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40代からでもなる若年性認知症とは?なりやすい人や原因、症状について

認知症は高齢者だけが発症する病気ではありません。

 

認知症は、一般的には高齢者に多い病気ですが、65歳未満で発症した場合には、「若年性認知症」と呼ばれます。

 

若年性認知症の場合は、働き盛りの世代で発症するため、ご本人のみならずご家族の生活への影響が大きくなる特徴があります。

 

病気のために仕事に支障が出て、経済的に困難な状況に陥るなど、教育、就職、結婚などの人生設計が変化することも少なくありません。

 

若年性認知症は社会的にも大きな課題を抱える疾患ですが、一般的にまだまだ認識が不足している疾患のひとつです。

 

今回は、高齢者だけではなく、若年層からでも罹患する可能性がある若年性認知症とは何歳から発症してどのような病気を呈するのか、その症状や原因などについても解説していきます。

 


若年性認知症とはなにか?

 

若年性認知症とは、従来から言われてきた40歳から64歳に発症した初老期認知症に18歳から39歳までに発症した若年期認知症を加えた認知症の総称です1)。

 

2017年度から2019年度に実施した日本医療研究開発機構の認知症研究開発事業によって実施した若年性認知症の調査によれば、わが国の若年性認知症の有病率は18歳~64歳人口10万人当たりで約50人、若年性認知症者の総数はおよそ3.6万人と推計されました2)。

 

20代の年齢からでも発症する可能性がある若年性認知症は、高齢者の認知症と類似点も多いですが、異なる特徴もいくつかあります。

 

例えば、以下のような様々な問題が顕在化します。

 

  • 発症年齢が若い
  • 異常に気付きにくく受診が遅れる傾向がある
  • 初発症状が認知症特有のものとは限らないので診断しにくい
  • 就労中に発症することが多くて経済的問題が大きい
  • 車運転が中断される

 
>>アルツハイマーと認知症の違いは?原因や初期症状、なりやすい人の特徴について

若年性認知症の原因 

 

認知症というのは、一つの病名ではありません。それは若年性認知症であっても変わりません。

 

認知症を起こす病気はさまざまですが、多くの場合は脳の病気であり進行性を有する疾患となります。

 

国の調査ではアルツハイマー型認知症が最も罹患率が多くて、次いで血管性認知症、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症による認知症が続きます。

 

では、一つずつ詳しく説明していきましょう。

 

アルツハイマー病

 

アルツハイマー病とは脳の神経細胞が徐々に減って、正常に働かずに機能しなくなるタイプの認知症です。

 

脳内に「タウ蛋白」という異常物質が沈着して、「老人斑」が形成されることに伴って、神経細胞に異常をきたすことで脳細胞が破壊され萎縮していきます。

 

主に、加齢、女性、糖尿病などが本疾患の危険因子として挙げられます。

 

もの忘れ、短気になる、置き忘れやしまい忘れ、趣味などに関心がなくなる、時間や場所の感覚が衰える、片付けが苦手になるなどの症状が挙げられます。

レビー小体認知症

 

レビー小体認知症とは脳内部に、「α-シヌクレイン」というたんぱくが変化して凝集してできる「レビー小体」という異常物質が蓄積されて発症するタイプの認知症です。

 

一般的に、幻視、緩慢な動作、手足の震えなどのパーキンソン症状、軽度のもの忘れ、1日の中で症状が変動する(日内変動がある)などの特徴が挙げられます。

 

前頭側頭型認知症

 

前頭側頭型認知症とは脳の前方部分(前頭葉や側頭葉)が萎縮することによって引き起こされます。

 

通常では、45~65歳の人に発症しやすいと言われています。

 

人格の変化や非常識な行動が目立つ、失語、共感・感情移入ができない、食事の好みが変化、社会性の低下、同じ言動を繰り返すなどの症状が代表的です。

 

脳血管性認知症

 

脳血管性認知症とは、脳卒中(脳梗塞や脳出血)などに引き続いて起こるタイプの認知症です。

 

障害された血管の場所によって症状が異なります。

 

計算力や理解力・記憶力などの障害、運動まひ、歩行障害、排尿障害、のみ下すことに支障がある、感情のコントロールが難しくなる、抑うつ症状などを引き起こします。

 
>>認知症かな?と思った方は認知症外来・もの忘れ外来へ

若年性認知症の症状

 

若年性認知症における症状などは高齢者の認知症と大きく変わらないと言われています。

 

しかし、高齢者認知症と違って老化現象がない分、認知症の症状が目立ちやすく周囲の人々が症状変化や進行を判断しやすいという特徴があります。

 

特徴の第一は発症年齢が若いことで、まさに働き盛りに発症することになり、自然と仕事に関することを始めとして社会生活のさまざまな場面で課題が生じます。

 

もの忘れにより仕事でミスをする、あるいは家事が下手になると、本人や家族は「いつもの自分とは様子が異なる」、「どうも普段と調子が違っておかしい」ことに気がつきますが、これらの症状の背景に“認知症”が存在するとは思いつかず、受診が遅れる場合があります。

 

認知症のなかでも特に多いタイプとされているアルツハイマー型認知症の場合には、「もの忘れ」といった記憶障害に続いて、「見当識障害」も起こしやすいと指摘されています3)。

 

記憶障害とは、主に自分が実際に体験した過去の出来事などに関する記憶が抜け落ちる認知症の障害(中核症状)  のひとつと認識されています。

 

見当識障害とは時間や場所、人の判断がつかなくなっていく状態です。引っ越しや入院、子供との同居など環境が変わった時にとりわけ強く現れます。

 

本人が自覚を有する物忘れとは異なって、自覚がないために日常生活に重大な支障が出現します。

 

また、レビー小体型認知症の際にも、「もの忘れ」といった記憶障害よりむしろ「見当識障害」が前面に目立つことが往々にしてあります。

 

認知症は、本人はもちろんのこと、家族や周囲に大きな負担をもたらします。

 

一般的に、認知症に関する介護の平均期間は6~7年程度と言われていますが、認知症の経過には個人差があるために一概に寿命は何年とは言い切れません。

 

自分の人生において、「最期はどうなるのか」より「最期はどうしたいか」を深く考えることが重要です。

 

漠然と日常的に恐れるより、「最期はこう迎えたい」と理想を描くことが、認知症を抱えている一人一人の残りの人生の生活の質を高める観点からも必要なことと考えられます。

>>認知症における顔つきが変わる理由と初期症状や代表的な種類

若年性認知症になりやすい人の特徴

 

若年性認知症になりやすい人の性格の代表例として、「協調性がない」ことが挙げられます。

 

協調性が乏しい場合、他人とのコミュニケーションが少なくなって脳が活性化する機会を失って認知症に罹患しやすいと考えられます。

 

また、短気で怒りっぽい方も、他人との円滑なコミュニケーションが取れないことが多く孤立する傾向になるために、認知症になりやすいと想定されます。

 

さらに、普段からあらゆる物事に対してネガティブ思考になりやすく、小さなことや細かい事項をくよくよ気にする性格の人は、ストレスを感じやすくうつ病を発症して他人との交流が少なくなることで脳刺激が減少して、若年性認知症の発症リスクが上昇します。

 

また、自尊心が高くて他人との交流を避ける方は、どうしても他人と接触する機会が減る分、脳の働きは鈍化して若年性認知症になりやすいと指摘されています。

>>認知症が一気に進む原因や知っておきたい予防と対策について

物忘れ外来での若年性認知症の検査と治療について 

 

検査方法

 

若年性認知症の診断は、高齢者の認知症と同様に、ある程度定められたチェック手順によって総合的に実施されます。

 

  1. 問診…本人、家族から発症までの経過を聴取します。
  2.  神経心理検査…MMSE(ミニメンタルステート検査)、長谷川式認知症スケール(HDS-R)などの検査ツールを用いて認知機能を評価します。
  3.  脳に関する画像診断検査…脳に萎縮の有無があるかどうかを調べるMRIやCT、PET検査などを行います。
  4.  一般的な身体検査…必要に応じて血液検査や心電図検査、感染症検査、レントゲン撮影などを実施します。

 

若年性認知症の治療法

 

認知症の一部症状については早期診断によって改善を期待できる場合があり、治療法の研究や新薬の開発が進行しています。

 

しかし、残念ながら現時点では若年性認知症のほとんどにおいて根本的な治療法は確立されていません。

 

実際には、薬物療法やリハビリ療法、生活習慣の改善、周囲の環境調整などの方法を組み合わせて、症状進行を遅らせる、あるいは症状を軽減させる治療が実践されています。

 

アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症では、中核症状である認知機能障害などに対して症状を緩和させる薬がありますし、理学療法や作業療法のリハビリテーション療法によって、行動心理症状を改善させる一定の効果が期待できます。

 
日常でできる予防法

 

若年性認知症を予防するには、食事や運動、喫煙などの生活習慣を見直すことが重要です。

 

規則正しい生活を送ること以外にも、日常的に脳を活性化させることを目標としましょう。

 

例を挙げると、定期的に旅行に出かける、信頼できる友人との食事会などに参加するなど、日常生活の中に、心がわくわくするようなイベントを積極的に取り入れて他人とコミュニケーションを確保することで脳が活性化されて若年性認知症の予防に繋がります。

 

もし自分・身内が若年性認知症になってしまったら

 

万が一、自分や身内の家族に認知症の疑い症状を認めた際には、まずは病院など医療機関で専門医に相談しましょう。

 

認知症に症状が類似している他の病気が隠れている可能性も検討されますし、適切な治療や介護を受けるためにも、どの種類の認知症かを診断してもらうことは重要です。

 

認知症を抱えた方にとっては、その事実と共存しながら安心して生活できる環境を整備することが重要なポイントとなります。

 

具体的には、

 

  • 家族として本人を責めない
  • 認知症に関して正しい知識を身につける

 

などの適切な心構えや患者本人との関わり方を認識する必要があります。

 

周辺の人々を困らせる認知症の症状ばかりに目を向けるのではなく、認知症を患った本人の変わらない部分の本質をしっかりと観察して、あらゆる状況に応じた必要な手助けを多様な場面で予防的に実践することが重要です。

 

例えば、

規則正しい生活を過ごすために1日のスケジュールをメモ書きにする

予定している時間を効果的に本人に知らせるために、スマートフォンのカレンダー機能やデジタル時計を活用する

など工夫しましょう。

 

また、自分や身内が若年性認知症に罹患した場合には、国などの経済支援の制度も活用できますし、行政や民間のサポート制度を積極的に利用して施設介護体制を整えることによって介護の負担を単独で負わないことが重要な観点です。

 

西春内科在宅クリニックができる対応

 

若年性認知症は、早期発見により様々な対応策を講じることが出来る病気です。

 

日常生活における些細な変化を出来る限り見逃さずに、心配事や不安点などがあれば専門の医療機関で主治医に気になる症状や状態を具体的に説明して相談を受けましょう。

 

西春内科・在宅クリニックでは、常勤の内科医師の診察により、若年性認知症の診断、治療をサポートすることが出来ます。


もの忘れ外来 

まとめ

 

一般的に言われる「認知症」とは高齢者の認知症のことを指すことが多く、特65歳未満で発症する認知症を「若年性認知症」と呼びます。

 

認知症は、何らかの脳病変によって認知機能が低下することによって社会生活や日常生活に支障をきたした状態であると考えられています3)。

 

認知機能とは、近時記憶・遠隔記憶などを含む記憶、時間・場所に関する見当識、判断力と問題解決力、地域社会における活動能力、金銭管理を始めとする家庭生活力、および学習実行機能などを意味しています。

 

認知症の始まりではないかと疑われる言動を認めた際には、最寄りの認知症外来など医療機関を受診して相談しましょう。

 

今回の記事の情報が少しでも参考になれば幸いです。

 

 参考文献

 

1)  健康長寿ネットHP

2)  東京都健康長寿医療センター研究所 プレスリリース「わが国の若年性認知症の有病率と有病者数」 

3)  エイザイ相談e-65.net HP

五月病の症状やなりやすい人の特徴|うつ病との違いなども解説

五月病

4月より新年度を迎え、大学生や新社会人となる方、

また転職や人事異動など新しい環境で働きだした方など

あっという間に1か月が過ぎ、

ゴールデンウイークなどの大型連休も終わり…

いざ登校・出勤しようとすると、「気分がふさぐ」「やる気が起きない」という状態となり、場合によっては不登校や欠勤になってしまうことがあります。

この現象を、一般的に「五月病」と呼んでいます。

最近では企業の研修期間などが延びたことにより、時期が6月にずれ込んでくるケースも見受けられます。

今回は、そんな五月病の症状やなりやすい人の特徴、うつ病との違いについて詳しく解説していきます。

 

 

五月病の主な症状


五月病

五月病は、正式な医学用語ではありません。

臨床現場において、精神科診断では、「適応障害」とする症例が多い印象があります。

中にはその他の精神疾患の可能性もあるので、「五月病」と言う言葉から軽く考えることなく、十分に注意が必要です。

この記事の後半では五月病のセルフチェック項目を紹介しているので、ぜひ活用してみてください。

 

 

五月病になりやすい人の特徴


五月病

「五月病」になってしまう主な原因に、新しい環境に馴染めない、適応できないことが挙げられます。

以下などといった人間関係によるものであったりします。

  • 初めての一人暮らしや職場の雰囲気に馴染めないといった環境面     
  • すでに出来上がってしまっている人間関係に溶け込めずに疎外感を感じる 
  • 新しい上司や部下といった上下関係に悩む 


その他にも、ノルマや残業が多すぎてついていけないといった、オバーワークが続いているといったケースもあります。

そういった事はだれしもが経験すると思います。

しかし、それらの状況であれば、皆が「五月病」になるということではありません。

そういった環境に馴染めずにストレスを抱えた状態が長期間に渡って続くことで、心身共に疲弊し、

前述した様な何かしらの症状が出てきます。

「五月病」になりやすい人にはいくつかの特徴があります。

一般的には、まじめで頑張り屋さんがなりやすいと言われていますが、もう少し具体的に紹介します。

まずは、そもそも新しい環境に馴染むことが昔から苦手であった、もしくは新しい環境で対人関係を作ることを苦手としている人です。

間関係を作るというのは、みなさんが想像しているよりもずっと多くのエネルギーを使います。

さらに、誰にでもいい顔をしてしまう、失敗を極度に恐れる、困ったときに誰かに相談できない、こういった人たちです。

周囲への過剰な気遣いや、新しい環境で失敗してはいけないという極度の緊張、悩みを一人で抱えてしまうことは、ストレスを多くため込む原因です。

参考記事:仕事でストレスを感じたらやばい?原因や解消方法をご紹介!|Humming

 

 

五月病とうつ病の違い


五月病

五月病とうつ病は違いますか、という質問を受けることは珍しくありません。

しかし、「五月病」という言葉が医学用語で無い以上、同列に扱うことはできません。

五月病とは、新年度が始まり、五月から六月といった、少し時間が経過した後に、心身の不調をきたした状態を指しています。

心身の不調とは、「うつ病」や「適応障害」、その他の精神疾患と様々です。

つまり、五月病の状態が、うつ病である人がいるということです。

五月病と言うと、なんだか少し軽症のイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、

実は「うつ病」であったなんてことが無いように、心身の不調を感じた際は、一度最寄りの病院に相談することをお勧めします。

それでは、「うつ病」と「適応障害」の違いは何でしょうか。

双方ともに気分が落ち込んだ状態であることは共通しますが、いくつかの違いがあります。

まず、はっきりとした原因がわかるかどうかです。

うつ病

原因となったイベントストレスがわからないことがしばしばあります。

かなり漫然とストレス環境にいた結果、気が付いたらうつ病というイメージです。

うつ病では仮に思い当たるストレスから離れてみたとしても、中々良くなりません。

うつ病は、ストレスの大小や、ストレスの有無に関わらず、脳の機能が低下した状態です。

治療として、精神療法や環境調整はとても重要ですが、抗うつ薬などの薬物療法もきちんと行う必要があります。

基準A、B、Cの3つを合わせたものが、抑うつエピソードと呼ばれるものです。


うつ病の診断基準

A


以下の症状のうち5つ以上が2週間以上存在する

※(1)抑うつ気分または(2)興味・喜びの喪失が症状には必ず含まれる
※(3)と(9)を除き、症状はほぼ毎日存在する

  1. ほぼ終日に渡る抑うつ気分
  2. ほぼ終日ほとんどの事柄に興味や喜びを抱けない
  3. 食欲の減退または亢進
  4. 睡眠障害
  5. 精神運動制止(ブレーキがかかったように考えたり動いたりすることができない)または精神運動焦燥(じっと落ち着いていることができず、動き回ってしまう)
  6. 疲労感がある、やる気を持てない
  7. 自己の無価値感、または過剰な罪責感や不適切な罪責感
  8. 思考力や集中力が減っている、決断困難
  9. 死に関する反復思考や、反復的な自殺念慮(死にたいという気持ち)、自殺の計画を立てること、自殺企図(自殺するための行動を取ること)など

 

B


その症状は、臨床的に意味のある苦痛や、勉学や仕事、家事などの大切な領域における機能障害をもたらしている。

※軽症の場合、非常に努力して何とか正常な機能を保っていることもある

 

C


症状は物質の生理学的作用や他の身体疾患によるものではない

 

D


症状は他の精神疾患では上手く説明できない

(例)統合失調感情障害、統合失調症、統合失調症様障害、妄想性障害、他の特定および特定不能の統合失調症スペクトラム障害および他の精神病性障害群

※鑑別基準については後編の記事で解説します

 

E


躁病または軽躁病エピソードが存在しない

※躁病または軽躁病エピソードが物質の生理学的作用や他の身体疾患によるものであれば、この除外は適応されない

適応障害

発症の原因は比較的短期間の出来事がきっかけです。

そのため、原因となったストレスイベントを特定しやすくなります。

適応障害では原因となっているストレスから距離をとることで症状が改善することが多いです。

また、そのストレスから解放されている時には、楽しいことを楽しめます。

適応障害とはストレスにさらされているため、心身共に限界を迎えている状態、一般的に心が折れたと言われる状態です。

たとえ、薬を飲んでも、今起こっているストレスが消えるわけではないので、薬物療法よりも、精神療法や環境調整がとても重要になります。


適応障害の診断基準:DSM-5

A


識別可能なストレス因子が原因の情緒的、行動的な症状が、一連のストレス因子が始まってから3か月以内に起こる。

 

B


その症状や行動は、下記の1つまたは両方によって証明されることが、臨床的に明らかである。

  1. 症状の重大性と存在に影響を及ぼす外的要因や文化的背景を考慮したとしても、ストレス因子の強さや酷さとは釣り合わない、著しい苦痛がある。
  2. 社会的、職業的、あるいは他の重要な領域での機能的な、著しい障害がある。

 

C


そのストレス関連の症状は、他の精神疾患の基準を満たさないし、既存の精神疾患の増悪でもない。

 

D


その症状は通常の死別による悲しみの表現ではない。

 

E


一度そのストレス因子やその結果がなくなれば、その症状は更に6か月以上続くことはない。


決して適応障害が軽く、うつ病が重いということではなく、それぞれに適した治療が必要です。

どちらも専門的な診察が必要であると考えています。

五月病では、五月から六月頃に、以下に該当する場合は適応障害の診断が付く場合が多くあります。

  • 新しい環境に馴染めない
  • 新しい人間関係に悩んでいるなど
  • 心身の不調の原因が明らかな場合

 

 

五月病チェックシート


五月病

「五月病」として疑わしい症状は以下です。

  • 気分がふさぐ
  • 体がだるい、すぐに疲れてしまう       
  • 考えが悲観的になる、ネガティブになる    
  • 集中できない、ミスが増える         
  • 食欲が落ちる                
  • 夜が眠れない、何度も目が覚める       
  • 頭痛や腹痛、めまいなど、身体的な不調がある 

このような症状が続いている、もしくは学校や職場に行こうとする、もしくは学校や職場に行くことを想像すると悪化する場合は、一度病院へ相談することをお勧めします。

五月病の治し方


五月病

「五月病」を治すためには、まず五月病の正確な精神科的な診断が必要です。

まずは、病院を受診し、医師の診察を受けましょう。

しかし、「五月病」を予防していく、少し変だなと思った時に自分でできる対処法を別の記事にまとめておきます。

ぜひそちらも読んでみて下さい。

 

関連記事:五月病になったときの抜け出し方・乗り越え方、対策法などを紹介

関連記事:精神疾患を治したければ診断をするな!-ラエティスクリニック

 

 

病院やクリニックでの処方


五月病

「五月病」と言う状態を診察し、必要な治療を行うは一般的には精神科、もしくは心療内科になります。

しかし、精神的な不調の原因が、身体疾患から生じることもあります。

以下の場合でも、からだがだるいと感じることはあり、それに気が付いたのが偶然5月や6月という事もあり得ます。

  • 甲状腺などの代謝異常
  • 免疫の病気
  • 血液のがん
  • 肝臓などの臓器の不調


精神科、心療内科クリニックにて身体疾患の存在を見つけることは難しい場合もあるので、まずは体に問題がおこっていないか、最寄りもクリニックにて一度確認しておくことをお勧めします。

体の病気が見つかれば、もちろんその治療を優先しましょう。

また、体に特に問題がないのであれば、精神科や心療内科へ紹介してもらいましょう。

最寄りに精神科や心療内科が無い、もしくは病院の数が少なく初診の予約が取れない、そのような地域も方もいらっしゃると思います。

そのような場合は、専門外であっても精神科領域を多く診察されている医師に治療を行ってもらうことも検討していただいて構いませんので、極力早めに治療を開始するようにしましょう。

長く放置する、長くストレス環境にさらされることで、病状が悪化する可能性があります。

一番良くないのは、自分で「五月病」だと決めつけて、睡眠薬や安定剤といった薬を処方してもらうように、医師に依頼することです。

それらの薬は対症療法であり、風邪で例えると、解熱剤や咳止めなどにあたります。

症状が緩和しているからと言って、治ったと勘違いし、余計風邪を悪化させた経験はありませんでしょうか。

また、それらの薬は依存性や耐性の観点からも、漫然と使用することには注意が必要なものも多いです。

十分に使い慣れた医師に相談し、治療を受けるようにしましょう。

 

 

西春内科在宅クリニックができる対応


西春内科在宅クリニックでは、常勤の内科医が様々な心身の不調に対して、診察を行っております。

まずは、精神的な不調の陰に、体の病気が隠れていないかを確認し、

必要であれば最寄りの精神科や心療内科と連携し、治療を行っています。

連休明けから、なんだか体調が万全な感じがしない。

倦怠感が続いている。

などありましたら、まずはお気軽にご相談ください!

 

 

まとめ


今回は、五月病の症状やなりやすい人の特徴、うつ病との違いについて詳しく解説しました。

五月病になってしまう主な原因は、新しい環境に馴染めない、適応できないことです。

気分がふさぐ、体がだるい、すぐに疲れてしまうなどの症状が続く場合は、一度精神科もしくは心療内科への受診をお勧めします

五月病になったときの抜け出し方・乗り越え方、対策法などを紹介



五月の大型連休であるゴールデンウイークが終わった頃に、毎年話題となる五月病

五月病の乗り越え方や抜け出し方はあるのでしょうか。

今回は、五月病を予防することや、心身の不調を感じた時に少しでも症状が軽くなるような方法、乗り越え方などについて詳しく解説していきます。

 

 

五月病とは?




四月は新年度です。

大学生となり一人暮らしを始めたり、新社会人となり新人研修が始まったり。

中には昇進や心機一転転職したりと、環境の変化が起きやすい時期に当たります。

最初は期待に胸を膨らませ、意欲に満ちていたはず。

しかし、五月のゴールデンウイークが明けて、いざ再び登校、出勤しようとすると、

「なんだか体がだるい」

「気分がふさぐ」

といった症状が出現し、学校を欠席したり、仕事を欠勤してしまったりする人が増加傾向にあります

これらを昔から広く『五月病』と呼んできました。

最近では、企業の新人研修期間の延長などから六月頃までみられると言われています。

五月病の具体的な症状やうつ病との違いなどについては、別の記事にまとめてありますので、是非そちらをご参照ください。

 

関連記事:五月病の症状やなりやすい人の特徴|うつ病との違いなども解説

 

 

五月病になる原因




五月病になる主な原因は、人間関係に馴染めない、もしくは環境の変化に適応できないことが挙げられます。

新年度は、環境の変化によって、それまでの人間関係とは異なることも多いと思います。

対人関係の悩みは人間にとって大きなストレスです。

また、人間関係以外にも、以下などの悩みも多く抱える時期でもあります。

  • 一人暮らしによって生活リズムが著しく乱れた
  • 就職後に残業やノルマに追われる経験を初めてした
  • 新しい仕事を中々覚えられない


時には、前年度まで必死に頑張ってきて、新年度に燃え尽きてしまったというケースもありますが、あまり多くはありません。

やはり典型的には、新年度に新しい環境となり、緊張状態が長く続いたことや、新しい環境で多くのストレスを受けたことがきっかけとなります。

 

 

五月病は適応障害?




実は、五月病は正式な医学用語ではありません

臨床現場において、精神科診断では「適応障害」とする症例が多い印象があります。

適応障害とは特定のストレスが原因で、だいたい3か月以内に精神的もしくは身体的な不調がでる、その不調のせいで仕事や生活に明らかな支障がでている

と言う状態です。

「適応障害」と聞くと、怠けている、サボっていると言う誤ったイメージを持っている方もいらっしゃいます

しかし、診断基準において、日常生活に著しく支障を来していると明確に記載されています

なんか仕事に行くのが嫌だな、面倒くさいなと言う状態ではなく、そこに病気の存在を仮定しないと説明しがたい心身の異変がある、軽視できない精神疾患です

また、五月病の中には、「うつ病」など、その他の精神疾患の可能性もあります。

「五月病」と言う言葉から軽く考えることなく、十分に注意が必要です。

精神的な不調の原因が、身体疾患から生じることもあります

以下などの場合で、体がだるいと感じることがあり、それに気が付いたのが偶然五月や六月という事もあり得ます。

  • 甲状腺などの代謝異常
  • 免疫の病気
  • 血液のがん
  • 肝臓などの臓器の不調

適応障害の正確な診断基準は以下です。

適応障害の診断基準:DSM-5

A


識別可能なストレス因子が原因の情緒的、行動的な症状が、一連のストレス因子が始まってから3か月以内に起こる。

 

B


その症状や行動は、下記の1つまたは両方によって証明されることが、臨床的に明らかである。

  1. 症状の重大性と存在に影響を及ぼす外的要因や文化的背景を考慮したとしても、ストレス因子の強さや酷さとは釣り合わない、著しい苦痛がある。
  2. 社会的、職業的、あるいは他の重要な領域での機能的な、著しい障害がある。

 

C


そのストレス関連の症状は、他の精神疾患の基準を満たさないし、既存の精神疾患の増悪でもない。

 

D


その症状は通常の死別による悲しみの表現ではない。

 

E


一度そのストレス因子やその結果がなくなれば、その症状は更に6か月以上続くことはない。

 

 

五月病の抜け出し方・乗り越え方




精神的に苦しい、その結果登校や出勤ができない、体がだるいなど、日常生活に支障を来すようであれば、まずは医療機関を受診することをお勧めします

きちんと診察を受け、適切に治療を受けるべきであると考えています。

「自分で治す方法はないのか」と問われそうですが、まず「自分で何とかしよう」と考えてしまうこと自体が、五月病を悪化させてしまう原因の一つです

「五月病」になりやすい人にはいくつかの特徴があります。

一般的には、まじめで頑張り屋さんがなりやすいと言われています。

もう少し具体的に言うと以下などにあてはまる人です

  • 新しい環境に馴染むことが昔から苦手である
  • 新しい環境で対人関係を作ることを苦手としている
  • 誰にでもいい顔をしてしまう
  • 失敗を極度に恐れる
  • 困ったときに誰かに相談できない

人間関係を作るというのは、みなさんが想像しているよりもずっと多くのエネルギーを使います

  • 周囲への過剰な気遣い
  • 新しい環境で失敗してはいけないという極度の緊張
  • 悩みを一人で抱えてしまう


などは、ストレスを多くため込む原因です

つまり、何か苦しいことや悩みを抱えた時に、「上手に周りに頼ること」が、五月病を抜け出す、乗り越える最善の方法と言えます

そして、原因となっているストレスからきちんと距離をとることです

 

関連記事:五月病の症状やなりやすい人の特徴|うつ病との違いなども解説

関連記事:精神疾患を治したければ診断をするな!-ラエティスクリニック

 

 

五月病が続く期間




五月病になった原因が、特定の環境や特定の人間関係にあるのであれば、その状況が変わらない限り、症状が持続する可能性が高いと推測されます

ストレスが原因である疾患では、「何か薬を飲んで頑張ろう」ではなく、「原因となっているストレスから一旦距離を置いてみよう」と言う姿勢が大切です

 

 

五月病にならないための予防対策




五月病の主な原因は、以下といったストレスが持続することによるものです。

  • 新しい環境に馴染めない
  • 新しい人間関係に疲弊する

しかし、そういったストレスは皆が経験するものであり、それらを避けることはできません

ストレス自体は決して0になることはないのです

したがって、ストレスをいかに発散させていくか、貯めないでおくかということが重要になります。

忙しいからと、趣味の時間を削ってしまうのではなく、ストレスを上手に処理するために、可能な範囲で続けることが気分転換につながります

そして、一人で悩まないことが何よりも重要です

また、五月病に限ったことではありませんが、以下などはすべての健康の基本です。

  • 規則正しい生活
  • 食事
  • 運動


夜更かしによる睡眠不足や栄養の偏りは、

脳の機能を低下させ、結果的に精神疾患を発症させる原因となります

 

 

病院やクリニックでの処方




「五月病」と言う状態を診察し、必要な治療を行うのは一般的に精神科、もしくは心療内科になります

しかし、精神的な不調の原因が、以下などの身体疾患から生じることもあり、注意が必要です

  • 甲状腺などの代謝異常
  • 免疫の病気
  • 血液のがん
  • 肝臓などの臓器の不調

精神科、心療内科クリニックで身体疾患の存在を見つけることは難しい場合もあります

まずは体に問題がおこっていないか、最寄りのクリニックで一度確認しておくことをお勧めします

体の病気が見つかれば、もちろんその治療を優先しましょう。

体に特に問題がないのであれば、精神科や心療内科へ紹介してもらいましょう。

しかし、以下のような方もいらっしゃると思います。

  • 最寄りに精神科や心療内科が無い
  • 病院の数が少なく初診の予約が取れない

専門外であっても精神科領域を多く診察されている医師もおり、そのような医師に治療を行ってもらうことも検討することをお勧めします

極力早めに治療を開始するようにしましょう。

長く放置する、長くストレス環境にさらされることで、病状が悪化する可能性があります

一番良くないのは、自分で「五月病」だと決めつけて、睡眠薬や安定剤といった薬を処方してもらうように、医師に依頼することです

それらの薬は対症療法であり、風邪で例えると、解熱剤や咳止めなどにあたります。

症状が緩和しているからと言って、治ったと勘違いし、余計風邪を悪化させた経験はありませんでしょうか。

また、それらの薬は依存性や耐性の観点からも、漫然(*1)と使用することには注意が必要なものも多いです

十分に使い慣れた医師に相談し、治療を受けるようにしましょう。

漫然(*1)=これという目的や意識を持たず、とりとめのないさま

 

 

西春内科在宅クリニックができる対応


西春内科在宅クリニックでは、常勤の内科医が様々な心身の不調に対して、診察を行っております

まずは、精神的な不調の陰に、体の病気が隠れていないかを確認します

必要であれば最寄りの精神科や心療内科と連携し、治療を行います

まずは、お気軽にご相談ください。

 

 

まとめ


今回は、五月病を予防することや、心身の不調を感じた時に少しでも症状が軽くなるような方法、乗り越え方などについて解説しました。

五月病の主な原因は、新しい環境に馴染めないことや、環境の変化に適応できないことです。

そういったストレスをいかに発散させていくか、貯めないでおくかということが重要となります。

精神的に苦しい、体がだるいなど、日常生活に支障を来すようであれば、まずは医療機関を受診することをお勧めします

脳梗塞後遺症について知りたい|どんな症状やリハビリがある?

脳梗塞ってよく聞きますよね。脳梗塞の発症率 は40歳以上で10万人に600人と言われており、親族を見渡すと脳梗塞を発症した経験がある人は多いと思います。脳梗塞は医療の発展により後遺症を残さないこともありますが、何かしらの後遺症を残すことが多く、厚生労働省の報告でも介護が必要となる原因の第2位となっています。

 

脳梗塞は怖い病気ではありますが、どんな病気なのか、どのような後遺症が残るのかについてはよく知らない人が多いと思います。ここでは脳梗塞について詳しく紹介しようと思います。


 

脳梗塞について

 

脳卒中のうちの一つが脳梗塞

 

「脳卒中」、「脳溢血」、「脳梗塞」、「脳出血」など様々な用語を聞いたことがあると思います。どれも脳血管疾患を指す言葉にはなりますが、正直よくわからないという方が多いと思います。まずはこれらの用語はどのようなものか説明します。

 

脳梗塞は脳を栄養する血管の狭窄や閉塞により、血流が不足して脳細胞が壊死してしまう病気です。脳出血は脳を栄養する血管が破れることで脳内に出血をしてしまう病気です。脳卒中は「卒然として(急に)邪風に中(あた)る」が語源となっており、脳梗塞と脳出血を合わせた病名です。脳溢血は脳出血とほぼ同義で使われる用語で通称に近いものです。

 

ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症、その他に分けられる

 

脳梗塞は脳を栄養する血管(動脈)が細くなったり、血の塊などで閉塞したりすることで発症する病気です。

 

脳梗塞はその原因によって、脳内の小動脈病変が原因となる「ラクナ梗塞」、頸部~頭蓋内の比較的大きな動脈のアテローム硬化(動脈硬化)が原因となる「アテローム血栓性脳梗塞」、不整脈や心筋梗塞、心臓弁膜症など心臓が原因となる「心原性脳塞栓症」、先天性な要因や悪性腫瘍などにより血の固まりやすさが亢進することや静脈の血液が動脈に流れ込む病気(肺動静脈瘻や卵円孔開存症など)などが原因となる「その他」に大きく分けられます 

 

脳梗塞の原因は?

 

脳梗塞はそのタイプ(ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症、その他)により原因が異なります。

 

ラクナ梗塞やアテローム血栓性脳梗塞では高血圧や糖尿病などにより動脈に負担がかかり、動脈硬化や小血管の障害が進行することが大きな原因となります。特にラクナ梗塞は高血圧の関与が大きいといわれています。

 

動脈硬化は生活習慣病の一つとしてもよく知られているため、リスクファクターや予防法についても聞いたことがある方は多いと思いますが、動脈硬化の代表的なリスクファクターは喫煙、飲酒、肥満、高血圧、脂質異常症/高コレステロール血症、糖尿病です。

 

自身でできる予防法としては、禁煙、節酒、食事療法(食べ過ぎに注意する、バランスの取れた食事をする、塩分を控える)や運動療法(1日30分以上の散歩をするなど、各個人の運動機能に合わせた有酸素運動)などがありますが、健康診断で異常を指摘される場合には医療機関で内服治療を受けることも重要です。

 

心原性脳塞栓症の主な原因は心房細動です。心房細動とは心臓を流れる電気信号の乱れによって心房が小刻みに震えて、心拍も不規則となる病気です。

 

心房が小刻みに震えて血液が心房内に滞ることで、心房内に血栓ができ、脳梗塞の原因となります。

 

心房細動は他の不整脈と同じく、不整脈が出ているときに心電図などの検査をうけないと診断ができない病気であり、診断が難しい場合もありますが、重症な脳梗塞の原因となるため心房細動の指摘を受けた場合には抗凝固薬を服用しましょう。

 

心房細動は加齢による影響が大きく、60歳以降で頻度が増加します病気で予防は困難ですが、肥満、多量の飲酒、ストレス、睡眠不足も原因となるため、節酒や規則正しい生活を心がけましょう。

【関連記事】高血圧や脂質異常症の生活習慣病が引き金に

 

脳梗塞の完治する確率は?

 

血栓溶解療法や血栓回収療法などの急性期治療の発達により、発症してすぐに治療を受けることで重症の脳梗塞でも後遺症を残さずに退院できるケースも増えてきましたが、一般に脳梗塞を発症するとほぼ完治する人が2割で、約7割は何かしらの後遺症を残すといわれています。

 

厚生労働省の報告では脳梗塞発症後の復職率は5~6割です。脳梗塞の症状の改善にはリハビリテーションが重要で、特に発症から3か月以内の急性期はリハビリテーションにより症状の改善が期待できることから、リハビリテーション後となる発症から3~6か月ごろに復職する人が多いです。一方で復職する人の15%程度は発症の1年後以降に復職しています。

  

なぜ脳梗塞後遺症になってしまうのか

 

脳細胞が壊死してしまう

 

脳梗塞は血流が不足することで脳細胞が壊死してしまうことで発症します。リハビリテーションなどの訓練により残った周囲の神経細胞が壊死した細胞の役割の一部を肩代わりしますが、壊死してしまった脳細胞は再生しないため後遺症が残ります。

 

脳細胞は脳の部位ごとで運動や感覚、記憶などの情報処理などそれぞれの役割を持っており、どこの脳細胞が障害を受けるかにより症状が異なります。脳はいろいろな場所と電気信号をやりとりしながら役割をはたしているため、明確に役割を線引きすることは困難ですが、ここでは簡単に脳の部位ごとの役割と障害されるとどのような症状がでるかについて紹介します。

大脳

 

前頭葉

 

前頭葉の役割は思考力、判断力、集中力、気分のコントロールなど幅広く、運動や言葉の一部の機能もつかさどっています。運動をつかさどる部位(中心前回) や運動の信号を伝える経路(錐体路)が障害されると手足や顔が上手く動かせなくなりますまた言葉をつかさどる部位(Broca野)が障害されると言葉の理解はできるものの発語がしづらくなり、たどたどしい会話になります。特徴的な機能ない部位の障害でも集中力が低下する、怒りっぽくなる、物覚えが悪くなるなどの症状が出現します。

 

頭頂葉

 

頭頂葉は感覚をつかさどっており、体の感覚から集めた情報の処理や計算の役割を担っています。感覚をつかさどる部位(中心後回)や感覚の信号を伝える経路(皮質脊髄路や脊髄視床路)が障害されると、感覚鈍麻やしびれが出現します。

 

その他の障害により障害された脳と反対側を無視してしまう、左右がわからない、計算ができないなどの症状が出現します。

 

側頭葉

 

側頭葉は記憶や本能・情動、言葉の理解に関わる役割を担っています。側頭葉の内側にある海馬は記憶に関して重要な役割を果たしており、アルツハイマー型認知症で障害される場所としても知られています。

 

脳梗塞にはなりにくいですが、一過性の虚血により健忘となることがあります。言葉をつかさどる部位(Wernicke野)が障害されると、言葉が理解できなくなったり、話そうとしても意味不明な単語や文章となってしまったりします。

 

後頭葉

 

後頭葉は視覚をつかさどっています。後頭葉が障害されると、障害を受けた脳と反対側の視野がかけて見えなくなります。

小脳

 

小脳は目的となるような体の動きをスムーズに行えるように調整したり、一連の動作が効率よく行えるようにプログラムしたり、体のバランスをとったりする役割を担っています。

小脳が障害を受けるとめまいがしたり、動作がぎこちなくってものを取ろうとしてもずれてしまったり、体は動かせるけれども思うように動かなかったりします。

脳幹

 

脳幹は大脳からの命令や大脳に送る情報のすべてが通る部位であり、意識や呼吸など生命の維持に直結するような重要な役割を担っています。

中脳・橋・延髄に分けられ、中脳や橋は意識を、延髄は呼吸をつかさどっており、障害を受けることで目が覚めなくなったり、呼吸が止まってしまったりします。また体と大脳とをつなぐ経路の障害により、運動や感覚も障害されます。

 

脳梗塞後遺症の症状

 

麻痺

 

運動に関わる領域に障害を受けると、筋肉に体を動かす命令が出せなくなることで体が動かせなくなります。手足の動きが悪くなれば日常生活に支障があり、顔の動きが悪くなれば後述の嚥下障害や構音障害につながります。また、筋力は改善しても箸を使うことが困難になるなどの巧緻性の低下も問題になります。

 

リハビリテーションを行って動作訓練を繰り返すことでできるだけ症状の軽減を目指すことが重要です。また重度の麻痺では、自発的にはほとんど手足が動かせなくなることもあります。筋肉を全く動かさないと筋肉が固まってしまい(拘縮)、膝を曲げたり肘を曲げたりと関節を動かせなくなってしまうため、拘縮予防のためにリハビリテーションが重要となります。

 

感覚障害

 

感覚の障害は障害の強さによって、全く感覚がわからない(感覚脱失)、感覚があるけど鈍い(感覚鈍麻)、しびれた感覚がある(異常感覚)と症状が異なります。感覚に関わる領域に障害を受けると、重度の障害であれば感覚脱失となり、その後に症状が改善してくるにつれて異常感覚が出現します。

 

後遺症としては異常感覚が問題となることが多く、びりびりとしたしびれや痛みが残ります。市販の痛み止めは効きづらく、気圧や気温の変化などでしびれの程度の変動があり、痛みが慢性化することがストレスとなって痛みが悪化することも少なくありません。神経のしびれや痛みは内服薬のみでは取り除くことが難しい場合も少なくなく、症状がひどい場合にはペインクリニックへの通院が必要です。

 

失語

 

失語とは言葉や文字でものごとを表現したり、理解したりする能力の障害をことです。口や舌が上手く動かないことで言葉をうまく作れない構音障害でもうまく話すことができなくなりますが、文字など他の手段を使えば問題なくコミュニケーションが取れる点で明確に区別されます。

 

失語には大きく分けて言葉の理解ができなくなる“感覚性失語”と言葉を表出することが困難になる“運動性失語”に分けられ、特に感覚性失語では言葉や文字を含めてコミュニケーションが取れなくなるため、介護の負担が大きくなります。

 

視野障害

 

視野障害とは視野の一部が欠損する障害のことで、眼の疾患で起こりやすい視力障害とは異なります。脳梗塞による視野障害では、左右のどちらの目で見ても同じ部分の視野がかける点が眼の疾患と異なります。見えていない部分があることを意識して生活することで日常生活に戻れることが多いです。

 

嚥下障害

 

嚥下障害とは物を飲み込む機能(嚥下機能)の障害です。もともと飲み込む機能が弱くなってきている高齢者で起こりやすく、誤嚥性肺炎の原因となります。食事を一口サイズにしたり、ゼリー状にしたりすることで食事を再開できる場合もありますが、障害が強い場合には口から食べることが困難になることがあります。

 

また、さらに障害が強い場合には唾液の誤嚥などにより、何も食べてなくても誤嚥性肺炎を繰り返してしまうこともあります。嚥下機能は本人の意欲による影響もあり、好きなものであれば食べられる場合もありますが、誤嚥性肺炎を発症するたびに嚥下機能はさらに落ちていくため、注意しましょう。

 

構音障害

 

構音障害とは口や舌が動かせないことで発音が上手くできなくなる症状です。呂律がまわらなくなり、話している内容が聞き取りにくくなりますが、失語と異なり、言葉の聞き取りや文字によるコミュニケーションは問題なく行うことができます。口や舌の動きが大きく関与する嚥下機能にも障害がでることが多いです。

 

高次脳機能障害

 

高次脳機能障害とは脳梗塞を含む脳損傷に起因した認知機能障害全般を指す言葉で、覚える、集中する、順序立てて考える、理性的な行動をするなど社会的な生活をすることに必要な能力が障害されることを指します。

 

以前できていたことができなくなったり、性格が変わってしまったりと社会生活における影響は大きい一方で、特定の何かができないわけではなく、周囲の理解が得られにくい症状でもあります。脳損傷後にこのような症状が起こりうることを理解することが重要です。

 

うつ・感情障害

 

脳梗塞を発症すると高次機能障害による意欲低下や以前行えていたことができなくなることへのストレス、周囲へ負担をかけてしまうことへのストレスから、うつとなることが多いです。

 

脳梗塞の機能改善には十分に栄養を取って、リハビリテーションに取り組むことが重要ですが、うつになると食事が喉を通らなくなり、リハビリテーションにも取り組めなくなってしまうため、うつへの対応は重要です。

 

うつ病の薬は眠気や活動性の低下につながるものも多く、家族からの元気づけや趣味や楽しみを作るなど前向きになれるような取り組みが重要です。

 

リハビリについて

 

リハビリは3段階にわけられる

 

脳梗塞のリハビリテーションには脳梗塞の治療や再発予防を行う急性期、症状の改善や日常生活に戻ることに目標とする回復期、現状の機能を維持することを目標とする維持期(生活期)に分かれます。それぞれ行う場所やリハビリテーションの目標が異なるため、以下で説明いたします。

急性期:病院

 

急性期は脳卒中センターや3次救急病院などの急性期病院に入院し、脳梗塞の治療を行いながら原因を調べ、脳梗塞を再発しないための治療法を決定する期間です。入院後(脳梗塞発症後)2~3週間程度であることが多いです。

 

発症早期は発症した本人もどの程度の行動ができるか理解できていないため、誤嚥や転倒などの問題が起きやすく、また様々な治療薬が開始されることから合併症を起こしやすい時期であり、リハビリテーションは機能評価と機能改善を目的として合併症に注意しながら行います。

回復期:リハビリ専門の病院

 

回復期は急性期治療が終わった後、リハビリテーションを専門とした病院で日常生活に戻ることを目標に生活動作の訓練を行う期間です。症状が軽微な場合には回復期を飛ばしたり、期間を短くしたりすることもありますが、多くの場合には1~2か月かけてリハビリテーションを行います。

 

ここでは退院した後の生活を想定したリハビリテーションを行いながら、どの程度の後遺症が残るかを想定して退院後の生活に必要な社会サービス(介護保険など)の調整を行います。仕事への復帰を目指す場合には仕事に必要な能力を中心としたリハビリテーションを行うなど、個人の能力や生活背景に応じたリハビリテーションを行います。

維持期(生活期):自宅・施設(グループホームや老人保健施設など)

 

維持期(生活期)は病因を退院した後、トイレでの排泄や入浴などが安全に行えるように訓練したり、外出をするなど活動範囲を広げたり、廃用などによる機能低下を予防したりする目的でリハビリテーションを行う期間です。

 

脳梗塞で後遺症が残ってしまうと、退院後にあまり動かずにベッドの上を中心とした生活をしてしまったり、障害のない手足を頼って障害がある手足を使わなかったりしてしまうことが少なくありません。入院中と異なりリハビリテーションの頻度少なくなるため、転倒などには注意しつつ積極的に運動をすることが重要です。

 

西春内科在宅クリニックができる対応

 

西春内科在宅クリニックでは外来診療、定期往診を行うことが可能で、患者様が望む形での医療の提供を行うことができます。脳梗塞後遺症の症状が変動して心配である場合には電話対応や緊急往診、麻痺や高次脳機能障害が悪化して通院が困難になってしまった場合には定期往診と様々な状況に対応いたします。


 

まとめ

 

急性期治療の発達や積極的なリハビリテーションにより脳梗塞を発症しても元の生活に戻れる人も増えてきましたが、重度の後遺症を残す人も少なくなく、介護が必要となる原因の第2位となっています。後遺症にはよく知られている麻痺や感覚障害だけでなく、あまり知られていないものの生活に大きな影響がある失語や高次脳障害など様々なものがあります。

 

脳梗塞後の後遺症を持つ人は日常生活に困難を抱えており、家族や介助者を含めて周囲の人が症状を理解して対応することが非常に大きな助けになります。また、再発することもある病気ですので新たな神経症状が出現したり、明らかに症状が悪化したりする場合には医療機関に受診してください。

関連記事:
脳挫傷で後遺症は残る?症状やその後の回復について


【参考文献】

腹痛と「吐き気」「冷や汗」「顔面蒼白」「下痢」が同時に見られる場合に考えられる原因とは?

腹痛と同時に吐き気と冷や汗が発症した時の対処

お腹が痛くなり、トイレに駆け込んだら治ったという経験は誰しもあるでしょう。

 

放置していて自然に治るような腹痛は問題ありません。

 

しかしお腹の痛みの他に吐き気や汗や冷や汗、顔面蒼白などの症状がある場合は重大な病気が隠れており、中には緊急手術が必要なケースもありますのでお気を付けください。

 

このように「腹痛+α」の症状は、体のSOSを発している病気の重大なサインかもしれません。

 

今回はこのような「腹痛+α(吐き気・冷や汗など)」の症状についてや対処方法、主な病気について現役医師が詳しく解説していきます。




腹痛+α(吐き気・冷や汗など)の家庭でできる対処法

 


対処法や治療法は原因や種類によって異なりますが、楽な体勢を見つけることがまずすぐにできる対処法として挙げられます。

 

お腹をかばうように猫背になることも有効な可能性もあります。

 

また、お腹をカイロや湯たんぽなどで温めてあげることも有効かもしれません。

 

カイロや湯たんぽを使う際には低温やけどに気をつけましょう。

 

しかし、上記のような腹痛の対処法を試しても改善しない場合や腹痛の他に冷や汗や顔面蒼白などの症状がある場合は、何かしら治療介入が必要なケースもありますので、我慢し過ぎないことが重要です。

 

 

腹痛+α(吐き気・冷や汗など)で病院に行くべき症状



お腹を温めても痛みが改善せず、また楽な体勢が見つからず痛みが続くようであれば、病院受診を考えましょう。

 すぐに病院に直行すべき症状【緊急性:高

 

下記のような腹痛や腹痛に伴う症状を発症したときにはすぐに病院を受診しましょう。

 

  • 突発的な腹痛
  • 痛くなったり治まったりというような痛みに波がなく30分以上ずっと続くような痛み
  • 痛みが時間経過とともに徐々に悪化しているとき
  • お腹が腫れていたり硬くなっているとき
  • 激しい痛みに続いて頻回の吐き気や嘔吐
  • 冷や汗
  • 顔面蒼白
  • 高熱
  • 意識状態が悪い
  • 痛む場所が右下腹に移動してきたとき
  • 便の色が赤かったり黒いとき


かかりつけ医などに電話相談すべき人や症状【緊急性:中

 

乳幼児、高齢者、易感染者(*)l重篤な基礎疾患を有する方は重症化する可能性があるので早めにかかりつけ医に相談してください。

*感染防御機能のいずれかに障害があり、感染リスクの高い患者

 

また、糖尿病患者さんは食事が取れなくなると内服薬やインスリンの調整が必要になりますので、かかりつけ医に相談しましょう。

 

また、お腹の痛みが“いつもと違う”と感じたときも相談しても良いかもしれません。

 

 様子を見るべき症状【緊急性:低い


以前、経験したのと似たような痛み方(痛みの場所や痛みの性状、痛みの持続時間など)でその時も自然に治った場合は様子をみても良いでしょう。

 

しかし、それが頻回にある場合は一度医療機関で相談しても良いかもしれません。

 

また、お腹全体が痛く痛みの場所がはっきりと特定できない場合自然と痛みが消えてしまうような場合も様子を見ても良いでしょう。

 

 

腹痛+α(吐き気・冷や汗など)で病院に行くなら何科に行くべき?



腹痛+αの症状でお困りの際の病院受診は内科や消化器内科、胃腸内科を受診しましょう。

 

夜間であれば救急外来を受診しましょう。

 

腹痛+αの考えられる主な原因や病気


腹痛の原因で多いものはウイルスによる腸炎です。

 

また暴飲暴食やストレスが原因のこともあります。

 

胃腸炎


胃腸炎
とは胃や腸が何かしらの原因で炎症を起こしている状態のこと言います。

 

炎症が胃だけの場合は胃炎、腸だけの場合は腸炎、両方にある場合を胃腸炎といいます。

 

ウイルスや細菌、ストレスなどが原因となって起こることがあります。

 

胃炎、腸炎であれば多くの場合は自然治癒するものですので、症状がひどくなければ適切な水分補給のみで自宅療養しましょう。

 

その際は糖分、電解質をバランス良く含んだ常温の経口補水液やスポーツドリンクなどを吐かないように少量ずつ頻回にとることが大切です。

 

ただし、スポーツドリンクだけでは糖分が多すぎるので、そればかり飲まないようにしましょう。

 

しかし、胃腸炎で冷や汗や顔面蒼白を伴うことは少ないので、このような症状があれば病院受診を考えましょう。

 

暴飲暴食、ストレス、暴飲暴食

 

  • 刺激の強いものを取りすぎ
  • 冷たいものを飲みすぎ
  • アルコールやたばこの過剰摂取

 

により、胃酸の分泌が過剰になり胃が炎症を起こすことが腹痛の原因である可能性もあります。

 

また、ストレスにより自律神経が乱れると胃酸が過剰に分泌されて胃粘膜が傷つき腹痛を起こすことがあります。

 

関連記事:急性腸炎ってなに?ストレスが関係する?原因や症状について

 

 


食中毒


自分の免疫が落ちているときや胃や腸が荒れていたりする場合などに、通常では感染しないような弱い菌、雑菌が原因で起こるものを食あたりを言います。

 

一方、特定の細菌(黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌、カンピロバクターなど)やそれが出す毒素が原因で起こるものを食中毒といいます。

 

食中毒の場合は原因菌、ウイルスがついた同じ食品を食べた場合、ほとんどの人が発症します。

 

食あたりも、食中毒も多くの場合は自然に改善することが多いです。

 

しかし、激しいお腹の痛みや熱がでたり、血便が出たとき、冷や汗や顔面蒼白になるような症状があるときは病院で治療が必要な可能性もあります。

 

関連記事:脱水症状になりやすい人の特徴|下痢や吐き気が起きる理由も解説

 

 

その他


上記に挙げたもの以外にも、

  • 虚血性腸炎
  • 虫垂炎
  • 憩室炎(けいしつえん) 
  • 膵炎
  • 腸管穿孔(ちょうかんせんこう)
  • 腸閉塞
  • 腹部大動脈瘤破裂
  • 胃潰瘍
  • 十二指腸潰瘍
  • 逆流性食道炎
  • 胆嚢炎
  • 尿管結石
  • 過敏性腸症候群

 

など腹痛をきたす病気は数多くあります。

 

またその他に心筋梗塞や精巣捻転などお腹以外の異常が原因になることがあります。

 

ここに挙げた病名はどれも治療が必要な病気です。

 

冷や汗や顔面蒼白を伴う腹痛の場合はこのような病気の可能性もありますので、

 

  • いつもと違う腹痛
  • 一向に改善しない腹痛
  • 増悪傾向にある腹痛

 

であれば病院を受診しましょう。

また女性は生理(月経)周期で起こる痛みの他に子宮や卵巣、妊娠に関連した腹痛の可能性もあります。

 

関連記事:急性腸炎ってなに?ストレスが関係する?原因や症状について

 

 

腹痛+α(吐き気・冷や汗など)の同時に起こりやすい症状



腹痛+αの症状として、

 

  • 発熱
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 便秘
  • 血便
  • 黒色便
  • 不正性器出血
  • 血尿

などが起こる可能性があります。

 

腹痛の原因がわかるヒントになる可能性もありますので、このような症状があれば必ずドクターに伝えましょう。

 

腹痛+α(吐き気・冷や汗など)で西春内科・在宅クリニックでできる治療


ウイルスが原因であれば、抗生剤(抗菌薬)は効果はありません。

 

また、腸炎のウイルスに効果的な抗ウイルス薬もありません。

 

そして、細菌が原因の腸炎であっても必ずしも抗菌薬は必要ではありません。

 

多くの場合は自然に治癒することがほとんどですが、水分補給もできない状態であったり、痛みが強い場合は当クリニックでは、点滴をおこなったり痛み止めを処方します。


まとめ


腹痛の原因は多岐に渡ります。多くの腹痛は自然に治りますが、吐き気や冷や汗が同時に来ると自然に軽快しない病気である可能性があります。

 

そのような症状があった際にはかかりつけ医に相談してみましょう。

 

参考文献

・急性腹症診療ガイドライン 2015 

喉の痛みの市販薬でよく効く商品をランキング形式で徹底比較!

喉の痛み
冬に「喉の痛みや咳が止まらず辛い経験をした」という方は多いのではないでしょうか?

 

喉の痛みが強すぎて唾液を飲みこむのも難しい、本来楽しいはずの食事の時間が億劫になるというのは辛いものです。

 

この記事では、辛い喉の痛みを治すおすすめの薬を紹介します。

 

喉の痛みの原因

 

喉の痛みがひどいと、食事が食べにくくなったり声が出しにくくなったりして辛いですよね。

 

喉の痛みの原因は以下のように分類できます。

  • 細菌やウィルスによる感染
  • 鼻詰まりや口呼吸による喉の粘膜の乾燥
  • 長時間話すことやカラオケなどによる喉の酷使
  • タバコや飲酒による喉への刺激


それぞれの原因に対する対処法は後で詳しく説明します。

 

関連記事:風邪をひいたかも・・病院に行くべきタイミングはいつ?風邪と症状が似ている病気の見分け方

 

 

喉の痛みに効く薬の種類と選び方

 

薬局やドラッグストアでは様々な種類の市販薬が売られています。しかし、ラインナップが豊富すぎてどれを選らばべ良いか迷うこともあるでしょう。

 

ここからは、喉の痛みに効く薬を以下の3種類に分類して紹介します。

 

①うがい薬・のどスプレー

 

感染経路である喉を直接殺菌する薬です。

 

水道水には塩素が含まれているため、実は水道水だけのうがいでも充分に感染予防効果があります。

 

「水道水で1日に15秒のうがいを少なくとも3回行った場合、ポビドンヨードを用いてうがいした場合よりも風邪の発症率を下げた」という日本の論文があるくらいです

 

うがいは、喉の奥をしっかり開いて喉の奥まで水が入るイメージで、15秒以上しっかり行いましょう。

 

注目すべき成分は「ポビドンヨード」と「アズレンスルホン酸ナトリウム」の2種類

 

予防にはポビドンヨード、炎症が起きてしまった場合にはアズレンスルホン酸ナトリウムと覚えておくと便利です。

 

うがいが上手くできないお子さんの場合には、ヨード配合のスプレーも有効です。

 

また、市販薬として販売されている「喉に噴霧して飲み込む」タイプのスプレーでは、3~4回の使用で妊婦の1日耐用上限量(2.0mg)を超える恐れもあるため、使い過ぎには十分な注意が必要です。

 

②のど飴・トローチ


のどの痛み

のど飴やトローチを舐めることで唾液が分泌されます。

 

唾液には保湿作用もありますし、傷付いた粘膜を修復する機能もあります

 

ハーブや生薬が含まれているものもあるので、いくつか試してみて自分の体質や好みに合ったものを探すのがおすすめです。

 

アズレンスルホン酸ナトリウムグリチルリチン酸二カリウムは抗炎症作用があるので、初期の喉の炎症への効果が期待できます。

 

③内服薬

 

内服薬としては、さまざまな成分が複合されたものが市販薬として発売されています。

 

成分表示を見ると、どのような症状をメインにした風邪薬なのかを知ることが可能です。

 

以下で風邪薬の代表的な成分を説明するので、成分表示を見る際の参考にしてみてください。

 

解熱鎮痛成分

アスピリン、サリチルアミド、エテンザミド、アセトアミノフェン、イブプロフェン、イソプロピルアンチピリン等です。

解熱作用がある生薬成分としてジリュウ、ショウキョウ、ケイヒ等が、他の解熱鎮痛成分と組み合わせて配合されている場合もあります。

 
抗アレルギー成分

くしゃみや鼻水などアレルギーによる症状を抑える成分です。

抗ヒスタミン成分としては、マレイン酸クロルフェニラミン、マレイン酸カルビノキサミン、メキタジン、フマル酸クレマスチン、塩酸ジフェンヒドラミン等です。

抗コリン成分としては、ベラドンナ総アルカロイドやヨウ化イソプロパミドなどが配合されている場合があります。

 
鎮咳(ちんがい、咳を抑えること)成分

リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、臭化水素酸デキストロメトルファン、ノスカピン、ヒベンズ酸チペピジン、塩酸クロペラスチン等です。

ナンテンジツ等の生薬成分が配合されている場合もあります。

 
抗炎症成分

鼻の粘膜や喉の炎症による腫れを和らげることが目的の成分です。

市販薬には、塩化リゾチーム、セラペプターゼ、セミアルカリプロティナーゼ、ブロメライン、グリチルリチン酸二カリウム等が配合されている場合があります。

 
漢方成分

風邪薬に配合される漢方処方成分、又は単独でかぜの症状の緩和に用いられる漢方処方製剤の主なものとして、葛根湯 (かっこんとう)、麻黄湯(麻黄湯)、小柴胡湯(しょうさいことう)、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、桂枝湯(けいしとう)、香蘇散(こうそさん)、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)、麦門冬湯(ばくもんどうとう)があります。

 
鎮静成分

解熱鎮痛成分の配合に伴い、その鎮痛作用を助けることを目的として、ブロムワレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素のような鎮静成分が配合されている場合があります。

 
胃酸を中和する成分(制酸成分)

解熱鎮痛成分の配合に伴い、胃腸障害を減弱させることを目的として、ケイ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムゲル等の制酸成分が配合されている場合があります。

 
カフェイン類

カフェイン類解熱鎮痛成分の配合に伴い、その鎮痛作用を助ける目的で、カフェイン、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン等が配合されている場合があります。

 
その他(ビタミン成分など)

かぜの時に消耗しやすいビタミンやビタミン様物質を補給することを目的として、粘膜の健康維持・回復に重要なビタミンC(アスコルビン酸、アスコルビン酸カルシウム等)、ビタミンB2(リボフラビン、リン酸リボフラビンナトリウム等)、ヘスペリジンや、疲労回復の作用を持つビタミンB1(硝酸チアミン、塩酸フルスチアミン、ビスイブチアミン、チアミンジスルフィド、ベンフォチアミン、ビスベンチアミン等)、アミノエチルスルホン酸(タウリン)等が配合されている場合があります。

また、強壮作用等を期待してニンジンやチクセツニンジン等の生薬成分等が配合されている場合もあります。

 

関連記事:インフルエンザワクチンにかかる費用や値段はどれくらい?メーカーの種類によって効果は変わる

関連記事:インフルエンザワクチンの副反応・副作用で起こる症状や出やすい人の特徴について解説!

 

 

喉の痛みを治すおすすめの市販薬ランキング

 

ここでは喉の痛みに効くおすすめの市販薬を、先ほど述べた3つの種類に分けてそれぞれ紹介します。

 

薬選びで迷ったときの参考にしてみてください。

 

うがい薬

 

商品名メーカー希望小売価格内容量主な成分

健栄製薬「健栄うがい薬」【第3類医薬品】

580~2,980円(税別)50~500mLポビドンヨード

シオノギヘルスケア「イソジンうがい薬」【第3類医薬品】

670~3,278円(税別)50~500mLポビドンヨード

大正製薬「パブロンうがい薬AZ」【第3類医薬品】

 1,320円(税別)30mLアズレンスルホン酸ナトリウム

1位.健栄製薬「健栄うがい薬」【第3類医薬品】

 



  • 口臭予防にも効果的!


うがい薬のひとつめは、健栄製薬の「健栄うがい薬」です。ポビドンヨードを配合したうがい薬で、口腔内や喉の殺菌・消毒・洗浄、口臭の除去などに効果を発揮します。

 

メーカー希望小売価格580~2,980円(税別)
内容量50~500mL
主な成分ポビドンヨード


公式HP

 

2位.シオノギヘルスケア「イソジンうがい薬」【第3類医薬品】

 

 



  • 医療機関でも利用されている!


続いてシオノギヘルスケアの「イソジンうがい薬」です。こちらもポビドンヨードを配合したうがい薬で、医療機関では手術の消毒液として利用されるなど、高い殺菌作用が認められています。

 

メーカー希望小売価格670~3,278円(税別)
内容量50~500mL
主な成分ポビドンヨード


公式HP

 

 3位.大正製薬「パブロンうがい薬AZ」【第3類医薬品】

 

 



  • 優れた抗炎症作用!


うがい薬の最後は大正製薬の「パブロンうがい薬AZ」です。アズレンスルホン酸ナトリウムの中でもとりわけ高い効果をもつ「グアイアズレン」を配合しているのが特徴です。

 

メーカー希望小売価格1,320円(税別)
内容量30mL
主な成分アズレンスルホン酸ナトリウム


公式HP

 

トローチ

 

商品名メーカー希望小売価格内容量主な成分

日新薬品工業「トピックAZトローチ」【第3類医薬品】

 1,100円(税込)24錠アズレンスルホン酸ナトリウム

日本臓器製薬「アイストローチ」【指定医薬部外品】

 350~525円(税表記なし)8~16錠ポビドンヨード

興和「コルゲンコーワトローチ」【指定医薬部外品】

260~800円(税別)6~24錠グリチルリチン酸ニカリウム
セチルピリジニウム塩化物水和物
セネガ乾燥エキス

1位.日新薬品工業「トピックAZトローチ」【第3類医薬品】

 

  • ブルーベリー味で子どもにもおすすめ!


おすすめのトローチひとつめは、日新薬品工業の「トピックAZトローチ」。アズレンスルホン酸ナトリウム配合のトローチです。ブルーベリー味であるため、薬が苦手な子どもにもおすすめです。

 

メーカー希望小売価格1,100円(税込)
内容量24錠
主な成分アズレンスルホン酸ナトリウム


公式HP

 

2位.日本臓器製薬「アイストローチ」【指定医薬部外品】

 



  • 5種類の豊富な味から選べる!


続いては日本臓器製薬の「アイストローチ」です。名前からも想像できるとおり、ひんやりと冷たいのが特徴。ハチミツ、りんご、ブルーハワイ、オレンジ、レモンの5種類の味がラインナップされています。

 

メーカー希望小売価格350~525円(税表記なし)
内容量8~16錠
主な成分セチルピリジニウム塩化物水和物(殺菌成分)


公式HP

 

3位.興和「コルゲンコーワトローチ」【指定医薬部外品】

 

 



  • 3つの有効成分を配合!


最後に紹介するトローチは興和の「コルゲンコーワトローチ」。グリチルリチン酸ニカリウム、セチルピリジニウム塩化物水和物(CPC)、セネガ乾燥エキスと効果の異なる3つの有効成分が配合されており、喉を殺菌して炎症を抑えつつ、粘膜も保護してくれます。

 

メーカー希望小売価格260~800円(税別)
内容量6~24錠
主な成分グリチルリチン酸ニカリウム
セチルピリジニウム塩化物水和物
セネガ乾燥エキス


公式HP

 

内服薬

 

商品名メーカー希望小売価格内容量主な成分

小林製薬「のどぬ~る鎮痛カプセルa」【第2類医薬品】

1,000円(税別) 18錠グリチルリチン酸ニカリウム
セチルピリジニウム塩化物水和物
セネガ乾燥エキス

第一三共ヘルスケア「ぺラックT錠」【第3類医薬品】

1,200~2,800円(税別)18~54錠トラネキサム酸
カンゾウ乾燥エキス

龍角散「龍角散ダイレクト スティック」【第3類医薬品】

770円(税込) 16包生薬成分(セネガ、カンゾウなど)

1位.小林製薬「のどぬ~る鎮痛カプセルa」【第2類医薬品】

 



  • 鎮痛成分イブプロフェン配合!


次は小林製薬の「のどぬ~る鎮痛カプセルa」。鎮痛成分のイブプロフェンと抗炎症成分のトラネキサム酸を配合しており、辛い喉の痛みを和らげ腫れを抑えてくれます。

 

メーカー希望小売価格1,000円(税別)
内容量18錠
主な成分グリチルリチン酸ニカリウム
セチルピリジニウム塩化物水和物
セネガ乾燥エキス


公式HP

 

2位.第一三共ヘルスケア「ぺラックT錠」【第3類医薬品】

 

 



  • 抗炎症成分を1日最大量まで配合!


続いては第一三共ヘルスケアの「ぺラックT錠」です。抗炎症成分のトラネキサム酸を成人の1日あたりの最大量まで配合。さらに抗炎症成分のカンゾウ乾燥エキスも含まれており、喉の腫れを抑えることに特化した内服薬です。

 

メーカー希望小売価格1,200~2,800円(税別)
内容量18~54錠
主な成分トラネキサム酸
カンゾウ乾燥エキス


公式HP

3位.龍角散「龍角散ダイレクト スティック」【第3類医薬品】

 

 



  • 水なしで飲める即効性が魅力!


最後は龍角散の「龍角散ダイレクト スティック」です。スティックタイプで粉ではなく顆粒のため、水なしでどこでも飲めるのが魅力。粉末状の生薬成分が喉に直接作用して喉の異物排出を促します。ミント味、ピーチ味、マンゴー味があります。

 

メーカー希望小売価格770円(税込)
内容量16包
主な成分生薬成分(セネガ、カンゾウなど)


公式HP

 

 

喉の痛みを治すために自宅でできる対処法

 

のど痛み

それでは次に、自宅でできる対処法について原因ごとにお教えします。

 

①細菌やウィルスの感染による喉の痛み


細菌やウィルスが原因になっている場合には、薬が効く場合があります。


細菌には抗生剤が効きますが、原因菌や感染部位によって使用する薬剤が違うので病院で処方してもらうことが必要です。

 

ウィルスには、インフルエンザウィルスによる抗インフルエンザウィルス薬というような、抗ウィルス薬が存在する場合があります。

 

抗ウイルス薬がある場合は使用し、抗ウイルス薬がない場合には痛み止めなどによる対症療法を行います。

 

いずれにせよ病院を受診するのが安心です。

 

②鼻詰まりや口呼吸による喉の粘膜の乾燥による喉の痛み

 

喉の乾燥を予防する必要があります。

 

こまめに鼻をかんだり、点鼻薬を使ったりするのも一案です。

 

睡眠時に口呼吸をしてしまう場合には、口にテープを貼る方法もあります。

 

あとは、加湿器を設置して湿度を上げる方法も効果的です。

 

後で詳しく説明しますが、トローチやのど飴などを舐めて唾液を分泌させて喉を潤わせる方法は即効性があります。

 

③長時間話すことやカラオケなどによる喉の酷使

 

喉を酷使しないようにする、というのが根本的な解決方法です。

 

難しい場合には、酷使する際にこまめに水分補給をして喉を潤す、酷使した後でトローチやのど飴を舐めて炎症を抑えるなどの方法が有効です。

 

どうしても改善しない場合には、病院で鎮痛剤やトランサミンなどを処方してもらい、対症療法で炎症を抑えることになります。

 

④タバコや飲酒による喉への刺激

 

こちらも、直接の原因となるタバコや喫煙を控えること、トローチやのど飴を舐めることで防げます。

 

受動喫煙で間接的なタバコの原因が理由の場合には、喫煙者に影響の少ない場所で喫煙してもらうよう協力してもらいましょう。

 

 

 風邪を予防する方法


のどの痛み

風邪を予防する方法をご紹介します。

 

一般的な方法として知られており、効果が高いのが手洗いとうがいです。

 

手洗いについては、しっかりと時間をかけて手首や爪の間なども念入りに洗いましょう。

 

うがいに関しても時間があるときには30秒以上しっかりと時間をかけて行いましょう

 

細菌やウィルスに対する免疫力を高めたり、自己治癒力を高めたりするために、常に健康な状態を保つことが望ましいです。

 

規則正しい生活を送り、栄養バランスを考えた食事を摂り、ストレスを適度に発散することが重要です。

 

ストレスとは難しいもので、実際にストレスを感じている際には実感が無いことが多くあります。

 

しかし、いざそのストレスが解消されたり環境が変わったりすると「今振り返ると、あの時はストレスがかかる環境にいたんだ。」と実感することが少なくありません。

 

日ごろから自分の体調や精神状態をしっかり観察し、ストレスもできれば溜まりすぎる前に解消したいものです。

 

最近では、瞑想から宗教的な要素を取り除いた「マインドフルネス」という方法も注目されています。

 

人間の脳は「無」の状態になるのが苦手なため、散歩や呼吸など身体を動かすことに全神経を集中させて「脳に悩み事や雑念を考えさせない」というリラックス方法です。

 

・手洗いうがいによって物理的に細菌やウィルスを体内に入れないこと。

・精神的にもストレスを溜めずに免疫力や自己治癒力を高めること

・万が一細菌やウィルスが体内に入った場合にも、しっかりと排除する力を保っておくこと


などが重要となります。

 

関連記事:風邪に対する豆知識のまとめ!食事やお風呂、睡眠など自宅での過ごし方について

 

 

風邪を早く治す方法

 

 

前提としては、病気はあらかじめ予防することに勝る方法はありません

 

風邪も同様で、風邪になってしまってから対処するのでは時間もかかるので、風邪にかからないように予防するのが先決です。

 

しかし、どうしても仕事が忙しいなどの理由で、十分な休息が取れない場合もありますよね。

 

そのような場合に、風邪を早く治す方法もご紹介しておきます。

 

①睡眠や休養をしっかりとる

 

予防にも通じますが、免疫力を高めるためには、しっかりと睡眠や休養を取る必要があります。

 

風邪を引いてしまったと感じたときには、早めに休むようにしましょう。

 

無理して働いてしまうと悪化させてしまうこともあります。

 

悪化してしまった場合、結局は完治するまでに時間がかかってしまいます。

 

②身体を温める


のどの痛み


体温が上がると免疫力もアップします。

 

部屋を暖かくし、湿度も上げるようにしましょう。

 

体温が高くなりすぎると、逆に体力を消耗してしまう場合もあるため、高熱が続きしんどいようであれば解熱剤の使用も考慮しましょう。

 

生姜や根菜類、シナモンなどは身体を内から温めてくれるのでおすすめです。

 

③しっかりと水分補給する

 

人は食事からも水分を補給しています。

 

風邪を引いて食事をしっかり摂れない場合には、いつもよりも多めに水分を補給しましょう。

 

体温が高い場合には、不感蒸泄(ふかんじょうせつ)といって何もしなくても体表面から蒸発してく水分の量が多くなっているため、体温が高い場合にも多めの水分補給が必要です。

 

水分は水よりもスポーツドリンクや経口補水液のような、塩や砂糖が入っているものの方が浸透圧が上がり吸収されやすいです。

 

どうしても口から水分が十分に補給できない場合には、病院の外来で点滴をしてもらうのも選択肢の1つです。

 

経験的には、外来で200mlや500mlの点滴を1本するだけで楽になる患者さんも多いです。

 

コーヒーや緑茶など利尿作用のある飲み物は避けましょう

 

④しっかりと栄養を補給する

 

のどの痛み

 

食事が食べられる場合や、体力が回復してきて食欲が戻ってきた場合には、少量ずつからでも食事を摂りましょう。

 

風邪を引くと普段よりも消費エネルギーが上がったり、ビタミンなどの消費が増えて不足している場合があります。

 

胃や腸の消化管の機能も低下する場合が多いので、うどんやお粥のような低脂肪で水分が多く味の薄いものが推奨されます。

 

 

喉の痛みや咳が長引いた場合に考えられる風邪以外の病気は?

 

喉の痛みや咳が長引く場合には、以下の病気が隠れている場合があります。

 

肺結核2週間以上続く咳で、体重減少、血痰(血の混じった淡)、寝汗が酷いなどの随伴症状がある場合には肺結核も疑われます。
医療機関を受診しましょう。
逆流性食道炎胸焼けや食後の胃の不快感が出る場合もありますが、喉の違和感や嗄声(させい、声のかすれのこと)だけしか症状が無い場合もあり注意が必要です。
マイコプラズマ肺炎「肺炎マイコプラズマ」という細菌に感染することによって起こる呼吸器感染症です。
頑固な発熱が特徴で、空咳という「コホコホ」という痰を伴わない咳が続くのが特徴的です。
気管支喘息喘鳴(ぜいめい、喉が「ゼーゼー」、「ヒューヒュー」鳴る)がある場合には気管支喘息も考えられます。
小児の喘息が有名ですが、成人発症の気管支喘息もあるので、いつもと違う咳の場合には病院を受診してください。
アレルギー体質である、小児喘息があった、家族に喘息の人がいる、などの場合には気管支喘息の可能性が高くなります。
咳喘息風邪の後に咳だけが残る場合には咳喘息の可能性があります。
慢性咳嗽(8週間以上続く咳)の場合で、喘鳴は伴わず、痰を伴わない空咳なのが特徴です。

 

 

西春内科在宅クリニックができる対応

 

西春内科在宅クリニックでは、自覚症状や経過を詳細に問診し、身体診察によって自覚していない身体の異変も見つけ出します。

 

血液検査や尿検査を行いどの臓器に原因があるのかを検査したり、画像検査(レントゲンやCT)によって肺に異常が無いかどうかを観察を行います。

 

呼吸機能検査や内視鏡検査など、更に検査が必要な場合には、適切な医療機関をご紹介させていただきます。

 

まずはお気軽にご相談ください。

 

 

 

まとめ

 

この記事では、喉の痛みや咳が止まらない場合の原因や対処法について説明しました。

 

症状が長引く場合や、いつもと違うなと感じた場合には、西春内科在宅クリニックまでお気軽にお問い合わせください。

 

きちんと検査して、症状が早く良くなるように誠実に対応させていただきます。

 

参考文献

 

1) Kazunari Satomura et al., Prevention of upper respiratory tract infections by gargling: a randomized trial, Am J Prev Med. 2005 Nov;29(4):302-7. PMID:16242593

2) Kanji Sato, Povidone iodine-induced overt hypothyroidism in a patient with prolonged habitual gargling: urinary excretion of iodine after gargling in normal subjects, Intern Med. 2007;46(7):391-5. PMID:17409604

3) 院内(施設内)感染対策の手引き

4)患者さんと家族のための胃食道逆流症(GERD)ガイドブック

5)肺炎マイコプラズマ肺炎に対する治療指針

6)日本呼吸器学会 咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019作成委員会編:咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019. メディカルレビュー社,東京,2019.

訪問診療と在宅診療(往診)の違いとは|利用基準や診療内容について

訪問診療・在宅診療

最近良く耳にする在宅医療。

皆様も一度は耳にしたことがあると思います。

近年は、

『住み慣れた自宅で息を引き取りたい』

『可能な限り長く家族と一緒に過ごしたい』

とご希望される患者様が増加し、自宅で医療を受ける在宅医療が盛んになりました。

コロナ感染対策も相まり、入院となってしまうとご家族さまとの面談は難しくなってしまいました。

そのため、気軽に顔を合わせることが出来なくなったことも、在宅医療に拍車をかけました。

『足・腰が悪くなり、通院が難しくなった』

『入院を機に、ベッドから起き上がるのも難しくなってしまった』

『可能な限り自宅で、家族と一緒に生活したい』

そういった方には、在宅医療がぴったりです。

ただ、用語や仕組みが理解し辛く、在宅医療を受けるのには気遅れしてしまいますよね。

ここでは在宅医療・訪問診察・往診という用語の違いについて説明します。

もの忘れ外来


訪問診察とは


訪問診療・在宅診療

在宅医療は、具体的に往診と訪問診察に分けられます。

往診と訪問診療は、どちらも医師と看護師らが自宅などに出向き、診療を行う点では同じですが、全く別の医療です。

診療報酬上も異なります。

【厚生労働省・原文】


訪問診療:居宅において療養を行っている患者であった、通院が困難なものに対して、その同意を得て計画的な医学管理の下に、定期的に医師・歯科医師が訪問して診療を行うもの。

(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/02/1-4.html)

ご自宅において療養をおこなっている患者様に対して、通院が困難な場合にご本人もしくはご家族の同意を頂き、計画的な医学管理のもと定期的に医師が訪問させていただき診療を行うことを訪問診察と言います。

ここでの診察には、診察・検査・治療・点滴・投薬などが含まれます。



在宅診療(往診)とは


訪問診療・在宅診療

【厚生労働省・原文】


往診 :患家の求めに応じて患家に赴いて診療するものをいい、診療報酬では往診料を算定したもの。

(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/02/1-4.html)

往診は在宅医療のひとつです。

患者様の突発的な病状の変化などに対して、本人およびご家族様の要請があったとき、不定期かつ訪問計画に基づかずにご自宅および施設に医師が出向いて診療します。

往診料が発生いたします。


訪問診療・在宅診療

訪問診療と在宅診療(往診)の違い





訪問診療往診
診療内容事前に計画を立て、これに従い診察および処方をいたします。急な要請に対して、医師が診察を行い、必要な検査および処方を行います。
料金計画的なものであり、医療保険において一ヶ月に2回の訪問診療で院外処方箋を交付する場合、おおよそ7000円/月(1割負担)。
3割負担の方は、おおよそ20000円/月となります。
休日や夜間によってもことなりますが、
4000円/回~(1割負担のかた)、12000円/回~(3割負担のかた)となります。
なお、医師の診察および判断の結果、採血検査や心電図などを実施した場合は
別途、費用がかかります。
訪問できる範囲事前に契約いただいた患者様の生活している施設およびご自宅に伺います。医師が訪問可能な範囲(時間・距離)であれば、365日24時間対応します。


訪問診療と在宅診療(往診)の利用基準


訪問診療・在宅診療


安定しており事前の計画に則った診療であれば(定期的に診察をご希望の方は)、訪問診察になります。

緊急を要する不測の事態であれば往診になります。

緊急性の高い場合は どちらに連絡するべきか


緊急性の高い場合は 往診となります。

もしくは、救急病院を受診または救急車を呼んでください。


西春内科在宅クリニックができる対応


訪問診療・在宅診療


訪問診療


定期的(月2回程度)にご自宅にお伺いし、ご自宅で診察・検査・診断・治療を行います。

当クリニックを中心として半径8km以内の患者さまがご利用可能です。

通院困難という基準を満たせば、どんなご病気・ご状態でもお引き受けさせて頂きます。

医学的に正しいことも大切にしておりますが、それよりも人生にとって豊かになる選択をご本人さま・ご家族さまと一緒に考え、治療に向き合っております。

ご自宅でどのような検査ができるか・どのような理念で訪問診療を行っているか等を詳しく知りたい方はこちら


当クリニックでは、訪問診療が可能です。

ご自宅で少しでも安心して医療を受けられるように、安心して過ごせるようにと行っております。

痛い時・辛い時・ご不安な時など、いつでもご連絡下さい。



まとめ


今回は、在宅医療・訪問診察・往診という用語の違いについて解説しました。

『自宅で家族と一緒に少しでも長く過ごしたい』

『住み慣れた自宅に居たい』

そういった方へ医療を届けるために、在宅医療はあります。

しかし、用語が難しく、気軽に利用出来ないと思っていらっしゃる方も少なく無いのが現状です。

そのような形で在宅医療が必要な患者さまに届かないことは非常に嘆かわしいものです。

西春内科・在宅クリニックは在宅医療を広めるために活動しています。

興味がございましたら、気兼ねなく当クリニックにご連絡下さい。


参考文献

日本訪問診療機構(株式会社レスメッド)HP「Q&A集」

京都大原記念病院グループ HP

素敵なセカンドライフ「往診と訪問診察の違い?受けるための費用の紹介」

熱中症を疑うべき初期症状とは?治し方や頭痛への対応を解説

熱中症

 

皆さんは熱中症の初期症状をご存じでしょうか?

 

熱中症の症状としてよく知られる倦怠感や頭痛などは、実は思ったよりも進行してしまっているサインだったりします。

 

熱中症は誰にでも起こりうる比較的身近な疾患ですが、処置が遅れると重篤な後遺症が残ることも。

 

この記事では熱中症を疑うべき初期症状やその対処法を紹介するので、ぜひ参考になさってください。

 

 

熱中症を疑うべき初期症状

 

熱中症

 

熱中症にはさまざまな症状がありますが、できるだけ早く気づくことが大切です。

 

頭痛や倦怠感、顔のほてりなどは、実は既に熱中症が進行しているサイン。

 

その前に下記の兆候が見られたら注意が必要です。

  • めまい
  • 立ちくらみ
  • 足がつる
  • 喉の渇き


熱中症は体内の水分が少なくなり、体温の調節機能が狂うことから発症します。

 

上記の症状はすべて水分不足が原因となって起こる症状です。

 

例えば体から水分が少なくなると血流が減少し、血圧が下がることでめまいや立ちくらみなどを引き起こします。

 

また、足がつるのも水分が不足することによる循環障害ですが、知識や過去に経験がなければ熱中症と結びつけることは難しいでしょう。

 

さらに私たちは日常生活でも喉が渇きますが、熱中症で体が水分を欲しているときも当然喉が渇くので、これを熱中症の初期症状と判断するのはいささか難しいことでもあります。

 

暑い日やよく汗をかいたときに上記の兆候が見られたら、「もしかしたら熱中症かも?」と疑うことが大事です。

 

 

熱中症とは?

 

熱中症

 

熱中症は、基本的には高温・多湿な夏に起こりやすい病気です。

 

熱中症の細かい分類には、熱射病や熱疲労などがありますが、ここでは「熱中症」としてまとめて説明していきます。

 

人間の体は、暑い時には汗をかいたり、のどの乾きを感じて水分を摂ったりすることで、体温を調整するようにできています。

 

しかし熱中症は、この「体の調整能力」以上に体温が上がった時に起こりやすい疾患です。

 

関連記事:脱水症状になりやすい人の特徴|下痢や吐き気が起きる理由も解説

関連記事:発熱の基準は何度から?外来に行くべき目安やよくある症状を解説-横浜内科・在宅クリニック

 

 

熱中症になってしまった時の対処法

 

熱中症

 

もし熱中症を疑う症状が出た場合は、どうすればいいのでしょうか?

 

涼しい場所で安静にする

 

まずは涼しい場所で安静にすることが最優先です。

 

外で運動などをしている場合は冷房が効いた場所か、どうしても屋内に入れなければ日向を避けて木陰などに移動しましょう。

 

ご自宅で熱中症を疑う症状が出た場合には、扇風機ではなく、必ず冷房を使用してください。

 

体を冷やす

 

保冷剤や冷たい水をペットボトルに入れ両脇に挟んで、体温を下げることも効果的です。

 

冷やす部位は首の後ろや脇の下、鼠径部などの静脈が通っている部位が良いでしょう。

 

頭痛がひどい場合や熱が高い場合は頭部を冷やすのも重要です。

 

水分と塩分を補給する

 

軽度の熱中症であれば、水分と塩分を摂ることで治ることがあります。

 

ただし、熱中症による脱水では水分だけでなく塩分も不足している状態であるため、水ではなくスポーツドリンク経口補水液を飲むようにしましょう。

 

嘔吐や消化器系の症状がないのであれば、塩飴塩分タブレットフルーツなどの水分やミネラルを含んだ食べ物を摂るのもおすすめです。

 

注意してほしいのは緑茶で、カフェインには利尿作用があり、脱水が進んでしまうことがあるためおすすめしません。

 

なお、高齢者の方は脱水状態を自覚しにくく、水を飲む量が元々少ないこともあり、少なくとも500mLは水分摂取することを目安としてください。

 

ご家族や看病に当たっている方は、意識低下や痙攣などの症状の悪化のサインがないかこまめに確認するようにしましょう。


水分補給のPOINT


スポーツドリンクはナトリウム以外にもカリウムや、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルが含まれています。

そのため、食事摂取量が減少している場合はスポーツドリンクを推奨させていただいています。

しかし、市販のスポーツドリンクの飲み過ぎは、糖を多く含む事から体質によっては、おなかを壊してしまったり、糖尿病の悪化や、利尿作用によりかえって脱水症状を引き起こしたりというケースも稀に見受けられます。

そのため、スポーツドリンクの多量摂取はおすすめできません。

そんな時におススメするのが【経口補水液】です!

ご自宅にあるもので簡単につくれますので是非作って、熱中症対策をしましょう!

経口補水液の作り方

≪材料≫

 

  1. 水(湯冷まし)…500ml
  2. 砂糖…20グラム(はちみつでも可…大さじ1)
  3. 塩…1.5グラム
  4. レモン果汁…お好みで

 

≪作り方≫


材料をすべて入れて混ぜる。

砂糖と塩は溶けにくいのでしっかり混ぜて溶かしましょう。




熱中症が進行すると現れてくる症状

 

 

大量の汗もしくは汗をかかない


体温が上がると自動調節機能が働き、発汗によって排熱しようとします。大量に汗をかくのは体が上がりすぎた温度を下げようとするためであると考えられます。

 

また、熱中症によって体温調節機能が狂うことで、必要以上に汗をかいてしまうというケースもあります。この結果さらに脱水が進んでしまうという悪循環に陥る可能性もあるので注意しましょう。

 

反対に、暑いと感じているのにまったく汗をかかないことがあるのも熱中症でよく見られる症状です。これは汗も出ないくらい体内の脱水が進んでいることを意味しています。

 

また、尿の色が濃くなったり尿量が減ったりしている場合も脱水の危険信号です。

 

しっかりと水分と塩分を摂取するようにしましょう。

 

筋肉痛

 

発汗により、水分とともに血液中のミネラルが減ることによって起こる症状のひとつです。

 

塩分を十分摂らず水分だけ摂ってしまっていると起こりやすいので、塩分の補給も忘れないようにしましょう。

 

頭痛

 

主に脱水により脳への血流が少なくなる影響で起こります。

 

普段から気圧の変化で頭が痛くなりやすい方や偏頭痛を持っている方の場合、熱中症と気づきにくいため要注意です。

 

倦怠感

 

なんとなく体がだるいといった症状です。

 

風邪やコロナなどと間違われることもありますが、この倦怠感を放っておくとさらに熱中症が進行してしまうので要注意です。

嘔吐

 

熱中症が進むと嘔吐してしまうことがあります。

 

口から水分を摂ることが難しくなってしまうと病院での点滴治療が必要となります。

 

また、意識障害も起こっている場合には、誤嚥に肺炎を引き起こすこともあるため危険です。


痙攣(けいれん)

 

体全体が痙攣します。

 

ここまで症状が出ていると熱中症がかなり進んでいると考えられるため、救急車での受診が必要になることが多いです。

 

意識障害

 

熱中症がかなり進行した、大変危険な状況です。

 

意識障害だけでも十分に危険ですが、倒れた時の衝撃で頭を打つなど、二次被害にも気を付けなければなりません

 

少しでも意識が朦朧としているのを感じた場合は、すぐに救急車を呼びましょう。

 

関連記事:救急外来や救急車を呼ぶ基準や命に関わる危険な症状について解説

 

 

 熱中症にならないための予防対策

 

熱中症

ここまで、熱中症の症状と対応について解説してきました。

 

次に熱中症の予防対策についてお伝えしていきたいと思います。

 

熱中症の予防では、急な体温上昇を抑え、脱水を予防することがもっとも重要です。

 

自宅で冷房をつけずに扇風機だけで過ごしていることで熱中症を発症してしまうケースが多いようです。

 

特に高齢者の方は暑さを感じにくいことや、「体に悪そう」などの冷房に対する苦手意識から、冷房の使用を控えがちのようです。

 

しかし、実は、扇風機には室温を下げる効果があまり期待できないため、冷房を使い、しっかり部屋の温度を下げることが大切なのです。

 

また、冷房にプラスして、スポーツドリンクで脱水予防をすることをおすすめします。

 

甘さが苦手な方は、薬局で販売している経口補水液OS-1を飲んでもよいでしょう。

 

そして、高齢者の方が外出や運動をする場合は、必ず休息をこまめに挟み、その際にいつもより多めの水分補給を心がけるようにしてください。

 

塩分補給のための塩飴塩タブレットフルーツなども意識的に摂るようにしましょう。

 

関連記事:夏バテとは?どんな症状があるの?|予防対策や治し方を解説


 

西春内科在宅クリニックができる対応

 

西春内科・在宅クリニックでは、熱中症が疑われる症状が出た場合に、受診いただくことが可能です。

 

対処法を試したが症状が治まらない、熱中症のような症状が出ているといった場合には、ぜひお気軽にご相談ください。

 



まとめ

 

今回は、熱中症の初期症状や対処法について解説させていただきました。

 

熱中症で最も大切なことは予防です。

 

この情報を参考にして健康で快適な夏を過ごしてくださいね。

 

もし何か、困ったことがあれば、お気軽にお問い合わせ頂ければと思います。

 

【参考文献】

 

・消防庁(2021) 令和3年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況

天気痛の症状とは?原因や予防対策について徹底解説

天気痛

天気痛
あなたは聞いたことがありますか?

これは、気象条件の変化が体調に影響を及ぼす現象です。

身近でいえば、雨が降りそうなときに頭痛がするといった経験がある方は多いのではないでしょうか。

今回は、天気痛の概要や、起こる原因、なりやすい人の特徴などについて解説していきます。

天気痛にならないための予防策もありますので、ぜひ参考にしてみてください。


 

天気痛が起こる原因とは


天気痛

天気痛とは何か


まず、天気痛とは何かを理解しましょう。

天気痛は、気象条件の変化が体調に影響を及ぼす現象のことを指します。

この現象は、気圧の変動によって引き起こされることが多いです。

天気痛の原因


天気痛が起こる主な原因は、気圧の変動です。

気圧が急激に変化すると、体内の血管や神経に影響を与え、さまざまな症状が現れることがあります。

特に気象の不安定な日や季節の変わり目に、この現象が顕著に現れることが多いです。

気圧の変動によって体内のバランスが乱れ、不快な症状が起こるのです。

 

関連記事:なぜ眼精疲労で頭痛になるの?効果的なツボや予防対策を紹介

 

 

天気痛の主な症状


天気痛

天気痛の症状は多岐にわたり、人によって異なることがありますが、以下は一般的に報告されている主な症状です。

  • 頭痛
  • 吐き気
  • めまい
  • 肩こり
  • 首痛
  • 腰痛
  • 眠気
  • 気分の落ち込み
  • うつ
  • 不安症


これらの症状は、気圧の変動が体内の神経や血管に影響を及ぼすことで引き起こされます。

特に、頭痛やめまい、肩こりなどがよく報告されます。

また、台風が来る前に体調の変化が起こる方、台風が通過している際に体調不良になる方など気圧の変動に対する個人差があるため、症状の程度や種類は人によって異なります

 

関連記事:脳出血の前兆となる危険な症状や原因、後遺症について解説

 

 

天気痛になりやすい人の特徴


天気痛

天気痛になりやすい人の中で、特に女性が多く報告されています。

なぜ女性がなりやすいのでしょうか?

女性は男性に比べて、ホルモンバランスがデリケートで、気圧の変動に対する感受性が高いことが一因です。

また、生理周期やホルモンの変化も影響を与え、女性の天気痛がより顕著に現れることがあります。

さらに、更年期の不定愁訴(ふていしゅうそ:はっきりとしない訴え)には頭痛や肩こり、うつなどの天候の影響を受けやすいものが多く、更年期世代の特に女性からの天気痛の訴えが多いです

 

関連記事:慢性硬膜下血腫を放置するとどうなる?認知症などの症状や手術について

 

 

天気痛にならないための予防対策


天気痛

天気痛を予防するためには、以下の方法があります。

  • 太陽光を浴びる
    太陽光を浴びることでビタミンDを生成し、体調を整えることができます。

  • 朝食を摂る
    朝食を摂ることで血糖値を安定させ、気分の安定を図ることができます。

  • 運動
    運動はリラクゼーション効果があり、天気痛の症状を軽減させるのに役立ちます。

  • 入浴
    入浴もリラックス効果があり、症状の和らげに寄与します。

  • 睡眠
    良質な睡眠を確保することで、体調を整えましょう。


これらの対策を日常生活に取り入れることで、天気痛を予防しやすくなります。

 

 

天気痛が続くときは


天気痛

天気痛の症状が長期間続く場合や、日常生活に支障をきたす場合は、病院やクリニックを受診することをお勧めします。

医師は適切な治療法や薬を提供し、症状の軽減や病状の詳細な診断を行ってくれます。

早めの医療相談は大切です。

 

 

西春内科・在宅クリニックができる対応


西春内科在宅クリニックでは、天気痛に対する適切な診断と治療を提供しています。

患者様の健康を最優先に考え、快適な生活を支援します。

安心してお気軽にご相談ください。



まとめ


今回は、天気痛の概要や、起こる原因、なりやすい人の特徴などについて解説しました。

天気痛は気圧の変動によって引き起こされる体調不良の一種で、多くの人々に影響を及ぼします。

しかし、適切な知識と対策を実践することで、症状の軽減や予防が可能です。

女性が特に気を付けるべき点もありますので、日常生活に取り入れやすい対策を試してみてください。

 

亀頭包皮炎とは?原因や症状を徹底解説

亀頭包皮炎

皆さんは「亀頭包皮炎」という陰茎の疾患をご存知でしょうか。

亀頭周辺や包皮の内側が赤くなったり、腫れたり、かゆくなるなどの症状が現れる疾患です。

場合によっては痛みを伴うこともあります。

男性であれば誰でも発症する可能性があり、特に、包茎の方は亀頭包皮炎を発症しやすいです。

治療せず放置すると「尖圭コンジローマ」に感染しやすくなったり、「陰茎がん」の原因になることもあります。

今回は、亀頭包皮炎の症状や原因、治療方法などについて解説します。


亀頭包皮炎とは?


亀頭包皮炎

亀頭包皮炎とは、亀頭とそれを包んでいる包皮に炎症が起き、かゆみや腫れ、異臭、痛みといった症状が生じる病気です。

細菌やカンジダが原因の場合が多いとされています。

しかし元々持っている常在菌の大腸菌黄色ブドウ球菌が過度に繁殖してしまって炎症を起こす場合もあります。

陰部が不衛生になりやすい子どもに多いとされていますが、大人の男性でも発症する事も少なくありません。

関連記事:カンジダ症ってどんな病気?女性に多い?男女別の症状や原因、治療について

亀頭包皮炎の原因


亀頭包皮炎

細菌感染


亀頭包皮炎の原因として最も多いのがこの細菌感染によるものです。

黄色ブドウ球菌、大腸菌、レンサ球菌といった常在菌が免疫力の低下によって異常繁殖することで炎症が起こり、かゆみや腫れ、異臭といった症状が出ます。

他が原因の亀頭包皮炎に比べて、特にかゆみや腫れ症状が強いというのが細菌感染の特徴です。

真菌感染


真菌感染は、「カンジダ性亀頭包皮炎」とも言われており、カンジダというカビによる感染によって起こります。

このカンジダ菌も常在菌のひとつで細菌感染同様、免疫力の低下による異常繁殖で発症するほか、性行為によっても感染することがあります。

症状としては、細菌感染同様かゆみや腫れの症状に加えて、異臭のする白色や黄色のカスが溜まることも特徴です。

物理的刺激


性行為や自慰行為の際の過度な摩擦や刺激によって亀頭や包皮を傷つけてしまい、そこから菌が侵入して感染してしまう場合もあります。

さらに性行為の場合、相手が性器クラミジア感染や梅毒といった性感染症に感染していると、さらに亀頭包皮炎を発症しやすいです。

糖尿病


糖尿病からも「糖尿病性亀頭包皮炎」という名前の亀頭包皮炎になる可能性があります。

高血糖になると、皮膚は弾力が無くなり硬くなってしまいます。

その状態で陰茎が勃起することで、皮膚の表面が裂けたりひび割れたりして炎症を起こしてしまうのです。

不潔または過剰な洗浄


亀頭包皮炎は、不潔すぎる状態はもちろん、石鹸などによる過剰な洗浄も原因になることがあります。

清潔にしようとしすぎるがあまりに、陰部を洗うときに過度に力が入り、皮膚が刺激されて炎症を引き起こしてしまいます。

また、石鹸を使って頻繁に洗うと皮膚の自然な保護バリアを壊してしまうため、洗いすぎによっても発症する場合もあるので洗いすぎには注意しましょう。



亀頭包皮炎の症状


亀頭包皮炎

亀頭包皮炎では以下の症状が現れます。
  • 疼痛
  • 赤み
  • 腫れ
  • 化膿
  • 出血
  • かゆみ
  • 異臭
  • 白色や黄色の垢

しかしどのような症状が出るかは、感染原因が細菌や真菌かによって異なります。

黄色ブドウ球菌などの細菌が原因の場合
  • 赤みやかゆみが強い
  • 化膿することが多い

一方、カンジダなどの真菌が原因の場合
  • 亀頭や包皮内側に白色や黄色のカスが出る
  • すっぱい臭い(酸臭)がすることが多い

という特徴があります。

また、原因が細菌と真菌の複合的な要因だった場合、両方の症状が出る場合も見られます。

関連記事:陰部や性器のかゆみがある時の性病について|検査や治療方法もご紹介

亀頭包皮炎の検査方法


亀頭包皮炎

亀頭包皮炎の治療の際に必要の事は、まず原因が細菌と真菌どちらなのかです。

検査方法は、炎症が起こっている亀頭包皮を綿棒で擦り、菌を増殖して調べる培養検査によって細菌か真菌かを特定します。

尿道炎が合併していたり、亀頭包皮炎に隠れている糖尿病を見つけるために、尿検査を行い白血球増加や尿糖の有無なども同時に調べることもあります。



亀頭包皮炎の治療


亀頭包皮炎

亀頭包皮炎は原因を見定め、それに合った治療を行えば治る病気です。

しかし、恥ずかしさなどから医療機関への受診が遅れ、「尖圭コンジローマ」や「陰茎がん」といった病気に発展してしまうこともあります。

病院で受けられる処置や、ご自分でも気を付けられることもあるので見ていきましょう!

抗生物質・抗真菌薬


亀頭包皮炎の原因のほとんどは細菌と真菌による感染です。

そのため亀頭包皮炎の主な治療は抗生物質や抗真菌成分の入った軟膏塗布を行います。

しかし炎症が強く見られる場合には、軟膏にステロイドを混合したり、経口の抗生剤投与と併用した治療が行われることもあります。

清潔の保持


亀頭包皮炎の治療のほとんどは塗り薬による治療ですが、患部を清潔に保つことも大切です。

しかし、先述したように洗いすぎが原因で亀頭包皮炎が悪化する場合もあるので、洗うのは1日1〜2回で石鹸も使いすぎないようにしましょう。

関連記事:尿路感染症に高齢者がなりやすい理由|原因と症状について解説

西春内科・在宅クリニックでできる対応


亀頭包皮炎

西春内科・在宅クリニックでは症状に対しての適切な薬の処方、市販薬を使われていた場合はその薬が適切かどうかのアドバイスなども行えます。

お困りの際はお気軽にご相談、ご来院くださいね。




まとめ


亀頭包皮炎についての解説はいかがだったでしょうか。

亀頭包皮炎は、子どもに多い症状ですが大人でもなることがある病気です。

しっかりと対処すれば治る病気ですが、恥ずかしさなどから医療機関への受診が遅れ、「尖圭コンジローマ」や「陰茎がん」といった病気に発展してしまうこともあります。

恥ずかしさもあるかもしれませんが、何かおかしいなと思ったら放置せず一度お近くの医療機関へご受診ください。

参考文献

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