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アナフィラキシーって?コロナのワクチン接種でもなるの?│症状・治療・原因・対応

全国各地で新型コロナウイルスの3回目ワクチン接種が本格的に始まり、「アナフィラキシー」という言葉が以前よりもさらに注目されるようになりました。

実際に、「アナフィラキシーになったらどうすればいいの?」とご心配な方も多くいらっしゃいます。

そこで、今回はアナフィラキシーとはいったいどういったものなのか…改めて、詳しく解説していきたいと思います。

アナフィラキシーとは

 アナフィラキシー(英語:Anaphylaxis)とは、「食物や薬などのアレルゲンの侵入により、複数臓器に全身性にアレルギー症状が現れて、生命に危機を与えうる過敏反応」のことをいいます。

複数臓器とは、消化器・循環器・呼吸器・神経・皮膚などを指します。

「フィラキシー(phylaxis)」は防御反応を意味する言葉です。

これに、否定の意味の「アナ(ana)」が加わり、有害な防御反応を意味する言葉になりました。

そして、よく耳にする「アナフィラキシーショック」は、アナフィラキシーにより、急激な血圧の低下、呼吸困難、意識障害などを引き起こし、場合によっては生命を脅かす危険な状態になることを指します。

アナフィラキシーの原因

アナフィラキシーは、食べ物だけでなく、注射やアレルゲンとの接触、運動、精神的ストレスにより起こることもあります。

アナフィラキシーの主な原因は、卵や甲殻類などの食べ物・抗生物質やワクチンなどの薬、蜂などの虫刺されとなっています。

それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。

食べ物によるアナフィラキシー

アナフィラキシーを引き起こすリスクが高い食品として、卵、牛乳、小麦、そば、ピーナッツ、えび、かにの7品目は食品衛生法において「特定原材料」として食品表示が義務づけられています。

特に、卵のアレルギーが最も多く、アナフィラキシーを引き起こす代表的な食べ物は以下の通りです。

アナフィラキシー食べ物のグラフ
(出典:日本アレルギー学会 アナフィラキシーガイドライン

食べ物によるアナフィラキシーは自宅で最も起こりやすいとされており、自宅でいつ起きてもいいような対策が大事です。

一般に食べ物アレルギーは乳幼児で発症することが多く、年を取るにつれて減少していきます。

稀に、原因となる食べ物を食べた後の数時間以内に運動をすると、アナフィラキシー症状を引き起こすことがあります。

これを食物依存性運動誘発アナフィラキシーといいます。

主に、小麦が原因となる場合が多く、運動により多量の抗原が吸収されるためとされています。

至急、救急車を呼んで病院へ搬送するなど迅速な対応が必要です。

薬物(予防接種)によるアナフィラキシー

アナフィラキシーを引き起こしやすい薬剤は、以下の通りです。

薬のアレルギーがある場合は、医療機関に受診する際に予め伝えるようにしましょう。

抗生剤

βラクタム系抗菌薬(ペニシリン系・セフェム系など)が最も多く報告されています。

解熱鎮痛剤

アスピリンなどのNSAIDs(イブ®やロキソニン®など)のうち、1剤に反応を示したり、複数剤反応する方もいます。

局所麻酔

自覚症状を訴える患者様が多いですが、麻酔薬自体のアレルギー反応は稀で、心理的要因や局所麻酔薬に添加されている保存料や血管収縮薬が原因であることが多いです。

抗腫瘍薬(抗がん剤)

白金製剤やタキサン系などの抗がん剤を原因とするアナフィラキシーは比較的多いです。

筋弛緩薬

全身麻酔中に発症したアナフィラキシーで最も多いです。(50~70%)

造影剤

造影が必要なCT検査の時に使用しますが、数千件に1件の確率です。

近年用いられている非イオン性、低浸透圧造影剤の重症の副作用の割合は0.04%とされています。

X線造影剤やMRI造影剤でもアナフィラキシー重症化因子として気管支喘息が挙げられており、慎重に投与することが原則となっています。

輸血

アナフィラキシーショックは血小板製剤8,500例に1例と比較的多く報告されています。

アレルゲン免疫療法

皮下注射法の場合は、特に増量過程でアナフィラキシーが生じる可能性があり、100万回中1回重篤な全身反応が生じ、2,300万回中1回の頻度で死亡例があります。

(出典:日本アレルギー学会 アナフィラキシーガイドライン

虫刺され

アナフィラキシーを引き起こす可能性のある虫の毒としては蜂毒が最も代表的で、中でもミツバチ、スズメバチ、アシナガバチには要注意です。

ハチの被害は夏から秋にかけて多く、8月がピークとなります。

初めての場合は、症状は数日で改善します。しかしながら、蜂に一度刺されて蜂毒に対する抗体ができている場合は、再度ハチに刺された後、5~10分以内にアナフィラキシーを起こすことがあります。

また、蜂毒の成分は種類によって異なりますが、スズメバチとアシナガバチの毒成分は類似しており、スズメバチに刺されたのは初めてでも、アシナガバチに刺された経験があれば、アナフィラキシーを生じる可能性も否めません。

その他

ラテラックス(天然ゴム)

天然ゴムの原材料に含むラテックスというたんぱく質がアナフィラキシーの原因となります。

ゴム手袋や風船、避妊具、ゴム靴などの日用品の他、医療用手袋やカテーテルなどに使用されています。

刺傷(ししょう)・咬傷(こうしょう)

稀なケースですが、クラゲなどの海洋生物に刺されたり、ハムスターやヘビ、ダニ、アリなどに噛まれたり、物理的な刺激が原因となるアナフィラキシーの報告もあります。

精神的ストレス、月経、アルコールの摂取、鎮痛剤の服用などがアナフィラキシー反応を増悪させる可能性もあります。

アナフィラキシーはコロナワクチン接種でも起きる?

新型コロナワクチン接種後には、実際にアナフィラキシーが疑われる副反応の報告もあります。

中には、「薬でアナフィラキシーを起こしたことがあるので、ワクチンが怖い…」なんて方もいるのではないでしょうか。

2021年2月のアメリカ医師会誌の論文では、ファイザー製が100万回に4.7回、モデルナ社製は100万回に2.5回、アナフィラキシーが起きたと報告されています。

アナフィラキシーが起こった人の94%は女性、77%は過去にアレルギー反応の既往がありました。

女性に多いのは、女性ホルモンの変動が一部関与しているのではないかと言われています。

また、76%は接種後15分以内、89%は30分以内に発症しています。

そして、全例とも適切な治療により症状は軽快・回復していることが報告されています。

新型コロナワクチンによるアナフィラキシーのリスクは、新型コロナの感染率や死亡率と比較しても、とても小さいものとなっています。

新型コロナワクチンは、この点からも安全性の高いワクチンであると評価されています。

ゆえに、一概に食物アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎や花粉症、じんま疹、アレルギー体質などがあるといった理由だけで、接種を受けられないわけではありません。

一般的に、ワクチンを接種することができない方は以下の通りです。ご自身が当てはまるかご心配な方は一度かりつけ医にご相談ください。

  • 明らかに発熱している方
  • 重い急性疾患にかかっている方
  • コロナワクチンの成分に対し、アナフィラキシーなど重度の過敏症の既往歴のある方

アナフィラキシーの症状

アナフィラキシーの症状はさまざまです。

通常、症状は、皮膚、粘膜、上気道、下気道、消化器、心血管系、中枢神経系の中の2つ以上の器官系に生じます。

もっとも多いのは、蕁麻疹、赤み、かゆみなどの皮膚症状です。

次に多いのが、くしゃみ、せき、ぜーぜー、呼吸困難、息苦しさなどの呼吸器症状と、目のかゆみやむくみ、唇の腫れなどの粘膜症状となっています。

そして腹痛や嘔吐などの消化器症状、さらには、血圧低下など循環器症状が起きることもあります。

次の3つの項目の中で、いずれかに当てはまる場合は、アナフィラキシーの可能性が高いとされます。

①数分~数時間で皮膚や粘膜の症状が現れた、かつ、呼吸器系の症状または血圧の低下などのうち少なくとも1つの症状がある場合

アナフィラキシー症状

②アレルゲンと疑われるものに触れる、または食べたり飲んだりした数分~数時間後、次の症状のうち2つ以上が突然あらわれた場合

アナフィラキシー症状 
③すでにアレルゲンとわかっているものに触れる、あるいは食べたり飲んだりした数分~数時間後、血圧の低下がみられた場合

アナフィラキシー症状

アナフィラキシー症状


(出典:アナフィラキシーってなぁに

アナフィラキシーが起きてからの時間経過は?

アナフィラキシーの特徴のひとつは、短時間で症状があらわれることです。

症状が出るまでの時間は、アレルゲンや体質により異なります。

蜂毒・薬物

蜂の毒や薬は直接体内に入るため、早く症状が出る傾向があります。ほとんどが5~10分以内です。

食べ物

食べ物は胃や腸で消化され吸収されるまでに時間がかかるため、症状が出るまで蜂の毒や薬よりも時間がかかることが多いです。

遅くとも、30分~2時間以内には大体出現します

輸血

ほぼ全例で3時間以内に出現。ピークは30分以内または30分~60分です。

 また、二相性反応といい、一度治まったにもかかわらず、アナフィラキシーの症状が再び現れることもあります。

 約1~20%の頻度で出現し、多くは8時間以内に発症しますが、中には72時間後に発症したという報告もあります。

 ですから、「症状が改善したので大丈夫!」と安易に考えず、すぐ医療機関に相談することが重要です。

アナフィラキシーの重症度評価

アナフィラキシーを起こしやすいのは食物アレルギーで、多くは小児ですがすべての年齢で認められます。

件数自体は多くないものの蜂毒と薬物は重症化しやすいのが特徴です。

アナフィラキシー症状重症度

厚生労働省の統計によると、毎年50~70人の死亡例が報告されています。

アナフィラキシー症状死亡例

(出典:アナフィラキシーってなぁに

 

アナフィラキシーの治療法

アナフィラキシーの治療法は、以下通りです。

対症療法

アドレナリン筋肉注射

アナフィラキシーの第1選択薬となる治療が「アドレナリン」です。

アドレナリンは、人間の副腎で生成されるホルモンです。心臓の働きを強め、末梢の血管を収縮させることで血圧を上昇させます。

また、気管支を拡張したり、粘膜の浮腫を改善したりする作用もあります。

アナフィラキシーの症状を抑える効果がでるまでの時間は5分以内なので即効性があり、早急にすべき対処法といえます。

ぐったりしている、意識障害、失禁などショック症状、のどが締め付けられる感じ、声がれ、声が出ないなどのどの強い症状、呼吸困難など呼吸器系の強い症状が現れた場合には、速やかにエピペン®と呼ばれるアドレナリン自己注射薬(アナフィラキシー補助治療剤)を用います。

アドレナリンの自己注射薬は、アナフィラキシーが現れた時自分(もしくは介護者)で使用することで、医師の治療を受けるまでの間、症状の進行を一時的に緩和し、ショックを防ぐことができます。

あくまでも補助治療剤であり、アナフィラキシーを根本的に治療するものではありません。エピペン注射後は直ちに医師の診察が必要です。

また、過去にアナフィラキシーショックを起こしたことがある方は、緊急時に備えてアドレナリン自己注射薬を常に携帯しておくとよいでしょう。

処方には医師の診断が必要ですが、2011年以降は健康保険適用となり、患者様の負担も少なくなりました。

エピペンの使い方は以下をご参考下さい。

エピペンガイドブック

 出典:広島県医師会 

抗ヒスタミン薬

抗ヒスタミン薬は、皮膚のかゆみや粘膜の症状、鼻や眼などの症状を緩和します。

しかし、呼吸器症状は緩和しないため、アドレナリン注射がもっとも優先的に行われます。効果までの時間も30分~3時間かかります。

気管支拡張薬

気管支を拡張して症状を抑える「気管支拡張薬」を吸入することがあります。

15分以内に息切れ、呼吸困難を改善しますが、上気道閉塞や血圧低下を防ぐわけではないので、第一優先ではありません。

症状が重くなってくると経口副腎皮質ステロイド薬などの内服薬が用いられることもあります。

アナフィラキシーになったら、原因の除去以外にも、必要であれば、酸素療法が行われることがあります。

酸素投与をすることで空気の通り道を確保します。

根本的治療

経口免疫療法

経口免疫療法とは、経口負荷試験で調査したアレルギー症状があらわれる量を基準にし、医師の管理下で徐々に食べる量を増やしながら、最終的に耐性を獲得させることをめざす治療法のことをいいます。

アナフィラキシーの予防法は?

アナフィラキシーの予防には、自分が何のアレルギーがあるかを事前に知っておくことが最も需要です。

食物のアナフィラキシー予防法

アナフィラキシーの原因となるアレルゲンが入った食べ物の摂取を避けることが重要となります。

そのためには、血液検査(特異的IgE抗体、好塩基球ヒスタミン遊離試験)や皮膚テスト(プパッチテスト、リックテスト、スクラッチテストなど)でご自身がアナフィラキシーを起こす可能性があると推定される食べ物を調査するのが良いでしょう。

その上で、食べ物を購入する際は、アレルギー物質の食品表示を確認するように心がけましょう。

また、過去に強いアナフィラキシーの経験があったり、その危険があると思われたりする場合はアドレナリン自己注射薬(エピペン®)を携帯しましょう。

食物依存性運動誘発アナフィラキシーの対策としては、調べたアナフィラキシーの原因となる食べ物を避けることに加え、食後3時間以内の運動を制限することがあげられます。

蜂毒のアナフィラキシー予防法

蜂毒によるアナフィラキシ―の対策としては、当たり前ですが、蜂にされないように蜂の巣や蜂に近づかない、蜂の習性を知ることです。

毒針を持つ蜂でも、こちらから刺激しなければ、刺しにくるこは滅多にありません。

蜂が相手を襲うのは、巣が攻撃されて危険を感じたときです。蜂に刺されないためには、「蜂に近づかない」、「巣に近づかない」、「蜂や巣に触れない」を守りましょう。

蜂に対するアレルギーの検査としては、血液検査や蜂毒を用いた皮膚テスト(プリックテストなど)があります。

林業関係者や山など蜂がいそうな場所に行く予定の方は一度調べてみるのも良いかもしれませんね。

また、蜂は、黒色に対して攻撃したり、甘い匂いに誘われたりする習性があります。

蜂のいそうな場所に行く際は、なるべく肌を覆う白っぽい服装をし、ヘアスプレーや香水などの化粧品はつけないように心がけましょう。

薬剤のアナフィラキシー予防法

薬物に対するアナフィラキシーの対策は、原因となる薬物を避け、交叉反応のない薬を代わりに使用する必要があります。

薬物により皮疹などの異常がみられた場合には薬物アレルギーを疑い、すぐに医師や薬剤師に相談してください。

また、薬物アレルギーがある場合には、医療機関を受診する際や薬局で市販薬を購入する際に、アレルギーの内容を確実に伝える必要があるため、その薬の名前を「お薬手帳」に記録しておきましょう。

家や会社でアナフィラキシーが起こった時の対応は?

アナフィラキシーの経過は非常に早いため、迅速に適切な対応をできるかが生死を分けます。

まずは119番に電話をして、救急車を呼びましょう。

待っている間は、まっすぐに寝かせましょう。嘔吐したり、意識がもうろうとしている場合は、気道が塞がり窒息するのを防ぐために横向きに寝かせましょう。

また、アナフィラキシーの原因物質が身体にまだ付着している場合は、水などでなるべく早く除去するようにしましょう。

西春内科在宅クリニックができること

 西春内科在宅クリニックでは、ご自身が何のアレルギーがあるか調べる血液検査が可能です。

ただし、取り扱っているアレルギー検査が異なっていることもあるので「特にこのアレルギーがあるのか知りたい」などという場合は、事前のお問い合わせをお願いします。

西春内科在宅クリニックでのアナフィラキシー例

令和4年3月現在、当院でアナフィラキシーショックを起こした患者様はいません。

当院で注射や点滴をされた際、息苦しさ、ふらつきなどのアナフィラキシーの症状が見られ場合は、速やかに看護師や事務員にお知らせください。

当院では、万が一、患者様がアナフィラキシーを起こした場合に備えて、酸素ボンベなど万全の体制を整えております。

詳しくはこちら

まとめ

いかがでしたか。今回はアナフィラキシーについて詳しく解説いたしました。

アナフィラキシーは、一刻を争う命に係わる病気です。

まずは、ご自身が何のアレルギーがあるのかを調べて予防するのが一番ですが、アナフィラキシーに遭遇した場合は、迅速な判断と適切な対応が極めて重要となります。

ですので、もしご自身やご家族でアナフィラキシーを疑う症状が出た時も慌てないために、こちらの記事をよく読みましょう。

参考文献

広島県医師会
アナフィラキシーってなぁに
日本アレルギー学会 アナフィラキシーガイドライン

高齢者に起きやすい誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)ってどんな病気?熱も出る?

日本の死因において、肺炎は常に上位に位置する病気です。

高齢者においては、肺炎の中でも誤嚥性肺炎が7割を占めると言われており、とても身近な病気と言えます。

早期発見による治療、また誤嚥をしない工夫が大切です。

本記事では、誤嚥性肺炎の原因やなりやすい人の特徴、主な症状などを解説してます。

誤嚥性肺炎(ごんせいはいえん)とは

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)とは、飲食物や唾液を飲み込んだときに気管に入ってしまうこと(誤嚥)で、肺炎を引き起こしている状態です。

のどの奥は、気管と呼ばれ肺につながる空気専用の管と、胃につながる食道に分かれており、嚥下反射といってのどの奥の神経が食べ物を察知して、気管の入り口に蓋をし、食べ物が気管に入らないようにしているのです。

しかし、誤嚥といって誤って気管に空気以外の物が入ってしまうことがあります。

誤嚥してしまった場合、咳反射で神経が察知して、咳をするなどで、誤嚥した物を気管の外に出そうとします。(むせている状態)

嚥下反射や咳反射の機能が低下することによって、誤嚥しやすくなります。

誤嚥性肺炎は口腔内の細菌が原因

仮に誤嚥してしまっても、誤嚥した物に全く細菌が存在していないのであれば、誤嚥性肺炎にはなりません。

しかし、実際には口腔内に住み着いている何百種類の細菌を誤嚥により一緒に肺に取り込むこととなり、肺炎を引き起こしてしまいます。

誤嚥性肺炎になりやすい人の特徴

寝たきりの高齢者

寝たきりの患者さんは、どうしても口の中を清潔に保つのが難しくなってしまいます。

口腔内が清潔に保たれていないと、誤嚥した際には、それらの大量の細菌を一緒に取り入れてしまうこととなり、肺炎を引き起こしてしまいます。

さらに、栄養状態が悪かったり、何らかの理由で免疫が落ちている時などは、誤嚥性肺炎に限らず、細菌に感染しやすくなっているので、より注意が必要です。

脳梗塞後遺症の方(嚥下障害)

誤嚥を防いでくれる、嚥下反射や咳反射は、脳の神経によってコントロールされています。

脳梗塞になると、部位によっては嚥下反射や咳反射の機能が低下してしまい、誤嚥をしやすくなってしまいます。

関連記事:脳梗塞後遺症について知りたい|どんな症状やリハビリがある?

パーキンソン病などの神経疾患の方

パーキンソン病とは、筋肉の動作の調節が難しくなってしまう病気です。

舌など、口の中の筋肉や、咽頭筋と呼ばれる喉の筋肉の動きが悪くなることで、誤嚥を引き起こしやすくなります。

似たような疾患として、以下などがあげられます。

  • レビー小体型認知症
  • 進行性核上性麻痺
  • 多系統萎縮症
  • 大脳基底核変性症

その他、お薬の影響でパーキンソン病と似た状態となってしまう、薬剤性パーキンソニズムなども、誤嚥性肺炎のリスクとなりますので、なりやすい特徴に該当する方は今一度、現在飲んでいるお薬を確認してみましょう。

関連記事:パーキンソン病になりやすい人の特徴とは|職業が関係ある?

関連記事:認知症が一気に進む原因とは?入院すると急激に悪化する?

誤嚥性肺炎の症状

風邪と間違えやすい症状

高熱

多くの細菌感染症と同様に、誤嚥性肺炎でも発熱が見られます。

発熱することで、細菌の増殖が抑えられたり、免疫が活性化するためです。

しかし、高齢者の場合は、熱を出す機能そのものが弱っていることもあり、肺炎になっても微熱であったり、熱が出ないこともあります。

軽い風邪と油断してしまわないように注意が必要です。

激しい咳

体の外に細菌を追い出すために、激しい咳がでることがあります。

しかし、誤嚥性肺炎になりやすい方の中には、咳反射が衰えている方も多いので、咳が無いからといって肺炎ではないとは言い切れません。

黄色い痰が出る

肺炎にかかると黄色の痰がみられることがあります。

これは、細菌や細菌の死骸、免疫物質などが中に含まれているため、普段とは違う色調の痰が出ます。

また、肺炎になると痰の量が増える傾向にありますが、咳反射が衰えている患者さんでは、増えた痰を十分に外に出すことができず、溜まった痰のために、喉の奥の方でゴロゴロと音がしていることがあります。

呼吸が苦しい

肺炎とは、肺で炎症が起こり、肺の役割を十分に果たせなくなってしまう病気です。

肺の主な役割は、体内に酸素を取り込むことですので、肺炎になると十分な酸素を取り込むことができず、呼吸が苦しくなってしまいます。

ほかにもこんな症状が

元気がない

いつもと様子が違うというのは、病気を早くみつけるにあたって大切なポイントの1つです。

これまでの医師としての経験においても、「今日は元気がないな」と感じると、翌日発熱し、検査の結果、誤嚥性肺炎であったということは珍しくありません。

いつもと違うなと感じたら、注意して様子をみてみてください。

食欲がない

肺炎のように、体の中で細菌が増えはじめる病気に罹患すると、どんどん体はしんどくなります。

普段よりも食欲がないというのも、いつもと様子が違うというサインの1つです。

失禁

失禁することと誤嚥性肺炎が、直接関係があるわけではないのですが、肺炎になったことで活気が失われ、普段できていた日常生活動作に支障をきたすことがあります。

トイレはきちんとできている方が、失禁してしまうことも、いつもと様子が違うサインの1つです。

夜中に咳き込む

寝ている時であっても唾液は分泌しており、口腔内に溜まった唾液は、無意識に飲み込んでいます。

しかし、嚥下反射が衰えることで唾液を誤嚥してしまい、咳き込んでしまいます。

睡眠状況によっては、唾液を誤嚥したことに気が付かないこともあり、誤嚥性肺炎になってしまうこともあります。

認知症が悪化したなど

精神科として勤務していると、高齢者施設のスタッフから「認知症が急に悪化した」と相談を受けることがあります。

しかし、一般的な認知症は、ある日突然悪くなることはまれで、ゆっくりと進行することが多い病気です。

認知症が急に悪くなったように感じる原因として、何か体の病気が影に隠れている場合があり、その一つとして誤嚥性肺炎が挙げられます。

肺炎によってもうろうとし、不可解な言動をしてしまうためです。

これらも、いつもと様子が違うサインの1つと言えます。

誤嚥性肺炎の予防法

口腔ケア

口腔ケアとは、「歯磨き」のことです。

しかし、健康な人が歯磨きをするのと違い、高齢者の口腔ケアを行う際は以下の点に注意しましょう。

1つ目のポイントとして、ケア中の水の使用量です。

ケア時に水分を多く使用すると、咽頭に水とともに細菌が流れ込み、誤嚥するリスクが高くなります。

そこで、水ではなく、口腔ケア用のジェルを使用してブラッシングし、口腔内の汚れと共にジェルを拭き取れば、咽頭への水分の流れ込みを防ぎ、誤嚥のリスクを下げる事ができます。

また、吸引を併用することも効果的です。

次に、口腔ケアをする際の姿勢にも注意が必要です。

座位が保持できるようであれば、椅子に座って口腔ケアを行うのが望ましいでしょう。

また、寝たきりでベッド上での口腔ケアが必要な場合には、可能な限りベッドの頭の角度を90度まで上げて、椅子に座っている姿勢と同じような角度を作るようにします。

ベッドの角度を上げるのが難しい場合には、体ごと横に向けて、体を横に向けることが難しい場合には顔だけ横に向けて実施します。

顔が仰向けの状態では誤嚥するリスクが高くなるため、必ず顔は横に向けて行いましょう。

食事の改善(とろみをつけるなど)

誤嚥を予防するためには、嚥下機能や、咀嚼機能に合わせた食事形態の工夫が必要です。

一般的に、嚥下機能が低下している方は、サラサラの水分や、ボロボロしているパンやひき肉、また、おからなどの口の中でまとまりにくいものが飲み込みにくいため、飲み込みやすくするために、とろみをつけるという方法があります。

とろみをつけることによって、食品がまとまりやすくなり、咽頭へ流入する速さが遅くなることによって誤嚥を防ぎます。

ただし、とろみをつけすぎるとかえって飲み込みにくくなる場合もあるので、注意が必要です。

とろみをつけるには、片栗粉や、とろみ調整剤を利用する方法があります。

また、自分でとろみを調整する事が難しい場合には、ユニバーサルデザインフード(UDF)」など、とろみが付いている食品を利用するという方法もあります。

胃液の逆流を防ぐ

誤嚥性肺炎において誤嚥するものは、必ずしも口から摂取したものとは限りません。

嘔吐など、胃から口へ逆流してくる過程で、その一部が気管や肺の方に入ってしまう誤嚥もあります。

起き上がることができる方は、重力によって、食べたものは下へ下へと移動しやすいですが、寝たきりの方はその現象がおきにくい状態です。

後述する食事姿勢を参考に、可能な限り食べたものが逆流しないようにする工夫が必要です。

食事の姿勢の工夫

食事中の誤嚥を予防するためには、安定した姿勢で食事を摂取する必要があります。

安定した姿勢を保つためには、3つのポイントがあります。

1つ目は、頭の角度です。

顎が上がっている状態だと、咽頭に食物が流れ込み、誤嚥する危険性が高まるため、顎を引いてうつむくような角度にするとよいでしょう。

自分で頭の位置を保持できない方の場合は、クッション等を頭の後ろに置くなどして、うつむくような角度を保持する工夫が必要です。

2つ目は、体がまっすぐに安定していることです。

麻痺がある等、座位保持が難しい場合には、椅子やベッドにクッションを挟み、できるだけ上半身をまっすぐに保つ姿勢を作ります。

ベッド上で食事をとる場合には、体がベッド下方にずれてくることを予防するために、足元や、足を曲げた膝裏にクッションを入れるなどして、体がずれないような姿勢を作ることも必要です。

3つ目は、足裏が何かに設置している状態(足底接地)を作るということです。

足底接地が不十分であると、首回りの嚥下筋に無駄な力が入ってしまい、効率的な嚥下ができない可能性が指摘されています。

椅子や車椅子に座っている場合には、地面にしっかりと足が着くよう、足台やフットレストを使用して高さを調整をしたり、ベッド上でリクライニングを上げて食事を摂取する場合には、足底が接地するようにクッション等を利用します。

いずれのポイントにおいても、椅子や車椅子に座って食事をすることで、姿勢を保ちやすくなるため、食事をする際には、可能な限り椅子に座って食事をすることで、誤嚥性肺炎のリスクを下げることができるといえるでしょう。

誤嚥性肺炎の治療について

少しでも症状が見られた場合はすぐに病院へ

高齢者や脳梗塞の後遺症がある方、パーキンソン病などの神経疾患がある方など、誤嚥性肺炎になりやすく重症化しやすいとも言えます。

肺炎は日本人の死因の上位に常に位置する病気です。

誤嚥性肺炎になりやすい特徴をお持ちの方はは特に、症状が軽度であっても一度病院で検査してもらうことをお勧めします。

薬物治療であるがその後の予防が大切

誤嚥性肺炎の基本的な治療は、点滴にて抗菌薬(抗生物質)を投与しつつ、新たな誤嚥をしないように、口から食べ物や飲み物を摂取することを中止し、さらに口腔内を清潔に保つことです。

重症化する前に適切に治療をすることで、十分に改善が見込める病気ではありますが、誤嚥してしまう原因が、嚥下反射や咳反射といった誤嚥を予防する機能の衰えであったり、寝たきり状態であったりすると、何度も誤嚥性肺炎になってしまう場合があります。

そのため、誤嚥を繰り返さないように予防していくことがとても大切です。

来院が難しい場合は在宅での受診も検討

誤嚥性肺炎になりやすい方というのは、高齢や寝たきりといった理由から、病院受診が難しいというケースも少なくありません。

しかし、誤嚥を繰り返しているうちに、誤嚥性肺炎が重症化してしまう可能性があります。

早めの治療が大切ですので、在宅での受診も選択肢の1つです。

西春内科・在宅クリニックができる対応

西春内科・在宅クリニックでは、誤嚥性肺炎を診断・治療するために必要な、胸部X線(レントゲン)またはCTといった画像検査や、血液検査が可能です。

常勤医にはレントゲンやCT画像の読影の専門家である放射線科専門医がおります。

すべての病気について言えることですが、早期発見がその後の経過に影響します。

高齢者や、パーキンソン病などの基礎疾患をお持ちの方は、風邪のような症状であっても油断せず、一度受診を検討してみてください。

まとめ

誤嚥性肺炎は、誤嚥を防止する機能が落ちてしまった高齢者や、脳梗塞の後遺症がある方、寝たきりの方、パーキンソン病などの神経疾患をお持ちの方に起こりやすい病気です。

食事は毎日必要な行為なので、誤嚥をしてしまうリスクは常にあります。

そのため、誤嚥性肺炎は早く見つけること、誤嚥を少しでも減らす工夫をすること、この2つが重要と言えます。

【参考資料】

【自分や家族のために】認知症の症状や種類について

高齢化の進む日本で、認知症という病気はもはや大変身近なものとなっています。

「一緒に生活していた家族が同じことを何度も言うようになった」

「財布を盗ったでしょ、と言うようになった」

テレビや本で見ていた認知症の症状が、身内やお知り合いに起きてしまうことも全く不思議ではありません。

今回は、そんな今や身近な疾患である認知症の種類、症状、治療などについてお伝えします。

もの忘れ外来

認知症の原因と種類

平成29年の高齢者白書では、2012年での65歳以上の高齢者の認知症有病率は約15%と言われていましたが、2025年には約20%が認知症になると言われています。

また、ひとえに認知症といっても、たくさんの種類があります。

DSM-5という疾患分類の手引きには、認知機能低下をきたす疾患として以下など、多くの疾患があげられています。

  • アルツハイマー型認知症
  • 血管性認知症
  • 前頭側頭葉変性症
  • レビー小体病
  • ハンチントン病
  • プリオン病

この中でも、比較的頻度の高い認知症について解説していきます。

アルツハイマー型認知症

認知症の中でも頻度が高いのがアルツハイマー型

アルツハイマー型認知症は比較的多くみられる認知症の種類の一つで、認知症全体の約6割を占めると言われております。

原因としては、神経の変化やアミロイドという物質が脳に付着することで脳細胞が死に、その結果認知機能が低下する疾患です。

頭部CTでは、海馬と呼ばれる場所の萎縮がよく見られます。

基本的に進行は緩やかで、初期症状として直前にしたことを忘れる、といった症状から気づきだし、徐々に物忘れが出てきたりできないことが増えてきたりします。

「前から少しずつ物忘れあったけどだんだんひどくなって、最近は服も着られなくなりました」といった状況に家族や近所の方が気づいて病院へ受診にくることが多いです。

本人に病気の自覚はない場合がほとんどで、また元気がどんどんなくなることが多くみられます。

加齢や遺伝によるものとされるが、若い人でもなる可能性がある

アルツハイマー型認知症と聞くと、高齢者がなるもの、という印象を受けます。

しかし、若年でもアルツハイマー型認知症になる可能性があります。

若年発症の認知症は血管性認知症が頻度が高いですが、アルツハイマー型認知症も次に頻度の高い疾患です。

若年発症の場合、一般的に進行が早く、進行を完全に止めることが現在の医療では困難なため、対症的な関わりが必要となります。

血管性認知症

アルツハイマー型との合併も多い血管性認知症

血管性認知症は、脳の血管が加齢や生活習慣病によりダメージを起こし、急激に認知機能低下や性格変化を起こす疾患です。

頭部CT検査や頭部MRI検査で、血管性の変化が起きていることを確認し、それが認知機能低下などの症状が出現した時期と関係がある場合は血管性認知症を考えます。

アルツハイマー型認知症の中に、アミロイドという物質が脳血管に付くことで血管がもろくなり細かい出血が起きる、アミロイドアンギオパチーという状態になっていることもあります。実際はアルツハイマー型認知症と合併していることも多くみられます。

脳血管によるダメージで発症(脳梗塞や脳出血、くも膜下出血)

アルツハイマー型認知症は徐々に認知機能低下が起こるのに対し、血管型認知症は、血管が詰まる、切れるといったことで急激に変化を起こします。

認知機能低下のみならず、脳血管がダメージを受ける場所によっては怒りっぽくなる、急に泣き出すといった感情があふれ出すようになったり、暴力がでてしまう、普段なら言わないようなことを言ってしまうなど我慢ができなくなったりすることがあります。

家族や友人にとって、「昨日までは全く問題なかったのに」という状態となるためショックを受けることも多いでしょう。

また、本人に変化の自覚がある場合も多く、本人自身もショックを受けてしまいやすくそこからうつ病などの精神疾患をきたす可能性もあります。

治療は脳血管障害の再発防止に加え、怒りっぽさなどが日常生活に支障をきたす場合は対症的に薬を使うこともあります。

レビー小体型認知症

レビー小体という物質が脳に出現することできたす疾患と言われていて、以前はその病態がよく分からなかったためあまり注目されることがありませんでした。

しかし、最近は徐々に病態が明らかになり注目されるようになりました。

認知症の20%前後がレビー小体型認知症とも言われており、研究が進められています。

症状としては、認知機能障害に大きな波がある、はっきりとした幻視(何もないところに人などが見える)、手足が固くなり動かしにくくなる、震えるといったパーキンソニズムを認めることが多いです。

しかし、夜中に急に叫ぶ、抗精神病薬という薬を使ったときに過敏に反応するといった症状もあり、多彩な症状から「これがあるからレビー小体型認知症」と判断するのは大変難しいです。

レビー小体型認知症を確実に診断するためには脳を切ってレビー小体を確認するしかなく、それは現実的ではないため、様々な症状や検査から総合的に判断をします。

一般的に進行が早く、対症的な治療が中心となっています。

前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症は、高齢のなかでも比較的若い50-60歳代に発症することが多い疾患です。

原因としては前頭葉、側頭葉といった場所の神経が働かなくなったりなくなったりすることでおきます。

前頭葉、側頭葉ともに大変重要な機能を司る場所であり、以下などの症状が出現します。

  • 理性的な行動ができなくなりとんでもないことをしてしまう
  • 攻撃的になる
  • 感情移入ができなくなる
  • 強いこだわりが急に出てきて同じ行動をしないと気が済まなくなる
  • 目についたものをなんでも口に入れる
  • 言葉が分からなくなる

本人に病気の自覚はない場合がほとんどで、本人と関わる周囲の人への負担は大変大きいです。

初期には認知機能低下はあまり起きないため、物忘れで気づくより、急な性格の変化で気づくことが多いです。

また、進行は急激で、多くは寝たきりになってしまい、発症も若いことから周囲の方がショックを受けてしまいます。

治療は対症的なものとなりますが、進行のスピードを止めることは困難で薬の選択も非常に難しいです。

関連記事:認知症の検査方法と費用について|治療の副作用は?|検査を拒むときはどうすればいい?

認知症の症状

症状は中核症状と行動・心理症状に分けられる

認知症の症状は、認知症そのものによる症状(中核症状)、中核症状が存在することによっておこる症状(行動・心理症状、周辺症状やBPSDともいいます)があります。

各症状について説明していきます。

中核症状

症状

特徴
記憶障害

思い出せなくなる(想起障害)新しいものを覚えられなくなる(記銘力障害)


実行機能障害

日常生活の行動が出来なくなる(食事の準備ができない・電気のつけ方がわからない等)


見当識障害

日付・曜日・場所・季節感がわからなくなる

失語

言葉が出なくなる(運動性失語)場にそぐわない言葉・的外れな言葉が出てしまう(感覚性失語)


失行・失認

日常的な動作をうまく行えない(失行)五感で得た情報を正しく認識できない(失認)
例:ペットボトルの飲み物を見てどうしたら飲めるかわからない=失行
  飲み物なのかもわからない=失認


行動・心理症状

症状

特徴
妄想

財布をどこに置いたかわからなくなり「盗まれた」と認識し大声で怒鳴る
特に、身近な人に対して起きやすい

徘徊

外に出て帰る道が分からずうろうろしてしまい、警察に保護される
交通事故や転落事故を起こす場合もあるため注意が必要

興奮による暴力や暴言

記憶障害や見当識障害により、いつ何が起こっているかわからない不安から暴力暴言が出てしまう
脳の機能低下により出てしまうこともある

無反応(アパシー)

無気力・無反応で何もしなくなり、寝込むようになり認知機能低下を助長させる

介護への拒否本人のためにやっている介護を剣幕になって拒否される
介護者は一人で悩まず、病院へ相談することが推奨される
その他

うつ状態、不安焦燥といった精神的な変化を呈することがある

もの忘れ外来

行動・心理症状を軽減するために

中核症状は認知症の進行を止めることが困難であるため、根本的に治療することは難しいですが、行動・心理症状については場合によっては関わり方により軽減することができます。

不安、焦り、性格などから行動・心理症状に移ることが多く、また認知症患者に対し叱る、怒るといった対応で行動・心理症状が助長される場合もあります。

認知症患者への関わり方は、否定をせずに負担のない程度に話をすることが大事です。

しかし、どうしても介護には限界があります。

医師や地域包括センターなどの行政への相談をすることで、介護の方向性が見えてくるかもしれません。

一人で悩むことなく、専門家へ相談しましょう。

 

(大阪府 認知症https://www.pref.osaka.lg.jp/kaigoshien/ninnshishou-gyakutai/ninchishotoha.htmlより引用)

物忘れと認知症の違い

「最近物忘れが多く認知症が心配です」という患者さんが多くおられます。

物忘れと認知症、似ていますが全く違うものです。

その違いについて昨日の晩御飯を例にとって説明します。

昨日の晩御飯を思い浮かべた際、「食べたのは覚えているけど、何食べたか思い出せない」場合は物忘れです。

しかし、「食べたことすら覚えていない」場合は認知症の可能性があります。

つまり、体験の一部を忘れるのが物忘れ、体験自体を忘れるのが認知症というと分かりやすいかと思います。

また、認知症という名前に「症」がついており、「症」とは「病気」のことで、病気は生活に支障が出るものです。

つまり、認知症=日常生活に支障があるものをいいます。

もし、そのことを念頭に置いたうえで気になる状態があれば、医師への相談することをおすすめします。

(厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 認知症https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_recog.htmlより引用) 

認知症の予防になる生活習慣

食生活

規則正しい食生活を行うことが大事です。

また、DHA、EPAといった不飽和脂肪酸やカテキンといった抗酸化物質はアミロイドの脳への沈着を防ぐ可能性があると言われており、青魚や緑茶などそれらが多く含まれる食事を中心に摂ることが予防につながる可能性があります。

コーヒーにも適度な摂取で認知症を予防する可能性があるという報告もありました。

しかし、飲みすぎは逆に認知機能低下のリスクとなるという報告もあり、いずれも摂ればよいというわけではなく適度な摂取が重要であると考えられます。

運動習慣

運動習慣をつけることが認知症の予防につながることは以前から言われております。

日本で行われた久山町研究で、週1回以上の運動習慣がある人は、アルツハイマー型認知症のリスクが40%減ったという報告もあります。

やりすぎは体の負担が大きくなるため推奨されませんが、適度な無理のない運動習慣は構築するとよいでしょう。

対人関係

人と関わることで、会話する際に物事を考えるため、認知症の予防につながる可能性があります。

閉じこもってテレビを見続ける生活をするのではなく、人と関わる機会に参加するといったことが大事です。

知的行動習慣

手先を動かしたり、考えたりすることで、認知症の進行を予防する可能性があるという報告があります。

グランドゴルフなどのスポーツや囲碁、将棋などのボードゲームなどは人との関わりを持つきっかけにもなりますし、本人への負担が大きくないのであれば積極的に参加することがよいかもしれません。

睡眠習慣

規則正しい睡眠をとることが大事です。

睡眠不足が認知症のリスクとなる可能性が高いという報告もあり、睡眠時間はしっかりと確保しましょう。  

もの忘れ外来

認知症の治療ついて

薬物療法と非薬物療法に分けられる

認知症の治療は、薬物療法と非薬物療法があります。その概要について説明していきます。

薬物療法

薬物療法としては、主に認知症の進行を緩やかにすることを期待して出される抗認知症薬と、行動・心理症状に代表される精神症状に対する向精神薬が処方されることが多いです。

薬ですので、一定の副作用が出現する可能性があったり、肝機能・腎機能、飲み合わせに注意する必要があったりと気を付けることがたくさんあります。

ネットの情報や独断で薬を飲ませたりやめさせたりすることは絶対にせず、必ず医師の診察を受け、医師の指示通りの内服を心掛けてください。

非薬物療法

非薬物療法としては、理学療法、作業療法などによるリハビリテーションや、心理療法があります。 

生活リズムの構築を促したり、スタッフや他の利用者との関わりの中で生きがいや自信を獲得したりすることで、心理状態を穏やかに行動・心理症状の予防や軽減に寄与することがあります。

また、デイサービスやショートステイといった通所、宿泊サービスなどもあり、認知症の方本人のみならず、介護者の負担も軽減することができます。

しかし万能ではなく、非薬物療法のみで改善しない場合もあるため、薬物療法との併用を行うことが多いです。

いずれにせよ、独断で判断せず、医師や地域包括支援センターなど専門家の意見を聞くことが重要です。

脳神経外科や脳神経内科、精神科、老年内科などで診察を

認知症は「病気」です。

「いつもの状態と違う」「最近調子が悪い」など、気になることがあれば一人で悩むことなく、医師へ相談しましょう。

認知症は現在様々な科で診療が行われております。お近くの病院へご相談されてみてもよいかもしれません。

家族や周囲、地域のサポートがとても大切

認知症の方は、家族だけではなく、地域全体で関わっていくことで本人だけでなく介護者、家族の生活の質も改善させることが可能です。

病気について知ることや、関わり方を知ること、相談先を把握することが大事です。

認知症の方自身も、介護者が自分を犠牲にして介護している状態を望んではいないのではないでしょうか。

周囲や地域を巻き込み、介護者を含めた全員が幸せに近づくような環境を作っていくことが必要です。

また、介護福祉サービスの円滑な導入や支援のために、介護保険を申請することも必要になってきます。

介護保険についても、地域包括支援センターや病院で話を聞くことができますので、困ったことがあれば相談することをお勧め致します。

西春内科在宅クリニックができる対応

西春内科・在宅クリニックでは、認知症・物忘れ外来を行っています。

最近物忘れが多くて不安、家族が以前と様子が違うなどご不安なことがございましたら、お気軽にご相談ください。

認知症だと診断した場合は、治療はもちろんのこと、ご家族さまや地域と一丸となってサポートさせていただいます。

もの忘れ外来

まとめ

今回は、認知症の種類、症状、治療などについて解説しました。

繰り返しになりますが、決して一人で悩むことなく、気になることがあればすぐに医師や地域包括支援センターなどの専門家へ相談することをお勧め致します。

【参考文献】

・日本神経学会 認知症疾患治療ガイドライン2017

大阪府 認知症とは

厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 認知症 

・Kishimoto H et al. The long-term association between physical activity and risk of dementia in the community: the Hisayama Study. Euro J Epidemiol. 2016 

 

ワキガ・汗の臭いの原因は?効果的な対策をご紹介

まだまだ日中は暑い日が続いており、外出中は特に汗がじんわり出てきますね。

汗は皮膚から直接出ているわけではなく、汗腺という器官から分泌されています。

汗には体温の調節という重要な役割があり、蒸発するときに熱を奪うことで、体温を下げることが出来ます。

人が生きていくうえで必要な汗を出す過程で、なぜ臭いが強く出るのか、その原因と効果的な対策、治療方法について詳しく解説します。

ワキガや汗の臭いに悩む方は必見の情報です!

ワキガと汗の臭いの原因

ワキガの原因

ワキガ

ワキガの原因は、アポクリン汗腺(特定の部位にある汗腺)から分泌される、脂肪やたんぱく質、鉄分、アンモニアなどを含む汗です。

皮膚の常在菌がアポクリン汗腺から出た汗を分解する際に、ワキガ特有の臭いが生じます。

「特有の臭い」とは硫黄・温泉のような臭い、鉛筆の芯の臭い、カレースパイスの臭いと例えられます。

アポクリン汗腺は脇の下や乳首、陰部など蒸れやすい部位に多いです。

ワキガが強い人は、体質的にアポクリン汗腺が大きい、または数が多いなどの特徴があります。

また、脂質の多い食生活だと、汗に脂肪分が含まれやすくなり、臭いの原因となります。

汗の臭いの原因

ワキガ

エクリン汗腺(体全体にある汗腺)から分泌される汗の99%は水分で無臭です。

しかし、汗が皮脂や垢と混ざり、それを皮膚の常在菌が分解することで臭いが発生します。

また、エクリン汗腺から大量に汗が出る症状が多汗症と呼ばれます。

関連記事:汗が臭い原因と対策を男女別にわけて解説|匂いの特徴についても

ワキガのセルフチェック

ここ最近の暑さでは特に臭いが気になる方も多くいらっしゃると思います。

 以下の手順に従って、自分がワキガの可能性があるかチェックしてみてください。

ガーゼテストで臭いをチェック

清潔なコットンやガーゼを脇の下に挟み、5分後に臭いをチェックする方法です。

コットンやガーゼがない場合は、清潔な白いTシャツでも構いません。

多くの病院で使用されている5段階評価を使って、以下のようにチェックします。

レベル.1ガーゼから臭いがしない問題なし
制汗剤や消臭剤で対処可能
レベル.2ガーゼから少し臭いがする
レベル.3ガーゼに鼻を近づけると特有の臭いがする軽度のワキガ
レベル.4ガーゼの1m以内であれば特有の臭いがする中度のワキガ
レベル.5ガーゼから1m以上離れても特有の臭いがする重度のワキガ

レベル.3以上からは手術適応になる場合もあるので、医師と相談してみましょう。

他にも、ワキガになりやすい人の特徴として以下のようなものがあります。

  • 耳垢が湿っている
  • 家族にワキガの人がいる
  • 洋服の脇の部分が黄ばむ
  • 脇毛の量が多い
  • 周囲の人に臭いを指摘されたことがある
  • お肉や乳製品を食べることが多い
  • ストレスが多い
  • 不規則な生活習慣

ワキガ・汗の臭い対策5選

汗をこまめにふき取る

汗をこまめにふき取ることで、皮膚の常在菌による汗の分解を防ぎ、臭いを軽減できます。

自宅や職場では、小さなタオルや汗拭きシートを持ち歩き、汗をかいたらすぐにふき取る習慣をつけましょう。

制汗剤と消臭剤の活用

制汗剤や消臭剤をで、汗の分泌を抑えて臭いを防げます。

アルコールフリーや敏感肌用の製品を選ぶと、肌への負担を軽減できます。

最近ではスプレータイプ、ロールオンタイプ、クリームタイプなど多くの種類があるので、シチュエーションに合わせて日常的に使用しましょう。

脇毛の処理

脇には常在菌が多く存在し、脇毛によって汗がたまり、臭いが発生しやすくなります。

定期的な脱毛やシェービングを行うことで、臭いを抑えられます。

衣服の選び方で臭いをカット

吸湿性や通気性の良い素材の衣服は、汗を素早く蒸発させ、臭いの原因となる湿気を防ぎます。

特に綿やリネンなどの天然素材がおすすめです。

他にも、防臭加工が施された衣類も、汗の臭いを抑えることができます。

ワキガの汗臭さを軽減する食事法

食事内容も臭いに影響します。

脂肪分や動物性たんぱく質の多い食事は臭いを強くするため、控えることが大切です。

特に、以下のようなビタミンB群やビタミンCを多く含む野菜や果物を多く摂ることで、体臭を軽減できます。

ビタミンB群

  • アボカド
  • 玄米
  • アーモンド
  • かつお

ビタミンC

  • キウイフルーツ
  • パプリカ
  • みかん

関連記事:足の臭いが洗っても取れないのはなぜ?|内臓が原因?治し方を紹介

ワキガ・汗の臭いに治療は必要?

 ワキガや汗の臭いで病院を受診する目安として、以下を参考にしてください。

  • 上述した対策では効果が無かった
  • 本人が臭いを気にしている
  • 家族や周囲の人も臭いを気にしている
  • 横にいて分かる程度の臭いがする
  • 電車などで人を間に挟んでいても分かる程度

ご本人だけの判断では、臭いがしていると思い込んでいる可能性があるため、家族や周囲の方の意見が重要です。

ワキガ・汗の臭いの治療法

外用薬

外用薬は、ワキガや汗の臭いを軽減する一般的な治療法です。

抗菌作用や制汗作用のあるクリームやローションを処方し、臭いの原因となる常在菌の繁殖を防ぎます

以下の項目に当てはまる方には外用薬がおすすめです。

  • 軽度から程度のワキガの人
  • 手軽に治療を始めたい人
  • 敏感肌やアレルギー体質の人

副作用でかゆみが出ることもあるので、自分に合うものを探しましょう。

内服薬

抗コリン薬や抗不安薬を用いて、汗の分泌を抑えます。

特に、精神的なストレスが原因で汗をかきやすい人には効果的です。

以下の項目に当てはまる方には内服薬がおすすめです。

  • 中程度から重度のワキガの人
  • ストレスや緊張が原因で汗をかきやすい人
  • 外用薬で改善傾向が見られない人

ただ、全身の発汗が抑えられるので、熱中症には気を付けてください。

注射

ボトックス注射は、汗腺の働きを一時的に抑える効果があります。

即効性があり、注射後数日以内に効果が現れ、数ヶ月間臭いを抑えることができます。

以下の項目に当てはまる方はボトックス注射がおすすめです。

  • 中等度から重症のワキガの人
  • 短期間で効果を実感したい人
  • 手術に抵抗がある人

手術

医師が手術が必要と判断した場合には、保険適用で手術が出来ます。

一般的な手術方法は、皮弁法(反転剪除法)でアポクリン汗腺を取り除く方法です。

シワに沿って切開し、ハサミで汗腺を切り取ります。

日帰りが可能な場合も多いですが、術後2~3週間後は安静にする必要があります。

しっかり医師と相談しながら検討してください。

以下の項目に当てはまる方には手術がおすすめです。

  • 重度のワキガの人
  • 根本的な解決を望む人
  • 他の治療で改善傾向が見られない人

関連記事:加齢臭がする原因と対策を解説|どんな匂い?何歳から匂う?

西春内科・在宅クリニックでできる対応

ワキガの臭いに対して悩みを抱えている人は実際多くおり、日本人の約10%はワキガの体質を持っていると言われています。

当院では、まずは食事や衣服などの自己対策と外用薬・内服薬での治療をメインに行っています。

改善傾向が見られない場合は、手術が行える皮膚科や形成外科をご紹介が可能です。

少しでも臭いが気になる方はお気軽にご相談ください。

まとめ

ワキガの原因をしっかりと理解し、セルフチェックで自分の状態を把握することから始めましょう。

日常生活でのケアや効果的な対策を取ることで、臭いを軽減できます。

また、自己対策で十分な効果が得られない場合は、医師の診断を受け、正しい治療法を選ぶことが重要です。

最後に、日常生活の工夫や食事の見直しも忘れずに行い、快適な生活を手に入れましょう。

参考文献

日本形成外科学会 腋臭症診療ガイドライン

ワキ汗・ワキガの内服薬・外用薬など各治療の特徴を解説!

ワキガになる原因とは|どんな匂い?治療法や治し方について解説 | 横浜内科・在宅クリニック

乳児湿疹とは?できやすい場所や病院への受診目安を解説

赤ちゃんが生まれてくると、可愛らしい姿に毎日幸せでいっぱいになりますよね。

しかし、そんな中で気になってくるのが赤ちゃんの肌トラブル。

特に「乳児湿疹」は、多くの親が直面する赤ちゃん特有の肌トラブルの一つです。

今回はその乳児湿疹について、原因や対処法を詳しく説明していきます。

赤ちゃんの肌を守るために、一緒に勉強をしていきましょう。

乳児湿疹とは?

乳児湿疹とは、乳児の皮膚に現れる肌のかゆみや炎症を伴う湿疹の総称です。

生後12ヶ月まで(乳児期)の赤ちゃんの皮膚はまだ弱く、未熟なため多くの子が一度は湿疹を経験します。 

特に顔やあごの下、首のまわり、手首や足首といった、汗や皮脂が出やすい部分に現れやすい特徴があります。 

関連記事:乳児湿疹の原因や治し方について|病院に行く目安は?

乳児湿疹ができる原因

乳児湿疹ができる原因は一つだけではなく、複数の要因を含んでいます。 

湿疹ができる原因は以下のようなものが考えられています。 

お母さんからの女性ホルモンの影響

赤ちゃんは、お母さんのおなかの中で女性ホルモン(エストロゲン)の影響を受けています。

このホルモンは赤ちゃんの皮脂分泌を活発にし、毛穴が詰まって『新生児ざ瘡』(赤ちゃんにきび)になることがあります。 

ですが、これはよくある一時的な症状なので、心配はいりません。

肌の乾燥

赤ちゃんの肌は大人よりも薄く、外部の刺激から守るバリア機能がまだ十分に発達していません。

そのため、肌の潤いを保つことが難しく、乾燥しやすい状態です。

乾燥した肌は湿疹などのトラブルを引き起こしやすく、かゆみも伴います。

赤ちゃんが思わず掻いてしまうことで症状が悪化する可能性もあるため、早めのケアが大切です。

汗による炎症(汗疹)

赤ちゃんは新陳代謝が高いことと、発汗コントロールが未熟なために、とても汗をかきやすい状態です。

かいた汗をそのままにして清潔に保てていないと、やがて汗腺に汗が詰まり炎症を起こします。

それが原因となってできた炎症を、『汗疹(あせも)』と呼びます。

乳児湿疹の種類

乳児湿疹とは1つの病気ではなく、乳児の肌トラブルを総じて「乳児湿疹」と言います。

以下では、それぞれの特徴について説明いたします。

新生児ざ瘡

新生児ざ瘡は、赤ちゃんにできるニキビのことで、男の子に比較的多く見られるのが特徴です。

生後2~3週間の赤ちゃんに症状が現れ、数ヶ月の内に自然になくなることが多いです。

以下のスキンケアを行うことで、赤ちゃんの肌を清潔に保つことができるので実践してみてください。

  • お風呂の温度は38℃前後
  • 1日1回は低刺激の石鹸を使用
  • 手のひらでよく泡立て、包み込むように洗う
  • ガーゼは使わない(肌に刺激を与える可能性があるため)

残った洗剤が肌トラブルを引き起こすこともあるので、石鹸やシャンプーはしっかりとすすぎます。

洗い終わったら、こすって肌に刺激を与えないように、タオルで押さえるようにして水分を拭き取りましょう。

最後に肌が乾燥しないよう、保湿剤を薄く広く塗ります。

目安としては、肌にティッシュ1枚がくっつくくらいの量が適量です。

乳児脂漏性皮膚炎

乳児脂漏性皮膚炎は、黄色く油っぽいかさぶたが顔や頭、首、脇など皮脂分泌の多い部分にできます。

特に1~2ヶ月の頃になりやすく、生後8~12ヶ月頃までには自然に治ることが多いです。

基本的に積極的な治療は不要ですが、かゆみや赤みなどの炎症を伴う場合や症状が長引く場合には、非ステロイド軟膏やステロイド軟膏を使用することもあります。

軽度であれば以下のように自宅でケアすることも可能です。

  • 入浴10分前にベビーオイルをかさぶたに塗る
  • シャンプーや石鹸を良く泡立てる
  • 力を入れ過ぎず、優しくきれいに洗う

細菌が侵入して悪化することがあるので、かさぶたを無理にはがすのは避けましょう。

皮脂欠乏症・皮脂欠乏性湿疹

赤ちゃんの肌は、生後半年を過ぎると徐々に皮脂の分泌が減ってきます。

皮脂は肌の水分が外に逃げるのを防ぐ大切な役割があるため、この時期に肌が乾燥しやすいです。

医学的には、肌が乾燥している状態を「皮脂欠乏症」、そこから湿疹までできてしまった状態を「皮脂欠乏性湿疹」と呼びます。

これは赤ちゃんの成長過程でよく見られる症状ですが、もし湿疹に強いかゆみが伴う場合は、アトピー性皮膚炎の可能性もあるため、医師への相談がおすすめです。

おむつかぶれ

おむつかぶれとは、長時間のおむつ着用による蒸れや、尿や便の刺激が原因で起こる皮膚の炎症のことです。

おむつかぶれを予防するには、おむつをこまめに取り替える事が大切です。

また、おしりを拭く際は強く擦ると刺激に繋がるため、優しく丁寧に拭きましょう。

治療方法としては、皮膚の状況によって変わりますが、基本的に軟膏による治療を行います。

関連記事:花粉による肌荒れはなぜ起きる?|原因やスキンケア対策を解説

乳児湿疹ができやすい場所

乳児湿疹ができやすい場所は皮脂の分泌が盛んな箇所にできやすくなります。

赤ちゃんの肌トラブルでよく見られるのが、顔の症状です。

特に頬は皮脂の分泌が活発な部位のため、赤いプツプツとした赤ちゃんにきび(新生児ざ瘡)ができやすい場所です。

頭部も顔と同じように皮脂の分泌が活発な場所です。

特に髪の生え際や眉毛のあたりに、黄色みがかった膜のような湿疹(脂漏性湿疹)ができやすいのが特徴です。

背中

背中や首回り、腕、ひざ裏、おむつの中など、汗がこもりやすい場所は特にあせもができやすい部分です。

これらの場所は空気が通りにくく蒸れやすいため、こまめな着替えや通気性の良い服選びが大切です。

乳児湿疹はいつまで続く?

乳児湿疹は生後2週間頃から始まり、赤ちゃんの成長とともに症状が変化していきます。

最初の2~3ヶ月は皮脂の過剰分泌による湿疹が中心で、その後は肌の乾燥による湿疹へと変わっていくことがあります。

心配な方も多いと思いますが、1歳頃には自然と落ち着いてくるのが一般的です。

毎日のやさしいスキンケアを続けることで、症状は徐々に改善していきますよ。

関連記事:抗アレルギー薬とは?強さのランキングを一覧で掲載

乳児湿疹の病院へ目安

どのタイミングで病院に行くべきか悩みますよね。

以下の状況になったら受診することをおすすめします。

  • 長期間湿疹が治らない場合
  • 何度も繰り返してしまう場合
  • 赤み、痒みが出ている場合
  • 掻いて膿んでしまっている場合
  • 発熱が伴う場合

これらの症状は、皮膚の状態が悪化している、あるいは感染症を引き起こしている可能性があるサインです。

特に発熱や膿みは細菌感染の可能性を示すため、早めの受診が必要です。

また、繰り返す湿疹や長引く症状は、アレルギーなど他の原因が隠れている場合があります。

西春内科・在宅クリニックでできる対応

西春内科・在宅クリニックでは、診察時に症状を丁寧に観察し、必要に応じた薬の処方が可能です。

赤ちゃんの肌はデリケートなためさまざまな原因によって湿疹を引き起こします。

一時的なものであれば心配はありませんが、長引く場合、適切な処置が必要です。

赤みやかゆみがあるようでしたら、まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

今回は乳児湿疹の原因や対処法について説明いたしました。

多くの赤ちゃんが経験する乳児湿疹ですが、適切なスキンケアをすることで予防や改善に繋がります。

全身を「きれいに洗う」「しっかり保湿」に気を付けて赤ちゃんの肌を守りましょう。

参考文献

『乳児湿疹』とは?原因・症状・治療法やアトピーとの違いを解説|田辺三菱製薬

乳児湿疹と診断されたら 原因と対策のポイント

乳児湿疹 – 成増駅前かわい皮膚科

赤ちゃんの肌にブツブツ(乳児湿疹)|ゆめいろこどもクリニック

乳児湿疹ができる原因は?症状とスキンケア方法

乳児湿疹と診断されたら 原因と対策のポイント

心不全について!もしものために知っておきたい心不全の種類や症状、治療について

心不全は命にかかわる危険な状態です。

前兆があった場合は、放置せず速やかに受診する必要があります。

本記事では、心不全の種類や原因、なりやすい人の特徴などについて解説しています。

心臓の働き、心不全とは

心不全の概要

心臓は肺と連携して酸素を十分含んだ血液を全身の組織へ送るのが仕事です。

全身の組織へ血液を送る際の血管を「動脈」と言います。

また、酸素を使い終わった血液が心臓へ戻ってくる際の血管を「静脈」と言います。

心臓→動脈→組織→静脈→心臓

と一方向性の血液の流れが維持されることで私達の全身の循環は成り立っています。

続いて心臓と肺の血液の流れを説明します。

組織で酸素が使われた静脈の血液は心臓へ戻った後、肺で酸素を付加され、再度心臓へ戻されます。

その後、心臓から酸素が十分含まれた動脈の血液が全身の各組織へ送られます。

この心臓、肺の一連の血液の流れを①右心系、②左心系に分類します。

右心系とは静脈の血液が心臓へ戻り、心臓から肺へ静脈の血液を送るまでの経路です。

一方、左心系とは肺からの動脈の血液が心臓へ戻り、心臓から全身の組織へ送られるまでの経路です。

心臓と肺の関係を深く理解するために、血液の流れをさらに細かく説明します。

心臓の右心系、左心系にはそれぞれ「心房」、「心室」という部屋があります。

右心系は「右心房」、「右心室」、左心系は「左心房」、「左心室」と呼ばれます。

それぞれの部屋を「弁」と呼ばれる水門が隔てています。

右心房と右心室を隔てている弁が「三尖弁」、右心室と肺を隔てている弁が「肺動脈弁」、左心房と左心室を隔てているのが「僧帽弁」、左心室と動脈を隔てているのが「大動脈弁」と名付けられています。

今までの全身の血液循環をまとめますと、

静脈→右心房→三尖弁→右心室→肺動脈弁→肺→左心房→僧帽弁→左心室→大動脈弁→動脈

と言うのが詳細に説明した血液の流れになります。

病名ではなく状態のこと

心不全とは上記の心臓→動脈→組織→静脈→心臓の血液の流れが何かしらの原因で妨げられてしまう状態を意味します。

心不全は場所(①右心系、②左心系)、時期(①急性、②慢性)で分類することができます。

例えば突然右心系に問題が生じ、心不全の状態となった際は急性右心不全と言う表現になります。

心不全の種類 場所の分類

右心不全(右心系の異常)

右心系の血液の流れを妨げる要因が出現してしまった状態です。

三尖弁・肺動脈弁疾患、虚血性心疾患、心臓の筋肉の異常・炎症、先天的な心臓の構造異常、左心不全に続発するもの、肺疾患などが挙げられます。

左心不全(左心系の異常)

左心系の血液の流れを妨げる要因が出現してしまった状態です。

虚血性心疾患、心臓の筋肉の異常・炎症、僧帽弁・大動脈弁疾患、貧血、高血圧症、不整脈などが挙げられます。

心不全の種類 時期の分類

急性心不全

突然心不全を発症してしまった状態です。

入院を要する緊急事態であったり、状態によっては命に関わる状態です。

慢性心不全

心不全が長い時間続いている状態です。

内服の薬等で状態が安定し、自宅で過ごせることが多いです。

急性心不全、慢性心不全の関係

急性心不全で入院を要した場合、原因が解決できれば、元の元気な心臓に戻ることが可能です。

一方で心不全の原因が解決できず、残ってしまう場合は慢性心不全として薬の内服を継続することになります。

慢性心不全の人の心機能がさらに悪化すると入院加療が必要となることがあります。

関連記事:動脈硬化が引き起こすリスクとは|自覚症状はある?

代表的な心不全の原因

虚血性心疾患

心臓は筋肉の塊であり、心臓自身も動脈からの血液を受け取って活動しています。

心臓へ血液を供給している動脈は「冠動脈」と呼ばれ、主に①右冠動脈、②左冠動脈前下行枝、③左冠動脈回旋枝の3種類があります。

冠動脈が動脈硬化などで狭くなってしまい、心臓への動脈の血液が減少してしまう疾患を「狭心症」、冠動脈が閉塞し心臓の筋肉が壊死してしまう疾患を「心筋梗塞」と言います。

いずれも心不全の原因となります。「虚血性心疾患」は狭心症、心筋梗塞の総称です。

狭心症、心筋梗塞の状態次第では内服だけで解決できず、追加治療が必要になることがあります。

具体的にはステントと言う金属の筒を使用して冠状動脈をカテーテルで広げる「経皮的冠状動脈形成術」、心臓の周りの血管を心臓の血管へ縫い付けることで血流を再開させる「冠動脈バイパス術」があります。

冠動脈の狭窄・閉塞の場所、数によって術式が選択されます。

高血圧性心疾患

高い血圧を放置してしまうと心臓の筋肉の壁が分厚くなり、「心肥大」という状態になります。

イメージとしては手足の筋力トレーニングをすると筋肉が大きくなることと一緒です。

ただし、心臓の場合は心肥大になると心臓の運動効率が落ちてしまい、全身へ血液を送る能力が悪くなってしまいます。

また、高い血圧に心臓が晒され続けると圧に耐えられなくなり、心臓の機能が低下してしまいます。

いずれも心不全の原因となります。高血圧を放置せず、生活習慣(塩分、食事節制)、適切な内服を継続することが肝要です。

弁膜症

組織→静脈→心臓→肺→心臓→動脈→組織と言う一連の血液の流れを維持するために心臓の中には水門の役割をする「弁」が存在します。

弁が壊れ、逆流してしまうことを閉鎖不全、固くなって開閉し辛くなることを狭窄と言います。

いずれも血液の流れが妨げられ、心不全の原因となります。「弁膜症」とは弁に異常を来した疾患の総称です。

心臓には三尖弁、肺動脈弁、僧帽弁、大動脈弁の4つの弁が存在します。

それぞれの弁で閉鎖不全、狭窄が生じるメカニズムは異なりますが、弁自体に問題が生じたり、弁周囲の心臓環境の影響を受けることで異常を来すことが多いです。

内服の治療でコントロールが不良な場合は手術が必要になります。

異常を生じた弁の場所により、「弁置換術(人工弁の交換)」または「弁形成術(自己弁の修復)」のいずれかが選択されます。

その他(心筋症、心筋炎、先天性心疾患、不整脈、肺疾患、薬剤)

他にも心不全となる原因があります。

「心筋症」

心臓の筋肉自体の問題です。

遺伝的な要素と、高血圧などによる心肥大による後天性の要素があります。

「心筋炎」

心臓の筋肉に細菌、ウイルスなどが感染し、心臓の運動が妨げられます。

「先天性心疾患」

生まれつき心臓の構造に異常があり、本来の血液の流れが妨げられます。

「不整脈」

不整脈は心臓のリズムが乱れてしまう疾患の総称です。

脈が早くなってしまうもの、遅くなってしまうもの、心臓の中に血栓ができてしまうもの、出現すると命に関わるものなど様々な種類があります。

いずれにしても脈の乱れにより、全身に血液を送る動きが妨げられてしまいます。

「肺疾患」

肺の機能が損なわれてしまうと静脈の血液に酸素が付加できなったり、肺から心臓へ流れる血液が減少することで全身の循環が妨げられます。

「薬剤」

薬の種類によっては副反応で心臓、肺の機能が損なわれてしまうことがあります。

「貧血」

貧血になると血液の酸素が薄くなります。

酸素が薄い血液は心臓、全身の組織に負担がかかります。

貧血の原因は多岐に渡るため、血液検査で貧血を指摘されましたら、かかりつけ医に相談して下さい。

心不全になりやすい人

心不全を100%予防することは難しいですが、生活習慣の見直しをすることで心不全を回避する可能性を高めることができます。

生活習慣病の方

心臓に影響を与える因子として生活習慣病(高血圧症、脂質代謝異常症、糖尿病、高尿酸血症)、喫煙、大量飲酒が挙げられます。

これらは生活習慣の是正、適切な内服の継続によりコントロールが可能です。

関連記事:高血圧症と脂質異常症は気が付きにくい?定期的な健診が大切!

既に持病を抱えている方

持病によっては心臓、肺へ影響を与える病態、薬の内服をしている可能性があります。

かかりつけの医師に一度相談して下さい。

関連記事:生活習慣病って何種類あるの?予防対策や検診についても紹介

 

心不全の症状でこの症状があれば危険

血液循環の破綻により一方向性であった血液の流れが滞り、渋滞を起こすことが原因で症状が出現します。

血液循環の破綻がどこで起こるかによって多彩な症状を示します。

その中でも代表的な症状は以下の通りです。

動機・息切れ

心不全により心臓に血液が貯留、拡大、心臓の筋肉が引き伸ばされることで様々な不整脈が引き起こされます。

脈拍が極端に早くなると息切れが生じることがあります。

呼吸困難

血液循環が滞ると体に水分が貯留し、体重が増えたり、肺に水が溜まったりすることで呼吸が苦しくなります。

横になると呼吸が苦しく、体を起こすと少し楽になる状態を「起座呼吸」と言い、心不全の典型的な呼吸様式です。

むくみ

体液貯留により全身の組織がむくみ、顔や手足のむくみで気づく場合が多いです。

体重増加も顕著であり、重症な場合、数日で5kg程度増加する場合があります。

その他(食欲低下、手足の冷え、脱力感・疲労感)

その他、消化管がむくんで食欲が落ちたり、末梢の循環不全により手足が冷えたり、脱力感や疲れ易さを感じることがあります。

心不全の初期症状は気づきにくい場合があります。

例えば、以下の様な症状は心不全の初期段階かもしれません。

  • 以前より連続して歩ける距離が短くなった
  • 階段昇降が少し辛くなった
  • 外出すると途中で休憩を挟むことが多くなった
  • 連続して喋り続けると息が続かない

放置をすれば命を失う危険性が非常に高い

症状が年齢、体力の衰えと自己判断し、医療機関の受診が遅れると命にかかわる場合があります。

心不全の治療や予防について

気になる症状がございましたら、かかりつけの医療機関へ躊躇せずに相談してみましょう。

早期発見、早期治療が重要です。

診療する科目は、可能であれば内科、循環器科を選びましょう。

心不全を予防するためには、以下などをを心掛けましょう。

  • 生活習慣の見直し(運動、食事、塩分制限、禁煙、節酒など)
  • 持病のコントロール(高血圧症、脂質代謝異常症、糖尿病、高尿酸血症など)
  • ストレスを溜め込まない
  • 定期的な健診

関連記事:健康診断の前日は何に気を付ける?悪あがきをしても意味ない?

 

西春内科在宅クリニックができる対応

心不全の早期発見には、様々な検査(採血検査・尿検査・超音波検査・胸部レントゲン・胸部CTなど)が必要です。

西春内科・在宅クリニックでは上記全ての検査が可能ですので、お気軽にご相談ください。

専門的な治療が必要と判断した場合は、直ちに専門医療機関へご紹介します。

まとめ

心不全は生活習慣の見直しや前兆を早く掴むことで予防できる可能性があります。

気になる症状はかかりつけ医に相談してみましょう。

高血圧症と脂質異常症は気が付きにくい?定期的な健診が大切!

生活習慣病と言われる高血圧と脂質異常症は命に関わるような危ない病気を引き起こすかもしれません。

本記事では、高血圧症と脂質異常症について詳しく解説します。

現在、高血圧や脂質異常症でお悩みの方はもちろん。

それ以外の方もぜひ参考にしていただき、健康的な生活を送りましょう。

高血圧症について

高血圧症は、その発症の原因から「本態性高血圧」と「二次性高血圧」の二つに分類されます。

そのうち本態性高血圧は、一次性高血圧と呼ぶこともある高血圧で、日々の食生活などが原因になる高血圧です。

逆に二次性高血圧は、原因となる疾患が別にある高血圧を指します。

 本態性高血圧(日本人のほとんどがこれ)

日本人の高血圧症のうち、90%~95%は本態性高血圧と言われています。

本態性高血圧は、一次性高血圧ともいわれ、明確な原因が指摘できない高血圧です。

原因がないわけではなく、いろいろな要素が組み合わさって高血圧になっていきます。

この本態性高血圧では特に自覚症状がないことが多く、健診などで指摘されて初めて気づくということも少なくありません。

日本人では食塩の過剰摂取がもっとも大きな原因で、その他に以下などの原因が考えられます。

  • 肥満
  • 飲酒
  • 運動不足
  • ストレス
  • 遺伝的体質

 二次性高血圧

本態性高血圧と異なり、高血圧になった原因を特定できるものを二次性高血圧とよびます。

その原因は以下などに細分化されます。

  1. 腎実質性
  2. 腎血管性
  3. 内分泌性
  4. 血管性
  5. 脳・中枢神経性
  6. 遺伝性
  7. 薬剤性

自覚症状が乏しい本態性高血圧に比べて、二次性高血圧は高血圧になる原疾患があるため、何かしらの症状が出現する場合があります。

そして、二次性高血圧はその原疾患を治療できれば、高血圧が治癒したり容易にコントロールできるようになったりします。

しかし、実は二次性高血圧であるが、自覚症状などが乏しいため気が付かれず、本態性高血圧として治療をされれている方が多いのも実情です。

本態性高血圧よりも二次性高血圧を疑う状況は、以下などです。

  • 若年で発症する高血圧
  • 急速に発症した高血圧
  • 治療抵抗性の高血圧
  • 臓器障害を強く伴う高血圧
  • 夜間高血圧
  • 低カリウム血症などの電解質異常を伴う高血圧

病院と家庭で測る血圧の基準がある

血圧は常時一定であるものではなく、1日の中でも時間帯や測定する状況で変動があります。

その中でも、病院で測定する病院血圧(診察室血圧)と家庭で測定する家庭血圧は明らかに異なることが多いため、別の基準が設けられています。

その理由には、病院で血圧測定する時は、病院という環境に緊張される方が多く、家庭などのリラックスした状態で測るよりも血圧が高くなることが知られています。

中には、病院で測定したときのみ異常に高血圧になる方もいらっしゃり、白衣高血圧と呼ばれています。

そのため、高血圧の基準とされる値は、家庭血圧が病院血圧よりも低く設定されています。

また、降圧治療の評価のためにも家庭血圧を測定して主治医に報告することが大切です。

病院基準

病院における高血圧診断基準

上の血圧(収縮期血圧)140mmHg以上

下の血圧(拡張期血圧)90mmHg以上

Ⅰ度高血圧

上の血圧(収縮期血圧)140~159mmHg

下の血圧(拡張期血圧)90~99mmHg

Ⅱ度高血圧

上の血圧(収縮期血圧)160~179mmHg

下の血圧(拡張期血圧)100~109mmHg

Ⅲ度高血圧

上の血圧(収縮期血圧)180mmHg以上

下の血圧(拡張期血圧)110mmHg以上

家庭基準

家庭血圧による高血圧の基準値は、135/85 mmHg以上です。

なれた自宅でリラックスして測られることが多いため、診察室血圧よりも5 mmHg低い基準値となっています。

つまり家庭血圧が高い方は、同じ病院血圧の人と比較して、より重症であると判断ができます。

そして、最近の研究では脳卒中や心筋梗塞などの高血圧に伴う病気の発症を予測する方法として、病院血圧よりも家庭血圧のほうが優れていることが分かってきました。

そのため、診察室血圧と家庭血圧の数値に大きな差がある場合、家庭血圧の数値を優先して高血圧の診断を行うようになっています。 

脂質異常症について

血液検査の脂質の値が基準値から外れた状態を、脂質異常症といいます。

脂質の異常には、以下の3種類の異常があります。

  • LDLコレステロール(悪玉コレステロール)
  • HDLコレステロール(善玉コレステロール)
  • トリグリセライド(中性脂肪)

これらそれぞれの脂肪の異常が単独である場合と、複数の異常脂質異常が同時にみられる場合があります。

メタボリックシンドロームの診断基準に用いられる脂質はHDLコレステロール、トリグリセライドであるため、それらが重要だと考える方もいるでしょう

しかし、LDLコレステロールはそれ単独でも強力に動脈硬化を進行させるため、メタボリックシンドロームの有無に関係なく、LDLコレステロールの値にも注意する必要があります。

以前は高脂血症と呼ばれていましたが、善玉のHDLコレステロールが低い場合も問題があることが判明し、それを高脂血症と呼ぶのは適当でないことなどから、診断名を高脂血症から脂質異常症となりました

高LDLコレステロール血症

増えすぎると動脈硬化を起こして心筋梗塞や脳梗塞を発症させるもので、俗に言う悪玉コレステロールです。

悪玉と言っても人体で重要な役割も果たしているため数値が通常の範囲であれば全く問題ありませんが、過剰に存在すると余分なLDLコレステロールが血管壁にたまってしまいます。

それは活性酸素の影響で酸化され、さらに蓄積し血管を細くさせ心筋梗塞や狭心症・脳梗塞などの動脈硬化性疾患を誘発させます。

LDLコレステロールの正常範囲は140mg/dl未満です。

140mg/dl以上の場合は高LDLコレステロール血症になります。

HDLコレステロール血症

余分なコレステロールを回収して動脈硬化を抑える機能を持つものであり、善玉コレステロールとも言われています。

増えすぎたコレステロールが動脈硬化を促進するのとは反対に、動脈硬化を抑制する働きがあるので善玉コレステロールといわれます。

日々の生活の中では、LDLコレステロールを減らしHDLコレステロールを増やすことが、健康的な生活とも言えます。

運動不足や喫煙がHDLコレステロールを下げる原因になると考えられているため、低HDLコレステロール血症で困っている方は注意してみてください。

高トリグリセライド血症

トリグリセライドは中性脂肪と呼ばれ、肉や魚・食用油など食品中の脂質であり、単なる脂肪と認識してもらっても間違いありません。

中性脂肪は人にとっては重要なエネルギー源であり、脂溶性ビタミンや必須脂肪酸の摂取にも不可欠ですが、とりすぎると肥満をまねき、生活習慣病を引き起こします。

血液中の中性脂肪は食事によって深く影響を受け、メタボリックシンドロームの診断基準にも記載があります。

高トリグリセライド血症で悩む方は、日々の食事の中や生活習慣を見直す必要があり、食事では特に脂っこいものを節制する必要があります。

関連記事:知らないと危ない糖尿病の症状と合併症について

高血圧症と脂質異常症の関係と共通する原因

運動不足

WHOは、運動不足を世界の死亡に対する第4位の危険因子として位置付けています。

また、運動不足は肥満の原因にもなり、肥満が高血圧や脂質異常症の原因となるためです

日々の健康維持のためには、適切な運動の実施が欠かせず、適切な運動をすることは脳心血管病の発症を予防することができます。

高血圧症においては運動で改善することが知られており、運動療法とも言われます。

運動の頻度は定期的に実施し、1回30分以上、ややきついと感じるくらいの有酸素運動が勧められています。

肥満(血圧とコレステロールの関係)

肥満はただ体重が重いことを指すよりも、過剰な体脂肪がついてしまっていることを指します。

肥満患者では動脈硬化の原因となる内蔵脂肪が過剰なため、血圧が高くなりやすいことがわかってきました。

国民の3~4人に1人が高血圧といわれていますが、肥満の人では2人に1人の割合に増えます。

高血圧の状態が続くと血管の壁の内側に傷がつき、そこに血液中のコレステロールなどがたまって動脈硬化を招き、やがて狭心症や心筋梗塞などの病気を引き起こします。

自覚症状がないため気が付きにくいですが、肥満を改善することは健康に生きるためにとても大事になります。

塩分の摂りすぎ

不健康な食事として高カロリー食や塩分過多による食事が挙げられます。

そのうち、なぜ塩分を過剰に摂取することが不健康とされるかというと、塩分は水を含む性質があるため、過剰に塩分摂取すると体内にナトリウムと水が貯まり、血液の量が増加し血圧が上がると考えられています。

時折塩分過剰になることはさほど問題ありませんが、普段から塩分の食事を続けることは高血圧などの原因になり注意が必要です。

飲酒

アルコール摂取により大きく影響を受ける脂質は、トリグリセライドとHDLコレステロールです。

アルコールをすると肝臓がトリグリセライドを作るため、血液中に漏れる高トリグリセライド血症になることにもあります。

そして肝臓に残ったトリグリセライドは肝臓に溜まり脂肪肝の原因となります。

適量のアルコール摂取はHDLコレステロールの合成・分泌を増やし、分解を低下させる働きがあることも知られており、これが適量の飲酒であれば、血圧を上げずに脳血管障害・冠動脈疾患の発生を低下させると言われている原因です。

ただ、過度なアルコール摂取は肥満や高血圧を引き起こすため脳血管障害・冠動脈疾患の危険因子になるため注意が必要です。

ストレス過多

緊張すると血圧が上がるということは聞いたことがあるかもしれません。

その典型例は、先ほど紹介した白衣高血圧(病院高血圧)です。

つまり過度の緊張やストレスは、血圧の上昇と深い関連があります。

高血圧患者で食事などに気をつかっている人でも、ストレスについては無関心ということが少なくありません。

ストレスが直接高血圧の原因になることもあるため、ストレスが強い環境にさらされ続けるのは避けなければいけません。

血圧をコントロールするためにも自分のストレスや、その解消方法について理解しておくことが大切です。

関連記事:知らないと危ない糖尿病の症状と合併症について

命にかかわる合併症を引き起こすことも

生活習慣病には高血圧、脂質異常症、糖尿病などいくつかありますが、そのいずれにおいても初期の段階では自覚症状がほとんどありません。

しかし生活習慣は症状がないからといって放置しておくと、気づかないうちに進行し動脈硬化を進行させ血管にダメージを与えていきます。

そして血管が関係する病気はある日突然発症します。特に血管が関与する病気の中でも狭心症や心筋梗塞、脳卒中などは1度の発症で命を落とすことにもつながります。

ここに生活習慣病がサイレントキラーと呼ばれている所以があります。

心筋梗塞などが起こり手遅れになる前に、高血圧・脂質異常症と診断されたら、症状がなくても食事や運動など生活習慣を見直しましょう。

また治療に前向きに取り組み、生活習慣病の予防に努めることが重要です。

関連記事:【生活習慣病の方に知ってほしい】心筋梗塞の症状や前兆について

西春内科在宅クリニックができる対応

西春内科在宅クリニックでは、内科診察・血液検査が可能です。高血圧に対しては家庭血圧・病院血圧の評価や必要時の内服処方を外来で行うことができます。

また脂質異常症に対してはLDLコレステロール値や中性脂肪などの採血検査・評価・投薬治療が可能です。

まとめ

不健康な食事や運動不足、喫煙、アルコール過剰摂取といった生活習慣は、高血圧や脂質異常症の原因になるほか、いずれは心筋梗塞や脳卒中といった重要な病気につながるため注意が必要です。

高血圧や脂質異常症といった生活習慣病はほとんど自覚症状がないため自分で気づかない方も多いですが、予防のためにも日頃からバランス取れた食事、運動、体重のコントロール、お酒の量を減らす、禁煙を心がけることが大切です。

 【参考文献】

 厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト 

心筋梗塞の前兆や症状について|生活習慣病の方は必見!

 この前の健康診断でコレステロールの値が高いと言われた。
 血圧高いから塩分に注意するように言われた。

このようなことに心当たりはありませんか?

高血圧や脂質異常症(高コレステロール血症などとも表現します)を放置していると、心筋梗塞で命を落としてしまう危険があることをご存じですか?

今回はそんな怖い心臓の病気、心筋梗塞について解説していきます。

 心筋梗塞について

心筋梗塞とは、心臓自体に血液を届ける血管である冠動脈が詰まったりすることで心臓の筋肉が死んでしまう病気のことです。

そもそも心臓は全身の臓器に血液を送り届けるためのポンプの役割を果たしています。

心臓がドックン、ドックン、と規則正しく動くことにより全身に血流が行きわたり、そして筋肉を動かしたり食べ物を消化吸収することができるのです。

ただ、その心臓自体にも血液が行きわたらないと心臓が動くことができなくなってしまいます。

そのための血管が冠動脈という血管で心臓をぐるっと取り囲むように表面を走っています。この冠動脈がさまざまな原因で狭くなったり、最終的には詰まったりすることがあります。

このようにして冠動脈の血流が途絶えたり、急激に不足することにより心臓の筋肉が壊死していく病気が心筋梗塞です。

心筋梗塞のほとんどが突然くる急性心筋梗塞

さて、心筋梗塞はどのようにして起こるのでしょうか。

血管は水道管と同じで、経年劣化もしますし、流れるものによってはぬめりが起きやすかったりします。そのような要因から血管の多くは時間をかけて徐々に硬く、狭くなっていきます。

この時点で心臓が血流不足のサインを出してくれれば狭心症と診断することができるのですが、不運にもSOSが出ず、最終的に急激に進行したり詰まったりしたときに心筋梗塞になってしまいます。

心筋梗塞のほとんどが急激な胸痛をもたらします。

急性心筋梗塞を含む急性冠症候群において7割以上の患者に胸痛の症状があったと報告されています。

なかでも心筋梗塞の胸痛は急激に発生し、特に長く続くことが特徴です。痛み始めてから数分以内にピークに達し、その後20分以上続くと、かなり心筋梗塞が疑わしい痛み方になります。

日本人に多い死因でがんの次に心疾患その中でも急性心筋梗塞の割合が高い

急激な胸痛に加えて心筋梗塞が怖いのは、死亡率が高いということです。

厚生労働省の2020年の集計では、がんに次いで2番目に多い死因(15%)と報告されています。

我が国における様々な研究で、典型的な心筋梗塞の患者のうち7~10%が入院中に亡くなってしまうと報告されています。

そして初回の治療を乗り切って退院した後も油断できないのが心筋梗塞の怖いところです。

血流が不足して壊死してしまった心臓の筋肉は多少は回復するものの、元通りにはなりません。全身に血流を送るポンプの機能が弱くなってしまい、さまざまな合併症を引き起こしてしまう恐れがあります。

典型的な心筋梗塞を患った患者において、退院後6か月以内の死亡率は4.8%、退院後2年での死亡率は6.3%と報告されており、20人に1人以上が亡くなってしまう恐ろしい病気なのです。

心筋梗塞は突然死してしまうこともある

多くが急激な胸痛を生じる心筋梗塞ですが、怖いことに突然死してしまうこともあります。

特に怖いのが不整脈と心臓破裂です。激烈な胸痛により神経がたかぶり、身体は興奮状態となります(交感神経の作用です)。これにより興奮ホルモンが多量に分泌され、刺激された心臓がリズムを取り損ねてしまった状態が不整脈です。

不整脈にも種類がありますが、なかでも心室細動という不整脈は左心室がけいれんしており、有効な拍出がなくなってしまうため数分で命を落としてしまいます。

また、壊死してボロボロになった心臓に興奮ホルモンの刺激が強すぎて心臓が破裂してしまうこともあり、これも同じように突然死の原因になります。

あとで述べますが、このような怖い合併症を起こさないようにということも含めて、心筋梗塞は時間との闘いなのです。

心筋梗塞と狭心症との違いは?

「うーん、心筋梗塞が怖い病気だってことはわかったけど、よく耳にする狭心症とも違うの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

狭心症と心筋梗塞という分け方は少し古い言い方であり説明が難しいのです。

語弊を恐れずにざっくりと言うならば、血管が狭くなってきていて運動したときなどに一時的にギューッと痛むものが狭心症。完全に詰まったり急激に細くなったりすることで長時間痛みが生じたり心臓の筋肉が壊死したりするものが心筋梗塞と思っていただいてよいと思います。

狭心症とは

狭心症といっても、不安定狭心症は(ST上昇型)心筋梗塞と並んで急性冠症候群という概念に含まれます。

安定した労作性狭心症や冠攣縮性狭心症などについて別の記事を作成しています。

狭心症についてもっと知りたいという方は以下の記事をご参照ください。

関連記事:狭心症の原因や症状、治療について|心筋梗塞との違いは何?前兆がある?

心筋梗塞は狭心症に比べて胸の痛みが強い

急性心筋梗塞を含む急性冠症候群において、最も典型的な症状は胸痛です。

痛みは主観的な指標であり断言はできませんが、狭心症に比べて心筋梗塞の方が痛みが強く、長い傾向にあります。

また、顎、肩、背中などにも痛みが広がることがあります。中にはモルヒネを必要とするような激しい痛みを生じることもあります。

心筋梗塞は痛みが長く続く(30分ほど)

先ほど少し触れましたが、狭心症であれば胸痛は長くは続きません。 

数分程度が多く、長くても15~20分程度です。

胸痛が20分以上続く場合には心筋梗塞の可能性が高いです。

心筋梗塞は冷汗や意識が遠のくことも

また、随伴症状として冷や汗、呼吸困難、吐き気、嘔吐、失神などを生じることもあります。

とくに糖尿病を患っている方や高齢者は痛みを感じにくいことがあり、意識消失などが唯一の症状として搬送されることもあります。

心筋梗塞を引き起こす原因は

ではこのような心筋梗塞はなぜ起こってしまうのでしょうか。繰り返しになりますが、心筋梗塞は冠動脈という血管が詰まったりすることが問題です。

いわゆる「パイプのトラブル」です。水道管と同じように、経年変化で硬くなってヒビが入ったり、どろどろしたものが流れたことで内部にぬめりなどが生じることが原因になります。

心筋梗塞は冠動脈硬化が原因

血管が硬く脆くなることを動脈硬化といいます。動脈硬化は全身のあらゆる血管に起こりますが、冠動脈が硬化することで狭心症や心筋梗塞の原因になります。

動脈硬化の初期には血管の内側の膜が分厚くなったり脂肪分などが沈着したりすることでプラーク(粥腫とも言います)と呼ばれるものが発生します。プラークが成長して血管の中を狭めてしまうのです。

心筋梗塞は冠動脈硬化を招く危険因子

日本人の心筋梗塞において危険因子は、高血圧、糖尿病、喫煙、家族歴、脂質異常症(高コレステロール血症)です。

高血圧・脂質異常症

血圧が高いと、血管に負担がかかることはご想像いただけると思います。医学的には血管内皮細胞が障害されやすく、動脈硬化の原因になります。

また血液中の脂肪分が増えることでプラークの生成が促進され、これも粥状硬化症という動脈硬化の一つのパターンになります。

関連記事:高血圧症と脂質異常症は気が付きにくい?定期的な健診が大切!

糖尿病

糖尿病においても、末梢の細い血管において血管内皮細胞が障害されやすいことが知られています。

また血液の粘性が高くなり、より閉塞しやすい状態になるとも考えられます。

関連記事:知らないと危ない糖尿病の症状と合併症について

肥満

目に見えるもので注意していただきやすいのが、肥満です。体重が増えると、血圧が高くなりやすくなり動脈硬化のリスクが増えます。

また肥満の原因には食生活の乱れや運動不足が背景にあると想像されます。塩分、糖分、脂肪分の多い食事をしていると、高血圧や糖尿病、脂質異常症の原因になります。

喫煙

生活習慣病と並んで、心筋梗塞のリスクが高くなるのが喫煙です。

余談ですがDick Cheney 元アメリカ副大統領はヘビースモーカーで37歳から狭心症発作を繰り返し、このような重要職に就くのは不適切と言われたそうです。特に現在吸っていることが危険で、やめるのが早ければ早いほど良いです。

欧米諸国では禁煙により心筋梗塞などが激減していると報告されています。

ストレス

意外に侮れないのが、ストレスです。慢性的なストレスにより緊張状態が続いたりすることで自律神経がバランスをとりにくくなることがあります。

血圧の上下が激しくなったりすることが考えられます。

遺伝

心筋梗塞自体が遺伝するとは言えませんが、家族歴は非常に重要な要素の一つです。

特に若くして発症した心筋梗塞などは生活習慣病だけでなく、血管それ自体になんらかの遺伝的異常が隠れている可能性があります。

Marfan症候群では血管が裂けやすいため大動脈解離などの血管の病気を発症しやすくなります。

また、家族性高コレステロール血症という病気もあり、調べてみると実は遺伝的要素が隠れていたということがありえるのです。

もし心筋梗塞を発症してしまったら

発症してから1~2時間が予後を決める、すぐに救急車を呼ぶ

先ほど少し述べましたが、心筋梗塞の治療は時間との戦いです。血流が得られなくなった心筋細胞は虚血の時間が長くなればなるほど壊死が進んでいきます。

壊死が進むほど、破裂などの合併症のリスクも上がりますし、心臓の機能が足りなくなり心不全を起こしやすくなります。

また急性期を乗り切った後の心臓の機能も悪くなる可能性が上がります。

心筋梗塞は一分一秒を争う病気です。

発症から3時間以内に治療すれば、後遺障害なく退院できることも

心筋梗塞の予後は、ズバリ発症からいかに迅速に血流を再開(再灌流)させるかに依存します。

本邦における大規模研究でも、発症から3時間以内の早期に再灌流できた症例では良好な成績が得られたのに対し、総虚血時間が長くなるに連れて治療成績が悪化していました。

ただし、発症2時間以内の早期来院例では、来院から再灌流までの時間が90分以内を達成していれば、長期臨床成績は有意に良好でした。

 90分、2時間、3時間など様々な指標が出ていますが、「血流の悪い時間をなるべく短くする」ことが重要なのは間違いありません。早期治療ができれば、元通りの生活ができる可能性が十分にあります。

発症する前に循環器内科などで定期的な受診を

1分1秒を争う心筋梗塞ですが、時間は刻々と過ぎていきます。

仮に症状が出てすぐに119番通報して救急要請をしても、状況の説明、救急車の移動時間などでも時間はとられていきます。

我々医療者としては診断から治療(血流再開)までの時間を少しでも削ることができるよう日夜努力していますが、残念ながら患者さま全員に確実に早急な血流再開をもたらすには至っていません。

心筋梗塞は、起こさないように血管のトラブルを早期発見しておくことが重要な病気なのです。

生活習慣病を見直すことが大事

「せんせー、結局予防と早期発見が大事なのはわかったから、何に気を付けたらいいか教えてよ~!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

繰り返しになりますが狭心症や心筋梗塞といった血管のトラブルは、水道管のぬめり・つまりと同じようなものです。身体中に張り巡らされた水道管にあたる血管に負担をかけないことが重要になります。

具体的に気を付けるべきことは、ズバリ、血圧、血糖値、コレステロール、喫煙です。生活習慣病を見直すことが非常に大事なのです。

当院でも高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病を早期に発見、介入することで、少しでも皆さんが元気でお過ごしいただけるよう努めています。

当院の健康診断でコレステロールや血糖などを測ることもできます。心当たりのある方は、一度相談に来てみてはいかがでしょうか。お気軽にご相談ください。

西春内科在宅クリニックができる対応

上で少し触れましたが、当院では様々な生活習慣病の早期発見・早期治療に努めています。

健康診断も実施しており、血圧やコレステロール、血糖値などを検査することができます。

また心電図検査や胸部レントゲン検査も行っております。CTや超音波検査の設備もあり、様々な角度から検査を行うことができます。

まとめ

今回は恐ろしい心臓の病気、心筋梗塞についてまとめてみました。

がんや脳卒中などと並んで死亡率の高い非常に怖い病気です。

予防と早期発見がとても大事ですので、この機会に生活習慣病の見直しをしてみてはいかがでしょうか。

血圧、コレステロール、糖尿などに関して不安をお持ちの方、それ以外にも気になることがある方は一度受診してみることをお勧めします。この記事が皆様のお役に立てれば嬉しく思います。最後までご覧くださりありがとうございました。

 

参考文献

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3) 令和2年(2020) 人口動態統計月報年計(概数の状況). 厚生労働省.

4) Kunihiro Kinjo, et al. Prognostic significance of atrial fibrillation/atrial flutter in patients with acute myocardial infarction treated with percutaneous coronary intervention. Am J Cardiol. 2003 Nov 15;92(10):1150-4.

5) Masaharu Ishihara, et al. Clinical Presentation, Management and Outcome of Japanese Patients With Acute Myocardial Infarction in the Troponin Era – Japanese Registry of Acute Myocardial Infarction Diagnosed by Universal Definition (J-MINUET) -. Circ J. 2015;79(6):1255-62.

6) Hiroshi Kasanuki, et al. A large-scale prospective cohort study on the current status of therapeutic modalities for acute myocardial infarction in Japan: rationale and initial results of the HIJAMI Registry. Am Heart J. 2005 Sep;150(3):411-8.

7) Robert J Goldberg, et al. Six-month outcomes in a multinational registry of patients hospitalized with an acute coronary syndrome (the Global Registry of Acute Coronary Events [GRACE]). Am J Cardiol. 2004 Feb 1;93(3):288-93.

8) Hiroyuki Daida, et al. Management and two-year long-term clinical outcome of acute coronary syndrome in Japan: prevention of atherothrombotic incidents following ischemic coronary attack (PACIFIC) registry. Circ J. 2013;77(4):934-43.

9) Peter Libby, et al. Inflammation and atherosclerosis. Circulation. 2002 Mar 5;105(9):1135-43.

10) Hiroaki Kawano, et al. Sex differences of risk factors for acute myocardial infarction in Japanese patients. Circ J. 2006 May;70(5):513-7.

11) Hiroki Shiomi, et al. Association of onset to balloon and door to balloon time with long term clinical outcome in patients with ST elevation acute myocardial infarction having primary percutaneous coronary intervention: observational study. BMJ. 2012 May

23;344:e3257.

高尿酸血症ってどんな病気?合併症や痛風について

高尿酸血症について知っていますか?

様々な原因により血液中の尿酸が異常に高くなった状態が続くことにより、尿酸が足の指などの関節などに沈着して腫れ上がり、激痛を生じることもある病気です。

かつてはお金持ちの病気と考えられ「贅沢病」といわれていましたが、現代においても生活習慣(環境要因)が深く関係する生活習慣病のひとつです。

ただし、生活習慣のみならず、遺伝要因が関与している病型や併存する他や、使用している薬物に起因する二次性高尿酸血症もあります。

高尿酸血症とは

高尿酸血症とは様々な原因により血液中の尿酸が異常に高くなった状態のことを指し、後述するいくつかの合併症の引き金となります。

尿酸値が7.0mg/dLを超えた状態が「高尿酸血症」

高尿酸血症は、尿酸塩沈着症(痛風関節炎、腎障害など)の病因であり、性別、年齢を問わず、「血清尿酸値が7.0mg/dlを超えるもの」と定義されます。*

 *出典:2019年改訂高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版 日本痛風・核酸代謝学会ガイドライン改訂委員会 編

高尿酸血症は排泄低下型と産生過剰型に分けられる

高尿酸血症には排泄低下型と産生過剰型の2つの病型があります。

さらに双方を併せ持った「混合型」もあります。

排泄低下型

排泄低下型とは、高尿酸血症全体の約60%を占める多数派です。

尿検査によりクリアランスというものを測定することで診断をすることができます。

産生過剰型

産生過剰型とは、高尿酸血症全体の約10%を占めます。

尿酸の産生量そのものが増加しているものを指しますが、最近までは腸管からの排泄が低下する腎外排泄低下型の病型もここに含められていました。

これらを区別するのは一般的な検査では困難であり、最近ではこれらをまとめて「腎負荷型高尿酸血症」という呼び方をするようになってきています。

高尿酸血症は食事や飲酒などの生活習慣が原因

食事・飲酒といった生活習慣(環境要因)が大きく関係しています。肥満、アルコール、特定の食品の過剰摂取がリスクとなります。

疫学的には女性よりも男性の方が多くなっており、高尿酸血症により引き起こされる痛風の発生率は、30歳以上の男性では1%を超えています。

尿酸値が高くても痛みなどの自覚症状がない

痛風のイメージが強い高尿酸血症ですが、痛風は尿酸ナトリウム1水和物(MSU)結晶による急性関節炎を起こした状態のことを指します。

尿酸値が高くても無症候性高尿酸血症もあり、必ずしも痛みを感じるとは限りません。

尿酸値が高いとさまざまな疾患のリスクが高まる

値が高いと無症候性高尿酸血症もありますが、逆に言いますと、高尿酸血症は痛風発作の必須条件であり、高尿酸血症を来たす種々の要因が痛風のリスクとなります。

そして、尿酸値が高いことは、痛風だけに限らず、尿路結石、腎障害、メタボリックシンドローム、高血圧・心血管疾患のリスクにもなります。

高尿酸血症が引き起こす病気や合併症

高尿酸血症はさまざまな病気や合併症を引き起こします。1つずつ詳しく解説していきます。 

痛風

「尿酸ナトリウム1水和物(MSU)結晶」という尿酸の結晶が関節に沈着することにより、足の親指の付け根や足首などに激痛を伴う腫脹を起こします。

関節炎の一種であり、正確にはこの関節炎のことを痛風発作、痛風発作を起こすしたあとのことを痛風と呼びます。

尿路結石

尿中の尿酸濃度が高まり、結晶化した尿酸が尿路(尿管・膀胱・尿道)の内部で石を作る「尿路結石」になりやすくなり、激しい痛みを引き起こします。

結石は特に酸性環境下でより固まる性質を持つことから、尿が酸性に寄っている高尿酸血症の患者さんは再発にも注意が必要です。

腎障害

高尿酸血症は慢性腎臓病の発症に関連しており、また、血清尿酸値高値はその腎障害の進展に関連することがわかっています。

さらに、尿酸の70%は腎臓から排泄されるため、慢性腎臓病があると、高尿酸血症の悪化に拍車をかけて悪循環となってしまいます。

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームの定義や詳しい説明はここでは割愛しますが、高尿酸血症そのものはメタボリックシンドロームの診断基準には含まれていません。

しかしながら、血清尿酸値が高いほどメタボリックシンドロームの割合が高まり、逆に、メタボリックシンドロームの構成因子(内臓脂肪、高血圧、血清中性脂肪高値、インスリン抵抗性)が多いほど血清尿酸値が高いことがわかっています。

メタボリックシンドロームは、動脈硬化を通じて脳血管疾患や心血管疾患の危険因子となるため、高尿酸血症を放置するとこれらの発症リスクを高めることとなります。

高尿酸血症は高血圧症や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病を合併しやすい

血清尿酸値が高い人の中でも特に若年者や肥満者、女性に置いては、高血圧の割合が高いとされています。

血清尿酸値を上昇させる原因としてプリン体を多く含む食品が注目されがちですが、食事全体の量が多いだけでも上昇します。

このため、必然的に、脂質異常症や糖尿病を引き起こす生活習慣と重複することが多くなります。

関連記事:気づきにくい高血圧と脂質異常症は定期的な健診が大切です

関連記事:知らないと危ない糖尿病の症状と合併症について

高尿酸血症の予防法

高尿酸血症は、環境要因のみによって発症するものではありませんが、生命予後に関連する肥満、高血圧、糖代謝異常、脂質異常などともに、関連する生活習慣を改善するなど、自身でもできることを意識的に積み重ねていくことが大切です。

生活習慣の改善が第一

薬物療法の有無に関わらず、食事療法、飲酒制限、運動療法が基本となります。

食事管理

BMI(肥満度指数)や体脂肪率が高くなると血清尿酸値も高くなります。

生活習慣病一般に当てはまることですが、前提として適正なエネルギーの摂取が重要です。

さらに、血清尿酸値の上昇をもたらすプリン体の摂取を控えるために、肉類や魚の過剰摂取を避け、野菜の摂取を心がけましょう。

アルコールを控える

血清尿酸値に影響を与えるのはビールだけと思われがちですが、アルコールが肝臓で代謝される際に上昇するため、そうではありません。

しかし、酒類そのものに含まれるプリン体も影響するため、酵母、麦芽由来のプリン体を多く含むビールの方が、蒸留酒やワインよりも血清尿酸値を上昇させます。

水を飲む

血清尿酸値は脱水によっても悪化するため、適度な水分摂取は効果的です。

適度な運動

適度な運動は、肥満を是正しメタボリックシンドロームを改善することによる効果が期待されます。

一般にメタボリックシンドロームにおける運動療法は有酸素運動とレジスタンス(筋肉トレーニングなど)運動を組み合わせることが効果的とされていますが、短時間の激しいレジスタンス運動が血清尿酸値を上昇させてしまうため、痛風の患者さん(痛風発作歴のある患者さん)は、低強度の運動が推奨されます。

病院での診察

過去に健診などで高尿酸血症の指摘歴があったり、痛風発作歴がある場合は容易に診察できることもありますが、健診異常の指摘歴がなかったり、初発症状の場合には、それ以外の関節炎との鑑別が必要になります。

高尿酸血症や痛風の診察は内科へ

内科では血液検査で血清尿酸値を測定し、身体所見と併せて診断の一助とします。

尿酸値が高いと痛風発作の発症率は高まる

血清尿酸値と痛風発作の発症率は相関するため、適正な値を維持することが大切です。

発作歴の有無や併存疾患によって、血清尿酸値の治療目標値は変わってきます。

食事療法や運動療法、痛風等で痛みがあれば薬物療法を行う

大前提は食事療法、飲酒制限、運動療法です。

また、発作による疼痛に対しては薬物療法を行いますが、関節炎の発作極期とそれ以外とでは治療法は異なります。

血清尿酸値を急激に下げると症状が悪化することもありますので、状況を見ながら至適尿酸値を目指していきます。

西春内科在宅クリニックができる対応

痛風発作による疼痛と診断できた場合には症状を和らげる薬物療法を行います。

その後も、至適尿酸値を維持できるよう、フォローを行ってまいります。

何かお困りの際のご相談は受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

いかがでしたか?痛風は単なる贅沢病、関節痛ではなく、その背景疾患である高尿酸血症は、様々なリスクをはらんだ状態であることが伝わりますと幸いです。

いまいちど、健診結果や血液検査結果を確認されてみることをお勧めいたします。

子供が中耳炎になった時の症状やの症状別の対応方法、放置してはいけない症状について

中耳炎は、自覚がなくとも、多くの人が実は一度は経験している病気です。

1歳までに62%、3歳までに83%の子供たちが少なくとも1回は罹患するとされています。

お子様が急に不機嫌になり原因不明のお熱がでたり、片方の耳をよくさわるようになったりした経験はありませんか?

主に子供がメインで生じる疾患であり、親としては知っておきたい病気だと思います。

今回はありふれた中耳炎といった疾患に対してご理解を深めて頂き、これからの対応の方法をお伝えします。

中耳炎とは?期間や他人にうつる?

まず人間の耳は外耳、中耳、内耳といった3つの空間に分けられます。

耳介、外耳道、鼓膜までのことを外耳、鼓膜から鼓室という空間を形成している場所を中耳、三半規管や蝸牛といった神経が通っている場所を内耳といいます。

中耳炎とはこの鼓膜内の鼓室部分が炎症を起こすことで起きる現象になります。

鼓膜が障壁となっているため中耳炎が直接的に他人にうつることなどはありません。

中耳炎の種類にもよりますが、急性中耳炎と呼ばれる疾患は数日~1週間程度で完治することが多いです。

関連記事:耳垢を放置するとどうなる?耳掃除は必要? 耳垢栓塞やたまりやすい人の特徴とは

中耳炎にかかる原因

急性中耳炎とは中耳内に菌やウィルスが入り込んで炎症が生じることでおこります。

ではどこから菌やウィルスは中耳に入ってくるのでしょう。

鼓膜が障壁となっているので外からばい菌が入ってくることは考えにくいです。

実はばい菌は口や鼻から侵入してくるのです。

先ほどの図に示した通り、耳と鼻は耳管という管でつながっています。

耳管とは耳抜きなどで空気が通る場所になります。

この本来は耳管という箇所は鼓室内のばい菌や老廃物を口に吐き出すために存在しています。

しかし、主に風邪ウィルスなどのばい菌はこの耳管を通って中耳炎を引き起こしてしまうのです。

子供が中耳炎になりやすい理由

皆さん、中耳炎は子供の病気と考える方が多いのではないでしょうか。子供に多いのは確かで、それにはいくつか原因があります。

まず1つ目は顔の構造上の問題です。

成人と比べ子供の顔は小さく、耳管の長さが短く、耳と口までの角度がより水平になっています。

このことから、子供はばい菌が耳管を通って中耳炎を引き起こしやすくなるのです。

また子供は鼻水を上手くかめないため、鼻をすすってしまいます。そうするとさらに耳管を通して、汚い鼻水が逆行して中耳に入り混んでしまい、中耳炎を引き起こします。

また、1歳から3歳程度の子供は滅菌されていない箇所を触ったり、口にしたりするのでばい菌が入りやすいことも一つの理由ですね。

手洗いうがいが大切な理由は中耳炎の予防にもつながるのですね。

関連記事:耳が聞こえにくい・耳が詰まったような感じがする原因と治し方

中耳炎の症状

耳だれ

耳だれのことを耳漏(じろう)と呼びますが、耳漏がでているということは中耳の炎症が外に漏れているということです。

大半は中耳炎がひどくなることで鼓膜や外耳道にも炎症が波及し、浸出液が滲むことで耳漏として出てくることが多いです。まれに鼓膜が破れて膿そのものが排出することもあります。

発熱、不機嫌、啼泣

中耳炎は発熱をすることが比較的多いです。

もちろん中耳における炎症の度合いで変わってきますが、風邪などの上気道炎を合併することも多く、発熱を認めることはあります。

また子供の初期症状として発熱だけでなく、原因不明に不機嫌になったり、啼泣といった泣きわめくだけのお子様もたくさん認めます。

そんな時に鼓膜を見ることで中耳炎が原因と分かることが多々あります。

頭痛、耳痛

中耳炎は頭痛や耳痛が頻繁に起こります。

中耳は頭に比較的近い場所であり、炎症が波及しやすいため、頭痛として認識されやすいのです。

もちろん耳痛はありますし、耳を外側に引っ張ることで痛みが増悪する場合は中耳炎であることが多いので、医療者は診断の一つの手だてとして行ったりします。

子供が中耳炎になった時におすすめの市販薬や自力で治す方法

軽症の中耳炎であれば、抗生剤等の薬の使用は一旦はなくても大丈夫です。

風邪症候群と合併することが多いので市販の風邪薬の内服も一定の効果を得られると考えます。

もし鼻水が多量にあるようであれば、鼻吸引機などで鼻水を吸ってあげることは自宅で出来ますのでやってみることをオススメします。

関連記事:抗アレルギー薬とは?強さのランキングを一覧で掲載

放置してはいけない症状

実際に中耳炎の軽症例であれば、抗生剤の処方せずに数日様子をみることがガイドラインでも推奨されています。

しかし、軽症か重症かの判断は実際に鼓膜の所見を診察しないとわからないことも事実です。

重症例であった場合は髄膜炎などに移行することもあるため、早くに中耳炎の診断をつけることも非常に重要ですので、ぐったりするような所見や耳漏所見があれば病院へ受診をお願いします。

子供の中耳炎の予防方法

予防としては手洗い、うがいはまずはできれば行って頂きたいです。

やはりウィルスを口に入れてしまうことはリスクになりますからね。

また鼻水が慢性的にズルズルしている子供は鼻をすすることで中耳炎になりやすいので、定期的な鼻水に対しての加療が予防につながります。

まとめ

今回は急性中耳炎について主にお話させて頂きました。

急性中耳炎の症状は耳漏、発熱、頭痛などがあり、重症かどうかの判断は医師の診察が必要になってきます。

今回は中耳炎の原因や対処法、予防法についてお話しさせて頂きました。

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住所:〒481-0041 愛知県北名古屋市九之坪北浦31(メガネ赤札堂の真向かい)

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