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無菌性髄膜炎とは?症状・原因・後遺症を詳しく解説

無菌性髄膜炎

みなさんは、無菌性髄膜炎という病気をご存じですか?

 

あまり聞いたことない方もいるかと思います。

 

今回は、無菌性髄膜炎の症状、原因、後遺症について詳しく解説します!



無菌性髄膜炎とは?


無菌性髄膜炎

 

無菌性髄膜炎とは、髄液中に細菌が検出されないにもかかわらず、髄膜の炎症を引き起こす疾患です。

 

髄膜とは、脳と脊髄を包む三層の膜(硬膜、くも膜、軟膜)のことで、これらの膜が炎症を起こすことを髄膜炎といいます。

 

無菌性髄膜炎は、感染症の一種である細菌性髄膜炎とは異なり、細菌感染が原因ではありません。

 

そのため「無菌性」と呼ばれています。

 

無菌性髄膜炎の原因


無菌性髄膜炎

ウイルス


無菌性髄膜炎の原因として、最も一般的なのはウイルス感染です。


ウイルス性髄膜炎は多くの場合、症状が比較的軽く自然に回復することが多いですが、特定のウイルスは重篤な症状を引き起こす可能性があります。

 

早期の診断と適切な対症療法が重要であり、症状が現れた場合は速やかに医療機関を受診することが推奨されます。

 

通常の細菌検査で検出されない細菌・真菌・寄生虫など

 

ウイルスの他に、通常の細菌検査で検出されにくい細菌、真菌、寄生虫が存在します。

 

これらの病原体は特別な検査や培養方法を必要とし、時には診断が困難な場合もあります。

 

適切な診断と治療を行うためには、患者の症状や旅行歴、免疫状態などを総合的に考慮することが重要です。

 

疑わしい症例がある場合は、専門医による診断と検査が必要となります。

 

非感染性疾患

 

無菌性髄膜炎は、感染性の要因だけでなく、非感染性の要因によっても引き起こされることがあります。

 

薬剤の副作用、自己免疫疾患、腫瘍、化学的・物理的要因などが主要な原因です。

 

症状は一般的な髄膜炎と同様ですが、原因の特定には詳細な病歴聴取と適切な検査が必要です。

 

非感染性の無菌性髄膜炎の場合、原因に応じた適切な治療が重要となります。




無菌性髄膜炎の症状


無菌性髄膜炎

 

発熱

 

無菌性髄膜炎の初期症状の一つに発熱があります。

 

体温は38度以上になることが多く、持続的な高熱が特徴です。

 

この発熱は、体が感染や炎症に対して反応していることを示しています。


頭痛

 

激しい頭痛は無菌性髄膜炎の主要な症状の一つです。

 

この頭痛は突然始まり、非常に強く、通常の頭痛薬では改善しにくいです。

 

頭痛は前頭部や後頭部に集中しますが、頭全体が痛むこともあります。


悪心・嘔吐


無菌性髄膜炎では、悪心(吐き気)や嘔吐も一般的な症状です。

 

これらの症状は、脳の炎症や圧力の変化により引き起こされることがあります。

 

食欲不振や脱水症状に繋がることもあるため、適切な水分補給が重要です。


項部硬直(こうぶこうちょく)


項部硬直は、髄膜炎の特徴的な症状の一つで、首の筋肉が硬直し前に曲げるのが困難になる状態のことをいいます。

 

これは、髄膜の炎症によって脳脊髄液の流れが阻害されることが原因です。


Kernig徴候(ケルニッヒちょうこう)


Kernig徴候は、膝を90度に曲げた状態で股関節を曲げると、膝が自然に伸びず、痛みを伴う症状です。

 

この徴候は、髄膜の炎症により腰椎の神経根が刺激されることで発生します。

 

Brudzinski徴候(ブルジンスキーちょうこう)


Brudzinski徴候は、首を前に曲げると、膝と股関節が自動的に曲がる症状です。

 

この反射的な動きは、髄膜の炎症によって引き起こされるもので、髄膜炎の診断において重要な指標となります。

 

無菌性髄膜炎の後遺症


無菌性髄膜炎

 

無菌性髄膜炎は多くの場合、適切な治療を受けることで後遺症なく回復することが期待されます。

 

しかし、重症例や特定の病原体による感染では、後遺症が残る可能性があります。

 

無菌性髄膜炎の後遺症として考えられるものを詳しく解説します!

 

髄膜脳炎

 

無菌性髄膜炎が進行すると、髄膜脳炎に発展することがあります。

 

髄膜脳炎は、髄膜と脳の両方に炎症が及ぶ状態であり、治療が遅れると神経機能に重大な影響を及ぼすことがあります。

 

髄膜脳炎による後遺症として挙げられるのは以下の3つです。

 

  • 持続的な頭痛
  • 注意力の低下
  • 記憶障害

 

ヘルペス脳炎

 

無菌性髄膜炎の原因がヘルペスウイルスの場合、重篤なヘルペス脳炎を引き起こすことがあります。

 

ヘルペス脳炎は迅速な治療が必要であり、適切な抗ウイルス薬を使用しないと、脳の損傷が進行する可能性があります。

 

ヘルペス脳炎の後遺症として考えられるのは以下の3つです。

 

  • 認知機能の低下
  • 痙攣発作
  • 運動機能の障害

 

精神発達遅滞

 

生後数か月の乳児が無菌性髄膜炎にかかると、精神発達遅滞のリスクがあります。

 

これは乳児期に脳が急速に発達しているため、感染や炎症が脳の発達に影響を及ぼすことがあるためです。

 

具体的に後遺症として見られるのは以下の3つです。

 

  • 言語発達の遅れ
  • 運動発達の遅れ
  • 学習障害




無菌性髄膜炎が治るまでの期間は?

 

無菌性髄膜炎

 

無菌性髄膜炎は、一般的に数日から2週間以内に回復することが多いですが、病原体の種類や患者の個々の状況によって異なる場合があります。

 

症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

 

予後は通常良好ですが、重篤な合併症が発生するリスクもあるため、早期の対応とフォローアップが求められます。

 

ロキソニンの使用が無菌性髄膜炎を引き起こすことがある?

 

ロキソニンを含むNSAIDsの使用は、稀に無菌性髄膜炎を引き起こす可能性があります。

 

特に自己免疫疾患を持つ患者や、過去にNSAIDsによる無菌性髄膜炎を経験した患者は注意が必要です。

 

症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

 

薬剤使用については、常に医師と相談し、安全な使用方法を確認することが推奨されます。

 

西春内科・在宅クリニックでできる対応

 

西春内科・在宅クリニックでは、血液検査などで無菌性髄膜炎の診断も出来ます。

 

通院が困難な無菌性髄膜炎の患者様に対して自宅での診療・治療が可能です。

 

患者様の状態に応じて、必要な場合には他の医療機関や専門家との連携を行います。

 

緊急時や症状の進行に対応するために、迅速な対応や適切な紹介先の提案をすることも可能です。




まとめ

 

無菌性髄膜炎は、迅速な診断と適切な治療が重要です。

 

症状が現れた場合は、医療機関を受診しましょう。

 

予後は一般的に良好ですが、重篤な合併症が発生することもあるため、早期の対応が求められます。

 

適切な治療と定期的なフォローアップにより、多くの患者様は後遺症なく回復します。

 

疑わしい症状がある場合は、早急に医師に相談することが大切です。

 

参考文献

東京都感染症情報センター

▶NIID国立感染症研究所

▶厚生労働省|無菌性髄膜炎

▶医學事始

咽頭結膜熱(プール熱)とは?アデノウイルスとの違いや症状を徹底解説

咽頭結膜熱

 

暑くなってくるこれからの季節、家族や友人とプールで遊ぶ機会が増えてくるのではないでしょうか。


そんなプールを楽しんだ後に喉が痛くなったり、目が赤くなったりした経験はありませんか?


実はそれ、「咽頭結膜熱(プール熱)」かもしれません。


今回は、この病気の概要や症状、アデノウイルスとの関係について詳しく解説します。





咽頭結膜熱(プール熱)とは?

 

咽頭結膜熱

 

咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)とは、アデノウイルスが原因で発症する感染症の一つです。


年間を通して感染の可能性がありますが、特に夏季に多く、プールでの感染も認められることから、一般的に「プール熱」とも呼ばれることがあります。


咽頭結膜熱は非常に感染力が強く、学校や幼稚園など集団生活を送る場で流行しやすい病気です。


特に、子供が発症すると家庭内での感染も避けられない場合があるので注意が必要です。


関連記事:咽頭結膜熱(プール熱)ってどんな病気?大人もかかる?流行性角結膜炎との違いも解説!

咽頭結膜熱(プール熱)とアデノウイルスの違い

 

咽頭結膜熱

 

先述した通り、咽頭結膜熱はアデノウイルスが原因で発症するため、実質的に両者に違いはありません。


しかしアデノウイルスは多種多様な型が存在し、それぞれ異なる症状を引き起こします。


その中でも、咽頭結膜熱は、特定のアデノウイルス型(主に3型)が咽頭の痛みと結膜炎を同時に引き起こす場合に用いられる病名です。





咽頭結膜熱(プール熱)の症状

 

咽頭結膜熱

 

咽頭結膜熱の代表的な症状に、結膜炎があります。


結膜炎とは、目の結膜(白目)に炎症が起き、涙や目やに、かゆみといった症状が出る病気です。


咽頭結膜熱では他にも、インフルエンザやコロナウイルスといった感染症同様、発熱、咽頭炎、倦怠感、リンパの腫れなどの症状も見られます。


  • 結膜炎
  • 咽頭炎
  • 発熱
  • リンパ節の腫れ
  • 腹痛や下痢
  • 全身倦怠感

関連記事:アデノウイルスの症状とは?潜伏期間や感染経路について解説

咽頭結膜熱(プール熱)の潜伏期間は?

 

咽頭結膜熱

 

咽頭結膜熱の潜伏期間は、個人差がありますが一般に2~14日程と言われています。


また、3週間前後は他人への感染力が残っている状態なため、症状が治ったあとでも注意が必要です。


とはいえ、感染力が強いのは最初の数日のため、学校保健法では主症状がなくなってから2日間までが出席停止の期間となっています。





大人が咽頭結膜熱にかかると出勤停止になる?

 

咽頭結膜熱

 

咽頭結膜熱は子供に多い感染症ですが、子どもだけでなく大人も感染する可能性があります。


大人が感染した場合、出勤停止の明確な基準はないものの、学校保健法に準じて「主症状がなくなってから2日間の出勤停止」とする場合が多いです。


特に最初の数日間は他人に感染を広げるリスクが高いため、職場での感染拡大を防ぐために自宅で療養することが重要です。


症状が完全に消失するまでは、出勤を避けるのが望ましいです。


関連記事:子供に流行中のRSウィルス感染症とは?症状や保育園の登園はどうすればいい?

咽頭結膜熱で熱が出ないケースも?

 

咽頭結膜熱

 

咽頭結膜熱は、ほとんどの場合発熱症状が見られますが、稀に熱が出ないケースがあります。


しかし、結膜炎やのどの痛みといった症状を発症した場合は、熱がなくても咽頭結膜熱が疑われます。


このような場合は、早めに病院を受診して正しい診断を受けましょう。





西春内科・在宅クリニックでできる対応

 

西春内科・在宅クリニックでは、咽頭結膜熱の原因ウイルスであるアデノウイルスの検査が出来ます。


専門的な診断と適切な治療を提供し、感染の拡大を防ぐためのアドバイスも行っています。


咽頭結膜熱でなくとも、他の感染症が隠れている場合もあります。


何か調子が悪いと思ったら一度ご相談ください。





まとめ

 

咽頭結膜熱(プール熱)は、アデノウイルスによって引き起こされる感染症で、特に夏季に子供を中心に流行します。


命に関わるような事例はほとんどありませんが、感染力が強いため、集団生活を送る場では他の人に移してしまう可能性があります。


大人も感染する可能性があるため、体調に異変を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。

 

参考文献

大人が溶連菌感染症になる原因は?合併症や治療方法を解説

溶連菌

 

溶連菌感染症は、一般的には子どもがかかりやすい病気として知られていますが、大人の方でかかっている方も増えています。

 

今回は、大人が溶連菌感染症になる原因や合併症、治療方法などについて詳しく解説します!

大人の溶連菌感染症とは?

 

溶連菌

 

溶連菌感染症とは、正式にはA群溶血性レンサ球菌咽頭炎の略でA群レンサ球菌によって引き起こされる細菌感染症です。

 

子どもに多く見られますが、大人も感染することがあります。

 

主な症状として以下などがあります。

 

  • 発熱(38℃以上)
  • のどの痛み、発疹
  • 口の中に白い部分が見られる、扁桃腺が腫れる
  • 舌に赤い発疹(いちご舌)

 

風邪と異なり、咳や鼻水の症状があまり出ないのが特徴です。

 

関連記事:大人が溶連菌にかかるときつい?気づかず放置は危険?

 

大人が溶連菌感染症になる原因

 

溶連菌

 

溶連菌感染症の主な感染経路は3つあります。

 

感染経路

説明

飛沫感染

感染者のくしゃみや咳などが他の人の粘膜に付着することで感染する

接触感染

感染者の体液や排泄物などに触れた後その手で口や鼻、目を触れることで感染する

経口感染

汚染された食品や水を摂取することで病原体が体内に入り込み感染する

 

特に子どもと接触する機会が多い大人は感染リスクが高まります。

 

また、ストレスや疲労、睡眠不足などで免疫力が低下している場合は、通常よりも感染しやすいため注意が必要です。




子どもの症状との違い

 

溶連菌

 

溶連菌感染症の症状は、大人と子供で大きな差はありません。

 

しかし、症状は同じでも大人の方が重い傾向にあります。

 

そして大人の方は共通の症状に加え、頭痛が出ることが多いです。


関連記事:【喉の痛みや熱】子供が溶連菌感染症になったときはどうする?学校や保育園は休むべき?

 

溶連菌感染症の合併症

 

溶連菌

 

リウマチ熱

 

リウマチ熱は、溶連菌感染症で治療を行わなかった場合に出てくる全身の合併症の1つで、心臓、関節、皮膚、神経系に影響を及ぼします。

 

特に心臓に炎症が起こると、心臓弁が侵され後遺症が残る可能性もあり、いかに早く治療するかが重要です。

 

急性糸球体腎炎

 

急性糸球体腎炎は、腎臓の糸球体に炎症が起こる状態のことです。

 

糸球体とは血液をろ過して尿を作る役割を持つ毛細血管の塊です。

 

多くの場合10〜14日ほど経ってから発症し、時間の経過とともに自然に改善していきます。

 

主な症状は、顔やまぶた、足のむくみ、血尿、高血圧などがあります。

 

結節性紅斑

 

結節性紅斑は、主にスネに痛みを伴う赤い皮疹の症状が現れます。

 

治癒に数週間という長い時間がかかることや慢性型に移行することがあるので、注意が必要な疾患です。

 

劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)

 

劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)は、「人食いバクテリア」の名称として知られており、溶連菌と同じ細菌です。

 

非常に重篤な感染症で、急速に低血圧や複数の臓器が機能不全に陥り、死に至る可能性があります。




溶連菌感染症の検査方法

 

溶連菌

 

溶連菌感染症の検査には、血液やのどの奥の粘膜を長い綿棒で採取する迅速抗原検査や培養検査が行われます。

 

また、重症化している場合は合併症の有無を確認するために、心臓や尿などの検査を行なう必要があります。

 

皮膚感染した場合は、2週間以上経過して急性糸球体腎炎を発症することもあるので医療機関を受診しましょう。


関連記事:家族内での感染を防ぐために|ウイルスや病原菌から家族を守る

 

溶連菌感染症の治療方法と注意点

 

溶連菌

 

治療方法

 

溶連菌感染症の治療には、主に抗生物質(ペニシリン系やセフェム系など)が使用されます。

 

発熱している状態というのは菌に対する身体の防御反応なので、体力的に問題なければ解熱剤を使用せず自然に熱を下げる方が早く治ります。

 

注意点

 

抗生物質治療を受ける際には医師の指示に従い、処方された薬を全て飲み切ることが重要です。

 

途中で服用を中止すると、細菌が完全に排除されず、再発や耐性菌の出現を招く可能性があります。

 

抗生物質の副作用で腸内細菌の働きが弱くなり下痢などの症状が出る場合があるため、整腸剤の処方について医師に相談してみてください。

 

また、感染を防ぐために、手洗いやマスクの着用などの基本的な感染対策を徹底しましょう。




西春内科・在宅クリニックでできる対応

 

西春内科在宅クリニックでは、溶連菌感染症に対する包括的な対応を提供しています。

 

当院では、溶連菌感染症に対する迅速抗原検査を実施し、感染しているかどうか確認することが可能です。

 

患者様の状態に合わせた抗生物質や解熱薬などの処方を行います。




まとめ

 

大人も溶連菌感染症にかかる可能性があり、特に子どもと接触する機会が多い場合には注意が必要です。

 

早期の診断と適切な治療により、合併症の予防が可能です。

 

感染予防のために基本的な対策を徹底し、症状が現れた場合には速やかに医療機関を受診しましょう。

 

参考文献

・医療法人博侑会吉岡医院「大人の溶連菌感染症について」
・土浦協同病院「溶連菌感染症について」
・藤井寺の内科・小児科しかたクリニック「溶連菌」

40代からでもなる若年性認知症とは?なりやすい人や原因、症状について

認知症は高齢者だけが発症する病気ではありません。

 

認知症は、一般的には高齢者に多い病気ですが、65歳未満で発症した場合には、「若年性認知症」と呼ばれます。

 

若年性認知症の場合は、働き盛りの世代で発症するため、ご本人のみならずご家族の生活への影響が大きくなる特徴があります。

 

病気のために仕事に支障が出て、経済的に困難な状況に陥るなど、教育、就職、結婚などの人生設計が変化することも少なくありません。

 

若年性認知症は社会的にも大きな課題を抱える疾患ですが、一般的にまだまだ認識が不足している疾患のひとつです。

 

今回は、高齢者だけではなく、若年層からでも罹患する可能性がある若年性認知症とは何歳から発症してどのような病気を呈するのか、その症状や原因などについても解説していきます。

 


若年性認知症とはなにか?

 

若年性認知症とは、従来から言われてきた40歳から64歳に発症した初老期認知症に18歳から39歳までに発症した若年期認知症を加えた認知症の総称です1)。

 

2017年度から2019年度に実施した日本医療研究開発機構の認知症研究開発事業によって実施した若年性認知症の調査によれば、わが国の若年性認知症の有病率は18歳~64歳人口10万人当たりで約50人、若年性認知症者の総数はおよそ3.6万人と推計されました2)。

 

20代の年齢からでも発症する可能性がある若年性認知症は、高齢者の認知症と類似点も多いですが、異なる特徴もいくつかあります。

 

例えば、以下のような様々な問題が顕在化します。

 

  • 発症年齢が若い
  • 異常に気付きにくく受診が遅れる傾向がある
  • 初発症状が認知症特有のものとは限らないので診断しにくい
  • 就労中に発症することが多くて経済的問題が大きい
  • 車運転が中断される

 
>>アルツハイマーと認知症の違いは?原因や初期症状、なりやすい人の特徴について

若年性認知症の原因 

 

認知症というのは、一つの病名ではありません。それは若年性認知症であっても変わりません。

 

認知症を起こす病気はさまざまですが、多くの場合は脳の病気であり進行性を有する疾患となります。

 

国の調査ではアルツハイマー型認知症が最も罹患率が多くて、次いで血管性認知症、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症による認知症が続きます。

 

では、一つずつ詳しく説明していきましょう。

 

アルツハイマー病

 

アルツハイマー病とは脳の神経細胞が徐々に減って、正常に働かずに機能しなくなるタイプの認知症です。

 

脳内に「タウ蛋白」という異常物質が沈着して、「老人斑」が形成されることに伴って、神経細胞に異常をきたすことで脳細胞が破壊され萎縮していきます。

 

主に、加齢、女性、糖尿病などが本疾患の危険因子として挙げられます。

 

もの忘れ、短気になる、置き忘れやしまい忘れ、趣味などに関心がなくなる、時間や場所の感覚が衰える、片付けが苦手になるなどの症状が挙げられます。

レビー小体認知症

 

レビー小体認知症とは脳内部に、「α-シヌクレイン」というたんぱくが変化して凝集してできる「レビー小体」という異常物質が蓄積されて発症するタイプの認知症です。

 

一般的に、幻視、緩慢な動作、手足の震えなどのパーキンソン症状、軽度のもの忘れ、1日の中で症状が変動する(日内変動がある)などの特徴が挙げられます。

 

前頭側頭型認知症

 

前頭側頭型認知症とは脳の前方部分(前頭葉や側頭葉)が萎縮することによって引き起こされます。

 

通常では、45~65歳の人に発症しやすいと言われています。

 

人格の変化や非常識な行動が目立つ、失語、共感・感情移入ができない、食事の好みが変化、社会性の低下、同じ言動を繰り返すなどの症状が代表的です。

 

脳血管性認知症

 

脳血管性認知症とは、脳卒中(脳梗塞や脳出血)などに引き続いて起こるタイプの認知症です。

 

障害された血管の場所によって症状が異なります。

 

計算力や理解力・記憶力などの障害、運動まひ、歩行障害、排尿障害、のみ下すことに支障がある、感情のコントロールが難しくなる、抑うつ症状などを引き起こします。

 
>>認知症かな?と思った方は認知症外来・もの忘れ外来へ

若年性認知症の症状

 

若年性認知症における症状などは高齢者の認知症と大きく変わらないと言われています。

 

しかし、高齢者認知症と違って老化現象がない分、認知症の症状が目立ちやすく周囲の人々が症状変化や進行を判断しやすいという特徴があります。

 

特徴の第一は発症年齢が若いことで、まさに働き盛りに発症することになり、自然と仕事に関することを始めとして社会生活のさまざまな場面で課題が生じます。

 

もの忘れにより仕事でミスをする、あるいは家事が下手になると、本人や家族は「いつもの自分とは様子が異なる」、「どうも普段と調子が違っておかしい」ことに気がつきますが、これらの症状の背景に“認知症”が存在するとは思いつかず、受診が遅れる場合があります。

 

認知症のなかでも特に多いタイプとされているアルツハイマー型認知症の場合には、「もの忘れ」といった記憶障害に続いて、「見当識障害」も起こしやすいと指摘されています3)。

 

記憶障害とは、主に自分が実際に体験した過去の出来事などに関する記憶が抜け落ちる認知症の障害(中核症状)  のひとつと認識されています。

 

見当識障害とは時間や場所、人の判断がつかなくなっていく状態です。引っ越しや入院、子供との同居など環境が変わった時にとりわけ強く現れます。

 

本人が自覚を有する物忘れとは異なって、自覚がないために日常生活に重大な支障が出現します。

 

また、レビー小体型認知症の際にも、「もの忘れ」といった記憶障害よりむしろ「見当識障害」が前面に目立つことが往々にしてあります。

 

認知症は、本人はもちろんのこと、家族や周囲に大きな負担をもたらします。

 

一般的に、認知症に関する介護の平均期間は6~7年程度と言われていますが、認知症の経過には個人差があるために一概に寿命は何年とは言い切れません。

 

自分の人生において、「最期はどうなるのか」より「最期はどうしたいか」を深く考えることが重要です。

 

漠然と日常的に恐れるより、「最期はこう迎えたい」と理想を描くことが、認知症を抱えている一人一人の残りの人生の生活の質を高める観点からも必要なことと考えられます。

>>認知症における顔つきが変わる理由と初期症状や代表的な種類

若年性認知症になりやすい人の特徴

 

若年性認知症になりやすい人の性格の代表例として、「協調性がない」ことが挙げられます。

 

協調性が乏しい場合、他人とのコミュニケーションが少なくなって脳が活性化する機会を失って認知症に罹患しやすいと考えられます。

 

また、短気で怒りっぽい方も、他人との円滑なコミュニケーションが取れないことが多く孤立する傾向になるために、認知症になりやすいと想定されます。

 

さらに、普段からあらゆる物事に対してネガティブ思考になりやすく、小さなことや細かい事項をくよくよ気にする性格の人は、ストレスを感じやすくうつ病を発症して他人との交流が少なくなることで脳刺激が減少して、若年性認知症の発症リスクが上昇します。

 

また、自尊心が高くて他人との交流を避ける方は、どうしても他人と接触する機会が減る分、脳の働きは鈍化して若年性認知症になりやすいと指摘されています。

>>認知症が一気に進む原因や知っておきたい予防と対策について

物忘れ外来での若年性認知症の検査と治療について 

 

検査方法

 

若年性認知症の診断は、高齢者の認知症と同様に、ある程度定められたチェック手順によって総合的に実施されます。

 

  1. 問診…本人、家族から発症までの経過を聴取します。
  2.  神経心理検査…MMSE(ミニメンタルステート検査)、長谷川式認知症スケール(HDS-R)などの検査ツールを用いて認知機能を評価します。
  3.  脳に関する画像診断検査…脳に萎縮の有無があるかどうかを調べるMRIやCT、PET検査などを行います。
  4.  一般的な身体検査…必要に応じて血液検査や心電図検査、感染症検査、レントゲン撮影などを実施します。

 

若年性認知症の治療法

 

認知症の一部症状については早期診断によって改善を期待できる場合があり、治療法の研究や新薬の開発が進行しています。

 

しかし、残念ながら現時点では若年性認知症のほとんどにおいて根本的な治療法は確立されていません。

 

実際には、薬物療法やリハビリ療法、生活習慣の改善、周囲の環境調整などの方法を組み合わせて、症状進行を遅らせる、あるいは症状を軽減させる治療が実践されています。

 

アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症では、中核症状である認知機能障害などに対して症状を緩和させる薬がありますし、理学療法や作業療法のリハビリテーション療法によって、行動心理症状を改善させる一定の効果が期待できます。

 
日常でできる予防法

 

若年性認知症を予防するには、食事や運動、喫煙などの生活習慣を見直すことが重要です。

 

規則正しい生活を送ること以外にも、日常的に脳を活性化させることを目標としましょう。

 

例を挙げると、定期的に旅行に出かける、信頼できる友人との食事会などに参加するなど、日常生活の中に、心がわくわくするようなイベントを積極的に取り入れて他人とコミュニケーションを確保することで脳が活性化されて若年性認知症の予防に繋がります。

 

もし自分・身内が若年性認知症になってしまったら

 

万が一、自分や身内の家族に認知症の疑い症状を認めた際には、まずは病院など医療機関で専門医に相談しましょう。

 

認知症に症状が類似している他の病気が隠れている可能性も検討されますし、適切な治療や介護を受けるためにも、どの種類の認知症かを診断してもらうことは重要です。

 

認知症を抱えた方にとっては、その事実と共存しながら安心して生活できる環境を整備することが重要なポイントとなります。

 

具体的には、

 

  • 家族として本人を責めない
  • 認知症に関して正しい知識を身につける

 

などの適切な心構えや患者本人との関わり方を認識する必要があります。

 

周辺の人々を困らせる認知症の症状ばかりに目を向けるのではなく、認知症を患った本人の変わらない部分の本質をしっかりと観察して、あらゆる状況に応じた必要な手助けを多様な場面で予防的に実践することが重要です。

 

例えば、

規則正しい生活を過ごすために1日のスケジュールをメモ書きにする

予定している時間を効果的に本人に知らせるために、スマートフォンのカレンダー機能やデジタル時計を活用する

など工夫しましょう。

 

また、自分や身内が若年性認知症に罹患した場合には、国などの経済支援の制度も活用できますし、行政や民間のサポート制度を積極的に利用して施設介護体制を整えることによって介護の負担を単独で負わないことが重要な観点です。

 

西春内科在宅クリニックができる対応

 

若年性認知症は、早期発見により様々な対応策を講じることが出来る病気です。

 

日常生活における些細な変化を出来る限り見逃さずに、心配事や不安点などがあれば専門の医療機関で主治医に気になる症状や状態を具体的に説明して相談を受けましょう。

 

西春内科・在宅クリニックでは、常勤の内科医師の診察により、若年性認知症の診断、治療をサポートすることが出来ます。


もの忘れ外来 

まとめ

 

一般的に言われる「認知症」とは高齢者の認知症のことを指すことが多く、特65歳未満で発症する認知症を「若年性認知症」と呼びます。

 

認知症は、何らかの脳病変によって認知機能が低下することによって社会生活や日常生活に支障をきたした状態であると考えられています3)。

 

認知機能とは、近時記憶・遠隔記憶などを含む記憶、時間・場所に関する見当識、判断力と問題解決力、地域社会における活動能力、金銭管理を始めとする家庭生活力、および学習実行機能などを意味しています。

 

認知症の始まりではないかと疑われる言動を認めた際には、最寄りの認知症外来など医療機関を受診して相談しましょう。

 

今回の記事の情報が少しでも参考になれば幸いです。

 

 参考文献

 

1)  健康長寿ネットHP

2)  東京都健康長寿医療センター研究所 プレスリリース「わが国の若年性認知症の有病率と有病者数」 

3)  エイザイ相談e-65.net HP

ヘルパンギーナとは?症状や感染経路について徹底解説

関連記事:家族内での感染を防ぐために|ウイルスや病原菌から家族を守る

ヘルパンギーナ


ヘルパンギーナは「三大夏風邪」の一つに数えられる感染症です。

 

お子様が突然高熱になり喉の奥には小さい水ぶくれが、なんてことありませんか?

 

幼稚園や保育園から注意喚起があったりした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

そこで今回はヘルパンギーナについて詳しい症状や感染経路、その予防法についてお話ししていきます。




ヘルパンギーナとは

 

ヘルパンギーナ

 

39℃の発熱と口内に水疱性の発疹が出来るのが特徴的なウイルス性咽頭炎です。

 

大多数はエンテロウイルス属に属するウイルスで、主にコクサッキーウイルスA群が原因です。

 

毎年5月から流行し始め、6〜7月がピークとなります。

 

感染するのは4歳以下がほとんどで、1歳が特に多です。

 

そのため、子供が夏に感染する風邪として広く知られています。

 

重症化することは少ないですが、熱性けいれんなどを併発することもあります。


関連記事:夏休みに多い病気や怪我とは|病院に行く目安も解説

ヘルパンギーナの症状

 

ヘルパンギーナ

 

発熱

 

ヘルパンギーナの発熱は突然起こり、39〜40℃の高熱が出ます。

 

中には熱性けいれんを起こす方もいるので注意が必です。


喉の痛み

 

発熱に続き喉が赤く炎症し、強い痛みや腫れが出てきます。

 

唾液を飲み込むことが困難になったり、よだれが多くなることで嘔吐することもあります。

 

喉の痛みにより水分が摂れなくて脱水症状になる危険性があるので注意が必要です。

 

口内の水疱

 

上あご、喉の奥に直径1〜2mm程の水疱性の発疹、いわゆる水ぶくれが出てきます。

 

やがて水ぶくれが破れて、えぐれたような傷になり、痛みを伴います。

 

同じ夏風邪と知られる手足口病との違いはこの水疱が口内だけに発生し、手や足に広がらないことです。

 

オレンジジュースなどの刺激のある飲み物を避け、冷たい麦茶などがおススメです。

 

食欲不振

 

高熱による倦怠感、喉の痛みや口内の痛みにより食事や水分摂取が思うように出来なくなります。

 

特に注意すべきは水分が摂れないことによる脱水症状です。




ヘルパンギーナはうつる?潜伏期間は?

 

ヘルパンギーナ

 

ヘルパンギーナは人から人へ移る感染症で、幼稚園や保育園で集団感染する例もあります。

 

感染はしていても症状が現れない潜伏期間は2〜4日程度で、その後発熱や喉の痛みの症状が出てきます。

 

症状が出始めた時期を「急性期」と言い、その時期が一番感染力が強いです。

 

また、感染から4週間後程度はウイルスが便から排出されます。

 

そのため看病している方が便を介して感染する、といった事になるのでマスクや手洗いうがいを忘れずに行いましょう。


関連記事:ヘルパンギーナとは?症状や潜伏期間について徹底解説

ヘルパンギーナの感染経路

 

ヘルパンギーナ

 

ヘルパンギーナにはワクチンが無いため、どのような感染経路があるのかを知り、それに対して予防を行うことが大切です。

 

飛沫感染

 

感染者の会話や咳、くしゃみの飛沫の中にウイルスが潜んでいます。

 

その飛沫が口や鼻などから体内に入ってくることで感染します。

 

双方マスクを着用する、換気を行うなどの対処が必要です。

 

接触感染

 

感染者が触れてウイルスが付着したドアノブやタオルなどに触って、そのまま飲食をしたり、目をこすることで感染します。

 

アルコールは効きにくいので、帰宅後や食事前には必ず手洗いうがいを行うことが大切です。

 

他にも手洗いのタオルを別にしたり、塩素系の消毒剤が有効なのでそちらを利用しましょう。


経口感染

 

ウイルスが付着している食べ物を食べたり、便を処理するときに間接的に口に侵入して感染することを指します。

 

便を処理するときはマスクをしたり、処理した後は手を必ず洗いましょう。




ヘルパンギーナは子どもの病気?大人がかかるとどうなる?

 

ヘルパンギーナ

 

ヘルパンギーナは子供だけでなく、大人も感染することがあります。

 

大人が感染した場合でも基本的な症状は子供とあまり変わりません。

 

ですが喉の痛みは非常に強いことが多いです。

 

また、水ぶくれも最大5mmほどになったり、リンパ節が腫れたりといった症状が出ます。

 

他にも免疫不全や基礎疾患のある方は重症化するリスクがあるので注意が必要です。


関連記事:家族内での感染を防ぐために|ウイルスや病原菌から家族を守る

ヘルパンギーナは何日で治る?

 

ヘルパンギーナ

 

抗ウイルス薬は無い為、症状に合わせた薬を使用する対症療法を行います。

 

通常は症状が出てから2~4日ほどで解熱、症状が軽快していきます。

 

しかし喉の痛みなどで飲食、水分補給が困難な場合は点滴が必要となり、回復するのに1週間以上かかる事もあります。

 

水分摂取を心掛け、安静にすることが一番大切です。




ヘルパンギーナに感染したら保育園は何日休む?

 

ヘルパンギーナ

 

ヘルパンギーナは明確に何日間休みといった決まりはありません。

 

ただ、学校保健法で「発熱や喉頭・口腔の水疱・潰瘍を伴う急性期は出席停止、治癒期は全身症状が改善すれば登校可能」と規定されています。

 

熱が下がり、喉の痛みや水疱が消えている、本人に元気がある状態を目安にしてみてください。

 

しかし、学校や保育園によっては出席停止期間を設けているところもあるので一度確認してみましょう。


関連記事:ヘルパンギーナの症状や溶連菌との見分け方・熱がない場合について

西春内科・在宅クリニックでできる対応

 

当クリニックでは、症状に合わせたお薬を処方いたします!

 

水分摂取が十分でなく脱水症状が見られるようであれば点滴も行えます。

 

ぜひお気軽にご相談くださいね。



まとめ

 

いかがでしたでしょうか?

 

重症化することは少ないヘルパンギーナですが、中には脱水症状や熱性けいれんを引き起こす感染症です。

 

ですが基本的な手洗いうがいをしっかり行うことで予防ができるので、ご家族皆様で行ってみてくださいね。

 

参考文献

ヘルパンギーナ(夏風邪) | 国立成育医療研究センター

大人のヘルパンギーナの特徴について【症状や喉の痛みの期間など】 | ひまわり医院(内科・皮膚科)

ヘルパンギーナの症状・原因・治療法を解説 大人がかかるとどうなるの?

アルツハイマーになりやすい人の特徴は?認知症との違いや原因、初期症状について

アルツハイマー型認知症は、認知症の中では最も多い疾患です。


アルツハイマー型認知症の特徴的な初期症状に「物忘れ」がある一方で、物忘れがあったからと言って、必ずしもアルツハイマー型認知症とは限りません。


偽性認知症といって、偽物の認知症が隠れていることがあります。


2022年6月時点の日本において、アルツハイマー型認知症を完治させるための有効な治療法はありません。


そう聞くと、発症してしまった時に、ショックを受けてしまうかもしれませんが、早期に適切な対策を行うことでアルツハイマー型認知症の発症を遅らせることも可能です。


また、物忘れの原因が、その他の体の病気によって引き起こされている可能性もありますし、一見認知症のように見えても、適切に治療することで改善する場合もあります。


今回は、最近物忘れが気になるという方のために「アルツハイマー型認知症」について詳しく紹介いたします。

 


アルツハイマー型認知症とは



日本における65歳以上の認知症の人の数は、約600万人(2020年現在)と推計され、
2025年には約700万人(高齢者の約5人に1人)が認知症になると予測されております。


アルツハイマー型認知症は、認知症の中で最も多く、脳の神経が変性(形が壊れて本来の働きができなくなること)し、その結果少しずつ脳が萎縮していく過程でおこる認知症です。


特に、海馬と呼ばれる記憶をつかさどる部分から萎縮が始まることが多いため、物忘れが有名な症状ですが、進行していく過程で様々な症状がみられます。

 

アルツハイマー型認知症になる原因


アルツハイマー型認知症は、
アミロイドβやタウタンパクというタンパク質が脳に異常に溜まることにより発症します。


脳に溜まったタンパク質が、脳神経の変性を引き起こすことで、脳のなかでも記憶に関わる海馬という器官から萎縮が始まり、徐々に脳全体に広がっていきます。


少し分かりにくいので、たとえ話をします。


脳の細胞1つ1つが家で、その中に人が住んでいたとします。人が毎日生活していれば、当然そこからゴミがでます。それが、上述したタンパク質です。


若いころはちゃんとゴミ捨てに行くため、ゴミが溜まることは無いのですが、高齢になるにつれてゴミ捨てをサボるようになります。


そうすると、少しずつゴミが溜まっていき、いつしか自宅はゴミ屋敷になってしまいます。自分が出したゴミが長年に渡って溜まりに溜まり、いよいよゴミに埋もれて家主が死んでしまった、特にこういった現象は記憶をつかさどる場所で起きやすい、これがアルツハイマー型認知症のイメージです。


つまり、アルツハイマー型認知症は、症状が出るずいぶん前から進行が開始しており、発症した時には、既にゴミ屋敷が完成してしまっているため、治療が困難という現状があります。


ちなみに、なぜ脳にたんぱく質が溜まってしまうのか(なぜゴミ出しをサボるようになるのか)は、現段階でははっきりとした原因は解明されていません。


現在、この溜まったゴミを処理できるような薬の開発が、世界各国で行われています。

 

アルツハイマー型認知症の初期症状について


アルツハイマー
型認知症の代表的な初期症状は、記憶障害、いわゆる「物忘れ」です。

 

昔のことはしっかりと覚えているのですが、新しい情報を記憶するのが困難になってきます。

 

そのため、何度も同じ話をしてしまったり、片付けたことを忘れて探し物をしていることが増えたりします。

 

正確には記憶の障害では無いのですが、見当識障害といって、初期では特に時間の感覚がなくなることがあります。

 

また、実行機能障害も気を付けなければならない症状です。

 

いつもは出来ていたことが出来なくなる、段取りが悪くなることを指します。

 

良く例に挙げられるのは、料理好きのお母さんの料理の味が変わった、調理に時間がかかるようになったなどです。

 

記憶障害や実行機能障害のことを、認知症の中核症状と呼びます。


中核症状は、脳の神経細胞の障害によって起こる認知機能障害です。


しかし、認知症では、その中核症状に加えて、環境要因や心理要因などが加わり、結果として様々な精神症状や行動障害が出現し、それをBPSD(Behavioral and psychological symptoms of dementia)と呼びます。


アルツハイマー型認知症の初期に見られるBPSDとしては、次の2つがあります。


アパシー(apathy)と呼ばれる、日常生活において、さまざまな場面で、やる気や関心が失われていく状態です。


周囲からは、無気力に感じられたり、だらしなくなったなどと言われることがあります。


はっきりと目に見えて現れるものではありません。そのため、周囲の人たちも症状の進行に気づくのが遅れてしまいがちです。


もう一つが、物取られ妄想です。短期の記憶が失われやすいために、自分で片づけたにも関わらず、片づけたことを忘れてしまうため、無くなってしまったと誤解してしまいます。


結果として、誰かに取られてしまったという妄想(明らかに間違った内容を信じてしまい、周囲が訂正しようとしても受け入れられない考え)に繋がっていきます。

 

アルツハイマー型認知症になりやすい人の特徴


厚生労働省の統計では、アルツハイマー型認知症の男女比は1:1.4と、やや女性が多くなっています。

しかし、日本における平均寿命は女性の方が長く、高齢になればなるほど認知症になりやすいことを考えると、この比率は正確では無いのかもしれません。

閉経後の女性ホルモンの低下が、アルツハイマー型認知症の誘因になるという考え方もあります。

また、生活習慣の観点からも、アルツハイマー型認知症の研究は進んでいます。高血圧、糖尿病、脂質代謝異常症・食生活・運動不足、アルコールなど、さまざま指摘があります。
 

アルツハイマー型認知症と遺伝の関係性


アルツハイマー型認知症の遺伝については、2つの側面があります。

家族間の遺伝の問題と、個人が持つ遺伝子の問題です。

まず、家族間の遺伝が関係するとされる
家族性アルツハイマー型認知症と、遺伝は関係しない孤発性アルツハイマー型認知症についてです。

アルツハイマー型認知症の約90%は、遺伝と関係のない孤発性アルツハイマー型認知症で、全体の約5%が遺伝と関係するアルツハイマー型認知症と言われています。

それとは別に、症状の出現をより高めてしまう性質を持つ遺伝子があり、それを感受性遺伝子と呼びます。

現在では、アルツハイマー型認知症の発症に関係する感受性遺伝子が多く見つかっていますが、その中でも特に関係性が深く、危険性が高いとされているのが、アポリポタンパクE4遺伝子(APOE4)です。

この遺伝子は日本人の約10~15%が保有しています。この感受性遺伝子があると
3~5倍アルツハイマー型認知症を発症しやすいとされています。

感受性遺伝子そのものが発症の原因になるわけではありません。感受性遺伝子を持っている人が、生活習慣やほかの病気などと複合的に関係して認知症の発症に至ります。

そのため、発症のリスクを高める1つの要因と考えるべきです。

>>認知症における顔つきの特徴と症状や種類について

アルツハイマーと認知症の違いは?




アルツハイマーと認知症は違うものと思われがちですが、先述した通り、
アルツハイマー型認知症とは認知症の中のひとつです。


アルツハイマー型認知症と加齢に伴う物忘れの違いは?


アルツハイマー
型認知症による記憶障害は、加齢による物忘れと異なり、体験を丸ごと忘れる点が特徴です。


例えば、昨日財布をどこにしまったかを忘れてしまったと言うのと、財布をしまったこと自体を忘れてしまうのでは、大きな違いがあります。


アルツハイマー型認知症でみられるのは後者です。


結果的に、財布が見当たらなくなってしまった状況に陥り、混乱した結果、「財布は誰かに盗まれたに違いない」と自分を納得させる理解をし、ものとられ妄想という症状が出現します。

>>認知症が一気に進む原因や知っておきたい予防と対策について

 

アルツハイマー患者の寿命について


アルツハイマー患者は、
発症してから約10年が平均余命とされますが、進行速度には個人差が大きく、あくまで平均であるというのが、実際に診療していての印象です。

 

また、実際には誤嚥性肺炎など、認知症に伴う合併症によって亡くなることもしばしばです。

 

アルツハイマー型認知症の診断基準


アルツハイマー型認知症の診断基準について見てみましょう。


詳細は下記の通りなのですが、注目してほしいのは、「特定の検査で引っかかったら」という項目は見当たりません。


アルツハイマー型認知症の検査はあくまで診断の補助であって、診断において最も重要なのは、「今までできていたこと(若いころには問題なくできたこと)が、明らかに出来なくなってきている」ということ、そしてそのために「日常生活に支障が出てきている」ということです。


 アルツハイマー型認知症の診断基準【ICD-10】


G1.以下の各項目を示す証拠が存在する.

(1)   記憶力の低下

新しい事象に関する著しい記憶力の減退.重症の例では過去に学習した情報の想起も障害され,記憶力の低下は客観的に確認されるべきである.

(2)   認知能力の低下

判断と思考に関する低下や情報処理全般の悪化であり,従来の遂行能力水準からの低下を確認する.


(1)(2)により、日常生活活動や遂行能力に支障をきたす.

 

 G2. 周囲に対する認識(すなわち,意識混濁がないこと)が, 基準 G1 の症状をはっきりと証明するのに十分な期間, 保たれていること.せん妄のエピソードが重なっている場合には認知症の診断は保留.

 

G3.次の 1 項目以上を認める.

(1)情緒易変性

(2)易刺激性

(3)無感情

(4)社会的行動の粗雑化

 

G4. 基準 G1 の症状が明らかに 6 か月以上存在していて確定診断される.

アルツハイマー型認知症の病院での検査


アルツハイマー型認知症の検査は、大きく分けて「
神経心理学的検査」と「画像検査」に分かれます。

神経心理学検査


「神経心理学検査」は、
簡単な質問や作業によって行われる検査です。

 

最も広く行われているのは、長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)ではないでしょうか。HDS-Rは、記憶を中心とした大まかな認知機能障害を調べる検査です。

 

日付や場所、単語の記憶や、単純な計算などを行います。

 

30点満点中20点以下だった場合、認知症の疑いが高いとされていますが、点数が悪くても、すぐに認知症と診断されるわけではありません。

 

その他にも、MMSEや時計描画テストなども、比較的行われることが多いです。

 

画像検査


「画像検査」では、
頭部CTや頭部MRIが多く実施されています。

 

両者とも、脳の形をみる検査になります。アルツハイマー型認知症によって脳が萎縮していきますが、その萎縮の仕方などを診断の補助としています。

 

また、これらの検査は、その他の病気によって、認知症のような状態になってしまった病気を発見するのに有用です。

 

代表的な疾患に、特発性正常圧水頭症慢性硬膜下血腫があります。

 

それぞれの病気についての詳細は割愛しますが、これらの病気は正しく治療することで回復する可能性があります。

アルツハイマー型認知症の病院で治療ついて


現在、日本で使用されているアルツハイマー型認知症の治療薬は、全部で
4種類あります。

 

2018年8月より、フランスでは、これらの薬の使用が保険適用外となりました。

 

有効性の面で、これらの薬の投与が、行動の障害やQOL(生活の質)、施設入所までの期間などに与える影響が十分に確立されていないと指摘しています。

 

簡潔に言えば、アルツハイマー型認知症に対して効果があったと十分に立証できていないのです。

 

さらに、安全性の面においても、色々な持病を持っていることが多い高齢者にとって、特に消化器や循環器などに対して、副作用のリスクがあると追記しています。

 

こうした有効性・安全性の評価を踏まえ、公的医療保険を適用するのは適切ではないという結論に至りました。

 

日本でも、もちろんこういった議論は継続しています。

 

日本神経学会のガイドラインでは、認知症の治療薬の処方を強く推奨していますが、奥村泰之氏(東京都医学総合研究所)など、推奨を弱めるか、強く推奨する年齢層を限定する必要があると提言している研究者もいます。

 

少し大雑把な説明になるかもしれませんが、現在使用されている抗認知症薬は、「効果があるかもしれないし、無いかもしれない」といったレベルの薬であり、副作用のことも考慮すると、使用は慎重に行うべきということです。

 

しかし、アルツハイマー型認知症に対する新薬開発は、世界中で行われています。


そして、2022年6月にアメリカにてアデュカヌマブ」が承認されました。


世界初の治療薬として期待される中、同月22日に日本での承認について審議が行われました。厚生労働省の専門部会は、現時点ではアルツハイマー病の治療薬として承認するべきではないと判断し、継続審議となりました。

 

日頃からできるアルツハイマー予防対策




アルツハイマー型認知症の予防に効果的な方法はいくつかありますが、
明らかに効果が実証されたものはありません。


しかし、実証されてないからと言って、効果がないということでもありません。


アルツハイマー型認知症は、糖尿病や高血圧、脂質代謝異常といった生活習慣病と深い関わりがあります。


そのため、生活習慣病を予防することが認知症の原因疾患及び認知症の予防に繋がるということです。


そのためには、適度な運動や、食生活の見直しなど、当たり前のようで実際には難しいことに、取り組んでいくことが大切になります。


特に筆者は糖尿病との関連について注目しています。


具体的には、糖尿病の方はそうでない方と比べると、アルツハイマー型認知症に約1.5倍なりやすいとの報告があります。


また、糖尿病のコントロールが悪い(糖尿病が未治療もしくは上手くいっていない)アルツハイマー型認知症患者さんは、抑制を欠いた言動が目立つなど、BPSDの症状が強くでる印象を持っています。


いずれにせよ、若いころから健康に留意し、病気があってもきちんと治療しておくことが、結果的にアルツハイマー型認知症の予防に繋がっていく可能性があるということです。

>>物忘れがひどくなる原因は?|認知症との違いや物忘れ対策について

 

家族がアルツハイマー患者になったときの向き合い方





家族がアルツハイマー型認知症になった時、どのように関われば良いのか、具体的に解説する前に、アルツハイマー型認知症になったらどんな風につらいのか想像してみましょう。


アルツハイマー型認知症では、今まで出来ていたこと、分かっていたことが、少しずつできなくなる、わからなくなっていきます。


例えば、みなさん友人と話しているのは、とても楽しい時間だと思いますが、もしその友人が急にドイツ語を交えるようになったらどうでしょう。友人はあなたがドイツ語を分かっているものと思って話しています。


そうすると、多くの人がわかったふりをしたり、とりつくろったりするのではないでしょうか。さらに進んで、ほとんどドイツ語で話しかけられたらどうでしょう。だんだんイライラしてきませんか?人間は、分からないという状況をとても不快に感じます。


この例え話は、やや正確性に欠けるので恐縮ですが、大雑把に言うと、こんなイメージで問題ないと思います。


家族の方は、特に自分のご両親であればなおさら、元気なころの印象が強く残っているため、「できる」「わかる」と言う前提で関わってしまいがちです。


しかし、認知症患者さんの中では、確実にできること、わかることが減っているのです。その立場になって接することで、関わり方は変わってくると思っています。


以下に、公益社団法人認知症の人と家族の会が提唱する「認知症」の人のために家族が出来る10ヵ条を掲載します。


アルツハイマー型認知症に特化したものでは無いですが、是非参考にしていただけたらと思います。

 

  • 見逃すな「あれ、何かおかしい?」は、大事なサイン。


認知症の始まりは、ちょっとしたもの忘れであることが多いもの。単なる老化現象とまぎらわしく、周囲の人にはわかりにくいものです。あれっ、もしかして?と気づくことができるのは、身近な家族だからこそです。

  • 早めに受診を。治る認知症もある。


認知症が疑われたら、まず専門医に受診すること。認知症に似た病気や、早く治療すれば治る認知症もあるのです。また、適切な治療や介護を受けるには、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症などをきちんと診断してもらうのは不可欠です。

  • 知は力。認知症の正しい知識を身につけよう。


アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症では、症状の出方や進行、対応が違います。特徴をよく知って、快適に生活できるよう、その後の家族の生活や介護計画づくりに役立てましょう。

  • 介護保険など、サービスを積極的に利用しよう。


介護保険など、サービスを利用するのは当然のこと。家族だけで認知症の人を介護することはできません。サービスは「家族の息抜き」だけでなく、本人がプロの介護を受けたり社会に接したりする大事な機会です。

  • サービスの質を見分ける目を持とう。


介護保険サービスは、利用者や家族が選択できるのが利点。質の高いサービスを選択する目が必要です。また、トラブルがあったときは、泣き寝入りせず、冷静に訴える姿勢を持ちましょう。

  • 経験者は知恵の宝庫。いつでも気軽に相談を。


介護経験者が培ってきた知識や経験は、社会資源の一つ。一人で抱え込まずに経験者に相談し、共感し合い、情報を交換することが、大きな支えとなります。

  • 今できることを知り、それを大切に。


知的機能が低下し、進行していくのが多くの認知症です。しかし、すべてが失われたわけではありません。失われた能力の回復を求めるより、残された能力を大切にしましょう。

  • 恥じず、隠さず、ネットワークを広げよう。


認知症の人の実態をオープンにすれば、どこかで理解者、協力者が手をあげてくれるはず。公的な相談機関や私的なつながり、地域社会、インターネットなどのさまざまな情報を上手に使い、介護家族の思いを訴えていきましょう。

  • 自分も大切に、介護以外の時間を持とう。


介護者にも自分の生活や生甲斐があるはず、「介護で自分の人生を犠牲にされた」と思わないように自分自身の時間を大切にしてください。介護者の気持ちの安定は、認知症の人にも伝わるのです。

  • 往年のその人らしい日々を。


認知症になっても、その人の人生が否定されるわけではありません。やがて来る人生の幕引きも考えながら、その人らしい生活を続けられるよう、家族で話し合いましょう。

出典元:「認知症」の人のために家族が出来る10ヵ条


西春内科在宅クリニックができる対応


西春クリニックでは認知症外来を行っております。

常勤の医師が、認知症の診療にあたり、CTなどの精密検査を行うことも可能です。



 

まとめ


2022年6月時点の日本において、
アルツハイマー型認知症を完治させるための有効な治療法はありません。


アメリカでの新薬を皮切りに、さらなる治療の進展が待たれます。


また、アルツハイマー型認知症は早期発見が回復のカギとなることもあります。


物忘れが気になったら、お気軽に当院または最寄りのクリニックへ相談する様にしましょう。

参考資料


認知症|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

アルツハイマー病と認知症支援 | 日本 | Alzheimer’s Association

種類別認知症の原因と症状 | 認知症ねっと (ninchisho.net)

【医師監修】認知症の検査方法とは?種類や診断の流れ・注意点まで詳しく解説|サービス付き高齢者向け住宅の学研ココファン (cocofump.co.jp)

エーザイ共同開発の世界初「アルツハイマー病治療薬」欧米で評価二分…日本での承認は<WBS>|テレ東プラス (tv-tokyo.co.jp)

認知症は遺伝する?原因やリスクを正しく理解しましょう。 | 健達ねっと (mcsg.co.jp)

もし、家族や自分が認知症になったら 知っておきたい認知症のキホン | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン (gov-online.go.jp)

物忘れがひどくなる原因は?|認知症との違いや物忘れ対策について



・ついさっき話したことを思い出せない

・同じ話を何度も繰り返す


など、年齢が上がるにつれ、物忘れやそれに伴った症状に悩まさせれる人は多いのではないでしょうか。


自分だけでなく、ご家族の物忘れに悩まされている人もいるかと思います。


そこで今回は、物忘れについて詳しく解説していきます。



物忘れがひどくなる原因

 



物忘れがひどくなる原因については様々です。


1つずつ詳しくみていきましょう。


加齢


物忘れの原因が、特に重い病気などではなく加齢による物忘れということもあります。


加齢による物忘れの特徴として、「うっかり」物忘れであることが挙げられます。


  1. 物忘れについて周りの人に指摘されたときに「そうだった!」と思い出せること
  2. 指摘されても怒ったりせず、受け入れることができること

こういった場合は加齢によるものの可能性が高いです。


他にも以下のような特徴がありますので、実際の症状と比べてみてください。

加齢による物忘れの他の特徴

  • 物忘れを指摘されても素直に受け入れて、怒ったり、隠したりしない
  • 自分が忘れっぽくなっていることを認識している
  • 家事や趣味など普段の生活で繰り返しおこなっていることはいつも通りにできる

 

認知症


物忘れの原因として、加齢以外で考えられる最も可能性が高いものは認知症です。


認知症は、脳の機能が低下することで記憶力だけでなく、計算ができなくなったり、家事ができなくなったりと様々な症状が出てきます。


また、それを本人が自覚できないことも特徴の一つです。

 

認知症による物忘れの特徴

  • 自分で物忘れを自覚できない
  • 人に指摘されると、取り繕ったり、隠したりしようとする
  • 怒りっぽくなる
  • 家事や趣味など普段の生活で繰り返しおこなっていることでも出来なくなる場合がある

  

   

その他の病気

  

物忘れは、加齢や認知症以外に、様々な脳の病気でおこる場合があります。


慢性硬膜下血腫、脳腫瘍、水頭症など原因となる病気はいくつかあります。


これらの病気にはそれぞれ特徴的な症状があったり、頭のCTやMRIなどの検査でわかることがあります。

慢性硬膜下血腫

 

慢性硬膜下血腫は、転倒して頭を打ったあとに起きてくることが多いです。 

 

転倒した直後ではなく、1週間から2週間かけて脳の隙間に血がたまることで、認知症のような症状がでたり、他にも様々な症状が出てくることが考えられます。


脳腫瘍

 

脳腫瘍は、いわゆる脳のできものです。


一般的にいう「がん」と良性の腫瘍の2種類にわけられますが、脳腫瘍の場合は良性であっても大きくなると、脳の組織を圧迫して症状が出ることもあり、早めの医療機関の受診が重要です。


症状としては、頭痛や吐き気、普段と様子が違うなど、腫瘍の部位によって症状が異なります。

水頭症

 

脳の中を巡っている水分がつまってしまい、脳の機能に影響が出る病気です。


症状としては、認知症のような症状が出ることに加え、歩いているときに転びやすくなったり、尿の失禁をしやすくなるなどの特徴があります。


場合によっては手術が必要なこともありますので、こちらも早めの医療機関の受診が必要となります。

>>認知症における顔つきの特徴と症状や種類について


加齢による物忘れと認知症の違いは?

 

加齢による物忘れと認知症は症状が異なります。


加齢による物忘れは「記憶を思い出す能力が衰える」のに対して、認知症では「物事を記憶すること自体が難しくなる」という違いがあります。


たとえば、人と約束をしたときに、約束をしたことは覚えているが、どこで何時にという詳しい内容を忘れてしまうのが加齢による物忘れの特徴です。


それに対し、認知症の場合は、そもそも約束をしたこと自体を忘れてしまうのです。

 

このように新しく何かを記憶することが難しくなるのが認知症の特徴で、本人もそれを自覚できません。

>>認知症が一気に進む原因や知っておきたい予防と対策について


物忘れがひどくなってきた時にできる対策法

 

 

物忘れがひどくなってきたとき、日常生活でできる対策をご紹介します。


睡眠時間を伸ばす

 

記憶の処理は寝ている時間に脳が海馬という部位を働かせておこなっています。


海外の研究で、睡眠時間が短くなると脳の老化が早く進む、という研究もありますので、睡眠不足にならないようにすることは、物忘れの進行を少しでも防ぐ可能性があります。


運動習慣をつける

 

運動をすることは、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の改善に重要なことは聞いたことがあるかと思います。


メタボリックシンドローム自体が物忘れのリスクを高くするとも言われており、動でこれを改善することは物忘れには効果的です。


さらに、運動自体が、体だけでなく脳の健康にも良い影響があることが最新の研究で多く報告されています。


1日10分の運動は身体と脳のどちらにもいい影響があり、これが物忘れを防ぐことに繋がります。


食生活を見直す

 

食事も物忘れの対策として非常に重要です。


私たちが普段口にする食品の中でも、イワシやサバなどの青魚、ナッツ類、肉類などは体を健康に保ち、さらに物忘れになりにくい成分が入っており、物忘れ対策になることが期待できます。

  

もちろん、何かの食品に偏ることなく、バランスの良い食事というのが頭と体両方の健康には非常に重要です。

>>アルツハイマーと認知症の違いは?原因や初期症状、なりやすい人の特徴について

 

物忘れ外来について


当院では、認知症・物忘れ外来を行っております。


詳しくは別ページを参照ください。


西春内科在宅クリニックができる対応


当院の物忘れ外来では、当院の医師による問診と心理検査など物忘れ・認知症に関する専門的な検査を受けることができます。


さらに詳しい検査が必要な場合には、頭部CTなど画像検査を使っての検査も行うことができます。


検査の結果を確認し、医師による総合的な診断が行われます。


>>当院のCT検査について


まとめ

 

物忘れや認知症について、症状の特徴やその違いがお分かりいただけたでしょうか。


物忘れが進行しているとき、認知症や、その他の頭の病気がある可能性がありますので、早めに一度医療機関を受診することをお勧めします。

 

参考文献:認知症疾患診療ガイドライン2017

認知症が一気に進む原因とは?入院すると急激に悪化する?

以下皆さん、認知症について深く考えたことはありますか?

 

認知症は予防法をうまく生活に取り入れておくと、万が一認知症になった後でも、症状の進行がゆるやかになり、生活の質を保つことができます。

 

いつまでもはつらつとした生活を送りたいですよね。

 

そこで今回は認知症が一気に進む原因や日頃からできる予防、対策法などについて詳しく解説します。


認知症が一気に進むかもしれない原因

 

怒り

 

認知症の進行速度は人によって大きく異なります。先ほど紹介した認知症の種類や個人個人の遺伝的要因ももちろん絡みますが、生活スタイルでも進行速度が変わる場合があります。

 

ここでは、認知症が一気に進む原因について確認しておきましょう。

 

早期に発見できなかった

 

まずはなんといっても早期に発見できたかが非常に重要です。

 

認知症の発症初期は緩やかに進行しても、ある時点から急激に症状が重くなることもあります。

 

かなり進行してしまってから実は認知症だったとわかるケースでは、発覚して間もなく症状が一気に進むといったこともありえます。

 

早期発見には本人よりも周りの人が気付てあげることが効果的です。身近な人が「最近物忘れがひどいな」と感じたら、物忘れ外来などの病院を受診することを勧めてあげましょう。

 

どこを受診すればいいかわからない場合は、各地区の地域包括支援センターに連絡をすれば適切な医療機関を紹介してもらえます。

 

脳への刺激が少ない

 

脳の細胞は何らかの刺激を受けることで活性化し、使わなければその機能はみるみるうちに低下していきます。

 

日々刺激的なこともなく、脳の機能を使わない生活を続けてしまうと脳が委縮し、結果として認知症の進行を早めることに繋がるでしょう。

 

独居の高齢者が外出する機会が極端に減ったり寝たきりの生活が続き、認知症を発症してから誰にも気付かれずに進行してしまっていたというケースがよく見られます。

 

強いストレス

 

過度なストレスが認知症の進行に悪影響を及ぼす場合もあります。ストレスを受けたときに分泌されるコルチゾールというホルモンは、適量であれば様々なメリットがありますが、分泌されすぎると記憶力の低下などといった副作用があり、認知症を進行させる恐れがあるとされています。

 

また、他人からの過度な責によって無気力状態になってしまうと活動量が減り、認知症の進行を早める結果に繋がることも。

 

さらには病気や怪我による入院、施設への入居、身近な人の死といった急激な環境の変化でも強いストレスを感じ、認知症が一気に進行した例が報告されています。

 

認知症の進行を遅らせるためには脳への適度な刺激が必要ですが、過度な刺激はストレスとなって認知症を悪化させてしまう恐れがあることを覚えておきましょう。

 

>>知らないと危ない糖尿病の症状と合併症について

>>認知症における顔つきの特徴と症状や種類について

 

認知症の種類と特徴

 

脳

 

世間では「認知症」と一括りにされていますが、大きく分けて下記の4種類に分類されています。

  • アルツハイマー型
  • レビー小体型
  • 脳血管型
  • 前頭側頭型


それぞれ原因や症状の現れ方が異なるため、初期の兆候を見逃さないためにも、認知症の各種類について確認しておきましょう。

 

アルツハイマー型

 

認知症の中で最もメジャーな型で、「アルツハイマー病」と呼ばれているのは、実はアルツハイマー型の認知症のことです。

 

アルツハイマー型認知症は脳にアミロイドβというたんぱく質が蓄積することと、神経線維が変性してしまうのが特徴です。

 

初期に見られる症状としては、

  • 数分~数時間前など、ごく短期間のことを忘れる
  • よく使う言葉なのにとっさに出ない
  • 親しみのある人や物の名前が出てこない
  • 大切なものをよく失くす
  • 好きだったことに急に興味を示さなくなる


といったものが挙げられます。いわゆる認知症の特徴に当てはまれば、まずはアルツハイマー型を疑うとよいでしょう。

 

レビー小体型

 

レビー小体型認知症は、認知機能が正常なときとそうでないときの波が激しいのが特徴です。高齢者になると認知症でなくても物忘れが多くなってくるので、認知症を疑われにくいのが厄介な点といえるでしょう。

 

しかし他の認知症と決定的に違う点があり、

  • 幻視
  • パーキンソン症状
  • 睡眠中の異常行動
  • ネガティブすぎる言動
  • めまいや立ちくらみ


上記のような症状が見られやすいことです。

 

実際にはないものが見えていると発言したり、動作が緩慢になったり小刻みに震える様子が見られた場合にはレビー小体型を疑いましょう。

 

脳血管型

 

脳梗塞や脳出血によって脳の一部に十分な血液が供給されなくなり、その結果脳の一部の機能が低下して認知機能に影響を及ぼします。

 

認知機能に関する症状はアルツハイマー型とよく似ていますが、脳卒中の前後で明らかに認知機能の低下が見られる場合は脳血管型であることが濃厚です。

 

前頭側頭型

 

文字通り社会性や倫理観を司る前頭葉、知識や記憶を司る側頭葉に何らかの障害が起こることで発症する認知症。

  • 社会性の欠落(万引き、信号無視など)
  • 性格が暴力的になる
  • 自分や他人に無関心になる
  • 同じ行動を繰り返す


上記のような症状が見られるようになります。一方で認知機能の低下はあまり目立たないことも。

 

そのため認知症ではなく他の精神疾患などと診断されることも少なくない病気です。

 

 

認知症になりやすい人の特徴

 

落ち込む

 

認知症については数々の研究が世界中で行われており、認知症になりやすい人の特徴はかなりわかってきています。

 

まずは年齢ですが、言うまでもなく歳を取るほど認知症になりやすくなります。

 

これはイメージしやすいと思いますが、とはいえ歳をとるとみんなが認知症になるわけではありません。

 

そこで2017年にLancetと呼ばれる学術雑誌に掲載された認知症のリスク因子に関わる研究を紹介します。

 

それによると、認知症になりやすい 人の特徴との言える認知症のリスク因子としての以下の12個が挙げられました。

 

  • 高血圧
  • 聴覚障害
  • 喫煙
  • 肥満
  • うつ病
  • 運動量
  • 糖尿病
  • 社会的孤立
  • 低学歴
  • 過度のアルコール摂取
  • 頭部外傷
  • 大気汚染

 

 上記のうち、特に高血圧や糖尿病は肥満や喫煙、運動不足、アルコールの過剰摂取は、いわゆる生活習慣病とも言われます。生活習慣病をもっていると、それだけ認知症になるリスクが高いと示唆されているのです。

 

これらの12個の因子には修正可能なものもあるため、当てはまる人は積極的に改善していく必要があります。

 

これらの因子に当てはめると、実に全世界の認知症患者の40%がこれに当てはまります。要するに認知症になりやすい 人の特徴とも言えます。


理論的には
上記12個の因子を修正すれば認知症の発生リスクを40%も軽減し、また発症したとしても発症時期を遅らせる可能性があります。これは我々現場の医師からすればとてつもない効果です。

 

また、社会的孤立という因子は、さらに詳しくみると性格と深く関わっています。

 

 どのような人が社会的孤立をしやすいかというと、気が短くてイライラしやすい性格の人は時間とともに人との関わり合いが減ってきて最終的に孤立する可能性が高くなります。

 

 他人との協調性が低い人も孤立しやすいため注意が必要です。また他にもマイナス思考でネガティブな口癖をもっているような人はうつ病を発生しやすいので、結果的に認知症のリスクが高いといえます。

 

「自分に当てはまっているな」と思った方は、将来認知症にならないためにも少し改善が必要かもしれません。

Dementia prevention, intervention, and care: 2020 report of the Lancet Commission
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)30367-6/fulltext

 

認知症は入院すると急激に悪化する?

 

 

医療の現場でしばしば見られるケースとして、認知症のある人が認知症以外の原因で入院・治療し、入院中や入院後に認知症が一気に進むことがあります。

 

これは入院することでベッド上での生活を余儀なくされた結果、食事の用意や洗濯・掃除などの日常生活を一時的にしなくなり、生活にハリがなくなって脳への刺激が減ったことで認知症が一気に進行したと考えられています。

 

生活環境の変化に人は非常に敏感です。

 

認知症になる前から万病の元である高血圧や糖尿病、肥満などを予防し入院する必要がないようにするのが理想です。また認知症になってからは、より一層入院しなくて済むような健康管理が重要となるでしょう。

 

認知症の症状について

 

 

認知症の症状は大きく分けて中核症状行動・心理症状があります。具体的に見ていきましょう。

 

中核症状

 

中核症状とは認知症の症状の中心であり、記憶障害見当識障害が挙げられます。

 

記憶障害

 

記憶障害は認知症の症状として最も有名です。

 

 しかし単なる物忘れなのか、問題のある物忘れなのかの判断は意外と難しいと思います。

 

 少しでもおかしいと思ったらすぐに上記のような専門施設に相談して欲しいですが、一つの目安を紹介します。

 

 患者さんでもよく「最近物忘れがひどくて、昨日食べたご飯がなんだったがすぐ思い出せないんです、私って認知症なんでしょうか?」と心配されている方がおられます。

 

 ただ知っておいて欲しいのは、人間は忘れる生き物です。それは普通のことです。

 

 しかし昼ごはんを「食べた」という事実自体を忘れてもう一度ご飯を食べるというのは問題のある物忘れです。

 

 他にも初めて会った人の名前をすぐ忘れたというのは割とあることですが、昔から知っている友人の名前が出てこないのも問題のある物忘れです。

 

 これを専門用語でいうと短期記憶長期記憶といい、短期記憶は忘れて当然なので普通のことですが、友人の名前や自分の電話番号などは長期記憶に分類され、これを忘れるのは問題があります

 

 これらの例を一つの目安にして、認知症の早期発見に役立ててください。

 

 見当識障害

 

見当識障害」は聞き慣れない言葉かもしれません。

 

 見当識とは現在の日時や時刻、また今自分がどこにいるかなどの状況の把握のことを言います。

 

 医療の現場では意識レベルの評価などに用います。認知症では、この見当識も障害されます

 

 認知症の方に今日の日付を聞くと、日にちを間違えるどころか月を間違えたり、季節を間違えたりすることもあります。

 

 また場所もわからなくなるため普段住んでいる街で道に迷ったり、家に帰れなくなったりすることもあります。

 

以上のような障害の結果、様々な症状が出現します。

 

いくつか例を挙げましょう。

  • 理解力が低下してお金の管理ができなくなる
  •  運転がうまくできなくなる
  •   今までできていた料理ができなくなったり、味付けなどがおかしくなる
  •   家事の段取りができなくなったり、仕事の効率が落ちる
  •   身だしなみが疎かになって季節にあった服を選べなくなる


我々人間は記憶や見当識といった能力を日常生活の中で無意識に使っており、これらが傷害されることにより様々な症状が引き起こされるということです。

 

行動・心理症状

 

 行動や心理症状では、性格の変化が挙げられます。

 

 例えば今まで熱心にやっていた趣味に興味を示さなくなったり、何をするのも面倒くさがったりします。

 

 また、一人でいることを異常に怖がったり不安に思う一方で、些細なことで怒ったりイライラすることが多くなったりします。

 

 また被害妄想が多くなり、自分のものが誰かに取られたと疑う「物取られ妄想」をいった症状が出現することもあります。

 

 おそらくこれらは、認知症によって今まで生きてきて獲得した「我慢」など高度な脳機能がうまく働かなくなり、持って生まれた「気質」みないなものが前面に出てしまい、その結果上記のような様々な症状が出るのではないかと思います。

 

 認知症の症状は、本当に人それぞれです。

>>アルツハイマーと認知症の違いは?原因や初期症状、なりやすい人の特徴について

  

日頃からできる認知症の予防と対策法

 

 

認知症の予防や対策法としてはすでに紹介した「修正可能な12個のリスク因子」である下記を改善する必要があります。

 

  • 高血圧
  • 聴覚障害
  • 喫煙
  • 肥満
  • うつ病
  • 運動量
  • 糖尿病
  • 社会的孤立
  • 低学歴
  • 過度のアルコール摂取
  • 頭部外傷
  • 大気汚染

 

また、すでに認知症を発症している場合も同様です。1つずつ日頃からできる認知症の予防と対策法について見ていきましょう。

 

運動

 

運動は激しい運動よりも、散歩やジョギングといった有酸素運動が効果的です。

 

 こういった有酸素運動は肥満の改善・予防に役立ちます。

 

 また運動は思いつきで時々やるのではなく、日々できる程度の有酸素運動(頑張らなくてもいい程度)を毎日の習慣にすることが重要と考えます。

 

 これらは認知症の予防だけでなく肥満の解消から高血圧や糖尿病、コレステロール異常などといった生活習慣病の改善にも効果的です。

 

 どうしても「運動しなきゃ!」と思うと頑張りすぎて3日坊主になりがちですが、なんといっても重要なことは習慣化することです。まずはできる範囲で(5分くらいの散歩でも)十分なので、はじめてみましょう。

 

 ここで一つ注意しなければいけない点があります。それは定期的な運動については、先述の「Lancet」の論文によると効果は患者の年齢によって異なるとされています。

 

 一番効果的なのは中年の方と言われています。ちょうど生活習慣病が発症するくらいの年齢です。

 

 それを過ぎて高齢者になりますとやや運動の重要度は下がります。

 

 とはいっても運動がダメなわけではありませんので、自分のできる範囲の軽い運動を是非続けていただきたいと思います。

 

社会的孤立を防ぐ

 

 認知症は社会や他者との関わりがなくなると発症しやすく、またすでに認知症の方は症状が早く進行します。

 

 これは社会や他者と触れ合うことは、コミュニケーションなどの様々な脳の活動を無意識に行う必要があり、言うならば最高の「脳トレーニング」になるからです。

 

 人間は社会性を持つ生き物です。趣味などがあるならぜひそれを大事にして、それを通じて社会との関わりを持ち続けましょう。

 

 趣味がこれといってない方は、是非色々な知らない世界を覗いてみて、積極的に趣味を持ちましょう。

 

 どうしてもそういったことができない場合は、指先を使ったような手遊び、例えば裁縫なども脳トレーニングになりますので検討してみてください。

 

生活習慣病を治す

 

 上記の修正可能な12個のリスク因子の中に高血圧や糖尿病といった生活習慣病も入っています。

 

 これらの病気は医師による適切な対応が必要ですが、ご自身でも食事や運動習慣の見直しが重要です。

 

生活習慣病は何か症状が出た時にはかなり進行しています。

 

 普段からバランスの取れた食事を心がけ、運動習慣も持ち適正体重を維持するようにしましょう。

 

 世の中では食事は様々なことが言われており、何がいいかはわかりにくいと思います。

 

 医学的にも確実にこれがいいという食事は実はよくわかっていませんが、日本人にあった対応としては

  1. 野菜を積極的に撮る
  2. 外食はし過ぎないようにする(外食は塩分が多い傾向にあります)
  3. 魚や大豆製品を積極的に食べる(豚肉や牛肉、鶏肉といった動物性脂肪は取り過ぎないようにする)
  4. 夕食は和食中心にする(夕食は食べ過ぎず、夕食後は食べないようにする)

 
といったポイントが挙げられます。また喫煙や過度なアルコール摂取の習慣がある方は改善する必要があります。

 

 会社の検診で生活習慣病の疑いがあると言われた場合は放置せず、医療機関を受診することをお勧めします。主婦の方などで会社の検診がない方は時々でも大丈夫なので地域の健康診断を受けてみましょう。

 

 病気は全て、病気になってからの対応よりも早期発見と予防が最も重要です。

 

>>当院の健康診断について 

 

難聴を治す

 

 難聴も認知症のリスク因子のひとつです。

 

 難聴はいきなりなるとわかりやすいですが、徐々に進行すると本人は意外と気付かなかったりします。

 

 難聴になると外界からの情報が脳に届きにくくなり、結果として認知症のリスクが高くなります

 

 検診で聴力の低下を認めた場合は早めに医師にかかるようにしましょう。

 

 最近では様々なタイプの補聴器が出ており、これらの道具を使えば難聴も十分に修正可能です。

 

 難聴も本人だけでなく周囲の人の気付きが重要です。最近聞き返しが多いなと感じたら放置せず、医療機関の受診を勧めてください。

>>物忘れがひどくなる原因は?|認知症との違いや物忘れ対策について

 

もし家族や身内が認知症になったときの対応

 


もし身近な人が認知症になった場合、その後の対応がこれまで以上に重要となります。

 

 まずは修正可能な12個のリスク因子について当てはまるものを調べ、それぞれ可能なら医療施設なども受診しながら改善していくことが重要です。

 

 また認知症を診察するための主治医、地域のかかりつけ医を見つけることも重要です。

 

 認知症には進行を遅らせる飲み薬などもあります。

 

 積極的に医学の力も使いながら、適切に対応しましょう。

 

西春内科在宅クリニックができる対応

 

当院では認知症・物忘れ外来を設置しております。

 

 当院の医師による問診と心理検査など物忘れ・認知症に関する専門的な検査を受けることができます。

 

 さらに詳しい検査が必要な場合には、頭部CTなど画像検査を使っての検査も行うことができます。

 

検査の結果を確認し、医師による総合的な診断が行われます。

 

>>当院のCT検査について

 

まとめ

 

 本記事を読んで、認知症についての理解が少しでも深まり、その結果自分や身近な人の役にたてば幸いです。

 

 繰り返しになりますが認知症は予防と早期発見が非常に重要です。

 

 そのためには修正可能な12個のリスク因子について、一つでも減らせるように少しずつ生活習慣を見直しましょう。

 

 参考文献

 

(1)   Gill Livingston, et al. Dementia prevention, intervention, and care: 2020 report of the Lancet Commission. The Lancet Journal. 2020 Aug 8;396(10248):413-446.
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)30367-6/fulltext

(2)   Petros Stamatelos, et al. Alzheimer Dis Assoc Disord. 2021;35:315-320.
https://pmc.carenet.com/?pmid=34654042

夏風邪とは?コロナとの違いや長引く原因を解説

夏風邪


最近暖かくなり始め、もうすぐ夏が来ますね。


夏が近づくと、暑さだけではなく体調管理にも気を配ることが必要です。


エアコンの使いすぎなどで夏バテを起こしたり、夏風邪を引いたりします。


また、最近は減っていますがコロナと症状が似ているため、心配になる方もたくさんいるかと思います。


今回は『夏風邪』の特徴や原因、そして『コロナ』との違いについて見ていきましょう。



夏風邪とは?


夏風邪

夏風邪とは、6月末から8月にかけて流行するウイルス感染症のことです。

 

冬風邪を引き起こすウイルスは乾燥を好みますが、夏風邪を引き起こすウイルスは高温多湿を好みます。

 

さまざまな風邪のウイルスのうち、夏風邪の原因となるウイルスを3つご紹介します。


関連記事:風邪で病院へ行くべきか?受診する目安や行くタイミングを解説

夏風邪の原因となるウイルス


夏風邪

アデノウイルス

 

アデノという言葉は、扁桃腺(喉)やリンパ腺という意味があります。

 

アデノウイルスは6月から8月に流行りプールで感染することが多かったため、プール熱と呼ばれています。

 

大人が感染すると重症化しやすいので注意が必要です。

 

主な症状として、喉の腫れや痛み、頭痛、高熱、激しい咳、結膜炎、大腸炎や下痢などがあります。

 

エンテロウイルス

 

エンテロという言葉は、腸という意味があり、エンテロウイルスは喉から感染し腸の中でウイルスが増殖します。

 

非常に感染力が強く、一般的には1つの地域で大勢に感染します。

 

最も多くみられるのは小児の感染ですが、稀に大人も感染することがあります。

 

主な症状として出現するのは、発熱、喉の痛み、鼻水、咳、下痢、腹痛、口内炎などです。

 

コクサッキーウイルス

 

コクサッキーウイルスとは、エンテロウイルスの仲間で腸の中でウイルスが増殖します。

 

次の項目で説明するヘルパンギーナを引き起こし、口腔領域で左右対称で小水疱が現れるのが特徴です。

 

大人も発病しますが、小児の感染が多くみられます。

 

主な症状としては、高熱、喉の痛み、口内炎、食欲不振、頭痛、下痢、嘔吐などがあります。




夏風邪は3種類に大別される

 

夏風邪

「三大夏風邪」をご存知でしょうか?

上記で紹介したウイルスが原因で発症する感染症です。

感染症の名前と特徴、原因ウイルスを見ていきましょう。

手足口病

 

手足口病は、エンテロウイルスとその仲間であるコクサッキーウイルスが引き起こします。

 

特徴的な症状として口の中や手のひら、足底や足背などに2~3mmの水疱性発疹などが現れる感染症です。

 

感染経路は、飛沫感染・接触感染・糞口感染が知られています。

 

4歳くらいまでの幼児を中心に夏季に流行が見られる疾患で、2歳以下が半数を占めます。

 

咽頭結膜熱(プール熱)

 

咽頭結膜熱(プール熱)は、アデノウイルスによって引き起こされる感染症で、主に発熱や喉の痛み、結膜炎の症状が現れます。

 

感染経路は、飛沫感染と接触感染であり、プールでの接触やタオルの共用などで感染することもあるため、プール熱と呼ばれることもあります。

 

通常、6月頃から徐々に増加し始め、7〜8月がピークです。

 

ヘルパンギーナ

 

ヘルパンギーナは、発熱と口腔粘膜に現れる水疱性の発疹を特徴とした急性のウイルス性咽頭炎です。

 

原因ウイルスはコクサッキーウイルスで、その中でもA郡に分類されるものが引き起こします。

 

乳幼児の感染が多く、初夏から秋にかけて流行します。

 

発熱、全身倦怠感、食欲不振、咽頭痛、嘔吐、四肢痛などの症状が見られます。


関連記事:夏風邪の特有の症状とは|長引く理由や治し方を解説

夏風邪とコロナの違いについて


夏風邪


ただ夏風邪を引いただけでも、コロナウイルスが流行ってからは「コロナだったらどうしよう」と心配になる方が多いかと思われます。

 

夏風邪と新型コロナウイルス(COVID-19)は症状が非常に似ており、医師でも検査せずに完璧に判別するのは困難です。

 

判断するには新型コロナの検査を受けるか、2週間以内のコロナ感染者との接触があったかどうかの確認が必要です。

 

夏風邪はウイルスや細菌などの病原体によって引き起こされる、鼻やのどの急性炎症の総称で、特に咳や痰などの症状が顕著に出ます。

 

コロナウイルスは、発熱や咳、倦怠感、嗅覚や味覚の異常などの症状が現れます。

 

症状が続いたあと、急に重症化して肺炎などを合併し、入院となるケースもあります。




夏風邪が長引くのはなぜ?


夏風邪

普通の風邪はすぐ治るのに、夏風邪を引いた時は治るのが遅いと感じたことはありませんか?

 

夏風邪が長引く原因を3つ挙げていきます。

 

夏風邪を引き起こすウイルスの特性によるもの

 

夏風邪の主な原因はウイルスであるため抗生剤が効きません。

 

そのため基本的には、カロナールやロキソニンなどの解熱鎮痛剤を服用するといった対症療法での治療となります。

 

冬と比べて予防対策がおろそかになりがちなため

 

感染予防と聞くとインフルエンザのイメージが強いためか、夏になると感染予防がおろそかになってしまう方が多いです。

 

手洗いやうがいを徹底し、原因物質を寄せ付けないようにすることが感染を予防するのに効果的です。

 

暑さによる体力の低下で抵抗力が落ちるため

 

夏になると暑くなるため夜寝る時間が減り、睡眠不足になったり、食欲が低下し冷たい物ばかり食べてしまい、栄養不足になるため免疫力が低下しやすいです。

 

免疫力を低下させないためにも睡眠をしっかりと取り、栄養バランスの良い食事を摂るように心がけましょう。


関連記事:免疫力を高める方法や食べ物について|低下してしまう原因も解説

夏風邪の治し方は?


夏風邪

夏風邪は抗生剤が効かないため、基本的に根治させる治療法は存在しませんが、症状を和らげる方法はあります。

 

十分な睡眠と休養

 

風邪を和らげるには、温かくして十分な睡眠を取ることが大切です。

 

寝間着や寝具を吸湿性が良いものを使い、8時間を目安に睡眠時間を取りましょう。

 

十分な睡眠と休養を取ることで、免疫力を高めて体を回復させることが出来ます。

 

適切な薬の選択

 

先述したように風邪には特効薬はありません。

 

症状を抑える解熱鎮痛剤などでの対症療法を行います。

 

熱だけでなく、咳や鼻水、喉の痛みもある場合には、多くの症状に対応できる総合風邪薬を選びましょう。

 

温度・湿度の管理

 

体を冷やしすぎると免疫力が低下してしまい、お腹を冷やしすぎると腸の働きが悪くなります。

 

お腹や体を冷やしすぎないためにも、室温は28℃くらいに設定しましょう。

 

また、夏風邪のウイルスは高温多湿を好み、湿度が50%を超えると活発に働きます。

 

除湿器などを使い、湿度を50%以上にしないようにしましょう。



西春内科・在宅クリニックでできる対応

 

西春内科・在宅クリニックでは、夏風邪やその他の季節性疾患に対する診療を行っています。

 

コロナ・アデノウイルスの抗原検査も可能です。

 

また、医師の診断に基づく適切な治療やアドバイスを提供し、自宅での療養指導も行っています。




まとめ

 

夏風邪は、手足口病、咽頭結膜熱、ヘルパンギーナの3種類に大別されます。

 

症状が新型コロナウイルスと似ているため、適切な検査や接触歴の確認が重要です。

 

夏風邪が長引く原因や対策を理解し、十分な休養や栄養、適切な環境を整えることが大切です。

参考文献

手足口病とは
夏かぜの症状と治療について|健診会 滝野川メディカルクリニック
夏風邪はなぜ引くの?長引く原因と治し方の​ポイントを知ろう!

亀頭包皮炎とは?原因や症状を徹底解説

亀頭包皮炎

皆さんは「亀頭包皮炎」という陰茎の疾患をご存知でしょうか。

亀頭周辺や包皮の内側が赤くなったり、腫れたり、かゆくなるなどの症状が現れる疾患です。

場合によっては痛みを伴うこともあります。

男性であれば誰でも発症する可能性があり、特に、包茎の方は亀頭包皮炎を発症しやすいです。

治療せず放置すると「尖圭コンジローマ」に感染しやすくなったり、「陰茎がん」の原因になることもあります。

今回は、亀頭包皮炎の症状や原因、治療方法などについて解説します。


亀頭包皮炎とは?


亀頭包皮炎

亀頭包皮炎とは、亀頭とそれを包んでいる包皮に炎症が起き、かゆみや腫れ、異臭、痛みといった症状が生じる病気です。

細菌やカンジダが原因の場合が多いとされています。

しかし元々持っている常在菌の大腸菌黄色ブドウ球菌が過度に繁殖してしまって炎症を起こす場合もあります。

陰部が不衛生になりやすい子どもに多いとされていますが、大人の男性でも発症する事も少なくありません。

関連記事:カンジダ症ってどんな病気?女性に多い?男女別の症状や原因、治療について

亀頭包皮炎の原因


亀頭包皮炎

細菌感染


亀頭包皮炎の原因として最も多いのがこの細菌感染によるものです。

黄色ブドウ球菌、大腸菌、レンサ球菌といった常在菌が免疫力の低下によって異常繁殖することで炎症が起こり、かゆみや腫れ、異臭といった症状が出ます。

他が原因の亀頭包皮炎に比べて、特にかゆみや腫れ症状が強いというのが細菌感染の特徴です。

真菌感染


真菌感染は、「カンジダ性亀頭包皮炎」とも言われており、カンジダというカビによる感染によって起こります。

このカンジダ菌も常在菌のひとつで細菌感染同様、免疫力の低下による異常繁殖で発症するほか、性行為によっても感染することがあります。

症状としては、細菌感染同様かゆみや腫れの症状に加えて、異臭のする白色や黄色のカスが溜まることも特徴です。

物理的刺激


性行為や自慰行為の際の過度な摩擦や刺激によって亀頭や包皮を傷つけてしまい、そこから菌が侵入して感染してしまう場合もあります。

さらに性行為の場合、相手が性器クラミジア感染や梅毒といった性感染症に感染していると、さらに亀頭包皮炎を発症しやすいです。

糖尿病


糖尿病からも「糖尿病性亀頭包皮炎」という名前の亀頭包皮炎になる可能性があります。

高血糖になると、皮膚は弾力が無くなり硬くなってしまいます。

その状態で陰茎が勃起することで、皮膚の表面が裂けたりひび割れたりして炎症を起こしてしまうのです。

不潔または過剰な洗浄


亀頭包皮炎は、不潔すぎる状態はもちろん、石鹸などによる過剰な洗浄も原因になることがあります。

清潔にしようとしすぎるがあまりに、陰部を洗うときに過度に力が入り、皮膚が刺激されて炎症を引き起こしてしまいます。

また、石鹸を使って頻繁に洗うと皮膚の自然な保護バリアを壊してしまうため、洗いすぎによっても発症する場合もあるので洗いすぎには注意しましょう。



亀頭包皮炎の症状


亀頭包皮炎

亀頭包皮炎では以下の症状が現れます。
  • 疼痛
  • 赤み
  • 腫れ
  • 化膿
  • 出血
  • かゆみ
  • 異臭
  • 白色や黄色の垢

しかしどのような症状が出るかは、感染原因が細菌や真菌かによって異なります。

黄色ブドウ球菌などの細菌が原因の場合
  • 赤みやかゆみが強い
  • 化膿することが多い

一方、カンジダなどの真菌が原因の場合
  • 亀頭や包皮内側に白色や黄色のカスが出る
  • すっぱい臭い(酸臭)がすることが多い

という特徴があります。

また、原因が細菌と真菌の複合的な要因だった場合、両方の症状が出る場合も見られます。

関連記事:陰部や性器のかゆみがある時の性病について|検査や治療方法もご紹介

亀頭包皮炎の検査方法


亀頭包皮炎

亀頭包皮炎の治療の際に必要の事は、まず原因が細菌と真菌どちらなのかです。

検査方法は、炎症が起こっている亀頭包皮を綿棒で擦り、菌を増殖して調べる培養検査によって細菌か真菌かを特定します。

尿道炎が合併していたり、亀頭包皮炎に隠れている糖尿病を見つけるために、尿検査を行い白血球増加や尿糖の有無なども同時に調べることもあります。



亀頭包皮炎の治療


亀頭包皮炎

亀頭包皮炎は原因を見定め、それに合った治療を行えば治る病気です。

しかし、恥ずかしさなどから医療機関への受診が遅れ、「尖圭コンジローマ」や「陰茎がん」といった病気に発展してしまうこともあります。

病院で受けられる処置や、ご自分でも気を付けられることもあるので見ていきましょう!

抗生物質・抗真菌薬


亀頭包皮炎の原因のほとんどは細菌と真菌による感染です。

そのため亀頭包皮炎の主な治療は抗生物質や抗真菌成分の入った軟膏塗布を行います。

しかし炎症が強く見られる場合には、軟膏にステロイドを混合したり、経口の抗生剤投与と併用した治療が行われることもあります。

清潔の保持


亀頭包皮炎の治療のほとんどは塗り薬による治療ですが、患部を清潔に保つことも大切です。

しかし、先述したように洗いすぎが原因で亀頭包皮炎が悪化する場合もあるので、洗うのは1日1〜2回で石鹸も使いすぎないようにしましょう。

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西春内科・在宅クリニックでできる対応


亀頭包皮炎

西春内科・在宅クリニックでは症状に対しての適切な薬の処方、市販薬を使われていた場合はその薬が適切かどうかのアドバイスなども行えます。

お困りの際はお気軽にご相談、ご来院くださいね。

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陰部の症状は恥ずかしくてなかなか人には言えない方もいるのではないでしょうか?

オンライン診療であれば、医師以外と顔を合わせることなく診察を受けることができます



まとめ


亀頭包皮炎についての解説はいかがだったでしょうか。

亀頭包皮炎は、子どもに多い症状ですが大人でもなることがある病気です。

しっかりと対処すれば治る病気ですが、恥ずかしさなどから医療機関への受診が遅れ、「尖圭コンジローマ」や「陰茎がん」といった病気に発展してしまうこともあります。

恥ずかしさもあるかもしれませんが、何かおかしいなと思ったら放置せず一度お近くの医療機関へご受診ください。

参考文献

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