡眠時間を調整することで、より質の高い睡眠を得ることができます。

 

 

うつによる不眠の改善方法とは

不眠うつ


まずは、考え方や生活習慣の改善から始めましょう。

ベッドで眠れないと感じる場合、無理に眠ろうとするのではなく、一度起きて本を読んだり、好きなことをして過ごすことをおすすめします

生活習慣

  • 毎日同じ時間に起きるよう心がける
  • 運動を習慣づける。(寝る4〜5時間前に運動するのが理想的)
  • 眠りやすい環境を整える(適温に調整した部屋、自分に合った寝具、遮光カーテンを使用することなど)
  • 夕方以降のカフェイン摂取を控える
  • 寝る前のスマホやパソコンの使用を控えリラックスする時間を確保する
  • 寝る前の飲酒やタバコを控える

人によって適切な睡眠時間は異なるため、「絶対に7時間は寝ないとといった考え方は逆にストレスを与え、眠りにくくする可能性があります。

そのため、眠れないことを意識しすぎず、上記のようなポイントに注意しながら、リラックスして過ごすことが重要です。

内服薬


改善が難しい場合は、薬物治療や精神療法を検討してみましょう。

医師が適切な処方や治療法を提案してくれます。

最近では副作用や依存の少ないお薬も増えています

抗うつ薬も不眠症状の改善に役立つ場合がありますので、医師と相談してみることをおすすめします。

 

関連記事:律神経失調症のセルフチェック26項目!こんな兆候は危険かも?|西春内科・在宅クリニック

 

うつは不眠だけでなく過眠もある?


不眠うつ

うつ病で過眠症状が出る場合


うつ病の方は慢性的なストレスを抱えていることが多く、それにより十分な睡眠が取れなかったり、疲れがたまったりします。

最近の研究では、うつ病に関連するセロトニンという物質の働きを制御する脳の領域が不快感を感じると活性化し、浅い眠りを維持しようとすることがわかっています。

しかし、浅い眠りでは体が十分に回復できず日中に眠気が残ることがあります。

また、ストレスを受けると無意識のうちに睡眠を求めるようになることもあります。

睡眠は心身の疲労を回復させるため、うつ病による過眠症状は必要な反応とも言えますが、ストレスの原因にもなることがあります。

うつ病の治療薬で過眠症状が出る場合


うつ病の不安や緊張などの症状を抑えるために使用される抗うつ薬には眠気が副作用として現れることがあります

また、不眠症状を改善するために睡眠薬を用いることもあります

このように、うつ病の治療薬が過眠の原因となることがありますが、自己判断せずに主治医と相談しながら適切に対処することが大切です

 

 

コロナ後遺症で不眠とうつになることがある?


不眠うつ

新型コロナウイルス感染後、不眠やうつ病などの精神症状が出ることが報告されています。

不安障害(不安症)


不安障害は、普段よりも過度な不安や恐怖を感じる状態です。

人前で話すことが怖くなったり、日常生活で緊張や不安を感じることがあります。

このような症状が長く続く場合は、不安障害の可能性があります。

気分障害


気分障害には、うつ病や躁うつ病などが含まれます。

うつ病では気分が沈んでしまい、日常生活に支障が出ることがあります。

また、躁うつ病では気分が高揚したり沈んだりすることがあります。

睡眠障害


睡眠障害には、不眠症や過眠症などがあります。

不眠症では寝つきが悪くなったり中途覚醒が多くなったりします

これらの症状が続く場合は、睡眠障害の可能性があります。

これらの精神症状は、コロナ後遺症として現れることがあります。

必要ならば、専門家と相談して適切な対処方法を見つけることが大切です。

 

関連記事:過食嘔吐になる原因|顔がむくんでしまう理由や治療方法を解説

 

コロナ後遺症の相談なら西春内科・在宅クリニックまで


西春内科・在宅クリニックでは新型コロナウイルス後遺症外来を行っております。

新型コロナ後遺症は、時間の経過とともに徐々に改善することが多いとされていますが、 半年以上続く患者さんもいます。

コロナ後遺症外来 – 西春内科・在宅クリニック(北名古屋市の内科・発熱外来・訪問診療)

また、常勤の内科医が様々な心身の不調に対して、診察を行っております。

まずは、精神的な不調の陰に、体の病気が隠れていないかを確認し、必要であれば最寄りの精神科や心療内科と連携し、治療を行っています。

心配な症状がある場合には、当院またはお気軽に最寄りの心療内科や精神科などクリニックや診療所を受診して相談しましょう。

 

 

【まとめ】うつによる不眠は医療機関へ相談を


不眠はストレスが原因なことが多く、長く続くとうつに発展する可能性が高まります。

ストレスは一度抱えると負の連鎖のように重なり、重症化してしまう事もあります。

生活習慣を改善したり、少しでも不調だと感じたらすぐに医師に相談し、早期治療を試みましょう。

参考文献

不眠の原因と改善、うつ病との関連

不眠症(睡眠障害)|こころの情報サイト

うつ病で眠れない?今すぐできる対処法も解説! – MIZENクリニック豊洲内科・心療内科

過眠とうつ病の関係性とは?過眠の症状と原因を医学論文をもとに解説 – MIZENクリニック豊洲内科

新型コロナ後遺症の精神症状について | 新橋メンタルクリニック

五月病の症状やなりやすい人の特徴|うつ病との違いなども解説

五月病

4月より新年度を迎え、大学生や新社会人となる方、

また転職や人事異動など新しい環境で働きだした方など

あっという間に1か月が過ぎ、

ゴールデンウイークなどの大型連休も終わり…

いざ登校・出勤しようとすると、「気分がふさぐ」「やる気が起きない」という状態となり、場合によっては不登校や欠勤になってしまうことがあります。

この現象を、一般的に「五月病」と呼んでいます。

最近では企業の研修期間などが延びたことにより、時期が6月にずれ込んでくるケースも見受けられます。

今回は、そんな五月病の症状やなりやすい人の特徴、うつ病との違いについて詳しく解説していきます。

 

 

五月病の主な症状


五月病

五月病は、正式な医学用語ではありません。

臨床現場において、精神科診断では、「適応障害」とする症例が多い印象があります。

中にはその他の精神疾患の可能性もあるので、「五月病」と言う言葉から軽く考えることなく、十分に注意が必要です。

この記事の後半では五月病のセルフチェック項目を紹介しているので、ぜひ活用してみてください。

 

 

五月病になりやすい人の特徴


五月病

「五月病」になってしまう主な原因に、新しい環境に馴染めない、適応できないことが挙げられます。

以下などといった人間関係によるものであったりします。

  • 初めての一人暮らしや職場の雰囲気に馴染めないといった環境面     
  • すでに出来上がってしまっている人間関係に溶け込めずに疎外感を感じる 
  • 新しい上司や部下といった上下関係に悩む 


その他にも、ノルマや残業が多すぎてついていけないといった、オバーワークが続いているといったケースもあります。

そういった事はだれしもが経験すると思います。

しかし、それらの状況であれば、皆が「五月病」になるということではありません。

そういった環境に馴染めずにストレスを抱えた状態が長期間に渡って続くことで、心身共に疲弊し、

前述した様な何かしらの症状が出てきます。

「五月病」になりやすい人にはいくつかの特徴があります。

一般的には、まじめで頑張り屋さんがなりやすいと言われていますが、もう少し具体的に紹介します。

まずは、そもそも新しい環境に馴染むことが昔から苦手であった、もしくは新しい環境で対人関係を作ることを苦手としている人です。

間関係を作るというのは、みなさんが想像しているよりもずっと多くのエネルギーを使います。

さらに、誰にでもいい顔をしてしまう、失敗を極度に恐れる、困ったときに誰かに相談できない、こういった人たちです。

周囲への過剰な気遣いや、新しい環境で失敗してはいけないという極度の緊張、悩みを一人で抱えてしまうことは、ストレスを多くため込む原因です。

参考記事:仕事でストレスを感じたらやばい?原因や解消方法をご紹介!|Humming

 

 

五月病とうつ病の違い


五月病

五月病とうつ病は違いますか、という質問を受けることは珍しくありません。

しかし、「五月病」という言葉が医学用語で無い以上、同列に扱うことはできません。

五月病とは、新年度が始まり、五月から六月といった、少し時間が経過した後に、心身の不調をきたした状態を指しています。

心身の不調とは、「うつ病」や「適応障害」、その他の精神疾患と様々です。

つまり、五月病の状態が、うつ病である人がいるということです。

五月病と言うと、なんだか少し軽症のイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、

実は「うつ病」であったなんてことが無いように、心身の不調を感じた際は、一度最寄りの病院に相談することをお勧めします。

それでは、「うつ病」と「適応障害」の違いは何でしょうか。

双方ともに気分が落ち込んだ状態であることは共通しますが、いくつかの違いがあります。

まず、はっきりとした原因がわかるかどうかです。

うつ病

原因となったイベントストレスがわからないことがしばしばあります。

かなり漫然とストレス環境にいた結果、気が付いたらうつ病というイメージです。

うつ病では仮に思い当たるストレスから離れてみたとしても、中々良くなりません。

うつ病は、ストレスの大小や、ストレスの有無に関わらず、脳の機能が低下した状態です。

治療として、精神療法や環境調整はとても重要ですが、抗うつ薬などの薬物療法もきちんと行う必要があります。

基準A、B、Cの3つを合わせたものが、抑うつエピソードと呼ばれるものです。


うつ病の診断基準

A


以下の症状のうち5つ以上が2週間以上存在する

※(1)抑うつ気分または(2)興味・喜びの喪失が症状には必ず含まれる
※(3)と(9)を除き、症状はほぼ毎日存在する

  1. ほぼ終日に渡る抑うつ気分
  2. ほぼ終日ほとんどの事柄に興味や喜びを抱けない
  3. 食欲の減退または亢進
  4. 睡眠障害
  5. 精神運動制止(ブレーキがかかったように考えたり動いたりすることができない)または精神運動焦燥(じっと落ち着いていることができず、動き回ってしまう)
  6. 疲労感がある、やる気を持てない
  7. 自己の無価値感、または過剰な罪責感や不適切な罪責感
  8. 思考力や集中力が減っている、決断困難
  9. 死に関する反復思考や、反復的な自殺念慮(死にたいという気持ち)、自殺の計画を立てること、自殺企図(自殺するための行動を取ること)など

 

B


その症状は、臨床的に意味のある苦痛や、勉学や仕事、家事などの大切な領域における機能障害をもたらしている。

※軽症の場合、非常に努力して何とか正常な機能を保っていることもある

 

C


症状は物質の生理学的作用や他の身体疾患によるものではない

 

D


症状は他の精神疾患では上手く説明できない

(例)統合失調感情障害、統合失調症、統合失調症様障害、妄想性障害、他の特定および特定不能の統合失調症スペクトラム障害および他の精神病性障害群

※鑑別基準については後編の記事で解説します

 

E


躁病または軽躁病エピソードが存在しない

※躁病または軽躁病エピソードが物質の生理学的作用や他の身体疾患によるものであれば、この除外は適応されない

適応障害

発症の原因は比較的短期間の出来事がきっかけです。

そのため、原因となったストレスイベントを特定しやすくなります。

適応障害では原因となっているストレスから距離をとることで症状が改善することが多いです。

また、そのストレスから解放されている時には、楽しいことを楽しめます。

適応障害とはストレスにさらされているため、心身共に限界を迎えている状態、一般的に心が折れたと言われる状態です。

たとえ、薬を飲んでも、今起こっているストレスが消えるわけではないので、薬物療法よりも、精神療法や環境調整がとても重要になります。


適応障害の診断基準:DSM-5

A


識別可能なストレス因子が原因の情緒的、行動的な症状が、一連のストレス因子が始まってから3か月以内に起こる。

 

B


その症状や行動は、下記の1つまたは両方によって証明されることが、臨床的に明らかである。

  1. 症状の重大性と存在に影響を及ぼす外的要因や文化的背景を考慮したとしても、ストレス因子の強さや酷さとは釣り合わない、著しい苦痛がある。
  2. 社会的、職業的、あるいは他の重要な領域での機能的な、著しい障害がある。

 

C


そのストレス関連の症状は、他の精神疾患の基準を満たさないし、既存の精神疾患の増悪でもない。

 

D


その症状は通常の死別による悲しみの表現ではない。

 

E


一度そのストレス因子やその結果がなくなれば、その症状は更に6か月以上続くことはない。


決して適応障害が軽く、うつ病が重いということではなく、それぞれに適した治療が必要です。

どちらも専門的な診察が必要であると考えています。

五月病では、五月から六月頃に、以下に該当する場合は適応障害の診断が付く場合が多くあります。

  • 新しい環境に馴染めない
  • 新しい人間関係に悩んでいるなど
  • 心身の不調の原因が明らかな場合

 

 

五月病チェックシート


五月病

「五月病」として疑わしい症状は以下です。

  • 気分がふさぐ
  • 体がだるい、すぐに疲れてしまう       
  • 考えが悲観的になる、ネガティブになる    
  • 集中できない、ミスが増える         
  • 食欲が落ちる                
  • 夜が眠れない、何度も目が覚める       
  • 頭痛や腹痛、めまいなど、身体的な不調がある 

このような症状が続いている、もしくは学校や職場に行こうとする、もしくは学校や職場に行くことを想像すると悪化する場合は、一度病院へ相談することをお勧めします。

五月病の治し方


五月病

「五月病」を治すためには、まず五月病の正確な精神科的な診断が必要です。

まずは、病院を受診し、医師の診察を受けましょう。

しかし、「五月病」を予防していく、少し変だなと思った時に自分でできる対処法を別の記事にまとめておきます。

ぜひそちらも読んでみて下さい。

 

関連記事:五月病になったときの抜け出し方・乗り越え方、対策法などを紹介

 

 

病院やクリニックでの処方


五月病

「五月病」と言う状態を診察し、必要な治療を行うは一般的には精神科、もしくは心療内科になります。

しかし、精神的な不調の原因が、身体疾患から生じることもあります。

以下の場合でも、からだがだるいと感じることはあり、それに気が付いたのが偶然5月や6月という事もあり得ます。

  • 甲状腺などの代謝異常
  • 免疫の病気
  • 血液のがん
  • 肝臓などの臓器の不調


精神科、心療内科クリニックにて身体疾患の存在を見つけることは難しい場合もあるので、まずは体に問題がおこっていないか、最寄りもクリニックにて一度確認しておくことをお勧めします。

体の病気が見つかれば、もちろんその治療を優先しましょう。

また、体に特に問題がないのであれば、精神科や心療内科へ紹介してもらいましょう。

最寄りに精神科や心療内科が無い、もしくは病院の数が少なく初診の予約が取れない、そのような地域も方もいらっしゃると思います。

そのような場合は、専門外であっても精神科領域を多く診察されている医師に治療を行ってもらうことも検討していただいて構いませんので、極力早めに治療を開始するようにしましょう。

長く放置する、長くストレス環境にさらされることで、病状が悪化する可能性があります。

一番良くないのは、自分で「五月病」だと決めつけて、睡眠薬や安定剤といった薬を処方してもらうように、医師に依頼することです。

それらの薬は対症療法であり、風邪で例えると、解熱剤や咳止めなどにあたります。

症状が緩和しているからと言って、治ったと勘違いし、余計風邪を悪化させた経験はありませんでしょうか。

また、それらの薬は依存性や耐性の観点からも、漫然と使用することには注意が必要なものも多いです。

十分に使い慣れた医師に相談し、治療を受けるようにしましょう。

 

 

西春内科在宅クリニックができる対応


西春内科在宅クリニックでは、常勤の内科医が様々な心身の不調に対して、診察を行っております。

まずは、精神的な不調の陰に、体の病気が隠れていないかを確認し、

必要であれば最寄りの精神科や心療内科と連携し、治療を行っています。

連休明けから、なんだか体調が万全な感じがしない。

倦怠感が続いている。

などありましたら、まずはお気軽にご相談ください!

 

 

まとめ


今回は、五月病の症状やなりやすい人の特徴、うつ病との違いについて詳しく解説しました。

五月病になってしまう主な原因は、新しい環境に馴染めない、適応できないことです。

気分がふさぐ、体がだるい、すぐに疲れてしまうなどの症状が続く場合は、一度精神科もしくは心療内科への受診をお勧めします

坐骨神経痛やってはいけないことは?原因疾患や治療法を解説

坐骨神経痛

 

腰を少し動かした際に、お尻から脚に突然「ビリビリ」「ズキズキ」「チクチク」とした痛みやしびれが出るといった症状ありませんか?

 

その症状、「坐骨神経痛」という神経の病気かもしれません。

 

坐骨神経痛は、日常生活に影響を与える可能性があるため、適切な対処と治療が必要です。

 

この記事では、坐骨神経痛になった際に避けるべきことや治療法などについて解説します。




坐骨神経痛とは?

 

坐骨神経痛

 

坐骨神経痛とは、坐骨神経が下記のような原因により圧迫や刺激を受けることで生じる痛みの事です。

 

  • 筋・筋膜性疼痛症候群
    筋肉や筋膜が硬くなり、痛みを引き起こす症状。
  • 梨状筋症候群
    お尻の奥にある筋肉が硬くなり、坐骨神経を圧迫することで痛みが出る病気。
  • 腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)
    腰の脊柱管が狭くなり、神経を圧迫して痛みを引き起こす病気。
  • 腰椎椎間板ヘルニア
    背骨の間にある椎間板がずれて神経を圧迫する病気。

 

坐骨神経は、腰の脊髄からお尻、大腿、膝の裏側を通り、足の指先まで達する長い神経です。

 

症状は、坐骨神経が通るお尻から脚にかけて、「ビリビリ」「ズキズキ」「チクチク」とした痛みやしびれが出るのが特徴です。


関連記事:ぎっくり腰になるかもしれない予兆|病院へ行くべき痛みレベルを解説

坐骨神経痛の人がやってはいけないこと

 

坐骨神経痛

 

坐骨神経痛の人が避けるべきことは、共通して「腰へ負担をかけること」です。

腰は坐骨神経が通っている場所なので、できるだけ負荷をかけないことが大切です。

具体的には以下などが挙げられます。

 

長時間の同じ姿勢

 

坐骨神経痛

 

デスクワークや運転など長時間同じ姿勢を続けると、腰に負担がかかり、神経が圧迫されやすくなります。

 

定期的に立ち上がって軽いストレッチなど体を動かすようにしましょう。

 

例えば、1時間に1回は立ち上がり、背伸びをしたり、肩や首を回す運動を行うだけでも有効です。

 

重いものを持つ

 

坐骨神経痛

 

特に前屈みの姿勢で重いものを持ち上げると、腰椎に負担が集中し、神経への圧迫がかかってしまいます。

 

物を持ち上げる時は十分に腰を下ろし、体を物に近づけてから持ち上げることを心掛けることで腰の負担が軽減することができます。

 

その他、台車を使ったり、周囲の人に協力してもらったり、一度に多くを運ばずに分けて運ぶようにしましょう。

 

体に合わない寝具の利用

 

硬すぎる寝具や柔らかすぎる寝具は、腰や背中に負担をかける可能性があります。

 

適度な硬さで体をしっかり支える寝具を選ぶことが重要です。

 

特に、腰の部分が沈み込みすぎないようにすることで、坐骨神経への圧迫を減らせます。

 

また寝る姿勢においても、うつ伏せや足を伸ばした姿勢は、腰に負担がかかりやすいので避けましょう。

 

仰向けでひざ下にクッションを入れたり、横向きで軽く膝を曲げると負担軽減に効果的です。

 

悪い姿勢でのデスクワーク


坐骨神経痛

デスクワーク中に猫背や前かがみの姿勢を続けると、腰に負担がかかりやすくなります。

 

正しい姿勢を保つために、次のポイントを意識してください。

 

  • 椅子の高さやパソコンの位置を調整する
  • サポーターやクッションを使う


正しい姿勢で行うことで、腰以外にも肩や首の負担も軽減できるため姿勢改善を心がけましょう。

激しい運動

 

腹筋や腕立て伏せなどの運動は、腰や脚に負担がかかるため避けましょう。

 

運動をする場合は、負担が少ない軽いストレッチやウォーキングなど無理のない範囲で行いましょう。

 

間違ったストレッチ

 

ストレッチは坐骨神経痛の治療として効果的です。

 

しかし、間違った方法で行うと症状が悪化することがあります。

 

無理に体を伸ばしたり、痛みを感じるまで引っ張ると、逆に神経を圧迫し症状が悪化します。

間違ったやり方でのストレッチはやめておきましょう。




坐骨神経痛を悪化させないための過ごし方

適切な運動とストレッチ

 

坐骨神経痛

 

坐骨神経痛は、筋肉が坐骨神経を圧迫することで痛みが生じます。

 

適度な運動やストレッチで筋肉を柔軟に保つと、坐骨神経への圧迫を軽減することが可能です。

 

ウォーキングや軽いヨガなど、腰に過度な負担をかけない運動を取り入れましょう。

 

おすすめの椅子に座った状態で行うストレッチを1つ紹介いたします。

 

  • 1.椅子に座った状態で背筋を伸ばし、ストレッチしたい足をもう片方の膝の上に乗せます。
  • 2.背筋を伸ばしたまま、上半身を前に倒し、10秒キープします。

 

背中が曲がっていたり、首や胸だけ前に倒れていると効果がないため注意して行いましょう。

 

正しい姿勢の保ち方

 

坐骨神経痛

 

腰への負担を軽減するためには、正しい姿勢を保つことが大切です。

 

座るときには、腰をしっかりとサポートできる椅子を使用し、足の位置を調整することで、腰への圧力を分散させることができます。

 

立つときや歩くときも背筋を伸ばし、腰に負担をかけないように心がけましょう。

 

症状が出た時の対処方法

 

坐骨神経痛の症状が出た直後は、まず安静にすることが重要です。

 

痛みが強い場合は、氷のうを使ったり、痛み止めを使うことで炎症や痛みを軽減することができます。

 

また、痛みが続く場合は医師の診察を受け、適切な治療を受けることが必要です。

 

自己判断での無理な運動やストレッチは避け、専門家の指導を仰ぐようにしましょう。


関連記事:圧迫骨折でやってはいけないこと4選!自宅療養のポイントについて解説

坐骨神経痛の治療方法

 

坐骨神経痛


坐骨神経痛の治療には、さまざまなアプローチがあるので見ていきましょう。

運動療法

 

運動療法は筋肉を強化し、柔軟性を高めることで坐骨神経への圧迫を減らす治療法です。

 

理学療法士の指導のもとで、個々の症状に合わせたエクササイズが行われます。

 

物理療法

 

物理療法とは、温熱療法や冷却療法、電気療法などで血行を良くし、痛みを和らげる治療法です。

 

定期的に行うことで、症状の緩和が期待できます。

 

装具療法

 

装具療法では、腰を支えるコルセットや、姿勢を矯正する装具を使って痛みを軽減します。

 

ただし長期間使用すると筋力が低下してしまう恐れがあるので、1カ月程度を目安に利用するのが一般的です。

 

薬物療法

 

薬物療法では、痛みや炎症を抑えるための薬が処方されます。

 

一般的には、次に薬が使用されます。

 

  • NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬):炎症や痛みを抑える効果があります。
  • 筋弛緩薬:筋肉を緩め、痛みを和らげます。
  • 血管拡張薬:血流を促進し、症状を改善します。

 

ブロック療法・トリガーポイント注射

 

ブロック療法は、局所麻酔薬やステロイドを神経やその周りに注射する方法です。

 

この方法は、痛みの信号を運ぶ神経に直接作用し、高い効果が期待できます。

 

ただし、副作用の可能性があるため、治療後は安静が必要です。

 

トリガーポイント注射は筋・筋膜性腰痛症などに対して有効な治療法です。

 

最も痛みがある点(トリガーポイント)に注射し、筋肉・筋膜をほぐして痛みを緩和する方法です。

 

ブロック療法よりも体の表面に近い部位に注射するため、簡単に行える治療法ですが、効果には個人差もあります。

 

手術療法

 

手術療法は、他の治療法で効果が得られない場合や、症状が重い場合に検討されます。

 

手術では、圧迫されている神経を解放するための手術が行われます。

 

手術後は、リハビリで機能回復を図ることも必要です。




医師による坐骨神経痛に対する意見や実体験

 

坐骨神経痛

 

坐骨神経痛は、20代の若い方にも起こります。

 

何を隠そう、医師である私も坐骨神経痛になったことがあります。

 

引っ越しで重い荷物を持ち上げた際に急性腰痛症(いわゆる「ぎっくり腰」)を発症し、その腰痛が慢性化。

 

腰からお尻の筋肉が凝り固まってしまい、坐骨神経痛が出るようになりました。

 

私の場合、①コルセットの装着、②鎮痛薬の服用、③ストレッチを行いながら経過観察しました。

 

腰痛がひどかったため、腰にトリガーポイント注射(筋膜リリース注射)をしてもらいましたが、期待通りの効果は得られなかったです。

 

また、外来診療など仕事柄、長時間座ることが多く、腰への負担も大きかったです。

 

コルセットやストレッチが徐々に効いてきたのか、3~4か月ほどで完治しました。

 

今はもう痛みはありませんが、重いものを持つ際は気をつけています。

 

私のように、腰やお尻の筋肉を痛めて凝り固まると、治るのに時間がかかることがあるため、注意が必要です。


関連記事:関節リウマチのしてはいけない10項目とは|リウマチになりやすい性格がある?

西春内科・在宅クリニックでできる対応

 

坐骨神経痛

 

西春内科在宅クリニックでは、症状の原因を特定するためのCT検査が可能です。

 

痛みを抑える薬物療法を中心とした坐骨神経痛に対する処置を行っていきます。

 

痛みが激しい場合はトリガーポイント注射も可能です。

 

状態によって他医療機関への紹介等も行えますので、なにかお困りのことがあればお気軽にご相談ください。




まとめ

 

坐骨神経痛は日常生活に影響を与えるため、適切な対処と治療が必要です。

 

症状を悪化させないためには、長時間の同じ姿勢を続けたり、重いものを持ったりせず、正しい姿勢を保つことが大切です。

 

また、適切な運動やストレッチ、症状が出た時の正しい対処法を実践することで、症状の緩和が期待できます。

 

お尻から脚にかけて、「ビリビリ」「ズキズキ」「チクチク」とした痛みが現れたら、一度お近くの医療機関をご受診くださいね。

 

参考文献

 

  • はせペインクリニック「坐骨神経痛とは」
  • HELENE「【当てはまる人は要注意!】坐骨神経痛の方がやってはいけないこと」
  • 日本薬師堂「坐骨神経痛とは? 原因、症状、治療法、日常生活のコツについて」

肘内障を1日放置したらどうなる?親が治すことはできる?

肘内障

うんていで遊んでいた子供が急に「痛いっ!」と叫び、激しく泣きだした…

 

時間が経つと落ち着いたように見ても、腕を動かさず、元気がない様子が気になる…といったことありませんか?

 

それはもしかしたら肘内障かもしれません。

 

今回はそんな肘内障について原因や1日放置してしまった場合や、親御様でも治せるのかなどについて紹介します。




肘内障とは?

 

肘内障

 

主に5歳以下の子供に多く見られる肘の「亜脱臼」です。

少しだけ女の子に多い傾向にあります。

肘から先は細い骨と太い骨の2本の骨で作られています。

細い骨が動くことにより肘から先を180度回転させることが出来ます。

太い骨近くから出ている「靭帯(じんたい)」という帯状の組織で細い骨を支えています。

 

通常、骨はくびれの部分で靭帯にしっかり固定されていますが、子供の骨はまだ発達途中でくびれが浅いため、靭帯の固定が甘く肘内障が起こりやすいのです。

 

主に以下のような状況で起こりやすくなります。

 

・手をつないでいる際に、子供の腕を急に強く引っ張ったとき
・手を引っ張り合って遊んでいるとき
・うんていなどにぶら下がって遊んでいるとき


関連記事:小児の肘内障についての確認方法や、肘内障の再発予防法について

肘内障の症状

 

肘内障

 

普段は元気な子供が突然「痛い!」と泣き出し腕を動かさずにかばうような仕草を見せた場合、肘内障の可能性があります。

ここでは、肘内障の症状「痛み」と「肘の動かしにくさ」について解説しましょう。

 

痛み

 

肘内障による痛みは非常に強く、子供が激しく泣くことが多いです。

痛みはありますが、腫れや赤みといった見た目の変化はほとんど見られません。

 

肘の可動域制限

肘内障は骨が靭帯から外れかけた状態です。

無理に動かそうとすると強い痛みが報じるため肘の曲げ伸ばしができません。

また、前腕が内向き(手のひらが前を向く形)にだらりとした状態になります。




肘内障は自然に治る?

 

肘内障

 

肘内障は基本的には自然に治ることは少なく、対応できる医療機関での整復処置が必要です。

動かさなければ痛みを感じないため、一見治ったように思えることもあります。

しかし、腕を上げようとしたり動かしたりする際に痛がったり嫌がる場合は、まだ治っていない証拠です。

医師による整復処置は通常短時間で痛みを和らげることができます。

肘内障の症状がみられる場合は、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。

関連記事:捻挫で歩けるけど痛いときは病院に行くべき?重症度チェックも紹介

肘内障を1日放置するとどうなる?

 

肘内障

 

泣き止んだからといって1〜2日間放置してしまうと下記のリスクがあります。

 

  • 元の位置に戻そうとしても戻りにくくなる
  • 一度治ったあとも再発しやすくなる

 

このため、肘内障が疑われる場合は、放置せずできるだけ早めに医療機関を受診することが大切です。




肘内障の整復方法は?親が治すことはできる?

 

肘内障

 

外れかけた靭帯を戻すことを整復処置と言い、方法としては「回内法」と「回外・屈曲法」の2つの方法があります。


回内法

  1. 肘を軽く曲げ、親指側の骨である「橈骨(とうこつ)」の先端を押さえる
  2. 手のひらを内向きに前腕ごと回転させる
  3. 「コクッ」という音が鳴り、数分後にバンザイの姿勢ができれば成功


回外・屈曲法

  1. 肘を軽く曲げ、親指側の骨である「橈骨(とうこつ)」の先端を押さえる
  2. 手のひらを外向きに前腕ごと回転させ、更に肘を曲げる
  3. 「コクッ」という音が鳴り、数分後にバンザイの姿勢ができれば成功

 

違いとしては前腕を回転させるのが内向きか外向きかの違いです。

この2つの方法のうち、成功率は回内法の方が高いという論文が出ており、回内法を使うケースが多いです。

文章や画像を見ていると一見できそうな気がしませんか?

ですが、親御さんによる整復処置はおすすめできません。

肘内障か骨折かを判断するためには、レントゲン検査などが必要です。

また、無理に整復しようとして神経や血管にダメージを与えてしまうリスクもあります。

そのため、必ず医療機関へ受診をし、適切な処置を受けることが重要となります。


関連記事:早く治したい方必見!骨折の見分け方と対処方法

夜中に子どもが肘内障になったらどうする?

 

肘内障

 

夜中に急にお子様が泣いたら焦ってしまいますよね…

しかし、まずは落ち着いて対処をしましょう。

肘内障が疑われるときは、痛みが出ないように腕を動かさず安静にしておくことが大切です。

その後、夜間でも対応可能な救急病院へ連絡をするか、#8000の子供医療電話相談(全国共通の小児救急電話相談)でアドバイスをうけましょう。

肘内障は腫れたり、熱を持ったりすることはほとんどないので、冷やす必要はありませんが、安易に動かしてしまわないよう注意がひつよです。




西春内科・在宅クリニックでできる対応

 

西春内科・在宅クリニックでは、肘内障の整復処置が可能です。

また、骨折が疑われる場合、レントゲン検査、超音波検査も行うことができます。

お子様が急に痛みを訴えた、腕を動かさないなどありましたらお気軽にご相談ください。

夜間休日の場合は、家来るドクターとしてご自宅にお伺いして整復処置を行うことが可能です。

お電話にてご相談ください。




まとめ

元気だったお子さんが突然泣き出し、腕に触れるのを嫌がる場合は肘内障の可能性が考えられます。

時間の経過とともに痛みが和らぐこともありますが、腕を動かさない、上にあげることが出来ないなどの症状がみられる場合は、できるだけ早く整形外科を受診しましょう。

肘内障を放置すると、治りにくくなったり、再発しやすくなるといったリスクがあります。

そのため、様子を見ずに早めの対応が必要です。

骨折や他のケガとの区別が難しいため、親御さんの自己判断で整復処置を試みることは避けましょう。

西春内科・在宅クリニックでも整復処置やレントゲン検査などが可能です。

お気軽にご相談ください。

 

参考文献

 

肘内障 – 有明みんなクリニック・有明こどもクリニック総合サイト

肘内障(肘が外れた・腕が抜けた) | 休日・深夜23時まで対応!さいたま市見沼区のせきぐち接骨院

肘内障 | こまつ整形外科クリニック

肘内障 – 小児科 – かわかみ整形外科・小児科クリニック

RSウイルスとは|大人と小児の症状の違いや潜伏期間を解説

RSウイルス

RSウイルスとはRSウイルス感染症という呼吸器疾患を引き起こすウイルスです。

RSウイルス感染症は、2歳までにはほとんどのお子様が少なくとも一度はかかる感染症です。

今回はそんなRSウイルス感染症について、どういった症状がでるのかや潜伏期間、治療法などを解説します。

 

 

RSウイルスとは?


RSウイルス

RSウイルスは、特に乳幼児や高齢者に重篤な呼吸器感染症を引き起こすウイルスです。

RSウイルス感染症は9月頃から初春まで流行しますが、最近は夏頃から流行が始まる傾向があります。

風邪のような軽い症状から、気管支炎や肺炎といった深刻な状態に至ることもあります。

感染力が高く、飛沫感染や接触感染により人から人へ広がりやすいのが特徴です。

 

関連記事:咳喘息は喘息ではない?違いや症状のチェック項目をご紹介

 

RSウイルスの基本的な症状


RSウイルス

RSウイルス感染症は基本的に風邪のような症状が現れます。

具体的には以下などの症状が挙げられます。
  • 鼻水・鼻詰まり
  • 発熱
  • 喉の痛み
  • 耳痛(中耳炎を併発する場合)
  • 食欲不振

しかし、一部のケースでは、より深刻な症状が現れることがあり、特に以下の症状には注意が必要です。
  • 息を吐く際「ヒューヒュー、ゼーゼー」という音がする(ぜん鳴)
  • 胸がへこむような呼吸(陥没呼吸)
  • 呼吸が早く、呼吸の回数が増えている(子供であれば1分間に30回以上が早い呼吸)
  • 顔色や唇の色が悪い(血液中の酸素が足りていない)


こうした症状が見られる場合、RSウイルスによる感染が肺炎や気管支炎、細気管支炎といった重篤な状態に進行している可能性があります。

この場合は、酸素投与や点滴治療が必要となり、入院が求められることも少なくありません。

早期の適切な対処が重要です。

 

 

小児のRSウイルスは重症化しやすい?


RSウイルス

お子様の年齢や基礎疾患の有無によって重症化のリスクは変わってきます。

一般的には、1歳以上であれば多くの場合は重症化のリスクは低減します。

2歳以上であれば鼻風邪で終わることがほとんどです。

しかし、以下のようなお子様の場合、重症化のリスクが高まるため注意が必要です。

  • 1歳未満、特に6か月未満の赤ちゃん
  • 早産、低出生体重の赤ちゃん
  • 心臓や肺に基礎疾患がある
  • 免疫不全症、ダウン症


これらのケースでは、RSウイルスによる感染が肺炎や気管支炎などの重篤な呼吸器疾患に進行するリスクが高いと言えます。

早めに医療機関で相談し、必要に応じて入院治療を検討することが推奨されます。

 

関連記事:風邪で病院へ行くべきか?受診する目安や行くタイミングを解説

 

大人のRSウイルスは軽症で済む?長引く?


RSウイルス

RSウイルスは一般的に成人にとって軽い症状で済むことが多く、風邪のような症状が1週間程度で改善する場合がほとんどです。

しかし、以下の条件に該当する方は、重症化しやすく、症状が長引く可能性があります。

  • 65歳以上の高齢者
  • 長期間たばこを吸っている方(慢性閉塞性肺疾患の方)
  • 糖尿病の方
  • 初めてRSウイルスにかかった方


以上の項目に当てはまる方はRSウイルス感染が肺炎などの重篤な合併症を引き起こしやすく、場合によってはインフルエンザによる肺炎よりも長引くことがあります。

感染後の症状が1週間を超えて続く場合や悪化する場合には、早めに医療機関を受診することが推奨されます。

 

 

RSウイルスの治りかけの症状とは?


RSウイルス

RSウイルスに感染した場合、特に初感染の多くは咳や鼻水、発熱といった風邪のような症状が数日から1週間ほどで自然に治まっていくことが一般的です。

治りかけの明確なサインはありませんが、徐々に咳や鼻水が減少し、全身の倦怠感が軽くなることで回復を実感することが多いです。

ただし、1週間を過ぎても症状が続いたり、咳が治まらない場合は、肺炎や気管支炎の可能性が考えられます。

上記に該当する場合、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

関連記事:風邪をひいたらひたすら寝るのが効果的?体調が悪い時の過ごし方を徹底解説

 

RSウイルスの潜伏期間は?


RSウイルス

RSウイルスの潜伏期間は、感染してからおよそ4~6日間とされています。

この間に体内でウイルスが増殖し、潜伏期間を経てから咳や鼻水、発熱といった症状が現れます。

RSウイルスは感染力が非常に強く、飛沫感染や接触感染によって広がるため、家庭内や集団生活の場での注意が必要です。

感染予防には、マスクの着用や手洗い、うがいが有効とされています。

また、接触した物や手を清潔に保つことで感染リスクを抑えることができます。

 

 

RSウイルスの治療


RSウイルス

RSウイルス感染症には特効薬(有効な抗ウイルス薬)はありません。

そのため、対処療法が主な治療法となります。

  • 咳止め・去痰剤・解熱鎮痛剤を使い症状を緩和させる
  • 痰を出しやすい体位を取らせたり、吸入などをしながら症状改善に努めていく


自分の免疫力で回復できるようにサポートするものです。

ですが、心疾患・肺疾患などの症状のある幼児が感染すると、重篤化する可能性が高まります。

重症化する可能性がある場合、追加治療として、パリビズマブ薬(抗RSウイルスヒト化モノクローナル抗体)にて様子を見ていきます。

この薬は、感染予防にはなりませんが、重症化リスクのある幼児に対して症状の進行を抑えるために用いられるものです。

感染中は幼児の症状を適時確認し、症状が改善しないとき・悪化してきているときは医療機関に相談・受診をしてください。

 

関連記事:喉の痛みの市販薬でよく効く商品をランキング形式で徹底比較!

 

RSウイルスで出勤停止になる?


RSウイルス

RSウイルス感染においては、学校保健安全法に基づく出席停止や出勤停止の規定は特に設けられていません。

風邪と同様に、咳や発熱といった症状が収まり、本人が元気な状態であれば、園や学校、会社と相談の上で登園や出勤が可能です。

ただし、RSウイルスは感染力が強いため、症状が残っている場合は、他者への感染予防として引き続き休養することが望ましい場合もあります。

 

西春内科・在宅クリニックでできる対応


RSウイルスの治療は対症療法になるので、当院では症状に合わせてお薬を処方させていただきます。

発熱や咳がある場合は他の感染症、特にインフルエンザ感染症やコロナウイルス感染症にも共通する症状ですので、そちらの可能性を無くすためにインフルエンザ、コロナウイルスの検査を行う場合もあります

また重症度に応じて点滴や入院が可能な病院へのご案内をさせていただく事もあります。

 

 

RSウイルスについてのまとめ


RSウイルスの多くは重症化のリスクが低く、ほとんど風邪と変わりません

ですが1歳未満の赤ちゃんや基礎疾患のある方には危険性のあるウイルスです。

多くの方には危険性の低いRSウイルスですが、インフルエンザ感染症やコロナウイルス感染症の可能性もあります。

RSウイルス感染症かもしれないと思った際も、他の感染症の可能性を除外するために、医療機関を受診しましょう。

参考文献

RSウイルス感染症とは? | 知っておきたい!家庭の感染と予防 | サラヤ株式会社 家庭用製品情報
RSウイルス感染症にご注意ください!! | 国立成育医療研究センター
子供がRSウイルスに感染したら? | キャップスクリニック(医療法人社団ナイズ)
RSウイルス感染症Q&A(令和6年1月15日改訂)|厚生労働省
大人のRSウイルスの症状や検査、出勤停止期間について | ひまわり医院(内科・皮膚科)

インフルエンザの予防方法|感染経路や予防に有効な栄養について

インフル予防

 

秋から冬にかけて寒さが増す時期、インフルエンザが流行する季節がやってきます。

 

近年、新型コロナウイルス感染症の流行が少し収まり、インフルエンザが流行してきています。

 

インフルエンザは重症化するリスクがあるため、予防はとても重要です。


今回は、インフルエンザの予防方法や重要性、予防に繋がる栄養の紹介などを行っていきます。




インフルエンザを予防する重要性とは

 

インフル予防

 

インフルエンザの予防は一人一人心掛けることが大切です。

 

インフルエンザが重症化すると肺炎や脳炎、心筋炎といった命に関わる合併症を引き起こすことがあります。

 

特に、以下に当てはまる方はより一層の注意が求められます。

 

  • 免疫力が低下している方
  • 高齢者
  • 持病がある方
  • 乳幼児
  • 妊婦

 

重症化リスクのある方にうつさないようにするためにも、インフルエンザの予防は全員で行う必要があります。

 

特に家族の中に当てはまる方がいる場合は、これから紹介する予防方法を家族全員で徹底していきましょう。


関連記事:インフルエンザのA型とB型の違いとは?知っておきたい基本情報

インフルエンザの感染経路

 

インフル予防

 

インフルエンザは非常に感染力が強く、私たちの日常生活で気づかないうちに広がります。

 

特に人が集まる場所では、予防策をしっかり取らないと簡単に感染が広がる恐れがあります。

 

どのようにインフルエンザウイルスが私たちの体に侵入してくるか、主な感染経路を詳しく見ていきましょう。


飛沫感染

 

飛沫感染はインフルエンザの主な感染経路です。

 

咳やくしゃみをする際、ウイルスが含まれた微小な水滴(飛沫)が空気中に放出されます。

 

この飛沫を他の人が吸い込んだり目から入ることで感染が広がります。

 

特に電車の中、教室、オフィスなど人が密集する場所では注意が必要です。

 

咳エチケットやマスクを着用して予防することが大切です。


接触感染

 

接触感染はウイルスが付着した物に触れることで起こります。

 

例えば感染者が触れたドアノブ、電車のつり革、タブレット端末の画面など、様々な物の表面にウイルスは付着して一定時間生存します。

 

これらに触れた手で無意識に目や鼻、口を触ることで、ウイルスが体内に入り込むのです。

 

手洗いをこまめに行い、顔を触る前にしっかりと消毒することが感染予防の鍵です。

 

また、スマートフォンやパソコンのキーボードなど、よく触れる物の表面も定期的に清掃することで、感染リスクを下げることができます。

 

空気感染

 

感染者の咳やくしゃみによる飛沫は、水分が蒸発すると飛沫核という微粒子だけになります。

 

この飛沫核は長時間空気中に浮遊し続け、それが体内に入ると感染します。

 

特に注意が必要なのは、換気の悪い密閉された室内空間です。

 

教室、オフィス、電車の中など、換気が不十分な場所では、感染者が出したウイルスが空気中を長時間漂い続けます。

 

周囲の人がこの微粒子を吸い込むことで、知らず知らずのうちに感染が広がっていきます。

 

予防には、定期的な換気が効果的です。

 

可能であれば、30分に1回、数分程度の換気を行いインフルエンザを予防しましょう。




インフルエンザの予防方法

 

インフル予防

 

インフルエンザを防ぐためには、日常生活の中でできる予防策を取り入れることが大切です。

 

特にインフルエンザの流行期には基本的な対策を徹底することで感染リスクを減らすことができます。

 

効果的な予防方法について詳しく解説していきます。


ワクチン接種

 

インフルエンザから身を守る最も効果的な方法が、ワクチン接種です。

 

接種することで、体内にインフルエンザウイルスへの抵抗力が作られ、感染を防ぐだけでなく、万が一感染しても重症化を下げることが出来ます。

 

先述した通り、以下に当てはまる方はインフルエンザの重症化リスクが高いため、ワクチン接種が強く推奨されます。

 

  • 免疫力が低下している方
  • 高齢者
  • 持病がある方
  • 乳幼児
  • 妊婦

 

健康な大人の方も自分の健康を守るだけでなく、上記に当てはまる方や家族、職場の同僚など、周囲の大切な人々への感染を防ぐためにワクチン接種をしましょう。

 

インフルエンザウイルスは毎年少しずつ形を変えて流行するため、昨年受けたワクチンが今年は効果を発揮しない場合があります。

 

そのため、毎年の定期的なワクチン接種が欠かせません。


手洗い

 

手洗いはウイルスを手から体内に取り込まないための基本的な対策です。

 

日常的にウイルスに触れる機会は多く、外出先から帰ったときや食事前、トイレの後など、こまめに手を洗うことが感染予防につながります。

 

石鹸と流水を使った手洗いが最も効果的で、ウイルスをしっかりと除去できます。

 

アルコール消毒も有効ですが、まずは手についている汚れを石鹸と水を使用して充分に洗い流しましょう。

 

このような丁寧な手洗いの習慣は、インフルエンザだけでなく、風邪やその他の感染症予防にも効果を発揮します。

 

一つの予防習慣で、複数の病気から身を守ることができるため、ぜひ実践していきましょう。


加湿

 

室内の湿度を適切に保つことも、インフルエンザ予防に役立ちます。

 

乾燥した環境ではウイルスが長時間空気中に漂いやすくなり、感染が広がりやすくなります。

 

特に冬場は空気が乾燥するため、加湿器などを使って室内の湿度を40%~60%に保つことが理想的です。

 

湿度を維持することで、ウイルスの浮遊を抑制し、喉や鼻の粘膜を保護する効果も期待できます。

 

また、適度な湿度が保たれると、室内の空気が快適になり、ウイルスに対する体の防御機能も高まります。


人混みを避ける

 

インフルエンザの流行期には、人混みを避けることが非常に効果的な予防策となります。

 

外出を控えたり、人が密集している場所を避けましょう。

 

人が集まる公共の場などに行く必要がある場合は、マスクの着用を徹底し咳エチケットを心がけましょう。

 

人混みを避けることで飛沫感染や接触感染のリスクを減らし、自身や家族を間接的に守ることができます。


規則正しい生活

 

規則正しい生活は、免疫力を高めるために重要です。

 

特に睡眠不足やストレスがたまると免疫機能が低下し、インフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。

 

十分な睡眠をとり、バランスの取れた食事を心がけることで、体の防御機能が高まり、感染リスクを減少させることができます。

 

また、適度な運動も体力や免疫力を高めるのに効果的です。

 

インフルエンザ予防のためには、日々の生活習慣を整え、免疫力を高めることが大切です。


口腔ケアの重要性

 

実は毎日の歯磨きなどの口腔ケアもとても重要な予防法です。

 

私たちの口の中には、多くの細菌が存在しており、この細菌が増えすぎると喉や気道に炎症を引き起こします。

 

炎症を起こした粘膜は、インフルエンザウイルスの格好の侵入口となってしまうのです。

 

特に夜間は唾液の分泌が減り、細菌が増殖しやすい環境になるため、就寝前の丁寧な歯磨きで口腔ケアを行いましょう。

 

歯と歯の間、歯ぐきの周り、そして意外と見落としがちな舌の表面までしっかりと清掃することで、口腔内を清潔に保つことができます。

 

さらに、半年に一度の歯科検診も口腔ケアには大切です。

 

プロによるクリーニングと専門家からのアドバイスを受けることで、より効果的な予防が可能になります。


温冷浴法による免疫力向上

 

寒い季節のインフルエンザ対策として、温冷浴法サウナという二つの温熱療法が注目されています。

 

温冷浴法は、38~40度程度の温かいシャワーで体を温め、血行を促進させた後、20秒ほど冷水シャワーを浴びることで、体の芯まで温まり、免疫力が上がります。

 

ただし、はじめは冷水の時間を短めにして、体を慣らしていくことが大切です。

 

心臓病や高血圧などの持病をお持ちの方は、必ず医師に相談してから始めましょう。

 

一方、サウナは、80~100度の高温環境で10分程度過ごすことで、体の深部まで温まり、血行が促進されます。

 

同時に、汗と共に体内の不要な物質も排出されるため、体の浄化作用も期待できます。

 

ただし、サウナ後の水分補給は特に重要です。

 

失った水分を適切に補わないと、逆に体調を崩す原因となってしまいます。

 

また、サウナ初心者の方は、最初は5分程度の短時間から始め、徐々に時間を延ばしていくことをおすすめします。

 

どちらの方法も、無理のない範囲で継続することが予防効果を高めるポイントです。


関連記事;インフルエンザの予防は必要?日常でできる予防方法とおすすめの食品を解説

インフルエンザの予防で摂るべき栄養

 

インフル予防

 

免疫力を高め、インフルエンザを予防するためには栄養バランスの取れた食事が欠かせません。

 

特定の栄養素が免疫機能をサポートし、体がウイルスと戦う力を強化します。

 

インフルエンザ予防に効果的な栄養素とそれを含む食材について詳しく説明します。


ビタミンC

 

ビタミンCは強力な抗酸化作用を持ち、免疫細胞を活性化させることで風邪やインフルエンザを予防します。

 

すでに感染している場合にも体の回復を助ける働きがありおすすめの栄養素です。

 

毎日の食事で意識的にビタミンCを摂取することで体の防御力を高く保つことが可能です。

 

ビタミンCを多く含む食材は以下などがあり、インフルエンザや風邪予防、体の回復のためにも積極的に食べましょう。

 

果物類

  • アセロラ(酸味種)
  • キウイ(果肉が黄色いもの)
  • レモン
  • オレンジ
  • イチゴ
  • 甘柿
  • ドライマンゴー

 

野菜類

  • ブロッコリー
  • かぼちゃ
  • ジャガイモ
  • サツマイモ
  • ピーマン
  • パプリカ
  • 芽キャベツ

ビタミンD

 

ビタミンDは免疫細胞の活性化に深く関係し、インフルエンザなどの感染症に対する体の抵抗力を高めます。

 

ビタミンDは食物からの摂取に加え、日光を浴びることで体内で合成されるため、冬季でも日光をしっかり浴びることが重要です。

 

適度な日光浴とバランスの取れた食事でビタミンDを補給し、体の防御力を強化しましょう。

 

特に以下などの食材に多く含まれます。

 

魚介類

  • カツオの塩辛
  • あんこうの肝
  • しらす干し
  • マイワシ(みりん干し)
  • ニシン

キノコ類
  • きくらげ(干し)
  • まいたけ(干し)
  • しいたけ(干し)

 

干すことでビタミンDの量が増加します。

 

また、調理法も重要で、いためたり、揚げることで吸収率が上昇します。

 

亜鉛

 

亜鉛は免疫細胞の生成と機能に不可欠なミネラルで、感染症から体を守る重要な役割を担います。

 

特に風邪やインフルエンザに対して体の防御反応を高めるため、亜鉛の摂取は効果的です。

 

亜鉛は以下などの食材に多く含まれ、日々の食事に取り入れることで感染症に対する体の耐性を強化できます。


魚介類

  • 牡蠣
  • カツオの塩辛

肉類
  • 牛肉(ヒレ、もも)
  • パルメザンチーズ

野菜類
  • 煎りごま
  • 小麦胚芽
  • カシューナッツ
  • アーモンド

 

セレン

 

セレンは抗酸化作用があり、免疫機能を向上させる働きがあるミネラルです。

 

このミネラルは体がウイルスや細菌と戦う際の重要な役割を果たし、インフルエンザの予防にも役立ちます。

 

定期的に以下の食品を摂取することで、体の免疫力を高めることができます。

 

魚介類

  • カレイ
  • マグロ
  • アジ
  • たらこ
  • カツオ
  • あんこうの肝

肉類
  • 牛肉(ヒレ、もも)
  • 豚ロース

野菜類
  • ひらたけ
  • そば
  • ブラジルナッツ

 

プロバイオティクス

 

プロバイオティクスは腸内環境を整え、免疫機能を改善する効果があります。

 

腸内環境が整うと体の免疫力が強化され、インフルエンザやその他の感染症に対する抵抗力が高まります。

 

以下の発酵食品を日常的に摂ることで腸の健康と免疫力を維持しましょう。

 

  • ヨーグルト
  • チーズ
  • キムチ
  • 味噌
  • 納豆
  • 漬物
  • 甘酒

 

タンパク質

 

タンパク質は体の全ての細胞にとって不可欠な栄養素であり、免疫細胞の生成にも必要です。

 

インフルエンザ予防のためには、十分なタンパク質を摂取することが重要です。

 

以下の食品をバランスよく食事に取り入れることで、免疫力をサポートし、感染症から体を守る力を高めることができます。

 

魚介類

  • アジ
  • イワシ

肉類
  • 鶏肉(ささみ)
  • 豚肉(ヒレ)
  • 牛肉(もも)
  • 鶏卵

豆類
  • 枝豆
  • ソラマメ

乳製品
  • 牛乳
  • プロセスチーズ
  • ヨーグルト

 

オメガ3脂肪酸

 

オメガ3脂肪酸は抗炎症作用があり、免疫機能をサポートする働きがあります。

 

特にインフルエンザなどのウイルスによる炎症反応を抑えるために重要です。

 

以下の食品を積極的に摂取することで体の免疫機能をサポートし、インフルエンザの予防に役立ちます。

 

魚由来

  • サバ
  • イワシ
  • サンマ

植物由来
  • えごま油
  • アマニ油
  • チアシード
  • くるみ



医師によるインフルエンザ予防に対する意見

 

インフル予防

 

集団免疫の考え方から、ワクチン接種をみんなが受けることがとても重要です。

 

家族のなかで一人だけワクチンを打っているより、家族全員がワクチンを打っている方が、はるかに予防効果があります。

 

たとえば受験を控えたお子様がいる家庭などは、受験生本人だけでなく、家族みんなが予防接種をすることが大切です。


関連記事:インフルエンザの初期症状をチェック項目で解説!受診するタイミングは?

西春内科・在宅クリニックでできる対応

 

当クリニックでは、インフルエンザの予防接種、検査、診察を行っています。

 

患者さんの状態に応じて、迅速検査による早期診断と予防接種を実施可能です。

 

診断後は、一人一人の症状に合わせた治療計画を立て、適切な薬剤を処方します。

 

外出が困難な方には往診サービスを、遠方の方にはオンライン診療を提供し、継続的なフォローアップを行います。

 

また、予防法や自己管理についても丁寧にアドバイスしますので、ご不安な点があればいつでもご相談ください。




まとめ

 

インフルエンザの予防は、私たち一人一人の行動が大切です。

 

インフルエンザは非常に感染力が強く、重症化するリスクがあるため、予防が非常に重要です。

 

ワクチン接種をはじめ、手洗いや加湿、規則正しい生活習慣を取り入れることで、感染リスクを減らすことができます。

 

また、免疫力を高めるために、ビタミンやミネラルを含むバランスの取れた食事を心がけることも大切です。

 

適切な予防策を講じて、インフルエンザの流行を乗り切りましょう。

 

参考文献

健康情報局|インフルエンザの感染経路

 

厚生労働省|インフルエンザQ&A

 

かわクリニック|インフルエンザ予防になる栄養素とは?

 

インフルエンザ予防に必要な5つの栄養とは?

低温やけどの治し方は?水ぶくれの処置や対処法について解説


低温やけど

「低温やけど」って知っていますか?

低温やけどは皮膚の下でやけどが起こっている状態で、見た目ではなんともないことが多いやけどを指します。

そのため気付いた時には重度のやけどに進行していることも…

本記事では、低温やけどの対処法や予防法などについて解説していきます!

 

 

低温やけどとは


低温やけど

低温やけどとは低温(44~50℃くらい)のものに長時間接することで起こるやけどの事を言います。

一般的に44℃のものにおよそ6時間接触し続けると低温やけどになると言われています。

就寝中に湯たんぽや電気毛布を使用していると、数時間かけて発症するケースが多いです。

50℃に近いものだと、数分触れているだけで起こることもあります。

44~50℃程度の温度帯は短時間だととても心地よく感じるため、気づかないまま使用し、結果的にやけどが深くなってしまうのです。

普通のやけどと何が違う?


低温やけど

では、普通のやけどとの違いは何でしょうか?

普通のやけどは、沸騰したお湯や熱い鍋などに触れた時に瞬時に発生します。

高温のものに触れると反射的に手を引っ込めるため、短時間でやけどの進行は止まります。

料理中に熱い油が跳ねたときなどのやけどがこれにあたり、短時間であっても非常に高温のものに触れているため皮膚に強いダメージを与えることが特徴です。

一方、低温やけどは、44~50℃程度の温度で起こり、長時間にわたって接触することでじわじわと皮膚にダメージを与えます。

外側から目立った症状がなくても内部でやけどが進行していくのです。

湯たんぽ、電気毛布の他、冬によく使用されるカイロも代表的な原因としてあげられます。

また、低温やけどの場合、熱さを感じた時点で既にやけどが進行していることが多く、普通のやけどと異なり、ダメージに気づくのが遅れがちです。

 

 

低温やけどの原因


低温やけど

低温やけどは意外と身近なものが原因となります。

湯たんぽ、電気毛布、カイロなどが代表的で、冬などの寒い時期に使用し、そのまま寝てしまって低温やけどを引き起こしてしまうことが多くあります。

湯たんぽ

湯たんぽは寒い時期に布団を温めるために便利ですが、低温やけどのリスクがあります。

特に湯たんぽを布団に入れたまま寝てしまうと、長時間にわたり体の一部が温められてしまい、気づかないうちにやけどが進行してしまうのです。

湯たんぽは、寝る前に布団から取り出して使用しましょう。

また、湯たんぽにカバーをしておくことで、取り出し忘れてしまった場合にも熱をやわらげ低温やけどのリスクを減らすことができます。

電気毛布・ホットカーペット


電気毛布やホットカーペットも長時間の使用には注意が必要です。

電気毛布やホットカーペットを付けたまま寝てしまうことで、湯たんぽと同じように体の同じ場所に熱が集中し低温やけどを引き起こすことがあります。

使用中はタイマーを活用し、つけっぱなしにならないようにしたり、就寝前には電源を切るなどをして対策しましょう。

使い捨てカイロ


寒い時期にカイロを使用しているという方も多いでしょう。

しかし、正しい使い方をしていないと低温やけどのリスクが高まります。

素肌に直接貼り付けたり、長時間同じ場所に張り付けたりすると低温やけどの原因となります。

カイロを使用する際は、必ず衣服の上から使用し、こまめに位置を変えるなど工夫が大切です。

スマホ・モバイルバッテリー


意外と見落とされがちですが、スマホやモバイルバッテリーの発熱は低温やけどの原因となることがあります。

特に充電中のスマホは発熱しやすく注意が必要です。

就寝中、スマホを枕元や手元に置いておくという方は注意しましょう。

就寝時には枕元から少し離れた場所に置くなどして対策をとることがおすすめです。

低温やけどの症状


低温やけど

低温やけどの症状は、損傷の深さに応じて異なります。

初期段階では目立たないことが多いですが、進行すると痛みや水ぶくれが現れ、重症になると皮膚の深い部分まで損傷が生じます。

以下は、損傷の深さ別で症状の違いをまとめたものです。

 Ⅰ度


Ⅰ度のやけどは、皮膚の表面が損傷する最も軽いレベルのやけどです。

乾燥して赤みが生じて、日焼け後のようなヒリヒリとした痛みを伴います。

皮膚のバリア機能が部分的に破壊されるため、軽度の炎症が起こりますが、水ぶくれはできません。

流水などでしっかりと冷却することにより比較的短期間で自然に回復していきます。

 Ⅱ度(浅達性)


Ⅱ度(浅達性)は、皮膚の表面から真皮にかけて損傷が進んだ状態です。

赤くなり、痛みとともに水ぶくれが発生します。

水ぶくれの中には透明な液体が溜まり、触れると痛みを生じることが多いです。

適切な処置を行うことで、比較的早い回復が見込めますが、深い損傷になると治るまでに時間がかかることがあります。

Ⅱ度(深達性)


Ⅱ度(深達性)は、真皮の深い層まで損傷が進行したやけどです。

見た目には白っぽくなり、浅達性よりも強い痛みを伴います。

水ぶくれができるものの、皮膚の再生能力が低下しており、治るのに時間がかかり、傷跡が残ることもあります。

早期に医療機関の受診と治療が必要です。

 Ⅲ度


Ⅲ度のやけどは、皮膚の全層にわったり損傷が及ぶ最も重度のやけどです。

損傷部分は黒、白、または褐色に変色し、硬化することがあります。

皮膚の感覚が失われ、痛みを感じない場合がありますが、周囲の組織に強い痛みが生じることがあります。

自己再生が困難で、患部を取り除く手術(デブリードマン)や皮膚移植が必要になるケースが多く、早急に適切な治療が必要です。

 

 

低温やけどの応急処置


低温やけど

低温やけどが起きた場合、まずはとにかく患部を冷やすことが大切です。

目安として10分~30分ほど流水で冷やしましょう。

冷やすことでやけどが深くなることを防ぎ、痛みを和らげることが出来ます。

氷や保冷材などは冷たすぎて、長時間冷やしてしまうと凍傷や低体温になってしまったりする可能性があるため避けましょう。

また、やけどにはアロエや味噌を塗る民間療法がありますが、深度の分からない低温やけどにはほとんど効果がありません。

低温やけどは外見から深さがわかりにくいため、自己判断で放置してしまうことも多くあります。

医療機関に受診し、適切な処置を行うことでやけどの悪化を防ぐことができるため、冷やした後に受診するようにしましょう。

低温やけどの治療法


低温やけど

低温やけどの治療法は深さによって異なります。

Ⅰ度~Ⅱ度(浅達性)では炎症を抑えるステロイド外用剤による治療や、やけど専用の絆創膏による治療を行っていきます。

これにより、感染を防ぎながら自然治癒を促します。

Ⅱ度(深達性)~Ⅲ度などの損傷レベルが深い場合は専門の医療機関での治療が必要です。

皮膚が壊死してしまった場合には、皮膚が自己再生することが困難な為、壊死した皮膚を除去(デブリードマン)、皮膚移植する場合もあります。

低温やけどは見た目では深さがわからないことが多いので病院を受診し、診察してもらいましょう!

 

 

低温火やけどの水ぶくれの処置は?


低温やけど

水ぶくれが出来ている場合には潰さずそのままにしましょう。

水ぶくれを潰してしまうとその跡から雑菌が入り込んでしまい症状が悪化する危険性がある為です。

対処法としては、ラップにワセリンを塗り患部をやさしく包み、清潔に保ちましょう。

万が一水ぶくれを潰してしまったら、破れた皮をそのままにし、同様の処置を行ってください。

また、ガーゼで患部を覆うのはおすすめできません。

ガーゼが水ぶくれの皮に張り付き、剥す際に強く痛んだり、水ぶくれを破壊してしまうことがります。

服を着ていてその下が水ぶくれになっている場合は、服の上から流水で冷やし、脱がずにそのまま病院を受診しましょう。

低温やけどの予防法


低温やけど

低温やけどを予防するためには、暖房器具や防寒グッズの正しい使用が重要です。

湯たんぽや電気毛布、カイロなどは直接肌に触れないようにし、長時間同じ場所を温めないようにしましょう。

また、就寝時の使用にも注意が必要です。

タイマーの活用や、就寝時には使用を避けるなど工夫をして安全に使用しましょう。

特に高齢者や小さいお子様、神経障害があり感覚が鈍い方などは低温やけどのリスクが高い為、十分に注意が必要になります。

寒い時期の湯たんぽや電気毛布、カイロなどはとても便利ですが、使用方法を間違えると低温やけどのリスクが高まります。

使用の際は使用方法を守り、正しく使用しましょう。

西春内科・在宅クリニックでの対応方法


西春内科・在宅クリニックでは、軽症のやけどであればワセリンなどの保湿剤、抗生物質の塗り薬、抗炎症作用のある塗り薬、やけど下部分の外傷処置を行います。

また、やけどが重症であれば専門の医療機関へご紹介をいたします。

低温やけどは誰にでも起こりうるものです。

低温やけどくらい。と軽く考えず、正しく対処して悪化を防ぎましょう。

西春内科・在宅クリニックでは、日中の外来診療、在宅診療に加え、夜間休日の往診、オンライン診療を行っております。

お困りの際はぜひお気軽にご相談ください。

 

 

まとめ


低温やけどは本人が気付かない内に症状が進行していくのが特徴です。

そのため迅速な対応が必要です。

応急処置として流水で冷やしたとしても、見た目ではどれだけ進行しているか判断が出来ない為、基本的には医療機関に受診しましょう!

暖房器具や防寒グッズの使用上の注意を確認し、正しく使うことで低温やけどは予防することが出来ます。


参考文献

低温やけどって普通のやけどと違うの? 低温やけどの基礎知識: COLUMN-Maison KOSÉ

やけど(熱傷)|一般社団法人 日本創傷外科学会 一般の皆様へ

低温やけどはすぐに応急処置を!身近にある原因を知って適切な予防に努めよう

低温やけどにご注意ください! |クリニックコラム | タナカ皮膚科

低温やけどって見た目はなんともないけど大丈夫?対処や予防法を解説|三井住友海上

『低温やけど』の症状、原因、対処法。重症にならないように予防が大切|田辺三菱製薬

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