高血圧症と脂質異常症は気が付きにくい?定期的な健診が大切!
生活習慣病と言われる高血圧と脂質異常症は危ない病気を引き起こすかもしれません。
高血圧症について
高血圧症は、その発症の原因から「本態性高血圧」と「二次性高血圧」の二つに分類されます。
そのうち本態性高血圧は、一次性高血圧と呼ぶこともある高血圧で、日々の食生活などが原因になる高血圧です。逆に二次性高血圧は、原因となる疾患が別にある高血圧を指します。
本態性高血圧(日本人のほとんどがこれ)
日本人の高血圧症のうち、90%~95%は本態性高血圧と言われています。本態性高血圧は、一次性高血圧ともいわれ、明確な原因が指摘できない高血圧です。
原因がないわけではなく、いろいろな要素が組み合わさって高血圧になっていきます。この本態性高血圧では特に自覚症状がないことが多く、健診などで指摘されないと意識することが少ないかもしれません。
日本人では食塩の過剰摂取がもっとも大きな原因で、その他に肥満・飲酒・運動不足・ストレス・遺伝的体質などが考えられます。
二次性高血圧
本態性高血圧と異なり、高血圧になった原因を特定できるものを二次性高血圧とよびます。
その原因には①腎実質性、②腎血管性、③内分泌性、④血管性、⑤脳・中枢神経性、⑥遺伝性、⑦薬剤性などに細分化されます。
自覚症状が乏しい本態性高血圧に比べて、二次性高血圧は高血圧になる原疾患があるため、何かしらの症状が出現する場合があります。そして、二次性高血圧はその原疾患を治療できれば、高血圧が治癒したり容易にコントロールできるようになったりします。
しかし、実は二次性高血圧であるが、自覚症状などが乏しいため気が付かれず、本態性高血圧として治療をされれている方が多いのも実情です。
本態性高血圧よりも二次性高血圧を疑う状況は、若年で発症する高血圧、急速に発症した高血圧、治療抵抗性の高血圧、臓器障害を強く伴う高血圧、夜間高血圧、低カリウム血症などの電解質異常を伴う高血圧などです。
病院と家庭で測る血圧の基準がある
血圧は常時一定であるものではなく、1日の中でも時間帯や測定する状況で変動があります。
その中でも、病院で測定する病院血圧(診察室血圧)と家庭で測定する家庭血圧は明らかに異なることが多いため、別の基準が設けられています。
その理由には、病院で血圧測定する時は、病院という環境に緊張される方が多く、家庭などのリラックスした状態で測るよりも血圧が高くなることが知られています。
中には、病院で測定したときのみ異常に高血圧になる方もいらっしゃり、白衣高血圧と呼ばれています。そのため、高血圧の基準とされる値は、家庭血圧が病院血圧よりも低く設定されています。
また、降圧治療の評価のためにも家庭血圧を測定して主治医に報告することが大切です。
病院基準
病院における高血圧の診断基準は、上の血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、下の血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上となります。
さらに高血圧の程度によってⅠ~Ⅲ度に分類され、140~159/90~99mmHgがⅠ度高血圧、160~179/100~109mmHgがⅡ度高血圧、180/110mmHg以上がⅢ度高血圧です。
家庭基準
家庭血圧による高血圧の基準値は、135/85 mmHg以上です。なれた自宅でリラックスして測られることが多いため、診察室血圧よりも5 mmHg低い基準値となっています。
つまり家庭血圧が高い方は、同じ病院血圧の人と比較して、より重症であると判断ができます。そして、最近の研究では脳卒中や心筋梗塞などの高血圧に伴う病気の発症を予測する方法として、病院血圧よりも家庭血圧のほうが優れていることが分かってきました。
そのため、診察室血圧と家庭血圧の数値に大きな差がある場合、家庭血圧の数値を優先して高血圧の診断を行うようになっています。
脂質異常症について
血液検査の脂質の値が基準値から外れた状態を、脂質異常症といいます。
脂質の異常には、LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)、HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)、トリグリセライド(中性脂肪)の3種類の異常があります。
これらそれぞれの脂肪の異常が単独である場合と、複数の異常脂質異常が同時にみられる場合があります。
メタボリックシンドロームの診断基準に用いられる脂質はHDLコレステロール、トリグリセライドであるため、それらが重要だと考える方もいるでしょう。
しかし、LDLコレステロールはそれ単独でも強力に動脈硬化を進行させるため、メタボリックシンドロームの有無に関係なく、LDLコレステロールの値にも注意する必要があります。
以前は高脂血症と呼ばれていましたが、善玉のHDLコレステロールが低い場合も問題があることが判明し、それを高脂血症と呼ぶのは適当でないことなどから、診断名を高脂血症から脂質異常症となりました。
高LDLコレステロール血症
増えすぎると動脈硬化を起こして心筋梗塞や脳梗塞を発症させるもので、俗に言う悪玉コレステロールです。
悪玉と言っても人体で重要な役割も果たしているため数値が通常の範囲であれば全く問題ありませんが、過剰に存在すると余分なLDLコレステロールが血管壁にたまってしまいます。
それは活性酸素の影響で酸化され、さらに蓄積し血管を細くさせ心筋梗塞や狭心症・脳梗塞などの動脈硬化性疾患を誘発させます。
LDLコレステロールの正常範囲は140mg/dl未満です。140mg/dl以上の場合は高LDLコレステロール血症になります。
低HDLコレステロール血症
余分なコレステロールを回収して動脈硬化を抑える機能を持つものであり、善玉コレステロールとも言われています。増えすぎたコレステロールが動脈硬化を促進するのとは反対に、動脈硬化を抑制する働きがあるので善玉コレステロールといわれます。
日々の生活の中では、LDLコレステロールを減らしHDLコレステロールを増やすことが、健康的な生活とも言えます。運動不足や喫煙がHDLコレステロールを下げる原因になると考えられているため、低HDLコレステロール血症で困っている方は注意してみてください。
高トリグリセライド血症
トリグリセライドは中性脂肪と呼ばれ、肉や魚・食用油など食品中の脂質であり、単なる脂肪と認識してもらっても間違いありません。
中性脂肪は人にとっては重要なエネルギー源であり、脂溶性ビタミンや必須脂肪酸の摂取にも不可欠ですが、とりすぎると肥満をまねき、生活習慣病を引き起こします。
血液中の中性脂肪は食事によって深く影響を受け、メタボリックシンドロームの診断基準にも記載があります。高トリグリセライド血症で悩む方は、日々の食事の中や生活習慣を見直す必要があり、食事では特に脂っこいものを節制する必要があります。
高血圧症と脂質異常症の関係と共通する原因
運動不足
WHOは、運動不足を世界の死亡に対する第4位の危険因子として位置付けています。また、運動不足は肥満の原因にもなり、肥満が高血圧や脂質異常症の原因となるためです。
日々の健康維持のためには、適切な運動の実施が欠かせず、適切な運動をすることは脳心血管病の発症を予防することができます。
高血圧症においては運動で改善することが知られており、運動療法とも言われます。運動の頻度は定期的に実施し、1回30分以上、ややきついと感じるくらいの有酸素運動が勧められています。
肥満(血圧とコレステロールの関係)
肥満はただ体重が重いことを指すよりも、過剰な体脂肪がついてしまっていることを指します。肥満患者では動脈硬化の原因となる内蔵脂肪が過剰なため、血圧が高くなりやすいことがわかってきました。
国民の3~4人に1人が高血圧といわれていますが、肥満の人では2人に1人の割合に増えます。
高血圧の状態が続くと血管の壁の内側に傷がつき、そこに血液中のコレステロールなどがたまって動脈硬化を招き、やがて狭心症や心筋梗塞などの病気を引き起こします。
自覚症状がないため気が付きにくいですが、肥満を改善することは健康に生きるためにとても大事になります。
塩分の摂りすぎ
不健康な食事として高カロリー食や塩分過多による食事が挙げられます。
そのうち、なぜ塩分を過剰に摂取することが不健康とされるかというと、塩分は水を含む性質があるため、過剰に塩分摂取すると体内にナトリウムと水が貯まり、血液の量が増加し血圧が上がると考えられています。
時折塩分過剰になることはさほど問題ありませんが、普段から塩分の食事を続けることは高血圧などの原因になり注意が必要です。
飲酒
アルコール摂取により大きく影響を受ける脂質は、トリグリセライドとHDLコレステロールです。アルコールをすると肝臓がトリグリセライドを作るため、血液中に漏れる高トリグリセライド血症になることにもあります。
そして肝臓に残ったトリグリセライドは肝臓に溜まり脂肪肝の原因となります。適量のアルコール摂取はHDLコレステロールの合成・分泌を増やし、分解を低下させる働きがあることも知られており、これが適量の飲酒であれば、血圧を上げずに脳血管障害・冠動脈疾患の発生を低下させると言われている原因です。
ただ、過度なアルコール摂取は肥満や高血圧を引き起こすため脳血管障害・冠動脈疾患の危険因子になるため注意が必要です。
ストレス過多
緊張すると血圧が上がるということは聞いたことがあるかもしれません。その典型例は、先ほど紹介した白衣高血圧(病院高血圧)です。
つまり過度の緊張やストレスは、血圧の上昇と深い関連があります。高血圧患者で食事などに気をつかっている人でも、ストレスについては無関心ということが少なくありません。
ストレスが直接高血圧の原因になることもあるため、ストレスが強い環境にさらされ続けるのは避けなければいけません。血圧をコントロールするためにも自分のストレスや、その解消方法について理解しておくことが大切です。
命にかかわる合併症を引き起こすことも
生活習慣病には高血圧、脂質異常症、糖尿病などいくつかありますが、そのいずれにおいても初期の段階では自覚症状がほとんどありません。
しかし生活習慣は症状がないからといって放置しておくと、気づかないうちに進行し動脈硬化を進行させ血管にダメージを与えていきます。
そして血管が関係する病気はある日突然発症します。特に血管が関与する病気の中でも狭心症や心筋梗塞、脳卒中などは1度の発症で命を落とすことにもつながります。
ここに生活習慣病がサイレントキラーと呼ばれている所以があります。
心筋梗塞などが起こり手遅れになる前に、高血圧・脂質異常症と診断されたら、症状がなくても食事や運動など生活習慣を見直しましょう。また治療に前向きに取り組み、生活習慣病の予防に努めることが重要です。
関連記事:【生活習慣病の方に知ってほしい】心筋梗塞の症状や前兆について
西春内科在宅クリニックができる対応
西春内科在宅クリニックでは、内科診察・血液検査が可能です。高血圧に対しては家庭血圧・病院血圧の評価や必要時の内服処方を外来で行うことができ、また脂質異常症に対してはLDLコレステロール値や中性脂肪などの採血検査・評価・投薬治療が可能です。
まとめ
不健康な食事や運動不足、喫煙、アルコール過剰摂取といった生活習慣は、高血圧や脂質異常症の原因になるほか、いずれは心筋梗塞や脳卒中といった重要な病気につながるため注意が必要です。
高血圧や脂質異常症といった生活習慣病はほとんど自覚症状がないため自分で気づかない方も多いですが、予防のためにも日頃からバランス取れた食事、運動、体重のコントロール、お酒の量を減らす、禁煙を心がけることが大切です。
【参考文献】
心不全について!もしものために知っておきたい心不全の種類や症状、治療について
心不全は命にかかわる危険な状態です。前兆を掴んで早期予防しましょう!
心臓の働き、心不全とは
心臓は肺と連携して酸素を十分含んだ血液を全身の組織へ送るのが仕事です。全身の組織へ血液を送る際の血管を「動脈」と言います。また、酸素を使い終わった血液が心臓へ戻ってくる際の血管を「静脈」と言います。
心臓→動脈→組織→静脈→心臓
と一方向性の血液の流れが維持されることで私達の全身の循環は成り立っています。続いて心臓と肺の血液の流れを説明します。
組織で酸素が使われた静脈の血液は心臓へ戻った後、肺で酸素を付加され、再度心臓へ戻されます。その後、心臓から酸素が十分含まれた動脈の血液が全身の各組織へ送られます。
この心臓、肺の一連の血液の流れを①右心系、②左心系に分類します。右心系とは静脈の血液が心臓へ戻り、心臓から肺へ静脈の血液を送るまでの経路です。一方、左心系とは肺からの動脈の血液が心臓へ戻り、心臓から全身の組織へ送られるまでの経路です。
心臓と肺の関係を深く理解するために、血液の流れをさらに細かく説明します。心臓の右心系、左心系にはそれぞれ「心房」、「心室」という部屋があります。右心系は「右心房」、「右心室」、左心系は「左心房」、「左心室」と呼ばれます。それぞれの部屋を「弁」と呼ばれる水門が隔てています。
右心房と右心室を隔てている弁が「三尖弁」、右心室と肺を隔てている弁が「肺動脈弁」、左心房と左心室を隔てているのが「僧帽弁」、左心室と動脈を隔てているのが「大動脈弁」と名付けられています。
今までの全身の血液循環をまとめますと、
静脈→右心房→三尖弁→右心室→肺動脈弁→肺→左心房→僧帽弁→左心室→大動脈弁→動脈
と言うのが詳細に説明した血液の流れになります。
病名ではなく状態のこと
心不全とは上記の心臓→動脈→組織→静脈→心臓の血液の流れが何かしらの原因で妨げられてしまう状態を意味します。心不全は場所(①右心系、②左心系)、時期(①急性、②慢性)で分類することができます。例えば突然右心系に問題が生じ、心不全の状態となった際は急性右心不全と言う表現になります。
心不全の種類 場所の分類
右心不全(右心系の異常)
右心系の血液の流れを妨げる要因が出現してしまった状態です。三尖弁・肺動脈弁疾患、虚血性心疾患、心臓の筋肉の異常・炎症、先天的な心臓の構造異常、左心不全に続発するもの、肺疾患などが挙げられます。
左心不全(左心系の異常)
左心系の血液の流れを妨げる要因が出現してしまった状態です。虚血性心疾患、心臓の筋肉の異常・炎症、僧帽弁・大動脈弁疾患、貧血、高血圧症、不整脈などが挙げられます。
心不全の種類 時期の分類
急性心不全
突然心不全を発症してしまった状態です。入院を要する緊急事態であったり、状態によっては命に関わる状態です。
慢性心不全
心不全が長い時間続いている状態です。内服の薬等で状態が安定し、自宅で過ごせることが多いです。
急性心不全、慢性心不全の関係
急性心不全で入院を要した場合、原因が解決できれば、元の元気な心臓に戻ることが可能です。一方で心不全の原因が解決できず、残ってしまう場合は慢性心不全として薬の内服を継続することになります。慢性心不全の人の心機能がさらに悪化すると入院加療が必要となることがあります。
代表的な心不全の原因
虚血性心疾患
心臓は筋肉の塊であり、心臓自身も動脈からの血液を受け取って活動しています。心臓へ血液を供給している動脈は「冠動脈」と呼ばれ、主に①右冠動脈、②左冠動脈前下行枝、③左冠動脈回旋枝の3種類があります。
冠動脈が動脈硬化などで狭くなってしまい、心臓への動脈の血液が減少してしまう疾患を「狭心症」、冠動脈が閉塞し心臓の筋肉が壊死してしまう疾患を「心筋梗塞」と言います。いずれも心不全の原因となります。「虚血性心疾患」はそうした狭心症、心筋梗塞の総称です。
狭心症、心筋梗塞の状態次第では内服だけで解決できず、追加治療が必要になることがあります。具体的にはステントと言う金属の筒を使用して冠状動脈をカテーテルで広げる「経皮的冠状動脈形成術」、心臓の周りの血管を心臓の血管へ縫い付けることで血流を再開させる「冠動脈バイパス術」があります。冠動脈の狭窄・閉塞の場所、数によって術式が選択されます。
高血圧性心疾患
高い血圧を放置してしまうと心臓の筋肉の壁が分厚くなり、「心肥大」という状態になります。イメージとしては手足の筋力トレーニングをすると筋肉が大きくなることと一緒です。
ただし、心臓の場合は心肥大になると心臓の運動効率が落ちてしまい、全身へ血液を送る能力が悪くなってしまいます。
また、高い血圧に心臓が晒され続けると圧に耐えられなくなり、心臓の機能が低下してしまいます。いずれも心不全の原因となります。高血圧を放置せず、生活習慣(塩分、食事節制)、適切な内服を継続することが肝要です。
弁膜症
組織→静脈→心臓→肺→心臓→動脈→組織と言う一連の血液の流れを維持するために心臓の中には水門の役割をする「弁」が存在します。弁が壊れ、逆流してしまうことを閉鎖不全、固くなって開閉し辛くなることを狭窄と言います。いずれも血液の流れが妨げられ、心不全の原因となります。「弁膜症」とは弁に異常を来した疾患の総称です。
心臓には三尖弁、肺動脈弁、僧帽弁、大動脈弁の4つの弁が存在します。それぞれの弁で閉鎖不全、狭窄が生じるメカニズムは異なりますが、弁自体に問題が生じたり、弁周囲の心臓環境の影響を受けることで異常を来すことが多いです。
内服の治療でコントロールが不良な場合は手術が必要になります。異常を生じた弁の場所により、「弁置換術(人工弁の交換)」または「弁形成術(自己弁の修復)」のいずれかが選択されます。
その他(心筋症、心筋炎、先天性心疾患、不整脈、肺疾患、薬剤)
他にも心不全となる原因があります。
「心筋症」
心臓の筋肉自体の問題です。遺伝的な要素と、高血圧などによる心肥大による後天性の要素があります。
「心筋炎」
心臓の筋肉に細菌、ウイルスなどが感染し、心臓の運動が妨げられます。
「先天性心疾患」
生まれつき心臓の構造に異常があり、本来の血液の流れが妨げられます。
「不整脈」
不整脈は心臓のリズムが乱れてしまう疾患の総称です。脈が早くなってしまうもの、遅くなってしまうもの、心臓の中に血栓ができてしまうもの、出現すると命に関わるものなど様々な種類があります。いずれにしても脈の乱れにより、全身に血液を送る動きが妨げられてしまいます。
「肺疾患」
肺の機能が損なわれてしまうと静脈の血液に酸素が付加できなったり、肺から心臓へ流れる血液が減少することで全身の循環が妨げられます。
「薬剤」
薬の種類によっては副反応で心臓、肺の機能が損なわれてしまうことがあります。
「貧血」
貧血になると血液の酸素が薄くなります。酸素が薄い血液は心臓、全身の組織に負担がかかります。貧血の原因は多岐に渡るため、血液検査で貧血を指摘されましたら、かかりつけ医に相談して下さい。
心不全になりやすい人
心不全を100%予防することは難しいですが、生活習慣の見直しをすることで心不全を回避する可能性を高めることができます。
生活習慣病の方
心臓に影響を与える因子として生活習慣病(高血圧症、脂質代謝異常症、糖尿病、高尿酸血症)、喫煙、大量飲酒が挙げられます。これらは生活習慣の是正、適切な内服の継続によりコントロールが可能です。
既に持病を抱えている方
持病によっては心臓、肺へ影響を与える病態、薬の内服をしている可能性があります。かかりつけの医師に一度相談して下さい。
心不全の症状でこの症状があれば危険
血液循環の破綻により一方向性であった血液の流れが滞り、渋滞を起こすことが原因で症状が出現します。血液循環の破綻がどこで起こるかによって多彩な症状を示します。その中でも代表的な症状は以下となります。
動機・息切れ
心不全により心臓に血液が貯留、拡大、心臓の筋肉が引き伸ばされることで様々な不整脈が引き起こされます。脈拍が極端に早くなると息切れが生じることがあります。
呼吸困難
血液循環が滞ると体に水分が貯留し、体重が増えたり、肺に水が溜まったりすることで呼吸が苦しくなります。横になると呼吸が苦しく、体を起こすと少し楽になる状態を「起座呼吸」と言い、心不全の典型的な呼吸様式です。
むくみ
体液貯留により全身の組織がむくみ、顔や手足のむくみで気づく場合が多いです。体重増加も顕著であり、重症な場合、数日で5kg程度増加する場合があります。
その他(食欲低下、手足の冷え、脱力感・疲労感)
その他、消化管がむくんで食欲が落ちたり、末梢の循環不全により手足が冷えたり、脱力感や疲れ易さを感じることがあります。
心不全の初期症状は気づきにくい場合があります。例えば、以前より連続して歩ける距離が短くなった、階段昇降が少し辛くなった、外出すると途中で休憩を挟むことが多くなった、連続して喋り続けると息が続かない…この様な症状は心不全の初期段階かもしれません。
放置をすれば命を失う危険性が非常に高い
症状が年齢、体力の衰えと自己判断し、医療機関の受診が遅れると命にかかわる場合があります。
心不全の治療や予防について
放置をせず、すぐに病院へ
気になる症状がございましたら、かかりつけの医療機関へ躊躇せずに相談してみましょう。早期発見、早期治療が重要です。
内科または循環器科の受診を
医療機関にはそれぞれ専門科があります。可能であれば内科、循環器科を選びましょう。
心不全にならないためにできること
生活習慣の見直し(運動、食事、塩分制限、禁煙、節酒など)、持病のコントロール(高血圧症、脂質代謝異常症、糖尿病、高尿酸血症など)、ストレスを溜め込まない、定期的な健診を心掛けましょう。
西春内科在宅クリニックができる対応
心不全の早期発見には、様々な検査(採血検査・尿検査・超音波検査・胸部レントゲン・胸部CTなど)が必要です。
当院では上記全ての検査が可能ですので、お気軽にご相談ください。
専門的な治療が必要と判断した場合は、直ちに専門医療機関へご紹介します。
まとめ
心不全は生活習慣の見直しや前兆を早く掴むことで予防できる可能性があります。気になる症状はかかりつけ医に相談してみましょう。
【自分や家族のために】認知症の症状や種類について
高齢化の進む日本で、認知症という病気はもはや大変身近なものとなっています。
「一緒に生活していた家族が同じことを何度も言うようになった」「財布を盗ったでしょ、と言うようになった」テレビや本で見ていた認知症の症状が、身内やお知り合いに起きてしまうことも全く不思議ではありません。
今回は、そんな今や身近な疾患である認知症の種類、症状、治療などについてお伝えします。
認知症の原因と種類
平成29年の高齢者白書では、2012年での65歳以上の高齢者の認知症有病率は約15%と言われていましたが、2025年には約20%が認知症になると言われています。
また、ひとえに認知症といっても、たくさんの種類があります。DSM-5という疾患分類の手引きには、認知機能低下をきたす疾患としてアルツハイマー型認知症、血管性認知症、前頭側頭葉変性症、レビー小体病、ハンチントン病、プリオン病など、多くの疾患があげられています。
この中でも、比較的頻度の高い認知症について解説していきます。
>>認知症かな?と思った方は認知症外来・もの忘れ外来へ
アルツハイマー型認知症
認知症の中でも頻度が高いのがアルツハイマー型
アルツハイマー型認知症は比較的多くみられる認知症の種類の一つで、認知症全体の約6割を占めると言われております。原因としては、神経の変化やアミロイドという物質が脳に付着することで脳細胞が死に、その結果認知機能が低下する疾患です。
頭部CTでは、海馬と呼ばれる場所の萎縮がよく見られます。基本的に進行は緩やかで、初期症状として直前にしたことを忘れる、といった症状から気づきだし、徐々に物忘れが出てきたりできないことが増えてきたりすることで、「前から少しずつ物忘れあったけどだんだんひどくなって、最近は服も着られなくなりました」といった状況に家族や近所の方が気づいて病院へ受診にくることが多いです。
本人に病気の自覚はない場合がほとんどで、また元気がどんどんなくなることが多くみられます。
加齢や遺伝によるものとされるが、若い人でもなる可能性がある
アルツハイマー型認知症と聞くと、高齢者がなるもの、という印象を受けます。しかし、若年でもアルツハイマー型認知症になる可能性があります。若年発症の認知症は血管性認知症が頻度が高いですが、アルツハイマー型認知症も次に頻度の高い疾患となっています。
若年発症の場合、一般的に進行が早く、進行を完全に止めることが現在の医療では困難なため、対症的な関わりが必要となります。
血管性認知症
アルツハイマー型との合併も多い血管性認知症
血管性認知症は、脳の血管が加齢や生活習慣病によりダメージを起こし、急激に認知機能低下や性格変化を起こす疾患です。
頭部CT検査や頭部MRI検査で、血管性の変化が起きていることを確認し、それが認知機能低下などの症状が出現した時期と関係がある場合は血管性認知症を考えます。アルツハイマー型認知症の中に、アミロイドという物質が脳血管に付くことで血管がもろくなり細かい出血が起きる、アミロイドアンギオパチーという状態になっていることもあり、実際はアルツハイマー型認知症と合併していることも多くみられます。
脳血管によるダメージで発症(脳梗塞や脳出血、くも膜下出血)
アルツハイマー型認知症は徐々に認知機能低下が起こるのに対し、血管型認知症は、血管が詰まる、切れるといったことで急激に変化を起こします。
認知機能低下のみならず、脳血管がダメージを受ける場所によっては怒りっぽくなる、急に泣き出すといった感情があふれ出すようになったり、暴力がでてしまう、普段なら言わないようなことを言ってしまうなど我慢ができなくなったりすることがあります。家族や友人にとって、「昨日までは全く問題なかったのに」という状態となるためショックを受けることも多いでしょう。
また、本人に変化の自覚がある場合も多く、本人自身もショックを受けてしまいやすくそこからうつ病などの精神疾患をきたす可能性もあります。治療は脳血管障害の再発防止に加え、怒りっぽさなどが日常生活に支障をきたす場合は対症的に薬を使うこともあります。
レビー小体型認知症
レビー小体という物質が脳に出現することできたす疾患と言われていて、以前はその病態がよく分からなかったためあまり注目されることがありませんでしたが、最近は徐々に病態が明らかになり注目されるようになりました。最近では、認知症の20%前後とも言われており、研究が進められています。
症状としては、認知機能障害に大きな波があること、はっきりとした幻視(何もないところに人などが見える)、手足が固くなり動かしにくくなる、震えるといったパーキンソニズムを認めることが多いです。しかし、夜中に急に叫ぶ、抗精神病薬という薬を使ったときに過敏に反応するといった症状もあり、多彩な症状から「これがあるからレビー小体型認知症」と判断するのは大変難しくなっています。
レビー小体型認知症を確実に診断するためには脳を切ってレビー正体を確認するしかなく、それは現実的ではないため、様々な症状や検査から総合的に判断をします。一般的に進行が早く、対症的な治療が中心となっています。
前頭側頭型認知症
前頭側頭型認知症は、高齢のなかでも比較的若い50-60歳代に発症することが多い疾患です。原因としては前頭葉、側頭葉といった場所の神経が働かなくなったりなくなったりすることでおきます。
前頭葉、側頭葉ともに大変重要な機能を司る場所であり、理性的な行動ができなくなりとんでもないことをしてしまう、攻撃的になる、感情移入ができなくなる、強いこだわりが急に出てきて同じ行動をしないと気が済まなくなる、目についたものをなんでも口に入れる、言葉が分からなくなるといった症状が出現します。
本人に病気の自覚はない場合がほとんどで、本人と関わる人への負担は大変大きなものとなります。初期には認知機能低下はあまり起きないため、物忘れで気づくより、急な性格の変化で気づくことが多いです。進行は急激で、多くは寝たきりになってしまい、発症も若いことから周囲の方がショックを受けてしまいます。
治療は対症的なものとなりますが、進行のスピードを止めることは困難で薬の選択も非常に難しいです。
認知症の症状
症状は中核症状と行動・心理症状に分けられる
認知症の症状は、認知症そのものによる症状(中核症状)、中核症状が存在することによっておこる症状(行動・心理症状、周辺症状やBPSDともいいます)があります。各症状について説明していきます。
中核症状
記憶障害
文字通り、記憶に関する何らかの障害で、想起障害(思い出せなくなる)、記銘力障害(新しいものを覚えられなくなる)があります。
実行機能障害
例えば食事の準備ができなくなる、電気のつけ方が分からなくなるといった物事の段取りができなくなる障害のことを言います。日常生活に直結する場合が多く、生活に支障をきたします。
見当識障害
日付や曜日、場所、季節感が分からなくなり、「今日はいつだったっけ」「ここは私の家じゃない」といった状態となります。行動・心理症状につながることが多く介護者の負担が増大することが多いです。また、夏なのに厚着をするなどの行動から脱水など命に係わる状態になる場合もあります。
失語
言葉が出なくなる、また場にそぐわない言葉がでてしまうといった状態になることを言います。言葉が出にくくなる運動性失語、言葉は出ますが的外れな言葉が出てしまう(例えば、「好きな食べ物は何ですか」と聞くと、「今日は晴れです」と答えるといった状態)感覚性失語があります。
失行、失認
例えばペットボトルのお茶を見ても何かわからない、といった状態を失認といいます。また、そのお茶についてキャップを開けて飲むというやり方が分からない、といった状態を失行といいます。着替えについても、服を見て服と認識できずにびりびりに破ってしまうといった行動をとるのは失認によるものの可能性が高く、ズボンに腕を通そうとするといった着衣ができなくなる状態は失行の可能性が高いです。
行動・心理症状
妄想
妄想とは、「訂正不能な誤った認識」のことです。例えば、中核症状により財布をどこに置いたか分からなくなり、それを「盗まれた」と認識し大声で怒鳴る、といった物盗られ妄想が認知症の方にはよく見られます。この妄想は、身近な人に対し起きやすいため、介護者にとって大きな負担となります。
徘徊
外に出て、帰る道が分からずうろうろしてしまい、警察に保護される、といったことが起こることがあります。交通事故や転落事故を起こす場合もあり、命に係わる可能性があることから注意が必要です。
興奮による暴力や暴言
認知症の方は記憶障害や見当識障害から、いつ何が起こっているか分からない状態であると考えられます。そういった環境下で、どうしても強い不安が出現し、大声を出してしまうことが多くなります。また、脳の機能低下から暴力や暴言が出てしまうこともあります。
無反応
アルツハイマー型認知症の方に多くみられるアパシーと呼ばれる状態のことを言います。無気力、無反応で何もしなくなり、寝込むようになり認知機能低下の進行が助長されていきます。
介護への拒否
介護者の精神的負担で特に大きいのが、この状態といっても過言ではありません。本人のためにやっていることを、本人がすごい剣幕で拒否をする。どうしてよいか分からない状態になってしまいます。介護者はひとりで悩まず、負担にかんじてしまう状態になればすぐに病院へ相談することをお勧め致します。
その他
その他にも、うつ状態、不安焦燥といった精神的な変化など様々な症状を呈することがあります。
行動・心理症状を軽減するために
中核症状は認知症の進行を止めることが困難であるため、根本的に治療することは難しいですが、行動・心理症状については場合によっては関わり方により軽減することができます。
不安、焦り、性格などから行動・心理症状に移ることが多く、また認知症患者に対し叱る、怒るといった対応で行動・心理症状が助長される場合もあります。
認知症患者への関わり方は、否定をせずに負担のない程度に話をすることが大事です。しかし、どうしても介護には限界があります。医師や地域包括センターなどの行政への相談をすることで、介護の方向性が見えてくるかもしれません。一人で悩むことなく、専門家へ相談しましょう。
(大阪府 認知症https://www.pref.osaka.lg.jp/kaigoshien/ninnshishou-gyakutai/ninchishotoha.htmlより引用)
物忘れと認知症の違い
「最近物忘れが多く認知症が心配です」という患者さんが多くおられます。物忘れと認知症、似ていますが全く違うものです。その違いについて昨日の晩御飯を例にとって説明します。
昨日の晩御飯を思い浮かべた際、「食べたのは覚えているけど、何食べたか思い出せない」場合は物忘れです。しかし、「食べたことすら覚えていない」場合は認知症の可能性があるかもしれません。つまり、体験の一部を忘れるのが物忘れ、体験自体を忘れるのが認知症というと分かりやすいかと思います。
また、認知症という名前に「症」がついています。「症」とは「病気」のことで、病気は生活に支障が出るものです。つまり、認知症=日常生活に支障があるものをいいます。もし、そのことを念頭に置いたうえで気になる状態があれば、医師へのご相談をお勧め致します。加齢と物忘れの違いの表を以下に示します。
(厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 認知症https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_recog.htmlより引用)
認知症の予防になる生活習慣
食生活
規則正しい食生活を行うことが大事です。また、DHA、EPAといった不飽和脂肪酸やカテキンといった抗酸化物質はアミロイドの脳への沈着を防ぐ可能性があると言われており、青魚や緑茶などそれらが多く含まれる食事を中心に摂ることが予防につながる可能性があります。
また、コーヒーにも適度な摂取で認知症を予防する可能性があるという報告もありましたが、飲みすぎは逆に認知機能低下のリスクとなるという報告もあり、いずれも摂ればよいというわけではなく適度な摂取が重要であると考えられます。
運動習慣
運動習慣をつけることが認知症の予防につながることは以前から言われております。
日本で行われた久山町研究で、週1回以上の運動習慣がある人は、アルツハイマー型認知症のリスクが40%減ったという報告もあります。
やりすぎは体の負担が大きくなるため推奨されませんが、適度な無理のない運動習慣は構築するとよいでしょう。
対人関係
人と関わることで、会話する際に物事を考えるため、認知症の予防につながる可能性があります。閉じこもってテレビを見続ける生活をするのではなく、人と関わる機会に参加するといったことが大事です。
知的行動習慣
手先を動かしたり、考えたりすることで、認知症の進行を予防する可能性があるという報告があります。グランドゴルフなどのスポーツや囲碁、将棋などのボードゲームなどは人との関わりを持つきっかけにもなりますし、本人への負担が大きくないのであれば積極的に参加することがよいかもしれません。
睡眠習慣
規則正しい睡眠をとることが大事です。睡眠不足が認知症のリスクとなる可能性が高いという報告もあり、睡眠時間はしっかりと確保しましょう。
治療ついて
薬物療法と非薬物療法に分けられる
認知症の治療は、薬物療法と非薬物療法があります。その概要について説明していきます。
薬物療法
薬物療法としては、主に認知症の進行を緩やかにすることを期待して出される抗認知症薬と、行動・心理症状に代表される精神症状に対する向精神薬が処方されることが多いです。
薬ですので、一定の副作用が出現する可能性があったり、肝機能・腎機能、飲み合わせに注意する必要があったりと気を付けることがたくさんあります。
ネットの情報や独断で薬を飲ませたりやめさせたりすることは絶対にせず、必ず医師の診察を受け、医師の指示通りの内服を心掛けてください。
非薬物療法
非薬物療法としては、理学療法、作業療法などによるリハビリテーションや、心理療法があります。生活リズムの構築を促したり、スタッフや他の利用者との関わりの中で生きがいや自信を獲得したりすることで、心理状態を穏やかに行動・心理症状の予防や軽減に寄与することがあります。
また、デイサービスやショートステイといった通所、宿泊サービスなどもあり、認知症の方本人のみならず、介護者の負担も軽減することができます。
しかし万能ではなく、非薬物療法のみで改善しない場合もあるため、薬物療法との併用を行うことが多いです。いずれにせよ、独断で判断せず、医師や地域包括支援センターなど専門家の意見を聞くことが重要です。
脳神経外科や脳神経内科、精神科、老年内科などで診察を
認知症は「病気」です。「いつもの状態と違う」「最近調子が悪い」など、気になることがあれば一人で悩むことなく、医師へ相談しましょう。認知症は現在様々な科で診療が行われております。お近くの病院へご相談されてみてもよいかもしれません。
家族や周囲、地域のサポートがとても大切
認知症の方は、家族だけではなく、地域全体で関わっていくことで本人だけでなく介護者、家族の生活の質も改善させることが可能です。
病気について知ることや、関わり方を知ること、相談先を把握することが大事です。認知症の方自身も、介護者が自分を犠牲にして介護している状態を望んではいないのではないでしょうか。
周囲や地域を巻き込み、介護者を含めた全員が幸せに近づくような環境を作っていくことが必要です。また、介護福祉サービスの円滑な導入や支援のために、介護保険を申請することも必要になってきます。介護保険についても、地域包括支援センターや病院で話を聞くことができますので、困ったことがあれば相談することをお勧め致します。
西春内科在宅クリニックができる対応
・往診での対症療法
・近隣の物忘れ外来を行っている病院へのご紹介
まとめ
今回は、認知症の種類、症状、治療などについて記載しました。繰り返しになりますが、決して一人で悩むことなく、気になることがあればすぐに医師や地域包括支援センターなどの専門家へ相談することをお勧め致します。
【参考文献】
・日本神経学会 認知症疾患治療ガイドライン2017
・Kishimoto H et al. The long-term association between physical activity and risk of dementia in the community: the Hisayama Study. Euro J Epidemiol. 2016
【監修医師】精神科医 Dr.別府 拓紀
高齢者に起きやすい誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)ってどんな病気?熱も出る?
日本の死因において、肺炎は常に上位に位置する病気です。
高齢者においては、肺炎の中でも誤嚥性肺炎が7割を占めると言われており、とても身近な病気と言えます。早期発見による治療、また誤嚥をしない工夫が大切です。
誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)とは
誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)とは、飲食物や唾液を飲み込んだときに気管に入ってしまうこと(誤嚥)で、肺炎を引き起こしてしまった病気のことを指します。
口を開けたとき、呼吸をする空気の通り道も、食べ物の通り道も、一緒であることに疑問を持ったことがある方も多いと思います。
のどの奥は、気管と呼ばれ肺につながる空気専用の管と、胃につながる食道に分かれています。空気は、気管だけでなく、一部は食道や胃にも入るので、ゲップをしてしまうのですが、食べ物がのどを通るときは、のどの奥の神経が察知して、気管の入り口に蓋をし、食べ物が気管に入らないようにしてくれます(嚥下反射)。しかし、誤って空気以外の物が気管に入ってしまうことがあり、それを誤嚥と呼びます。
もし、誤嚥してしまった時には、これまた神経が察知して、咳をするなどして、誤嚥した物を気管の外に出そうとします(咳反射)。いわゆる、むせている状態です。嚥下反射や咳反射の機能が低下することによって、誤嚥しやすくなり、誤嚥によって肺炎を引き起こしてしまった病気を誤嚥性肺炎と呼びます。
口腔内の細菌が原因
仮に誤嚥してしまっても、誤嚥した物に全く細菌が存在していないのであれば、誤嚥性肺炎にはなりません。しかし、実際にはそのようなことはなく、例えば大人の口腔内には、何百種類の細菌が住み着いており、その数は数千億と言われています。
細菌の中でも、黄色ブドウ球菌や緑膿菌、肺炎桿菌、カンジダ菌、インフルエンザ菌など、体の病気に関わる菌も多数存在しています。
誤嚥した際には、それらの大量の細菌を一緒に肺に取り込むこととなり、肺炎を引き起こしてしまいます。
なりやすい人の特徴
寝たきりの高齢者
寝たきりの患者さんは、どうしても口の中を清潔に保つのが難しくなってしまいます。
歯磨きをこまめにする人と、全くしない人では、口腔内の細菌の量は10倍前後の差が生まれると言われています。口腔内が清潔に保たれていないと、誤嚥した際には、それらの大量の細菌を一緒に取り入れてしまうこととなり、肺炎を引き起こしてしまいます。
さらに、栄養状態が悪かったり、何らかの理由で免疫が落ちている時などは、誤嚥性肺炎に限らず、細菌に感染しやすくなっているので、より注意が必要です。
脳梗塞後遺症の方(嚥下障害)
誤嚥を防いでくれる、嚥下反射や咳反射は、脳の神経によってコントロールされています。
脳梗塞になると、梗塞の部位によってはその機能が低下してしまい、誤嚥をしやすくなってしまいます。詳しくは脳梗塞後遺症をご参照ください。
パーキンソン病などの神経疾患の方
パーキンソン病とは、筋肉の動作の調節が難しくなってしまう病気です。舌など、口の中の筋肉や、咽頭筋と呼ばれる喉の筋肉の動きが悪くなることで、誤嚥を引き起こしやすくなります。
似たような疾患として、レビー小体型認知症、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、大脳基底核変性症などがあげられます。その他、お薬の影響でパーキンソン病と似た状態となってしまう、薬剤性パーキンソニズムなども、誤嚥性肺炎のリスクとなりますので、なりやすい特徴に該当する方は今一度、現在飲んでいるお薬を確認してみましょう。
誤嚥性肺炎の症状
風邪と間違えやすい症状
高熱
多くの細菌感染症と同様に、誤嚥性肺炎でも発熱が見られます。発熱することで、細菌の増殖が抑えられたり、免疫が活性化するためです。しかし、高齢者の場合は、熱を出す機能そのものが弱っていることもあり、肺炎になっても微熱であったり、熱が出ないこともあります。軽い風邪と油断してしまわないように注意が必要です。
激しい咳
体の外に細菌を追い出すために、激しい咳がでることがあります。しかし、誤嚥性肺炎になりやすい方の中には、咳反射が衰えている方も多いので、咳が無いからといって肺炎ではないとは言い切れませんので、注意が必要です。
黄色いタンが出る
肺炎にかかると黄色の痰がみられることがあります。これは、細菌や細菌の死骸、免疫物質などが中に含まれているため、普段とは違う色調の痰が出ます。また、肺炎になると痰の量が増える傾向にありますが、咳反射が衰えている患者さんでは、増えた痰を十分に外に出すことができず、溜まった痰のために、喉の奥の方でゴロゴロと音がしていることがあります。
呼吸が苦しい
肺炎とは、肺で炎症が起こり、肺の役割を十分に果たせなくなってしまう病気です。肺の主な役割は、体内に酸素を取り込むことですので、肺炎になると十分な酸素を取り込むことができず、呼吸が苦しくなってしまいます。
ほかにもこんな症状が
元気がない
いつもと様子が違うというのは、病気を早くみつけるにあたって大切なポイントの1つです。これまでの医師としての経験においても、「今日は元気がないな」と感じると、翌日発熱し、検査の結果、誤嚥性肺炎であったということは珍しくありません。いつもと違うなと感じたら、注意して様子をみてみてください。
食欲がない
肺炎のように、体の中で細菌が増えはじめる病気に罹患すると、どんどん体はしんどくなります。普段よりも食欲がないというのも、いつもと様子が違うというサインの1つです。
失禁
失禁することと誤嚥性肺炎が、直接関係があるわけではないのですが、肺炎になったことで活気が失われ、普段できていた日常生活動作に支障をきたすことがあります。トイレはきちんとできている方が、失禁してしまうことも、いつもと様子が違うサインの1つです。
夜中に咳き込む
寝ている時であっても唾液は分泌しており、口腔内に溜まった唾液は、無意識に飲み込んでいます。しかし、嚥下反射が衰えることで唾液を誤嚥してしまい、咳き込んでしまいます。睡眠状況によっては、唾液を誤嚥したことに気が付かないこともあり、誤嚥性肺炎になってしまうこともあります。
認知症が悪化したなど
精神科として勤務していると、高齢者施設のスタッフから「認知症が急に悪化した」と相談を受けることがあります。しかし、一般的な認知症は、ある日突然悪くなることはまれで、ゆっくりと進行することが多い病気です。認知症が急に悪くなったように感じる原因として、何か体の病気が影に隠れている場合があり、その一つが誤嚥性肺炎です。肺炎によってもうろうとし、不可解な言動をしてしまうためです。これらも、いつもと様子が違うサインの1つと言えます。
予防法
口腔ケア
口腔ケアとは、「歯磨き」のことです。しかし、健康な人が歯磨きをするのと違い、高齢者の口腔ケアを行うには注意すべき事があります。
まず、歯磨き時の水分による誤嚥に注意が必要です。ケア時に水分を多く使用すると、咽頭に水とともに細菌が流れ込み、誤嚥するリスクが高くなります。そこで、水ではなく、口腔ケア用のジェルを使用してブラッシングし、口腔内の汚れと共にジェルを拭き取れば、咽頭への水分の流れ込みを防ぎ、誤嚥のリスクを下げる事ができます。また、吸引を併用することも効果的です。
次に、口腔ケアをする際の姿勢にも注意が必要です。座位が保持できるようであれば、椅子に座って口腔ケアを行うのが望ましいでしょう。また、寝たきりでベッド上での口腔ケアが必要な場合には、可能な限りベッドの頭の角度を90度まで上げて、椅子に座っている姿勢と同じような角度を作るようにします。ベッドの角度を上げるのが難しい場合には、体ごと横に向けて実施します。また、体を横に向けることが難しい場合には顔だけ横に向けて実施します。顔が仰向けの状態では誤嚥するリスクが高くなるため、必ず顔は横に向ける必要があります。
食事の改善(とろみをつけるなど)
誤嚥を予防するためには、嚥下機能や、咀嚼機能に合わせた食事形態の工夫が必要です。
一般的に、嚥下機能が低下している方は、サラサラの水分や、ボロボロしているパンやひき肉、また、おからなどの口の中でまとまりにくいものが飲み込みにくいとされています。そういった食品を飲み込みやすくするために、とろみをつけるという方法があります。とろみをつけることによって、食品がまとまりやすくなり、咽頭へ流入する速さが遅くなることによって誤嚥を防ぎます。ただし、とろみをつけすぎるとかえって飲み込みにくくなる場合もあるので、注意が必要です。
とろみをつけるには、片栗粉や、とろみ調整剤を利用する方法があります。また、自分でとろみを調整する事が難しい場合には、ユニバーサルデザインフード(UDF)」など、とろみが付いている食品を利用するという方法もあります。
胃液の逆流を防ぐ
誤嚥性肺炎において誤嚥するものは、必ずしも口から摂取したものとは限りません。
嘔吐など、胃から口へ逆流してくる過程で、その一部が気管や肺の方に入ってしまう誤嚥もあります。起き上がることができる方は、重力によって、食べたものは下へ下へと移動しやすいですが、寝たきりの方はその現象がおきにくい状態です。
後述する食事姿勢を参考に、可能な限り食べたものが逆流しないようにする工夫が必要です。
食事の姿勢の工夫
食事中の誤嚥を予防するためには、安定した姿勢で食事を摂取する必要があります。安定した姿勢を保つためには、3つのポイントがあります。
1つ目は、頭の角度です。顎を引いてうつむくような角度にすると良いです。顎が上がっている状態だと、咽頭に食物が流れ込み、誤嚥する危険性が高まります。自分で頭の位置を保持できない方の場合は、クッション等を頭の後ろに置くなどして、うつむくような角度を保持する工夫が必要です。
2つ目は、体がまっすぐに安定していることです。麻痺がある等、座位保持が難しい場合には、椅子やベッドにクッションを挟み、できるだけ上半身をまっすぐに保つ姿勢を作ります。ベッド上で食事をとる場合には、体がベッド下方にずれてくることを予防するために、足元や、足を曲げた膝裏にクッションを入れるなどして、体がずれないような姿勢を作ることも必要です。
3つ目は、足裏が何かに設置している状態を作るということです。これを足底接地といいます。足底接地が不十分であると、首回りの嚥下筋に無駄な力が入ってしまい、効率的な嚥下ができない可能性が指摘されています。椅子や車椅子に座っている場合には、地面にしっかりと足が着くよう、足台やフットレストを使用して高さを調整します。また、ベッド上でリクライニングを上げて食事を摂取する場合には、足底が接地するようにクッション等を利用します。
いずれのポイントにおいても、椅子や車椅子に座って食事をすることで、姿勢を保ちやすくなります。食事をする際には、可能な限りベッドではなく、椅子に座って食事をすることで、誤嚥性肺炎のリスクを下げることができるといえるでしょう。
治療について
少しでも症状が見られた場合はすぐに病院へ
誤嚥性肺炎になりやすい方とは、高齢者や脳梗塞の後遺症がある方、パーキンソン病などの神経疾患がある方など、肺炎が重症化しやすい方とも言えます。肺炎は日本人の死因の上位に常に位置する病気です。誤嚥性肺炎になりやすい特徴をお持ちの方はは特に、症状が軽度であっても一度病院で検査してもらうことをお勧めします。
薬物治療であるがその後の予防が大切
誤嚥性肺炎の基本的な治療は、点滴にて抗菌薬(抗生物質)を投与しつつ、新たな誤嚥をしないように、口から食べ物や飲み物を摂取することを中止し、さらに口腔内を清潔に保つことです。
重症化する前に適切に治療をすることで、十分に改善が見込める病気ではありますが、誤嚥してしまう原因が、嚥下反射や咳反射といった誤嚥を予防する機能の衰えであったり、寝たきり状態であったりすると、何度も誤嚥性肺炎になってしまう場合があります。そのため、誤嚥を繰り返さないように予防していくことがとても大切です。
来院が難しい場合は在宅での受診も検討
誤嚥性肺炎になりやすい方というのは、高齢や寝たきりといった理由から、病院受診が難しいというケースも少なくありません。しかし、誤嚥を繰り返しているうちに、誤嚥性肺炎が重症化してしまう可能性があります。早めの治療が大切ですので、在宅での受診も選択肢の1つです。
西春内科在宅クリニックができる対応
西春クリニックでは、誤嚥性肺炎を診断・治療するために必要な、胸部X線(レントゲン)またはCTといった画像検査や、血液検査が可能です。常勤医にはレントゲンやCT画像の読影の専門家である放射線科専門医がおります。
すべての病気について言えることですが、早期発見がその後の経過に影響します。高齢者や、パーキンソン病などの基礎疾患をお持ちの方は、風邪のような症状であっても油断せず、一度受診を検討してみてください。
まとめ
誤嚥性肺炎は、誤嚥を防止する機能が落ちてしまった高齢者や、脳梗塞の後遺症がある方、寝たきりの方、パーキンソン病などの神経疾患をお持ちの方に起こりやすい病気です。食事は毎日必要な行為なので、誤嚥をしてしまうリスクは常にあります。そのため、誤嚥性肺炎は早く見つけること、誤嚥を少しでも減らす工夫をすること、この2つが重要と言えます。
【参考資料】
アナフィラキシーって?コロナのワクチン接種でもなるの?│症状・治療・原因・対応
全国各地で新型コロナウイルスの3回目ワクチン接種が本格的に始まり、「アナフィラキシー」という言葉が以前よりもさらに注目されるようになりました。
実際に、「アナフィラキシーになったらどうすればいいの?」とご心配な方も多くいらっしゃいます。
そこで、今回はアナフィラキシーとはいったいどういったものなのか…改めて、詳しく解説していきたいと思います。
アナフィラキシーとは
アナフィラキシー(英語:Anaphylaxis)とは、「食物や薬などのアレルゲンの侵入により、複数臓器に全身性にアレルギー症状が現れて、生命に危機を与えうる過敏反応」のことをいいます。複数臓器とは、消化器・循環器・呼吸器・神経・皮膚などを指します。
「フィラキシー(phylaxis)」は防御反応を意味する言葉です。これに、否定の意味の「アナ(ana)」が加わり、有害な防御反応を意味する言葉になりました。
そして、よく耳にする「アナフィラキシーショック」は、アナフィラキシーにより、急激な血圧の低下、呼吸困難、意識障害などを引き起こし、場合によっては生命を脅かす危険な状態になることを指します。
アナフィラキシーの原因
アナフィラキシーは、食べ物だけでなく、注射や接触、運動、精神的ストレスにより起こることもあります。
アナフィラキシーの主な原因は、卵や甲殻類などの食べ物・抗生物質やワクチンなどの薬、蜂などの虫刺されとなっています。
それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。
食べ物によるアナフィラキシー
アナフィラキシーを引き起こすリスクが高い食品として、卵、牛乳、小麦、そば、ピーナッツ、えび、かにの7品目は食品衛生法において「特定原材料」として食品表示が義務づけられています。特に、卵のアレルギーが最も多く、アナフィラキシーを引き起こす代表的な食べ物は以下の通りです。
(出典:日本アレルギー学会 アナフィラキシーガイドライン)
食べ物によるアナフィラキシーは自宅で最も起こりやすいとされており、自宅でいつ起きてもいいような対策が大事ですね。一般に食べ物アレルギーは乳幼児で発症することが多く、年を取るにつれて減少していきます。稀に、原因となる食べ物を食べた後の数時間以内に運動をすると、アナフィラキシー症状を引き起こすことがあります。これを食物依存性運動誘発アナフィラキシーといいます。主に、小麦が原因となる場合が多く、運動により多量の抗原が吸収されるためとされています。至急、救急車を呼んで病院へ搬送するなど迅速な対応が必要です。
薬物(予防接種)によるアナフィラキシー
アナフィラキシーを引き起こしやすい薬剤は、以下の通りです。薬のアレルギーがある場合は、医療機関に受診する際に予め伝えるようにしましょう。
抗生剤
βラクタム系抗菌薬(ペニシリン系・セフェム系など)が最も多く報告されています。
解熱鎮痛剤
アスピリンなどのNSAIDs(イブ®やロキソニン®など)のうち、1剤に反応を示したり、複数剤反応する方もいます。
局所麻酔
自覚症状を訴える患者様が多いですが、麻酔薬自体のアレルギー反応は稀で、心理的要因や局所麻酔薬に添加されている保存料や血管収縮薬が原因であることが多いです。
抗腫瘍薬(抗がん剤)
白金製剤やタキサン系などの抗がん剤を原因とするアナフィラキシーは比較的多いです。
筋弛緩薬
全身麻酔中に発症したアナフィラキシーで最も多いです。(50~70%)
造影剤
造影が必要なCT検査の時に使用しますが、数千件に1件の確率です。近年用いられている非イオン性、低浸透圧造影剤の重症の副作用の割合は0.04%とされています。
X線造影剤やMRI造影剤でもアナフィラキシー重症化因子として気管支喘息が挙げられており、慎重に投与することが原則となっています。
輸血
アナフィラキシーショックは血小板製剤8,500例に1例と比較的多く報告されています。
アレルゲン免疫療法
皮下注射法の場合は、特に増量過程でアナフィラキシーが生じる可能性があり、100万回中1回重篤な全身反応が生じ、2,300万回中1回の頻度で死亡例があります。
虫刺され
アナフィラキシーを引き起こす可能性のある虫の毒としては蜂毒が最も代表的で、中でもミツバチ、スズメバチ、アシナガバチには要注意です。
ハチの被害は夏から秋にかけて多く、8月がピークとなります。初めての場合は、症状は数日で改善します。しかしながら、蜂に一度刺されて蜂毒に対する抗体ができている場合は、再度ハチに刺された後、5~10分以内にアナフィラキシーを起こすことがあります。また、蜂毒の成分は種類によって異なりますが、スズメバチとアシナガバチの毒成分は類似しており、スズメバチに刺されたのは初めてでも、アシナガバチに刺された経験があれば、アナフィラキシーを生じる可能性も否めません。
その他
ラテラックス(天然ゴム)
天然ゴムの原材料に含むラテックスというたんぱく質がアナフィラキシーの原因となります。ゴム手袋や風船、避妊具、ゴム靴などの日用品の他、医療用手袋やカテーテルなどに使用されています。
刺傷(ししょう)・咬傷(こうしょう)
稀なケースですが、クラゲなどの海洋生物に刺されたり、ハムスターやヘビ、ダニ、アリなどに噛まれたり、物理的な刺激が原因となるアナフィラキシーの報告もあります。
精神的ストレス、月経、アルコールの摂取、鎮痛剤の服用などがアナフィラキシー反応を増悪させる可能性もあります。
アナフィラキシーはコロナワクチン接種でも起きる?
新型コロナワクチン接種後には、実際にアナフィラキシーが疑われる副反応の報告もございます。中には、「薬でアナフィラキシーを起こしたことがあるので、ワクチンが怖い…」なんて方もいるのではないでしょうか。
2021年2月のアメリカ医師会誌の論文では、ファイザー製が100万回に4.7回、モデルナ社製は100万回に2.5回、アナフィラキシーが起きたと報告されています。アナフィラキシーが起こった人の94%は女性、77%は過去にアレルギー反応の既往がありました。女性に多いのは、女性ホルモンの変動が一部関与しているのではないかと言われています。また、76%は接種後15分以内、89%は30分以内に発症しています。そして、全例とも適切な治療により症状は軽快・回復していることが報告されています。
新型コロナワクチンによるアナフィラキシーのリスクは、新型コロナの感染率や死亡率と比較しても、とても小さいものとなっています。新型コロナワクチンは、この点からも安全性の高いワクチンであると評価されています。ゆえに、一概に食物アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎や花粉症、じんま疹、アレルギー体質などがあるといった理由だけで、接種を受けられないわけではありません。
一般的に、ワクチンを接種することができない方は以下の通りです。ご自身が当てはまるかご心配な方は一度かりつけ医にご相談ください。
- 明らかに発熱している方
- 重い急性疾患にかかっている方
- コロナワクチンの成分に対し、アナフィラキシーなど重度の過敏症の既往歴のある方
アナフィラキシーの症状
アナフィラキシーの症状はさまざまです。通常、症状は、皮膚、粘膜、上気道、下気道、消化器、心血管系、中枢神経系の中の2つ以上の器官系に生じます。もっとも多いのは、蕁麻疹、赤み、かゆみなどの「皮膚症状」です。次に多いのが、くしゃみ、せき、ぜーぜー、呼吸困難、息苦しさなどの「呼吸器症状」と、目のかゆみやむくみ、唇の腫れなどの「粘膜症状」となっています。そして腹痛や嘔吐などの「消化器症状」、さらには、血圧低下など「循環器症状」が起きることもあります。
次の3つの項目の中で、いずれかに当てはまる場合は、アナフィラキシーの可能性が高いとされます。
①数分~数時間で皮膚や粘膜の症状が現れた、かつ、呼吸器系の症状または血圧の低下などのうち少なくとも1つの症状がある場合
②アレルゲンと疑われるものに触れる、または食べたり飲んだりした数分~数時間後、次の症状のうち2つ以上が突然あらわれた場合
③すでにアレルゲンとわかっているものに触れる、あるいは食べたり飲んだりした数分~数時間後、血圧の低下がみられた場合
(出典:アナフィラキシーってなぁに)
アナフィラキシーが起きてからの時間経過は?
アナフィラキシーの特徴のひとつは、短時間で症状があらわれることです。症状が出るまでの時間は、アレルゲンや体質により異なります。
蜂毒・薬物
蜂の毒や薬は直接体内に入るため、早く症状が出る傾向があります。ほとんどが5~10分以内です。
食べ物
食べ物は胃や腸で消化され吸収されるまでに時間がかかるため、症状が出るまで蜂の毒や薬よりも時間がかかることが多いです。遅くとも、30分~2時間以内には大体出現します
輸血
ほぼ全例で3時間以内に出現。ピークは30分以内または30分~60分です。
また、二相性反応といい、一度治まったにもかかわらず、アナフィラキシーの症状が再び現れることもあります。約1~20%の頻度で出現し、多くは8時間以内に発症しますが、中には72時間後に発症したという報告もあります。ですから、「症状が改善したので大丈夫!」と安易に考えず、すぐ医療機関に相談することが重要です。
アナフィラキシーの重症度評価
アナフィラキシーを起こしやすいのは食物アレルギーで、多くは小児ですがすべての年齢で認められます。件数自体は多くないものの蜂毒と薬物は重症化しやすいのが特徴です。
厚生労働省の統計によると、毎年50~70人の死亡例が報告されています。
(出典:アナフィラキシーってなぁに)
アナフィラキシーの治療法
アナフィラキシーの治療法は、以下通りです。
対症療法
アドレナリン筋肉注射
アナフィラキシーの第1選択薬となる治療が「アドレナリン」です。
アドレナリンは、人間の副腎で生成されるホルモンです。心臓の働きを強め、末梢の血管を収縮させることで血圧を上昇させます。また、気管支を拡張したり、粘膜の浮腫を改善したりする作用もあります。アナフィラキシーの症状を抑える効果がでるまでの時間は5分以内なので即効性があり、早急にすべき対処法といえます。
ぐったりしている、意識障害、失禁など「ショック症状」、のどが締め付けられる感じ、声がれ、声が出ないなど「のどの強い症状」、呼吸困難など「呼吸器系の強い症状」が現れた場合には、速やかにエピペン®と呼ばれるアドレナリン自己注射薬(アナフィラキシー補助治療剤)を用います。
アドレナリンの自己注射薬は、アナフィラキシーが現れた時自分(もしくは介護者)で使用することで、医師の治療を受けるまでの間、症状の進行を一時的に緩和し、ショックを防ぐことができます。あくまでも補助治療剤であり、アナフィラキシーを根本的に治療するものではありません。エピペン注射後は直ちに医師の診察が必要です。
また、過去にアナフィラキシーショックを起こしたことがある方は、緊急時に備えてアドレナリン自己注射薬を常に携帯しておくとよいでしょう。処方には医師の診断が必要ですが、2011年以降は健康保険適用となり、患者様の負担も少なくなりました。
エピペンの使い方は以下をご参考下さい。
出典:広島県医師会
抗ヒスタミン薬
抗ヒスタミン薬は、皮膚のかゆみや粘膜の症状、鼻や眼などの症状を緩和します。しかし、呼吸器症状は緩和しないため、アドレナリン注射がもっとも優先的に行われます。効果までの時間も30分~3時間かかります。
気管支拡張薬
気管支を拡張して症状を抑える「気管支拡張薬」を吸入することがあります。15分以内に息切れ、呼吸困難を改善しますが、上気道閉塞や血圧低下を防ぐわけではないので、第一優先ではありません。症状が重くなってくると経口副腎皮質ステロイド薬などの内服薬が用いられることもあります。
アナフィラキシーになったら、原因の除去以外にも、必要であれば、酸素療法が行われることがあります。酸素投与をすることで空気の通り道を確保します。
根本的治療
経口免疫療法
経口免疫療法とは、経口負荷試験で調査したアレルギー症状があらわれる量を基準にし、医師の管理下で徐々に食べる量を増やしながら、最終的に耐性を獲得させることをめざす治療法のことをいいます。
アナフィラキシーの予防法は?
アナフィラキシーの予防には、自分が何のアレルギーがあるかを事前に知っておくことが最も需要です。
食物のアナフィラキシー予防法
アナフィラキシーの原因となるアレルゲンが入った食べ物の摂取を避けることが重要となります。そのためには、血液検査(特異的IgE抗体、好塩基球ヒスタミン遊離試験)や皮膚テスト(プパッチテスト、リックテスト、スクラッチテストなど)でご自身がアナフィラキシーを起こす可能性があると推定される食べ物を調査するのが良いでしょう。その上で、食べ物を購入する際は、アレルギー物質の食品表示を確認するように心がけましょう。また、過去に強いアナフィラキシーの経験があったり、その危険があると思われたりする場合はアドレナリン自己注射薬(エピペン®)を携帯しましょう。
食物依存性運動誘発アナフィラキシーの対策としては、調べたアナフィラキシーの原因となる食べ物を避けることに加え、食後3時間以内の運動を制限することがあげられます。
蜂毒のアナフィラキシー予防法
蜂毒によるアナフィラキシ―の対策としては、当たり前ですが、蜂にされないように蜂の巣や蜂に近づかない、蜂の習性を知ることです。毒針を持つ蜂でも、こちらから刺激しなければ、刺しにくるこは滅多にありません。蜂が相手を襲うのは、巣が攻撃されて危険を感じたときです。蜂に刺されないためには、「蜂に近づかない」、「巣に近づかない」、「蜂や巣に触れない」を守りましょう。
蜂に対するアレルギーの検査としては、血液検査や蜂毒を用いた皮膚テスト(プリックテストなど)があります。林業関係者や山など蜂がいそうな場所に行く予定の方は一度調べてみるのも良いかもしれませんね。また、蜂は、黒色に対して攻撃したり、甘い匂いに誘われたりする習性があります。蜂のいそうな場所に行く際は、なるべく肌を覆う白っぽい服装をし、ヘアスプレーや香水などの化粧品はつけないように心がけましょう。
薬剤のアナフィラキシー予防法
薬物に対するアナフィラキシーの対策は、原因となる薬物を避け、交叉反応のない薬を代わりに使用する必要があります。薬物により皮疹などの異常がみられた場合には薬物アレルギーを疑い、すぐに医師や薬剤師に相談してください。また、薬物アレルギーがある場合には、医療機関を受診する際や薬局で市販薬を購入する際に、アレルギーの内容を確実に伝える必要があるため、その薬の名前を「お薬手帳」に記録しておきましょう。
家や会社でアナフィラキシーが起こった時の対応は?
アナフィラキシーの経過は非常に早いため、迅速に適切な対応をできるかが生死を分けます。まずは119番に電話をして、救急車を呼びましょう。
待っている間は、まっすぐに寝かせましょう。嘔吐したり、意識がもうろうとしている場合は、気道が塞がり窒息するのを防ぐために横向きに寝かせましょう。また、アナフィラキシーの原因物質が身体にまだ付着している場合は、水などでなるべく早く除去するようにしましょう。
西春内科在宅クリニックができること
血液検査
西春内科在宅クリニックでは、ご自身が何のアレルギーがあるか調べる血液検査が可能です。ただし、取り扱っているアレルギー検査が異なっていることもあるので「特にこのアレルギーがあるのか知りたい」などという場合は、事前のお問い合わせをお願いします。
夜間休日のアレルギー相談・救急往診
当院は、「家来るドクター」と協力して、夜間休日も対応可能な医療相談と救急往診をおこなっております。
夜など病院がやっていないお時間に、蕁麻疹や呼吸困難などアナフィラキシーを疑う症状があらわれましたら、まずはお気軽にお電話ください。現役の医師が適切な対処法をご案内いたします。
往診対応が可能な場合は、ご自宅までお伺いして処方薬をお渡しいたします。
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西春内科在宅クリニックでのアナフィラキシー例
令和4年3月現在、当院でアナフィラキシーショックを起こした患者様はいません。
当院で注射や点滴をされた際、息苦しさ、ふらつきなどのアナフィラキシーの症状が見られ場合は、速やかに看護師や事務員にお知らせください。
当院では、万が一、患者様がアナフィラキシーを起こした場合に備えて、酸素ボンベなど万全の体制を整えております。
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まとめ
いかがでしたか。今回はアナフィラキシーについて詳しく解説いたしました。
アナフィラキシーは、一刻を争う命に係わる病気です。まずは、ご自身が何のアレルギーがあるのかを調べて予防するのが一番ですが、アナフィラキシーに遭遇した場合は、迅速な判断と適切な対応が極めて重要となります。
ですので、もしご自身やご家族でアナフィラキシーを疑う症状が出た時も慌てないために、こちらの記事をよく読みましょう。
参考文献
慢性硬膜下血腫を放置するとどうなる?認知症などの症状や手術について
慢性硬膜下血腫は適切な治療と早期発見で治る病気です。
頭を打った後しばらくしてから頭の中に血がたまることで脳を圧迫して頭痛、認知症、失語、麻痺、ふらつきなどの症状が出てきます。
高齢者に多く周囲の人がいつも違う様子で気づくことも多いですが、認知症などの精神症状は年齢のせいで気づかれないことも多いため、気になる症状があれば一度検査を受けてみてください。
慢性硬膜下血腫の原因
慢性硬膜下血腫の概要
慢性硬膜下血腫は頭を打った後にしばらくしてから、頭蓋骨の内側で脳を包む硬膜と脳の間に血がたまることで脳を圧迫する病気です。
交通事故など強い衝撃を受けた際に急性期におこる急性硬膜下血腫とは異なり、頭を打った直後に検査を受けて異常がなくても1-3ヶ月ほどして慢性的に血がたまることで症状を来します。
左右のどちらかにできることが多いですが、両側にできることもあります(10%程度)。
血腫ができる理由はまだ完全にはわかっていませんが、脳の表面の細かい静脈が切れて小出血が生じ、そこに炎症が起こり被膜を形成して中に血液がたまり血腫となると言われています。
さらに血腫被膜の中に髄液が流入することや、被膜上の血管からの出血を繰り返すことで血腫が増大していきます。
軽い頭部への打撲や頭部打撃のない転倒
脳に萎縮のある高齢者に多い病気であり、家の机や柱で軽くぶつけたといった程度でも起こることがあり、また10-20%程度の方ははっきりとした頭部打撲歴のなくても起こることがあります。
その他の原因(アルコール多飲、感染症、癌を患っている、動脈硬化、貧血など)
頭部打撲や転倒歴以外の原因としてはアルコール多飲、感染症、癌を患っている方、貧血などがあります。
特に癌の方は稀に硬膜に癌細胞が転移することで難治性再発性の慢性硬膜下血腫を発症する方がおられます。
◆痛風の前兆とは?痛風になりやすい食べ物や食事による原因
◆胃がんの症状は胃炎や胃潰瘍と似ている?【早めの検診を】
慢性硬膜下血腫になりやすい人の特徴
男性の高齢者
一般的に男性の高齢者の割合が多いとされていますが、頭部打撲歴のある方は女性でもなります。
脳萎縮がある方は特に血腫がたまりやすく、また術後再発の可能性が高くなります。
抗血小板薬や抗凝固薬など血をサラサラにする薬を飲んでいる人
脳梗塞や心臓の病気をされたことがある方は抗血小板薬(バイアスピリン、クロピドグレルなど)や抗凝固薬(ワーファリン、イグザレルト、エリキュースなど)を内服されていることが多く、発症リスクは高くなります。
アルコールを多飲する人
アルコールに関しては過去の論文報告からも明らかな差はありませんが、なりやすい傾向、再発しやすい傾向にはあります。
肝臓疾患、血液疾患のある人
肝臓疾患、血液疾患のある方は血小板の数が少ないことや、血液凝固機能に異常があることがありますので発症リスクが通常の方より高くなります。
血液透析をしている人
血液透析をしている方も発症リスクが高くなると言われています。
透析中に抗凝固薬を使用することや、動脈硬化を合併しており抗血小板薬を内服している方が多いことが原因として考えられます。
慢性硬膜下血腫の主な症状
頭痛
血腫が原因で慢性的に頭痛が続いている場合があります。
頭痛は首のこりや筋緊張、片頭痛など原因は様々ありますが、特に頭部打撲歴のある方など症状が続いていれば一度受診して相談してください。
認知症症状
血腫が原因で急速に認知症症状が進行することがあります。
高齢者に多い病気であり元々認知症を患っている方も多いですが、急に認知症が進行した、異常な行動や言動が見られた場合などは血腫が原因のこともあります。
◆認知症が一気に進む原因や知っておきたい予防と対策について
失語
日本人の大半は右利きであり、その内90%程度は左側の脳が優位半球であり言語機能があります。
言語機能がある側の脳に血腫があり脳を圧迫すると、言葉が出にくい、会話が噛み合わないといった失語症状が出ます。
失禁
尿失禁は高齢者の方であれば珍しい症状ではないすが、こちらも急に失禁することが多くなった場合や普通にトイレでできていた方が失禁するようになった場合など血腫が原因となっている場合があります。
麻痺
外来を受診されて慢性硬膜下血腫が見つかる場合で最も多いのは麻痺症状です。
麻痺といっても軽い麻痺であれば違和感程度のこともありますが、どちらかの腕が重だるい、ものをよく落とす、歩いていると左右どちらかに寄っていくなど歩行障害を来して周囲の人から指摘されて見つかるといった場合も多いです。
放置すると意識障害や呼吸停止になることも
慢性硬膜下血腫で緊急性を要することは稀ですが、長期間放置して血腫量が非常に増えた場合は脳を強く圧迫し意識障害や呼吸状態の悪化、最悪の場合は呼吸停止を来し命に危険が及ぶこともあります。
慢性硬膜下血腫の治療について
CT検査やMRI検査
慢性硬膜下血腫が疑われる場合はまず頭部CT検査で診断します。
CT検査で診断することが可能ですが、慢性硬膜下水腫といった似た病気もあります。
慢性硬膜下水腫の場合は基本的に症状を来すこともなく、治療の必要性はありません。
判断が難しい場合はMRI検査を追加で行えば確実に診断できます。
術後も何度かCT検査を行い、再発の危険性がないと判断されるまで1-3ヶ月置きに行うことが一般的です。
薬による治療
血腫の量が少ない場合は症状を来さないこともあり、自然と血腫が吸収されて治る場合もあります。
一般的に薬による治療で効果があると言われているのは五苓散という漢方薬で血腫の吸収を促進する効果があります。
その他にはアドナ、トランサミンといった止血剤薬を用いる場合もあります。
手術による治療
慢性硬膜下血腫により頭痛、麻痺、失語、認知症など精神症状などの症状を来している場合の治療法は手術になります。
手術は局所麻酔で行うことがほとんどであり頭皮を4cm程度切り、頭蓋骨に100玉程度の穴を空けます。
脳の外側にある硬膜という膜を切開し、チューブを挿入して血腫を吸い出して水で洗浄して傷を縫って終わります。
手術時間は30分-1時間程度で、挿入したチューブは1日置いといて翌日に頭部CTで血腫再発がないことを確認してから抜きます。
経過が順調であれば1週間程度で退院可能となります。
また稀に石灰化した血腫や難治性の場合は全身麻酔下で開頭手術になる場合もあります。
慢性硬膜下血腫の再発と後遺症について
手術後の再発率は約10%
手術後に症状が良くなっても再発する方がおられ、約10%程度と言われています。
再発した場合も血腫が少なく無症状であれば薬による治療で治ることもありますが、再度症状を来す場合には再手術が必要になります。
多くは前回治療した場所と同様の傷、頭蓋骨の穴を用いて行うことができます。
早期発見と適切な治療で症状は良くなる
慢性硬膜下血腫によって起こっている症状は適切な治療を行い血腫が無くなれば良くなることがほとんどです。
早い方であれば手術直後に麻痺や失語、頭痛症状が良くなる方もおられます。
血腫による麻痺や歩行障害などの症状は血腫が無くなれば良くなりますが、発見が遅れれば廃用による筋力低下や身体機能低下によって以前のような状態に戻ることが難しくなる方もいます。
治る病気と言われますが意外と半年~1年後の良好な経過をたどる方は70%程度になります。
さらに血腫が非常に増えた場合は意識障害を来し命に危険が及ぶこともまれにありますので、気になる症状があれば早めに相談してください。
頭を打って頭痛が続く、ふらつきがある人はCT検査を
頭をぶつけたけどその時はなんともなかった、検査したけど異常がなかった方でしばらくして最近頭痛が続いている、歩くときにふらつく、しゃべりにくいといった症状が出てきた方は一度頭部CT検査を受けられることをおすすめします。
また高齢の方は血液をさらさらにする薬を内服されている方も多いので、頭部をぶつけた覚えがないといった程度の軽微な打撲でも起こることがあります。
気になる症状があれば一度頭部CT検査を受けることをおすすめします。
◆介護が必要になる原因で多いフレイル(高齢による衰弱)とはどんな状態なのか?
西春内科在宅クリニックができる対応
西春内科在宅クリニックにはCT機器を導入しており、常勤医にはレントゲンやCT画像の読影の専門家である放射線科専門医がおります。
頭部CT検査により慢性硬膜下血腫を含む治療が必要な病変が見つかった場合には、脳神経外科の診療が可能な病院をご紹介させていただきます。
まとめ
慢性硬膜下血腫は頭部打撲後にしばらくして発症する病気であり、頭痛やめまい、手足の麻痺、言語障害など様々な症状を来しますが、適切な治療をすれば症状が改善する病気です。
思い当たることがあり、ご心配な方はいつでも当院へご相談ください。
悪性腫瘍ってなに?がんも含まれる?それぞれの症状や種類、特徴について
悪性腫瘍は放置しておくと進行し命に関わる疾患です。もし悪性腫瘍を疑う場合は、医療機関での早期発見・早期治療が大切になってきます。
悪性腫瘍とは
医学的に腫瘍というのは、体の中にできた何かしらの細胞のかたまりのことです。そして、腫瘍には悪性腫瘍と良性腫瘍があります。
本来、人間の正常な細胞は体の中でバランスよく保たれています。例えばけがをしたとき、多少の傷跡は残るにしろ元通りになるように再生しますが、過剰に細胞が増殖していくことはありません。
しかし、何らかの原因でできた異常な細胞が、体の中で無秩序に増殖して細胞のかたまりを作ることがあります。これを腫瘍と呼びます。
その腫瘍の中でも、悪性腫瘍とは、増殖した細胞が周囲組織まで侵入し悪性影響を及ぼしたり(浸潤といいます)、体の中の他臓器に飛んで行って別の場所でも増殖する能力(転移といいます)を持つものを指します。
一方で良性腫瘍は、悪性腫瘍にみられるような浸潤や転移をせず、周囲組織を押しのけるようにしてゆっくりと増えます。
がんは悪性腫瘍に含まれるのか
「がん」は悪性腫瘍全体を指す
では“癌”と“がん”はどのように使い分けられているのでしょうか。ひらがなで書く“がん”は先ほど説明した悪性腫瘍とほぼ同義で使われます。漢字で書く“癌”は悪性腫瘍の中の上皮性腫瘍を指します。
がんは、大きく以下の3つに分類されます。
まず1つ目は上皮細胞から発生するがんです。これは皆さんが一般的にイメージするがんであると思います。例えば、肺がん・乳がん・胃がん・大腸がん・子宮がん・卵巣がんなどです。
2つ目は非上皮性細胞から発生するがんで、医学的には肉腫と呼ばれるものです。筋肉・線維・骨・脂肪・血管・神経など非上皮性細胞から発生した悪性腫瘍をさし、例えば骨肉腫・横紋筋肉腫・脂肪肉腫・血管肉腫などが挙げられます。
3つ目は血液のがんと呼ばれるものです。白血病・悪性リンパ腫・骨髄腫などが挙げられます。
胃にできる悪性腫瘍は胃癌だけかというと、そうではありません。胃癌も胃肉腫もあります。その理由は、胃がどのように構成されているかというところにあります。
実は胃壁は内側から外側へ向かって粘膜、粘膜下組織、筋肉(平滑筋)、漿膜下組織、漿膜と層構造をなしています。胃の一番内側にある粘膜から発生する悪性腫瘍を胃癌と呼び、粘膜以外から発生するものに胃肉腫やGISTというのがあります。
しかし、骨は非上皮性のみで上皮性成分がないため発生する悪性腫瘍は骨肉腫のみで、骨癌は存在しません。また、まれに1つの腫瘍の中に両者が混在する癌肉腫というものも発生します。
「癌」はその一部の上皮性腫瘍だけ
悪性腫瘍のうち、癌と呼ばれるのは上皮性腫瘍のみです。上皮とは、体の内側を覆う組織をさし、専門的には上皮には扁平上皮および腺上皮があります。
どの部位の悪性腫瘍を癌と呼ぶかは解剖学的な知識が必要になりますが、簡単に言うと消化管や気道などの内側から発生するものか、体の表面を構成するもの、臓器などをおおうものです。
肺癌、乳癌、胃癌、大腸癌、子宮癌、卵巣癌、舌癌、前立腺癌などが挙げられます。
悪性腫瘍の種類と主な症状
癌
癌の種類は多数ありますので、代表的なものを記載します。
大腸癌
大腸癌は、大腸(結腸・直腸)に発生する悪性腫瘍で、腺腫という良性のポリープががん化するものと、正常粘膜から直接発生するものがあります。
早期癌の段階ではほとんど自覚症状はなく、進行してから症状が出現します。代表的な症状としては血便がでる、下血する、便が細くなる、おなかが張るなどです。
早期癌の段階で発見するためには、健診や人間ドックを欠かさず便潜血検査を行うか、定期的な大腸内視鏡検査を行うことをお勧めします。
肺癌
肺癌は肺組織にできる悪性腫瘍です。発生する場所にもよりますが早期がんの段階では自覚症状が乏しいことが多く、進行してくると頑固な咳、胸痛、血痰、声枯れなどが出てきます。
肺癌は、喫煙や受動喫煙によって発症リスクが高まることが知られていますが、たばこに関係なく発症する肺がんもありますので注意が必要です。喫煙者は禁煙をすることが大事な予防策になり、胸部レントゲンや低線量CT撮影を行うことなどが早期発見につながります。
膵臓癌
膵組織(膵管や膵実質)にできる悪性腫瘍を指します。早期の段階ではほとんど自覚症状がなく、早期発見が極めて難しい癌としてしられています。
進行した際に現れる主な症状は、腹痛・背部痛・食欲不振で、皮膚や白目が黄色くなる黄疸なども出現します。突然糖尿病を発症したり、糖尿病患者さんの血糖のコントロールが急激に悪化するなどで気が付かれることもあります。
肉腫
骨の肉腫:体全体にできる肉腫のうち、骨にできる肉腫は全体の約25%を占めます。ただし骨の肉腫自体も非常に珍しく、日本全体でも患者数は年間500人~800人程度と報告されています。
骨にできる肉腫の中に、骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、骨巨細胞腫などが挙げられます。その中の骨肉腫は、10~20代の若年者の膝周囲や肩周囲に発生することが多いとされています。
主な症状は肉腫ができた部位の痛みですが、レントゲン検査で骨に変化があらわれるまで症状が出ないことも珍しくありません。
悪性リンパ腫
悪性リンパ腫は、血液細胞の白血球の中の、成熟したリンパ球ががん化したものです。癌化したリンパ細胞が、リンパ節内などで無秩序に増えていきます。
リンパ節メインに腫瘍が発生した場合は、首や腋、足の付け根などにしこりを触れることで気が付く場合もあります。また、腹腔内臓器に現れる変化では脾臓が腫れることが多く、おなかが張った感じがすることもあります。リンパ節以外にも、皮膚や消化管、肺、肝臓、脳など様々な臓器にリンパ腫ができることがあり、できた部位の臓器に特有な症状が出現するため、症状はさまざまです。その中でも、悪性リンパ腫に特徴的な症状として、長く続く微熱や、寝汗、体重減少などがあります。
白血病
白血病は誰しも聞いたことがある病名だと思いますが、実は急性白血病と慢性白血病に分かれ、またそれぞれのなかに細分化された病名があります。
急性白血病
その名の通り病状の進行経過が早く、放置すれば必ず命を落としてしまう病気です。
血液は骨髄の中にある造血幹細胞から赤血球、白血球、血小板などに分化成熟していきますが、急性白血病はその造血幹細胞から、成熟した細胞に分化する途中の段階で成熟が止まり、機能をほとんどもたない細胞が無秩序に増えてしまう病気です。
その結果、貧血になったり、白血球が減少し感染症にかかりやすくなったり、血小板の数が低下して出血が止まらなくなるという症状が起こります。
慢性白血病
慢性白血病は急性白血病と違い、細胞としての機能をもった細胞が無秩序に増えすぎてしまう病気です。慢性期という症状が緩やかに進む段階ではあまり自覚症状はなく、あっても軽い倦怠感や体重減少などです。
徐々に進行して移行期になると、貧血や持続的な発熱などがみられるようになります。
最終的には急性転化と呼ばれる時期になり、急性転化になると機能をもたない白血病細胞が際限なく増え続ける状態となり、急性白血病のような状態になります。
その結果、貧血、血が止まりにくく出血する、感染症に対する免疫力が落ちて高熱をだすなどの症状が見られます。
少しでも違和感を感じたらすぐに病院へ
がんは少しずつ大きくなる
悪性腫瘍は自覚症状がない間に発生し、徐々に進行しています。がんの種類によっても様々ですが、大腸がんを例にとって説明させていただきます。
大腸がんは若い人に少なく中高年から徐々に患者数が増えてきます。これからわかるよう、日々の生活習慣などが原因で年齢を増すごとに細胞DNAなどに障害が起きやすくなり、その結果癌化しやすくなると言われています。
また、早期がんが発生したとしても、気が付いていないだけで、症状が出現する進行がんになるまでには1年以上かかるとされています。
つまり、癌は突拍子もなくできることは少なく、少しずつ変化しながら発生してきます。がんは早期の段階で発見し治療するのと、進行がんになってから治療するのではその後の経過が大きく変わります。
早期発見、早期治療をするためにも、少しでも違和感があれば早めに医療機関を受診しましょう。
症状がなかなか治らない
悪性腫瘍の中には、全く症状がなかったり、見た目ではどこが異常なのか分からないことも多いです。
しかし、例えば、胃に腫瘍ができ徐々に進行してくるにつれて、食欲不振が続く、薬ではなかなか治らない腹痛や嘔吐が出現する、徐々に体重減少が進むなどの持続的な症状が認められます。
また腹痛などの症状がなくとも、最近少し元気がない、といったことが悪性腫瘍の症状である場合もあります。悪性腫瘍に伴う症状は、悪性腫瘍を治療しないかぎり治らないため、軽い症状だとしてもなかなか治らない症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。
出血しやすい
悪性腫瘍が発生した場合は、いろいろな症状とともに出血しやすくなります。いくつか例を挙げて説明させていただきます。咽頭・気管・肺などの呼吸器関連の臓器に悪性腫瘍ができ、症状が進行すると血が混じった痰がでることがあります。
悪性腫瘍から出た新鮮な赤色の出血が痰に交じってでてくる場合や、肺の中にたまった血が時間をおいてから黒色血痰となって出てくる場合もあります。
食道・胃・十二指腸など上部消化管に悪性腫瘍ができた場合も同様に、悪性腫瘍から出血吐血などとして出血しやすくなります。上部消化管の出血は、腫瘍から出血したものが胃にたまり、血液中の鉄分が胃酸により酸化されるため嘔吐・吐血した場合赤黒い色となります。出血量が多いときは黒色便として排泄されることもあります。
血液がんなどでは、血小板減少によって出血しやすくなることもあります。血小板は血液中の止血作用を有する細胞の一種です。
血液がんなどで血液中の血小板数が減少すると、容易に出血が起こりやすく血が止まりにくくなります。その主な症状としては、どこにぶつけたかも覚えていなけど青あざができる、指先に点状出血がみられる、鼻血や歯肉出血がでやすくなるなどです。
出血しやすい症状は、通常の疾患では起こり得ず、詳しく精査が必要です。気になることがあれば早めに医療機関を受診しましょう。
CT検査やMRI検査で早期発見につなげる
悪性腫瘍の早期発見には、CTやMRIのような検査はとても有用です。どちらの検査がより有用ということはなく、それぞれの検査の得意不得意があるため、どちらも適応が正しければとても有用な検査です。
CTとは「Computed Tomography(コンピューテッド・トモグラフィ/コンピュータ断層撮影)」の略で、X線を用いて人体の内部の正確な輪切り画像を作り出す機器です。体の周り360度方向から円周状にX線を照射し、集めた情報をコンピュータが映像化します。
近年は技術の進歩により被ばく量は少ないが解像度もとても高くなったため、小さい負担で小さい腫瘍も見つけることが可能になっています。レントゲンと並ぶ一般的な画像診断方法として、多くのクリニック・病院に普及しています。
CTの得意分野は、臓器の形態が崩れたときなどです。具体的には、胸部レントゲンでは判別できない早期肺癌の検出が可能であったり、肝臓や腎臓、膵臓などの実質臓器の腫瘍を見つけることが可能です。
しかし胃、大腸という管腔臓器の早期がんの発見は苦手で、これらの臓器の早期がんには内視鏡検査が適しています。MRIは「Magnetic Resonance Imaging(マグネティック・レゾナンス・イメージング/磁気共鳴画像診断)」の略で、磁力を使って得た体からの信号をとらえて映像化します。
CTの方が解像度は高いですが、CTでは見つけられない変化を描出できることも多く、被ばくの心配がないなどのメリットもあります。腹部や骨盤内の腫瘍のがんの検出度は高く、また脳梗塞や脳腫瘍といった脳疾患に対してはMRIの方が適しています。
悪性腫瘍が心配な人はCT検査をおすすめ
悪性腫瘍が心配な人がどのような対応ができるのかというと、予防と早期発見です。普段の食事・運動・ストレスなどの生活習慣を見直すことで予防をし、健診などを受けて早期発見をすることがとても大切です。
特に、自覚症状がない人は、がん検診などをする意欲がわかないかもしれません。ただ日本人の2人1人ががんになると言われている時代です。少しでも違和感や心配事があれば早めに医療機関を受診し、CT検査などの必要性を主治医と相談してください。
西春内科在宅クリニックができる対応
西春内科在宅クリニックにはCT機器を導入しており、常勤医にはレントゲンやCT画像の読影の専門家である放射線科専門医がおります。
頭部CT検査により悪性腫瘍を含む治療が必要な病変が見つかった場合には、脳神経外科の診療が可能な病院をご紹介させていただきます。
まとめ
悪性腫瘍に対して大切なのは、予防することと、早期発見・早期治療につなげることです。
普段から自分の体の状態を知っておくことが大切で、その時には身近なかかりつけ医は力強いパートナーになってくれます。少しでも心配事があれば早めに医療機関を受診し相談しましょう。
参考文献:
・国立がん研究センター
https://www.ncc.go.jp/jp/rcc/about/bone_sarcomas/index.html
・愛知県がんセンター
https://www.pref.aichi.jp/cancer-center/hosp/12knowledge/iroirona_gan/18akuseirinpa.html
・愛知県がんセンター
https://www.pref.aichi.jp/cancer-center/hosp/12knowledge/iroirona_gan/20hakketsu.html
監修医師:
外科専門医 Dr.梅村 将成
ビジネス渡航者(海外赴任者)向けの証明書発行を伴うPCR検査実施について
3月より新型コロナウイルスの水際対策が緩和され、観光を除く外国人の新規入国が再開されました。
今回の緩和で、渡航する方も増加することが予想されます。
当院では、海外渡航先当局より、新型コロナウイルス感染症PCR検査結果証明書の提出が求められる渡航者に対し、PCR検査(自費)の実施及び陰性証明書の発行を行っております
。
以下を参考にお電話(☎:0568-25-5080)にてご予約をお取りくださいませ。
【事前確認事項】
渡航国が求めている証明書の記載項目や所定書類有無などの条件は予め外務省、大使館のホームページ等で確認してください。
基本的には「標準様式(英語)」で海外渡航にご利用頂けます。しかし、中国など一部の国では特別の様式が必要となりますので、対応可能か当院まで一度ご相談ください。
※陰性証明書の様式は各国政府により予告なく変更される場合がございます。最新情報は必ずご自身でご確認ください。
【渡航可能な国(2022年4月時点)】
アメリカ、ハワイ、韓国、台湾、タイ、イギリス、ドバイ、インド、インドネシア、フランス、カナダ、イタリア、ドイツ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールなど
【対象者】
■無症状の方
■海外渡航者
■有効期限内のパスポートを有していること
【実施日】
当院の診察時間内
※PCR検査を受けるには3日前(72時間前)までの事前予約が必要です。
【検査方法】
■検査法:PCR検査(NEAR法)・抗原検査・抗体検査(IgG)
■採取方法:鼻咽頭ぬぐい液・唾液
【時間】
15分前後
【費用】
検査実施料(検査+証明書1通分含む)
■PCR検査(NEAR法):25,300円(税込)
■抗原検査:22,000円(税込)
■抗体検査(IgG):60,500円(税込)
【持ち物】
■写真付きの身分証明書(運転免許証・マイナンバーカード・パスポート・在留カードなど)
※写真付きの身分証明書がない場合は、保険証でも可
【予約方法】
ご予約はお電話からお願いいたします!
電話:0568-25-5080
※午前9時から午後6時30分まで
※予約は検査希望日の3日前(72時間前)までの受付となっています。
【参考サイト】
役立つ医療の最新情報発信しております。
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愛知県は「まん延防止等重点措置」が延長されました。
こんにちは!西春内科・在宅クリニックstaffです。
本日、愛知県含む18都道府県で3月21日までまん延防止条例の延長が決まりました。
ピークの6000人台からは減少傾向にあるものの高止まりの状態が続いており、愛知県のコロナ専用の病床使用率は62.7%となっています。(令和4年3月2日現在)
医療の逼迫状況はなお深刻な問題となっております。一刻も早く、コロナが落ち着くことを願うばかりです。
当院は、コロナ渦においてご不安な方々のお役に立てるよう、微力ながら尽力していく所存です。
①発熱外来のご案内
②無料PCR検査のご案内
③ワクチン接種のご案内
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東海テレビ「ニュースOne」で放送されました!
こんにちは!西春内科・在宅クリニックstaffです。
2022年2月24日(木)に東海テレビさんの「ニュースOne」で家来るドクター往診医の福井先生(西春内科・在宅クリニック)がインタビューを受けました!
ピークアウトが待たれる中、ステルスオミクロンの市中感染も拡がっております。引き続き、気を許すことなく感染対策を心がけましょう。
当院では発熱外来を行っております。抗原検査・PCR検査が可能です。コロナ感染がご心配な方はお気軽にご相談ください。
北名古屋市のいつでもいつまでも頼れるかかりつけの病院として今後とも西春内科・在宅クリニックをよろしくお願いいたします。
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