脱水症状の治し方を解説|速攻で効く方法やなりやすい人の特徴を紹介

公開日:2023.7.31 更新日:2024.10.01

脱水症状


脱水症状は、体内の水分と電解質のバランスが乱れることで引き起こされます。

水分不足は体の正常な機能に悪影響を及ぼし、症状が進行すると重篤な健康問題に発展する可能性があります。

特に、暑い気候や運動によって多量の汗をかくことや、下痢や吐き気などの症状がある場合は、脱水症状になりやすく注意が必要です。

この記事では脱水症状になりやすい人の特徴や下痢や吐き気が脱水症状を引き起こす理由、そして脱水症状になった際の速攻で効く治し方・対処法について解説します。

 

 

脱水症状になったときの速攻で効く治し方・対処法


脱水症状

脱水症状になった場合、以下の対処法を試してみてください。

水分補給を行う

脱水症状を改善するためには、こまめな水分補給が必要です。
飲み物としては、清涼飲料水、スポーツドリンク、水、ハーブティーなどが適しています。
特に体温が上昇している場合や激しい運動後は、スポーツドリンクなどで電解質も補給すると効果的です。


塩分を摂取する

汗によって失われた塩分を補うために、食事や飲み物に塩分を含んだものを摂取しましょう。
塩分の摂取によって水分吸収が促進され、脱水症状の改善に寄与します。
ただし、塩分の摂りすぎには注意が必要です。


経口補水液を使用する

脱水症状が進行している場合や症状が重い場合には、経口補水液(オーラルリアハイドレーションソリューション)を使用することがあります。
経口補水液には体内の水分と電解質を適切に補う成分が含まれており、効果的な水分補給を行うことができます。


適切な食事を摂る

脱水症状の改善には、バランスの取れた食事も重要です。
水分を含む果物や野菜、スープ、ジュースなどの摂取によって、水分と栄養素を補給することができます。


休息を取る

脱水症状が進行している場合や体調が悪い場合は、適切な休息を取ることが必要です。
体の負荷を軽減し、体内の水分の回復を促します。


脱水症状が重度である場合や症状が持続する場合は、医師の診断と指示に従いましょう

また、個人の状況や健康状態に合わせて適切な対処法を選択することも重要です。

また、脱水症状になった際の治し方・対処法は以下です。

  • こまめな水分補給
    (清涼飲料水、スポーツドリンク、水、ハーブティーなど)
  • 塩分を摂取することで水分吸収を促進
    (食べ物や飲み物に塩分を含んだものを摂取)
  • 経口補水液を使用
  • 脱水症状が進行している場合や症状が重い場合には医療機関を受診
  • バランスの取れた食事を摂る
  • 水分を含む果物や野菜、スープ、ジュースなどを摂取
  • 適切な休息を取る
  • 体の負荷を軽減し、体内の水分の回復を促す


脱水症状は早期に適切な対処をすることが重要です。

重度の脱水症状や持続的な症状がある場合には、医師に相談し、適切な処置を受けることをおすすめします。

 

 

脱水症状の症状について


脱水症状

脱水症状の症状は以下などです。

これらの症状は、脱水症状が進行した場合によく見られるものです。

ただし、個人によって症状の出方や程度は異なる場合があります。

早期に脱水症状を察知し、適切な対処を行うことが重要です。

頭痛

 

脱水症状になると、体内の水分不足によって血液の循環が悪くなります。

これにより、脳への酸素や栄養の供給が減少し、頭痛が生じることがあります。

頭痛は脱水症状の初期段階でよく見られる症状です。

吐き気


脱水症状が進行すると、胃や消化器系の正常な機能が乱れることがあります。

これにより、吐き気や嘔吐の症状が現れることがあります。

また、水分不足によって血液中の電解質濃度が変化し、吐き気を引き起こすこともあります。

下痢


脱水症状は、腸内の水分の吸収能力を低下させるため、下痢を引き起こす可能性があります。

水分不足によって腸の運動が活発になり、便が軟化しやすくなるためです。

下痢によってさらに水分が失われ、脱水症状が悪化する恐れがあります。


脱水症状では、体温調節がうまく機能しなくなることがあります。

その結果、体温が上昇し、発熱が生じることがあります。

脱水症状によって熱中症のリスクも高まるため、早めの対処が必要です。

しびれ


脱水症状になると、神経細胞の正常な機能が妨げられることがあります。

これにより、手足の痺れを感じることがあります。

神経伝達に必要な水分や電解質の不足が関与している可能性があります。

寒気と震え

 

脱水症状が進行すると、体内の水分不足によって体温調節が乱れます。

これにより、体温が下がり寒気や震えが生じることがあります。

脱水症状による低体温は、重篤な状態であり、速やかな処置が必要です。

 

 

脱水症状になりやすい人の特徴


脱水症状

脱水症状になりやすい人には、以下のような特徴があります。

高齢者


高齢者は、体内の水分調節機能が低下しているため、脱水症状になりやすい傾向があります。

また、高齢者の場合、水分の摂取量が十分ではない場合や、尿の排出能力が低下している場合も脱水症状が発生しやすくなります。

乳幼児と小さな子供


乳幼児や小さな子供は体表面積に対して体重が大きく、体水分量が多いため水分の需要が高いです。

また、子供は自己認識や自己管理能力が未発達であり、水分補給や適切な摂食に関して十分な注意が必要です。

激しい運動をする人

 

高強度の運動や長時間の運動を行うと、体内から多くの水分が失われます。

特に暑い気候下での運動や競技においては、発汗による水分喪失が顕著であり、脱水症状が発生しやすくなります。

運動前後の適切な水分補給が重要です。

慢性的な疾患を持つ人


慢性的な疾患や薬物治療を受けている人は、尿量や排尿頻度が変動し、体内の水分バランスが崩れやすい傾向があります。

また、一部の疾患や薬物は利尿作用を持ち、脱水症状のリスクを高めることがあります。

高温環境下で働く人


高温環境下での労働や作業は、発汗による水分喪失が増加し、脱水症状のリスクが高まります

建設現場や屋外での労働、農作業など、高温多湿の環境で働く人は水分補給に特に注意を払う必要があります。

 

関連記事:高齢者の便秘は危険?主な原因や解消方法、病院での治療を解説

 

 

脱水症状で下痢や吐き気、頭痛が起きる理由


脱水症状

脱水症状によって下痢、吐き気、頭痛が起きる理由を解説していきます。

下痢


脱水症状による下痢の主な原因は、腸の水分吸収機能の低下です。

通常、腸壁は水分を吸収して固形の便を形成しますが、体内の水分不足によって腸壁の水分吸収が妨げられます。

その結果、便が軟らかくなり、下痢が起こりやすくなります。

また、脱水症状によって腸の運動が活発化し、便が急速に腸を通過することも下痢の原因となります。

吐き気


脱水症状が進行すると、体内の電解質バランスが乱れることがあります。

特にナトリウムやカリウムの減少が起こると、消化器系の正常な機能が妨げられ、吐き気や嘔吐の症状が現れることがあります。

また、脱水症状によって胃液の分泌が増加し、胃の刺激が強くなることも吐き気を引き起こす原因となります。

頭痛


脱水症状になると、体内の水分不足によって血液の循環が悪くなります

これにより、脳への酸素や栄養の供給が減少し、頭痛が生じることがあります。

また、脱水症状に伴って血液中の電解質濃度が変動し、神経細胞の正常な機能が妨げられることも頭痛の原因となります。

脱水症状によって下痢、吐き気、頭痛が起きるのは、体内の水分と電解質のバランスが乱れるためです。

これらの症状は早期に対処する必要があります。

適切な水分補給と必要な栄養素の摂取が重要です。

 

関連記事:高齢者がなりやすい肺炎の症状|急変したときの対応や治療について

 

 

脱水症状かもしれないと思ったときのセルフチェック


脱水症状

脱水症状の疑いがあるかどうかのセルフチェックです。

以下を参考にしてみましょう。

脱水症状の疑いがある場合は、医師や専門家に相談することをおすすめします。

  •  口渇感が強い
  •  尿の色が濃い
  •  尿の頻度が少ない
  •  体重の変化を記録
  •  体重が急激に減少している
  •  疲労感や倦怠感がある

口やのどが渇いているかどうか


口やのどが渇いている感じがあるかを確認しましょう。

乾いた口や強いのどの渇きは、脱水症状の兆候となる場合があります。

尿の色を確認する


トイレで排尿をした後、尿の色を確認しましょう。

通常、十分な水分摂取をしている場合、尿は薄い黄色や透明な色をしています。

しかし、尿が濃い黄色や茶色がかっていたら要注意です。

尿の頻度をチェックする


通常、適切な水分摂取をしている場合、尿は数時間に一度出るのが一般的です。

脱水症状では尿の頻度が減少し、排尿回数が極端に少なくなることがあります。

体重の変化を記録する


日々の体重の変化を記録しておきましょう。

水分不足による脱水症状では、体重が急激に減少することがあります。

特に暑い季節や激しい運動を行った後は、体重の変動に注意が必要です。

疲労感や倦怠感があるかどうか


脱水症状になると、疲労感や倦怠感が強く現れることがあります。

体内の水分不足によってエネルギー供給が妨げられるため、疲労感が増加することがあります。

 

 

脱水症状で病院に行くべき目安


脱水症状

脱水症状は軽度から重度まで症状の程度によって異なります。

重度の症状が現れている場合

 

  • 意識障害やめまい、ひどいめまい、めまいが続くなどの症状がある
  • ひどい頭痛やひどい吐き気、嘔吐が頻繁に起こる
  • 極度の口渇や喉の渇き、水分摂取後でも十分な改善が見られない

高リスクなグループに属している場合

 

  • 年齢が高い方や乳幼児、高齢者など、特に水分バランスが維持しづらい
  • 慢性的な疾患(腎臓疾患、心臓疾患など)を持っている
  • 発熱や下痢、嘔吐などの症状が長期間続いている

症状が重篤化している場合

 

  • 脱水症状の症状が進行しており、自己処置や水分補給では改善が見られない
  • 脱水症状に加えて、血尿や尿量の減少、意識障害、冷や汗や冷感、極端な疲労感などの異常症状がある

これらの目安は一般的なケースに基づいており、個別の状況によって異なる場合もあります。

上記に当てはまらない場合にも、脱水症状が続く場合や不安がある場合には医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることをお勧めします。

脱水症状は何日で治る?


脱水症状

脱水症状の治癒期間は、その原因や症状の重症度、個人の健康状態などによって異なります。

一般的には、脱水症状が改善されるまでの期間は数時間から数日程度とされています。

軽度の脱水症状であれば、水分補給や適切な休息を取ることで症状が改善されることが多いです。

通常、軽度の脱水症状は数時間から1日程度で回復する場合があります。

しかし、症状が重度である場合や背後に潜在的な疾患がある場合、治癒にはより長い期間がかかる可能性があります。

例えば、以下などは治癒には数日から数週間以上かかることもあります。

  • 病原体による感染症によって脱水症状が引き起こされた場合
  • 慢性的な病気が背後にある場合

重要なのは、脱水症状が続く場合や症状が悪化する場合には、早期に医師に相談することです。

脱水症状の治癒期間は、個人の状態や症状の重症度によって異なります。

自己判断せず、医師の指示に従い、必要な治療を受けることがおすすめです。

西春内科・在宅クリニックができる対応


西春内科・在宅クリニックでは、脱水症状に対する適切な対応を行っています。

脱水症状を適切に診断し、症状の原因や重症度を判断し、適切な治療方法や処方薬を提案します。

必要に応じて経口補水液や点滴を用いた適切な水分補給を行い、体液バランスを正常化させます。

また、当クリニックはオンライン診療も行っております。

ご自宅にいながら診察からお薬の処方まで受けることが出来ます。

予約の仕方や費用など詳しくはこちらをご覧ください。

 

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まとめ


脱水症状は、体内の水分不足によって引き起こされる状態であり、暑い環境や過度の運動、病気などが原因となります。

脱水症状には頭痛吐き気下痢しびれ寒気震えなどの症状が現れます。

脱水症状が起きると、体内の水分バランスが乱れ、重篤な症状や合併症が生じる可能性があります。

そのため、適切な対処法や予防策が重要です。

脱水症状を予防するためには、十分な水分摂取と塩分の補給が必要です。

特に暑い環境や運動時は、積極的に水分を摂ることが重要です。

西春内科・在宅クリニックでは、脱水症状に対して的確な診断と治療を提供しています。

脱水症状の重要なポイントは、早期の予防と適切な対処です。

適切な水分摂取や医師の指示に従い、脱水症状を予防・管理することが大切です。


参考文献

‣World Health Organization. (2005). The Treatment of Diarrhea: A Manual for Physicians and Other Senior Health

‣Workers. Retrieved 

‣National Health Service. (2021). Dehydration. Retrieved 

‣Mayo Clinic. (2021). Dehydration. Retrieved

‣American Academy of Family Physicians. (2020). Dehydration. Retrieved

‣UpToDate. (2021). Dehydration in adults. Retrieved

この記事の監修医師

監修医師: 甲斐沼 孟(かいぬま まさや)

プロフィール

平成19年に現大阪公立大学医学部医学科を卒業。初期臨床研修修了後、平成21年より大阪急性期総合医療センターで外科研修、平成22年より大阪労災病院で心臓血管外科研修、平成24年より国立病院機構大阪医療センターにて心臓血管外科、平成25年より大阪大学医学部附属病院心臓血管外科勤務、平成26年より国家公務員共済組合連合会大手前病院で勤務、令和3年より同院救急科医長就任。どうぞよろしくお願い致します。

専門分野

救急全般(特に敗血症、播種性血管内凝固症候群、凝固線溶異常関連など)、外科一般、心臓血管外科、総合診療領域

保有資格

日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医、日本救急医学会認定ICLSコースディレクター、厚生労働省認定緩和ケア研修会修了医、厚生労働省認定臨床研修指導医など

監修医師: 福井 康大