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帯状疱疹後神経痛は何科に行く?症状や原因を解説

帯状疱疹後神経痛

疲労や、加齢、ストレスなどから免疫力が低下し、神経に潜んでいたウイルスが活性化し発症する帯状疱疹

帯状疱疹の症状としてピリピリとした痛みや赤い斑点を初期症状として赤い斑点内に水ぶくれができる疾患です。

この水ぶくれが破れ、ただれた状態からかさぶたになって症状が収まっていきますが、皮膚症状が落ち着いた後に神経痛が出ることがあります。

これを帯状疱疹後神経痛と言います。

今回は、この帯状疱疹後神経痛について症状や、受診すべき診療科などについて詳しく解説していきます。

帯状疱疹後神経痛はどんな病気?


帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹のなかで最も頻度が高い合併症です。

痛みの症状は様々で

  • 焼けるような痛み
  • 締め付けるような痛み
  • ズキンズキンとした疼くような痛み
  • 軽く触れただけで痛む痛み(アロディニア)

などが混在しています。

中には日常生活に支障をきたす痛みが起こることもあります。

ではなぜ、上記のような痛みがでるのかを解説していきます。

帯状疱疹の原因のウイルスは通常、神経に潜んでおり、免疫機能の低下で潜んでいたウイルスが活性化。

ウイルスは、神経を伝って皮膚へ移動し炎症を起こします。

帯状疱疹の痛みや皮疹の症状が落ち着いたあとも、ウイルスが通ってきた神経は傷ついている状態なので痛みが続きます。

これが帯状疱疹後神経痛です。

帯状疱疹後神経痛の症状は?


帯状疱疹後神経痛

先述しましたが、帯状疱疹後神経痛の症状は人によって様々です。

焼けるような痛み、ズキンズキンとする痛み、電気が走るような痛み、刺すような痛みなどが多いとされています。

また、患部に軽く触れるだけで痛みがでる(アロディニア)こともあります。

日常生活に影響することもあり、痛みから仕事に集中できない、食事するのも辛い、寝られないこともあるため、帯状疱疹が出ている場合は医療機関の受診がおススメです。

また帯状疱疹後神経痛の痛みは、治療に2~3年程度かかることもあります。

帯状疱疹後神経痛は何科で診てもらう?


帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹後神経痛は内科やペインクリニックでの神経痛に効果のある鎮痛時による治療がおススメです。

  • 薬物療法
  • 神経ブロック注射
  • レーザー治療
などがあります。

帯状疱疹後神経痛は、神経が傷ついたために起こる神経障害疼痛という痛みのため、治療が難しいことが多くあります。

薬物療法や、神経ブロック注射などで充分な効果が得られない場合、脊髄に微小な電気刺激を与える【脊髄刺激療法】があります。

帯状疱疹はできるだけ早い診断が必要!


帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹は、初期症状から痛みの症状が出てしまうことが多い病気です。

また、帯状疱疹後神経痛を引き起こしてしまうと、個人差はありますが治療に数か月から数年かかることがあります。

帯状疱疹後神経痛を予防するには、帯状疱疹にできるだけ早く気づき、治療を開始することが重要です。

実際に、帯状疱疹が出ているのは分かっていたが、忙しくて病院へ行けず治療もできず痛みで日常生活に支障を来すほどの帯状疱疹後神経痛に悩まされているという方もいらっしゃいました。

帯状疱疹は適切に治療を行うことで帯状疱疹後神経痛の出現を予防することが出来ます。

また、帯状疱疹を発症しないことも大切になります。

帯状疱疹のワクチンを接種することや、疲労やストレスの管理を行って帯状疱疹の予防をしましょう。

帯状疱疹ワクチンについて詳しくはコチラ

帯状疱疹の初期症状について詳しくはコチラ

帯状疱疹後神経痛の治療・相談なら西春内科・在宅クリニックへ


帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛でお悩みの方、是非一度ご相談ください。

当クリニックでは、症状に合わせた薬物療法を行うことが可能です。

帯状疱疹のワクチン接種も対応しています。

必要に応じてペインクリニックへのご紹介も行っていますので、まずはお気軽にご相談下さい。

当クリニックの帯状疱疹ワクチン接種についてはコチラ

まとめ


今回は、帯状疱疹後神経痛の症状や、受診すべき診療科などについて解説しました。

いかがでしたでしょうか?

帯状疱疹になったことのある多くの方は、この帯状疱疹後神経痛に悩まされたことがある方が多いのではないでしょうか?

帯状疱疹後神経痛は、治療に長い時間がかかることもあるので、帯状疱疹の初期症状を見逃さずに、早期治療を行っていくことが重要です。

また、帯状疱疹の予防もとても大切になります。

帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛でお悩みの方はお気軽にご相談下さい。

参考文献

帯状疱疹.jp|帯状疱疹の合併症
武田薬品工業株式会社|50歳から気をつけたい帯状疱疹
社会福祉法人 恩賜財団 済生会|帯状疱疹後神経痛

喘息の人が自宅でできることは?日常生活の注意点

喘息自宅で出来ること

日本の喘息の有病率は現在では10%ほどとなっています。

喘息の発作では、息が苦しくなるほど咳が止まらなくなることもあるでしょう。そこで本記事では、自宅でできる喘息発作への対処法について詳しく解説します。

症状を悪化させないために日常から気を付けるべきことにも触れるので、ぜひ参考にしてみてください。

 

関連記事:咳喘息は喘息ではない?違いや症状のチェック項目をご紹介

 

 

喘息の発作が起こる原因は?

喘息とはどのような病気でしょうか?

正式名称は気管支喘息といいます。

簡単に言ってしまうと、気管支が狭くなってしまいうまく呼吸ができなくなる疾患です。

喘息についてみる前にまずは、空気の通り道となる気道の構造を見てみましょう。

 

気道の構造

 

喘息自宅で出来ること

人間の気道は大きく以下に分かれます。

  • 上気道
  • 下気道


 上気道とは鼻やのどまで、下気道とは気管から肺にかけてと分類されます。

人間が呼吸をする際は、鼻で空気を吸入することで、空気を浄化(フィルター機能)、加温、加湿したのちにのどを通過し、気管に入っていきます。

 

喘息自宅で出来ること

この図は、のどちんこのあたりから喉頭を見下ろした写真になります。

真ん中にあるV字の構造が声帯で、その下の暗い部分が気管の中です。

 

喘息自宅で出来ること

喉頭をこえると、ここからトンネルのような構造になり、このトンネルが気管です。

気管は奥に行くと枝分かれしますが、まず大きく左右に主気管支に分かれ、左右の肺に向かいます。

左右の主気管支はさらに複雑に分岐を続けます。

気管支は、15から20回程度の枝分かれをして細くなり、肺胞の手前の細気管支になると0.5mmと、肉眼で見えるか見えないかのギリギリの太さになります。

ちなみに気管の径は15〜20mmであり、分岐することでだいぶ細くなりました。

細気管の抹消に肺胞という構造があり、ここでようやくガスの交換を行うことができます。

 

喘息自宅で出来ること

鼻にはフィルター機能があると言いましたが、鼻で大きな粒子を捉えることはできますが、径の小さな粒子は捉えることができません。

気管支⇨細気管支⇨肺胞と狭い空間に行くにつれ小さい粒子を捉えることができます。

気管支では、数μm〜10μmの粒子(1μmとは、1mmの1/1000)を捉え、表面に存在する線毛(一方向に動く毛の構造)の運動と咳で上気道に追いやり痰として出します。

細気管支では、径数μmの粒子を線毛運動で除去し、肺胞では径2μm未満の粒子をマクロファージという細胞で処理します。

ダニの死骸などを含むハウスダストは数μmほどの大きさであり細気管支で主にトラップされます。

PM2.5という言葉を公害物質としてよく耳にします。

これは2.5μm以下の大気中に浮遊する小さな粒子のことを言いますが、これらは肺胞まで到達してしまいます。

 

喘息自宅で出来ること

 

喘息とは気管支で何が起きているの?

 

喘息自宅で出来ること

喘息とは、気道(気管や気管支)の慢性炎症疾患です。

そして、この慢性的な炎症により、気道が狭くなることで、繰り返し起こる咳、喘鳴(ゼーゼーする状態)、呼吸困難を起こします。

このイベントは最初のうちは、狭くなったり戻ったりします(可逆的)が、この状態が放置され狭くなったまま戻らなくなる(不可逆的になる)と重症化していきます。

この慢性炎症の状態では気道過敏性亢進といってます。

これは気道が敏感になっている状態を指し、簡単に言うと『健常人では反応しないレベルの刺激でも、容易に刺激として反応してしまう』状態になっています。

改めて、喘息を疑うキーワードを列挙すると

  • 発作的な咳、気道のゼーゼーといった音、呼吸困難といった症状
  • 症状を繰り返している(気道過敏性亢進)
  • 良くなったり悪くなったり(可逆性)


というのがポイントになります。

喘息の初期の患者さんは、すぐに症状が良くなってしまうから、ちょっとした風邪かな?といって軽視しがちです。

喘息患者は年々増加傾向にあり、小児喘息の有病率は約7%、成人喘息は4%で、日本では400〜500万人に達していると言われています。

しかし、上記のように症状が軽く受診していないだけの患者さんを考慮に入れると、私見としては10人に1人くらいに喘息の素因があるかと思われます。

それでは健常者と喘息患者さんの気管支を比較してみてみましょう。

 

喘息自宅で出来ること

健常な気管支の構造から説明します(左図)。

気管の内腔は表面に上皮細胞が存在し、上皮細胞の最下層に基底膜という細胞の層があります。

それより下には炎症の主な場所となる粘膜固有層があり、その外層に気管支平滑筋があり裏打ちしています。

それより外には気管支腺や動脈、静脈が走り、最外層に気管軟骨があり気管の構造を維持しています。

気管の慢性炎症状態により気道過敏性が亢進していると、右図のようになります。粘膜固有層をはじめとして、気管粘膜における炎症細胞が増えます。

この炎症細胞はアレルギーが関与するリンパ球や好酸球がメインとなりますが、好中球が関与する病態も存在します。

これらの炎症細胞により上皮細胞の破壊や基底膜が厚くなります。

また粘膜表面に存在する粘液腺組織から粘液の産生が増えます。

このような状態がさらに慢性化すると気管支平滑筋じたいが厚くなってきたり、粘膜下組織じたいが固く厚みを帯びてきます。

これらが総じて、気管の内腔を狭くしてしまい、空気の通り道が細くなっていきます。

少し難しい話になりますが、この粘膜下組織じたいが線維化し固くなったり、気管支平滑筋が厚みを帯びた状態のことをリモデリングといって、喘息が慢性化した状態で、重症化リスクとなる病態です。



喘息自宅で出来ること

では、どのような機序で気管支に慢性炎症を起こさせるのでしょうか?

 

気管支喘息の原因は?

気管支喘息はアレルギー疾患のうちの一つです。

アレルギーは全身疾患ですが、そのうち気道に起こる疾患でポピュラーなものが気管支喘息とアレルギー性鼻炎です。

鼻から肺までは構造的に連続した気道ということで、疾患も同じような原因で起こりそうですよね。

 

喘息自宅で出来ること

実際に、気管支喘息患者の鼻炎合併率を調査した研究(文献3)では、

2012年の夏は50%、2013年の春は85.6%であり、春季には鼻炎合併が高率であったと報告されています。

両季節とも鼻炎合併症例の喘息コントロールは鼻炎を合併していない症例と比較して有意に気管支喘息の悪化がみられ、鼻炎の状態を良くすることで喘息コントロールが改善されることが報告されました。

最近では、”One airway One disease”と言われ、アレルギー性気道疾患を一つの気道として評価し、治療するべきと考えられています。

 

アトピー型喘息と非アトピー型喘息、小児喘息と成人喘息について

喘息の原因はアトピー型と非アトピー型に分けられます。

『アトピー体質』という言葉をよく聞くと思います。

これは、アレルギーの原因となる、抗原に対してIgEという抗体を作りやすい体質のことを言います

一般的にいうアレルギーという言葉はI(いち)型アレルギーが原因となることが多いのですが、このI型アレルギーはIgE抗体が関与する反応です。

以下にダニアレルギーに伴うアトピー喘息を例に①.ダニに対するIgE抗体を作るまで、②.喘息が発症するまでを図解します。

 

喘息自宅で出来ること

喘息自宅で出来ること

つまり、アトピー型の喘息と言うと、アレルギーの原因となる抗原に対してIgE抗体が産生され、気管支に作用することが発症のきっかけになる喘息のことを指します。

一方で、非アトピー型喘息とは、この機序以外の喘息のことを指し、様々な原因がありますが、現在原因が解明されつつあります。

大切なこととして小児喘息は主にアトピー喘息が多く、成人喘息はほとんどが非アトピー型喘息となることが多いです。

 

喘息自宅で出来ること

これはあくまでも参考です。

小児の場合、2〜3歳でほとんどが発症し、中学生時代に治癒することが多く、成人になるまでに約70%以上が自然治癒します。

しかし、小児でも成人と同様に重症化することもあり、早期から治療介入することが大切になります。

成人発症喘息のポイントとしては、小児喘息があってダラダラ成人喘息に移行するのではなく、ある時期から突然発症することが多いです。

成人喘息はアレルギー疾患が慢性化すると生じる好酸球という血球が組織に増え、”好酸球性気道炎症”という状態になり、先ほどお話したリモデリングなどの組織が固くなる現象を起こしやすく、重症化していきます。


成人発症喘息が発症する因子としては、以下のように1、発症の個体要因と2、発症の環境要因に分かれます。

そして、この掛け合わせで喘息が発症します。

 

喘息自宅で出来ること

簡単に言ってしまえば、喘息になるべく生まれ持った体質の方が、発症するべく環境で生活した時に初めて喘息が発症します。

 

関連記事:アトピー咳嗽の原因はストレス?症状のチェック項目や治し方を紹介

 

 

喘息の人が自宅でできること

アレルゲンを回避する 〜どんなアレルゲンがあるの?〜

1で書いたように、喘息はアレルギー疾患です。

アトピー型喘息では、特にアレルギーの原因となるアレルゲン(抗原)の暴露を避けることが非常に大切になります。

暴露を避けるためには、まず自分がどのようなアレルゲンに対して感作(1−4の①、ダニに対するIgE抗体が作られるまでの状態)が成立しているかを知る必要があります。

そのための検査としては、採血検査や皮膚検査がポピュラーです。

皮膚検査は皮膚科やアレルギー科などではやってくれますが、一般的ではありません。

採血検査は、一般内科などでも検査してくれます。

ダニやスギなどに的を絞った検査方法もありますが、吸入系アレルゲンや食物アレルゲンなどセットで検査することも可能です。

自分が何に感作しているかをざっくり評価することができます。

 

喘息自宅で出来ること
 
喘息を発症する可能性が高いアレルゲンを以下に挙げます。

 

喘息自宅で出来ること

特にダニ、ハウスダスト、カビ、昆虫が喘息発症に関与していると言われてます。

成人気管支喘息の60%以上、小児気管支喘息の60〜80%以上がダニに感作されていると言われています(文献4)。

これらのアレルゲンに対して感作している方(特にお子さん)は、暴露しないように注意しましょう。

それでは、これらのアレルゲンはどこに存在することが多いでしょうか。

それぞれのアレルゲンの特徴と存在箇所について見ていきましょう。

 

ダニ

主に寝具、じゅうたんに多く存在します。
喘息のアレルゲンとなるダニは、チリダニ科のヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニが原因となります。
これらのダニはその名の通り、ヒトの “ 表皮(ヒョウヒ)”を好んで食べます。
それゆえに、人間の皮膚(アカやフケ)が剥がれ落ちやすい場所に多く存在します。
特に1日の1/3の時間を過ごす寝室に多く、枕カバーやシーツなどは要注意です。
布団など内部に空間があるものには注意が必要で、表面には数匹しかいませんが、内部に圧倒的に多く数千から数万匹存在していると言われています。
子供が大好きなぬいぐるみの中にも比較的多く存在しており、要注意です。
ダニの繁殖は気温 20〜30℃、湿度 60〜80%の環境で進みやすく、現代の気密性・断熱性が高い住宅はまさにダニにとっては生息しやすい環境となります。

 

喘息自宅で出来ること

 

ハウスダスト

ハウスダストとは室内に存在する、大きさが1mm以下の目に見えにくいホコリの総称です。
繊維クズ、細かな砂粒、ペットの毛、フケ・アカ、ダニの死骸と糞、花粉とその胞子、タバコの煙粒子などが含まれます。
このようにハウスダストは多くのアレルゲンが混在したものですが、この中で最も大切なアレルゲンはダニです。
アレルギー検査でダニが陽性の方の多くは、ハウスダストも陽性となっていることが多いです。
ハウスダストがたまりやすい場所は、必然的に掃除が行きとどきにくい、家具の裏や下などが要注意です。

 

ネコ

ネコをペットとして飼育している家庭の粉塵として存在します。
ネコの唾液や皮膚のフケがアレルゲンとなります。
ネコアレルゲンは感作されやすくアレルギー発症までの期間も短い傾向があります。
室内粉塵の中でもネコアレルゲンは粒子が小さいために、長時間空中に留まり、吸い込む量が多くなると考えられています。
家具や衣類にも付着しやすく、ネコを飼っていなくても、飼育している友人の衣類についたネコアレルゲンが学校の教室などの公共の場所にばら撒かれることで、感作してしまうこともあります。
アレルゲンが小さいこともあり一度、ネコを飼育するとその家からネコアレルゲンが完全になくなることはないと言われています。

 

イヌ

イヌの唾液や皮膚のフケなどが原因アレルゲンとなります。
ネコ同様に衣服についたアレルゲンに暴露するだけで症状が出ることもあります。
人懐っこい動物であるが上に、ペットとして飼育している場合に触れ合うことが多くなり、アトピー素因のある方は要注意となります。

 

カビ

カビも喘息発症において重要なアレルゲンとなります。
カビは真菌類という微生物になりますが、我々が食べるキノコも実は真菌です。
喘息の原因となるカビは『室内環境のカビ』と『室外環境のカビ』に分類されます。
前者の室内環境のカビは主にアスペルギルスという真菌が原因となります。
これは押入れ、ベッド下のホコリ、革靴、枕の表面などから検出されることが多く、乾燥に強いです。
カビというと、ジメジメした環境で生きているイメージですが、比較的乾燥した屋内環境でも生きることができます。
後者の室外環境のカビは、主にアルテルナリアという真菌が原因となります。
これは、風呂場や水回りにみられ、高い湿度を好む性質があります。
特に梅雨や雷雨が多い時期に増え、この時期に喘息発作を引き起こすことが言われています(雷雨喘息)。

 

ゴキブリ

生活環境中の重要なアレルゲンの一つです。
死骸やフンが原因のアレルゲンとなります。
日本全国の家屋に生息し、高い湿度と暖かい温度を好み、水回り、食物を入れた貯蔵庫、電化製品の内部、ダンボールの隙間などに多く存在します。
日本では比較的感作率は低いですが、喘息発症の重要なアレルゲンとなります。

 

花粉

花粉はアレルギー性鼻炎(花粉症)と比較すると、花粉の粒子の大きさの関係で喘息を発症するアレルゲンにはなりにくいですが、花粉の飛散数が多いと喘息での救急受診数が増加するというデータもあります。
また、鼻炎は喘息発症の因子になりますので、花粉の暴露を避けることは、鼻炎による二次的な喘息発症を予防する上で大切です。
花粉は、季節ごとに飛散する花粉が異なります。
最も有名な花粉は春先のスギ花粉やヒノキ花粉ですが、夏から秋のカモガヤ(イネ科)、秋のブクタサ、ヨモギ(キク科)の花粉などの花粉もあります。
これらに感作が成立している患者さんは、喘息症状の原因となるので注意が必要です。
スギやヒノキは樹木であり、遠くまで花粉が飛んでいきますが、イネ科のカモガヤや雑草のブタクサなどの草木花粉は飛散する範囲が狭いという特徴があります。

 

喘息自宅で出来ること
喘息自宅で出来ること

以下に、これまでのアレルゲンの季節性をみるアレルゲンカレンダーを提示します。

アレルゲンが存在する時期の目安となります。地域によって若干異なります。

喘息自宅で出来ること

掃除・洗濯をするときのポイント

ホコリにはこれまで述べてきたようにダニやゴキブリ、カビなどのアレルゲンが多量に含まれます。

それゆえ、掃除・洗濯は室内に存在するホコリを掃除する上で非常に大切になります。

以下に掃除・洗濯をする上でのポイントを列挙します。

寝具(布団、シーツ・カバー)、寝室の床、リビング(絨毯や布ソファ)など1日のうちで長い時間生活する場所を中心にできれば毎日、最低でも週2回は行いましょう。

 

  1. フローリングの掃除は、ホコリを舞い上げないために、拭き掃除をしたあとに掃除機をかけることが大切です。
  2. 寝具のシーツ・カバー類は、週に1回は丸洗いしましょう。
  3. 布団は週1回は干して日光に当てたあと、両面の掃除機をかけましょう。
     ⇨最近は丸洗い代行サービスもあり!
  4. 床の素材はフローリングが理想的で、カーペットはダニが生息しやすいので、使用しない方がよい。
  5. 畳の部屋は、畳の目に沿って1畳を30秒くらい、じっくり掃除機で吸い取ります。
  6. 少なくとも週1回は丁寧に掃除しましょう。
  7. 掃除機の集塵パックは2週間に1回は交換しましょう。
  8. 絨毯は避け、布製の家具は使用しないことが望ましいが、すでに使用している場合は寝具同様に最低週に2回は清掃しましょう。
  9. 衣類、布団、暖房器具を収納するときは、ダニの繁殖を防ぐために、洗濯、掃除をした後にビニール等で密閉してから収納しましょう。
  10. ぬいぐるみはダニの温床となりますので、頻回に水洗いし天日干ししましょう。

 

このような丁寧な掃除を3〜6ヶ月継続すれば、特別な寝具を使用しなくても効果があります。

喘息自宅で出来ること

 

ペットと暮らしている場合に気を付けること

ペットを家族の一員と考える家庭も多いため、手放すのはなかなか難しいと思いますが、アレルギー検査で自分が感作しているアレルゲンを認知している場合は、原因となっている動物を飼わないようにすることも大切になります。

実際に、ネコを飼っていた家で、ネコの飼育をやめた後からは、喘息症状は2.3倍改善したというデータがあります(文献6)。

すでに飼っていて離れることが難しい場合は、外で飼うなどの工夫をしてみるとよいかもしれません。

また、友人や家族でペットを飼っている家にお邪魔する際や、自宅にペットを連れてきたときに触れないようにしましょう。

その他、ペットに関する注意事項を以下に挙げます。

 

  1. ペットは週に1回はシャンプーをして清潔にしましょう。
  2. ペットのアレルギー物質はとても小さいため、浮遊時間が長く、他のアレルギー物質に比べて空気清浄機の効果が高いと考えられています。
  3. 飼育する床はフローリングであることが望ましく、一緒に寝ることは控えましょう。
  4. 毛の中でダニが繁殖したり、毛が抜けてハウスダストの総量が自宅に増えることも問題となります。

 

喘息自宅で出来ること

 

関連記事:乾燥で咳が止まらないのはなぜ?咳の特徴や悪化させないための方法を紹介

 

 

外出時に注意することは?



外出時に注意することとして、以下の3つが挙げられます。

 

  • 花粉に暴露しないこと
  • 刺激となる物質を暴露しないこと
  • 吸入薬を忘れないこと

花粉に暴露しないこと

2-1で述べたように、花粉には広範囲に飛散する樹木花粉と比較的飛散範囲が狭い草木花粉があります。

樹木花粉であるスギ、ヒノキ花粉のは10kmほど飛散可能と言われていて、日本の本州に住んでいる場合、飛散時期にどこにいても外出するだけで暴露する可能性があります。

しかし、イネ科や雑草類の草木花粉の飛散範囲は10m程度と狭く、その花粉が存在している公園や、川沿いの土手などに近付かなければ暴露しにくいです。

自宅の庭の草むしりや農家の方が農作物の収穫をすると症状が出るという患者さんがいらっしゃいますが、案外身近な環境に草木花粉は存在するので、樹木花粉と違って避けることが可能な花粉と言えます。

以下に、花粉を暴露しないため、発症しないための対応方法を列挙します。

 

  1. 花粉が多いときは、できるだけ外出を避けましょう。
  2. 花粉飛散情報をテレビやインターネットで確認してから外出しましょう。
  3. 大量飛散日は窓の開放に注意し、洗濯物を外に干さないようにしましょう。
  4. ゴルフのラウンドや登山などは樹木や草木の群生地であることが多く、注意しましょう。
  5. 外出するときは、マスク、メガネを着用しましょう。
    マスク表面に当てガーゼを置き、頻回に交換できるようにしたり、フィルター付きマスクも有効です。
  6. 外出先から帰った時は、家の中に入る前にコートを脱いではたきましょう。
  7. 外出時の服装はできるだけ、表面が毛羽だったモコモコした服は控え、ナイロンやポリエステルなどのツルツルした素材のものを選びましょう。
  8. 家に帰ったら洗顔、うがいをし、鼻をかみましょう。

 

最近ではCMで知名度上昇中の鼻うがいも有効です。

 

喘息自宅で出来ること

刺激となる物質を吸入しない

喘息が発症している場合には、ここまでに挙げてきたアレルゲンを吸入しなくても刺激となる物質を吸入しただけで発作が起こるようになっています。


この状態を1-2で述べたように “気道過敏性が亢進” している状態といいます。


1−4で喘息発症の危険因子として環境因子を提示しましたが、これが刺激となる因子です。


つまり、アレルギー以外の原因でも喘息発作を誘導してしまうのです。

 

ウイルス感染

ライノウイルス、RSウイルスなど気道関連ウイルスは喘息発症の鍵となるウイルスです。
これらのウイルス感染を契機に喘息が発症することもあります。

 

化学物質

ホルムアルデヒドなどの化学物質も喘息の原因となります。

 

タバコ

慢性肺疾患であるCOPDの原因となりますが、喘息の発症因子ともなります。
最近ではCOPDと喘息の両方の特徴を併せ持つ病態も存在します。

 

寒冷刺激

特に寒暖差が気道に刺激となり、喘息発作が起こりやすくなります。
冬は空気も乾燥します。
寒冷刺激と乾燥は気管を収縮させるので、冬は喘息発作が起こりやすくなります。

以下は、外出時に吸入する物質ではありませんが、上記と同じくアレルギー以外が原因となる喘息の誘発因子なので追記します。

 

運動

運動によって喘息が誘発されやすくなります(運動誘発喘息)。
これは喘息のコントロールが不良な状態です。

 

天候

気温や気圧の変化が喘息発作を誘発すると言われています。
湿度が高くなることでカビやダニが増えることも一因です。

 

アスピリン喘息

痛みどめのロキソニンなどアスピリン系の消炎鎮痛剤を使用すると喘息発作を誘発しますが、これも特殊な作用機序により喘息発作を起こします。

今まで述べてきた物質や環境変化以外にも、校庭に舞い上がった砂埃を吸ったり、強い香水の臭い物質を吸ったなどといったエピソードでも喘息を疑います。

気道が過敏になっているとどのようなものでも敏感になると考えてよいでしょう。

 

吸入薬を忘れないこと

ここまで喘息の原因を主にお話してきましたが、喘息の治療の主役となるのは吸入薬です。

吸入薬にも色々と種類がありますが、吸入薬は基本的には喘息発作を起こさないように維持するのが目的となります。

今回は吸入薬の種類の詳細に関しては割愛しますが、大きく分けるとステロイドの入った吸入薬と、気管支を広げる作用のある吸入薬(β2刺激薬、抗コリン薬)、このステロイドと気管支拡張薬の2種類の合剤があります。

気管支拡張薬はさらに効果が短時間のもの(即効性)と長時間のもの(維持目的)に分かれます。

アレルギー疾患のほとんどに共通することですが、『疾患の症状が出ている』という状態とは、その疾患を俯瞰的にみた時に『とても悪い状態』であると認識するべきなのです。

それはどういうことかと言うと、アレルギー疾患は完治することはほとんど不可能な疾患が多く、『病気は持っているが、症状がでない状態を維持し、日常生活に支障を来さないように生活できることを治療のゴール』とします。

これは、気管支喘息だけでなく、アレルギー疾患の代表であるアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎においてもガイドラインに治療の目標として記載されています。

症状が出ていることは、氷山の一角というイメージを持っていただければと思います。

下のアレルギー疾患のイメージ図でもわかるように、アレルギーの山をどれだけ低くできるかで、『病気はあるけど、症状がない状態』をつくることができるのです。

 

喘息自宅で出来ること

喘息に対する吸入薬は、きちんと毎日使用することで、このアレルギーの山を小さくしてくれます。

症状が出ている時だけ吸入薬を使用する程度では、このアレルギーの山を小さくすることはできません。

何度も言いますが、毎日使用することが大切です!

つまり、どこに行くにしても喘息の患者さんは吸入薬を忘れずに出かける必要があるのです。カバンにすぐに入れましょう。

 

関連記事:花粉で喉が痛い・咳が止まらない時の対処法|インフルエンザとの違いは?

 

 

喘息を悪化させないためには日常生活が大事



アレルゲンの回避以外に喘息患者さんが日常的に注意するべきことをまとめます。

アレルゲン以外にも、私たちの生活習慣にも原因が潜んでいます。

アレルギーは免疫が関係する病気であり、免疫は神経や全身のコンディションと密接に関係しており、生活習慣や体質改善も同時に進めて行く必要があります。

 

タバコ

喘息を発症させる危険因子のなかで環境要因としても出しましたが、タバコは喘息の悪化要因でもあります。
喘息の方は、必ず禁煙しましょう。また、家族で喫煙者がいる場合に受動喫煙によっても喘息は悪くなります。
妊娠前や妊娠中の女性の喫煙にも注意が必要で、タバコの煙をこの時期に持続的に吸入していると、生まれてくるお子さんが喘息などを引き起こすアレルギー体質になりやすいことも注意を要します。

 

食事

食習慣はアレルギー体質に密接に関係しています。
アレルギーは免疫細胞が過剰に働く反応ですが、免疫細胞の70%は腸管に存在しています。
免疫をコントロールするために、腸管へ直接アプローチできる方法は食事です。特に腸管内にたくさん存在する細菌がアレルギーコントロールには鍵となります。
腸管内の存在する善玉菌を増やし、成長させていくことは、アレルギー体質改善、さらには喘息の発症予防にも有効ではないかと考えられています。
実際にファーストフードばかり食べていると喘息が悪化することが報告されています。
これは腸内の悪玉菌が増えることで、腸内環境が悪化し、過剰な免疫反応を起こす免疫細胞が増えることが考えられます。

 

喘息自宅で出来ること
喘息自宅で出来ること

 

運動習慣

適度な運動による体質改善は、アレルギーにも有効です。喘息の方は運動習慣を身につけ、代謝を改善させ、筋肉をつけるとよいと考えられています。
花粉に感作している人は、花粉飛散時期の外での運動には注意しましょう。

 

肥満

肥満がアレルギー症状を悪化させることも報告されています。
内臓脂肪の量が問題と言われており、肥満の人は、バランスの良い食事、適度な運動を心がけましょう。

 

ストレス

過度な精神的、肉体的ストレスはアレルギーを悪くする因子となります。
喘息の主座となる気管には神経の線維があり、気管の過敏性が亢進することにより、喘息症状が出現すると言いました。
ストレスはこの神経をさらに過敏にし、喘息発作の頻度を増やすことが想定されています。

 

関連記事:生活習慣病の方は注意!動脈硬化が引き起こす命に関わるリスクについて

 

 

喘息の検査・治療なら西春内科・在宅クリニックへ

当院では患者様のお話をよくお聞かせいただきます。

喘息は、COPDや肺炎など他の呼吸器疾患だけでなく、心不全などの心臓疾患などとの鑑別も要します。

それをもとに、適切な治療方針を提案させていただきます。

当院ではアレルギー検査や画像検査が可能ですが、肺機能検査や喘息診断のために必要な詳細な検査が必要な場合は、大きな病院へご紹介させていただくこともあります。

 

 

まとめ

喘息は悪化した場合に、命に関わる疾患です。

現在は吸入薬が普及したことによって、喘息による死亡率は1960年代ころと比較すると1/5程度に低下したものの、喘息の患者さんは、日本にはいまだ180万人ほどいます。

喘息は悪化すると、構造として気管が狭くなっていき、喘息死のリスクも上昇します。

そうならないために、自分が喘息であるということをきちんと認識し、

①. アレルゲンやタバコなど刺激となる物質の吸入を控え
②. 規則正しい生活、食事習慣を身につけること
③. 処方された吸入薬の使用を忘れないこと

を念頭におき生活する習慣が身に付くことが、喘息を克服する第一歩となります。

参考文献

尾長大志. レジデントのためのやさしイイ呼吸器教室 ベストティーチャーに教わる全29章 第3版 日本医事新法社.
大久保公裕. イチから知りたいアレルギー診療 -領域を超えた総合対策-
上條 篤ら. 気管支喘息患者における鼻炎の合併率 -季節による変動-. アレルギー 62(12), 1642-1650, 2013.
筏 義人. 室内からのダニアレルゲン除去法. Indoor Environment, 10(1), 33-44, 2007.
『はなこさん』http://kafun.taiki.go.jp/index.aspx 監修:永田眞
Shirai T et al. Effect of pet removal on pet allergic asthma, Chest, 127, 1565-1571, 2005.
谷口正実 福冨友馬. あなたのまわりに潜む身近なアレルゲンー原因を特定して対処するー メディカルレビュー社.
土橋邦正. 疫学:有病率・死亡数の推移. 特集 喘息管理のUp-Date, 日内会誌 108 : 1119-1127, 2019.

低温やけどの治し方は?水ぶくれの処置や対処法について解説


低温やけど

「低温やけど」って知っていますか?

低温やけどは皮膚の下でやけどが起こっている状態で、見た目ではなんともないことが多いやけどを指します。

そのため気付いた時には重度のやけどに進行していることも…

本記事では、低温やけどの対処法や予防法などについて解説していきます!

 

 

低温やけどとは


低温やけど

低温やけどとは低温(44~50℃くらい)のものに長時間接することで起こるやけどの事を言います。

一般的に44℃のものにおよそ6時間接触し続けると低温やけどになると言われています。

就寝中に湯たんぽや電気毛布を使用していると、数時間かけて発症するケースが多いです。

50℃に近いものだと、数分触れているだけで起こることもあります。

44~50℃程度の温度帯は短時間だととても心地よく感じるため、気づかないまま使用し、結果的にやけどが深くなってしまうのです。

普通のやけどと何が違う?


低温やけど

では、普通のやけどとの違いは何でしょうか?

普通のやけどは、沸騰したお湯や熱い鍋などに触れた時に瞬時に発生します。

高温のものに触れると反射的に手を引っ込めるため、短時間でやけどの進行は止まります。

料理中に熱い油が跳ねたときなどのやけどがこれにあたり、短時間であっても非常に高温のものに触れているため皮膚に強いダメージを与えることが特徴です。

一方、低温やけどは、44~50℃程度の温度で起こり、長時間にわたって接触することでじわじわと皮膚にダメージを与えます。

外側から目立った症状がなくても内部でやけどが進行していくのです。

湯たんぽ、電気毛布の他、冬によく使用されるカイロも代表的な原因としてあげられます。

また、低温やけどの場合、熱さを感じた時点で既にやけどが進行していることが多く、普通のやけどと異なり、ダメージに気づくのが遅れがちです。

 

 

低温やけどの原因


低温やけど

低温やけどは意外と身近なものが原因となります。

湯たんぽ、電気毛布、カイロなどが代表的で、冬などの寒い時期に使用し、そのまま寝てしまって低温やけどを引き起こしてしまうことが多くあります。

湯たんぽ

湯たんぽは寒い時期に布団を温めるために便利ですが、低温やけどのリスクがあります。

特に湯たんぽを布団に入れたまま寝てしまうと、長時間にわたり体の一部が温められてしまい、気づかないうちにやけどが進行してしまうのです。

湯たんぽは、寝る前に布団から取り出して使用しましょう。

また、湯たんぽにカバーをしておくことで、取り出し忘れてしまった場合にも熱をやわらげ低温やけどのリスクを減らすことができます。

電気毛布・ホットカーペット


電気毛布やホットカーペットも長時間の使用には注意が必要です。

電気毛布やホットカーペットを付けたまま寝てしまうことで、湯たんぽと同じように体の同じ場所に熱が集中し低温やけどを引き起こすことがあります。

使用中はタイマーを活用し、つけっぱなしにならないようにしたり、就寝前には電源を切るなどをして対策しましょう。

使い捨てカイロ


寒い時期にカイロを使用しているという方も多いでしょう。

しかし、正しい使い方をしていないと低温やけどのリスクが高まります。

素肌に直接貼り付けたり、長時間同じ場所に張り付けたりすると低温やけどの原因となります。

カイロを使用する際は、必ず衣服の上から使用し、こまめに位置を変えるなど工夫が大切です。

スマホ・モバイルバッテリー


意外と見落とされがちですが、スマホやモバイルバッテリーの発熱は低温やけどの原因となることがあります。

特に充電中のスマホは発熱しやすく注意が必要です。

就寝中、スマホを枕元や手元に置いておくという方は注意しましょう。

就寝時には枕元から少し離れた場所に置くなどして対策をとることがおすすめです。

低温やけどの症状


低温やけど

低温やけどの症状は、損傷の深さに応じて異なります。

初期段階では目立たないことが多いですが、進行すると痛みや水ぶくれが現れ、重症になると皮膚の深い部分まで損傷が生じます。

以下は、損傷の深さ別で症状の違いをまとめたものです。

 Ⅰ度


Ⅰ度のやけどは、皮膚の表面が損傷する最も軽いレベルのやけどです。

乾燥して赤みが生じて、日焼け後のようなヒリヒリとした痛みを伴います。

皮膚のバリア機能が部分的に破壊されるため、軽度の炎症が起こりますが、水ぶくれはできません。

流水などでしっかりと冷却することにより比較的短期間で自然に回復していきます。

 Ⅱ度(浅達性)


Ⅱ度(浅達性)は、皮膚の表面から真皮にかけて損傷が進んだ状態です。

赤くなり、痛みとともに水ぶくれが発生します。

水ぶくれの中には透明な液体が溜まり、触れると痛みを生じることが多いです。

適切な処置を行うことで、比較的早い回復が見込めますが、深い損傷になると治るまでに時間がかかることがあります。

Ⅱ度(深達性)


Ⅱ度(深達性)は、真皮の深い層まで損傷が進行したやけどです。

見た目には白っぽくなり、浅達性よりも強い痛みを伴います。

水ぶくれができるものの、皮膚の再生能力が低下しており、治るのに時間がかかり、傷跡が残ることもあります。

早期に医療機関の受診と治療が必要です。

 Ⅲ度


Ⅲ度のやけどは、皮膚の全層にわったり損傷が及ぶ最も重度のやけどです。

損傷部分は黒、白、または褐色に変色し、硬化することがあります。

皮膚の感覚が失われ、痛みを感じない場合がありますが、周囲の組織に強い痛みが生じることがあります。

自己再生が困難で、患部を取り除く手術(デブリードマン)や皮膚移植が必要になるケースが多く、早急に適切な治療が必要です。

 

 

低温やけどの応急処置


低温やけど

低温やけどが起きた場合、まずはとにかく患部を冷やすことが大切です。

目安として10分~30分ほど流水で冷やしましょう。

冷やすことでやけどが深くなることを防ぎ、痛みを和らげることが出来ます。

氷や保冷材などは冷たすぎて、長時間冷やしてしまうと凍傷や低体温になってしまったりする可能性があるため避けましょう。

また、やけどにはアロエや味噌を塗る民間療法がありますが、深度の分からない低温やけどにはほとんど効果がありません。

低温やけどは外見から深さがわかりにくいため、自己判断で放置してしまうことも多くあります。

医療機関に受診し、適切な処置を行うことでやけどの悪化を防ぐことができるため、冷やした後に受診するようにしましょう。

低温やけどの治療法


低温やけど

低温やけどの治療法は深さによって異なります。

Ⅰ度~Ⅱ度(浅達性)では炎症を抑えるステロイド外用剤による治療や、やけど専用の絆創膏による治療を行っていきます。

これにより、感染を防ぎながら自然治癒を促します。

Ⅱ度(深達性)~Ⅲ度などの損傷レベルが深い場合は専門の医療機関での治療が必要です。

皮膚が壊死してしまった場合には、皮膚が自己再生することが困難な為、壊死した皮膚を除去(デブリードマン)、皮膚移植する場合もあります。

低温やけどは見た目では深さがわからないことが多いので病院を受診し、診察してもらいましょう!

 

 

低温火やけどの水ぶくれの処置は?


低温やけど

水ぶくれが出来ている場合には潰さずそのままにしましょう。

水ぶくれを潰してしまうとその跡から雑菌が入り込んでしまい症状が悪化する危険性がある為です。

対処法としては、ラップにワセリンを塗り患部をやさしく包み、清潔に保ちましょう。

万が一水ぶくれを潰してしまったら、破れた皮をそのままにし、同様の処置を行ってください。

また、ガーゼで患部を覆うのはおすすめできません。

ガーゼが水ぶくれの皮に張り付き、剥す際に強く痛んだり、水ぶくれを破壊してしまうことがります。

服を着ていてその下が水ぶくれになっている場合は、服の上から流水で冷やし、脱がずにそのまま病院を受診しましょう。

低温やけどの予防法


低温やけど

低温やけどを予防するためには、暖房器具や防寒グッズの正しい使用が重要です。

湯たんぽや電気毛布、カイロなどは直接肌に触れないようにし、長時間同じ場所を温めないようにしましょう。

また、就寝時の使用にも注意が必要です。

タイマーの活用や、就寝時には使用を避けるなど工夫をして安全に使用しましょう。

特に高齢者や小さいお子様、神経障害があり感覚が鈍い方などは低温やけどのリスクが高い為、十分に注意が必要になります。

寒い時期の湯たんぽや電気毛布、カイロなどはとても便利ですが、使用方法を間違えると低温やけどのリスクが高まります。

使用の際は使用方法を守り、正しく使用しましょう。

西春内科・在宅クリニックでの対応方法


西春内科・在宅クリニックでは、軽症のやけどであればワセリンなどの保湿剤、抗生物質の塗り薬、抗炎症作用のある塗り薬、やけど下部分の外傷処置を行います。

また、やけどが重症であれば専門の医療機関へご紹介をいたします。

低温やけどは誰にでも起こりうるものです。

低温やけどくらい。と軽く考えず、正しく対処して悪化を防ぎましょう。

 

 

まとめ


低温やけどは本人が気付かない内に症状が進行していくのが特徴です。

そのため迅速な対応が必要です。

応急処置として流水で冷やしたとしても、見た目ではどれだけ進行しているか判断が出来ない為、基本的には医療機関に受診しましょう!

暖房器具や防寒グッズの使用上の注意を確認し、正しく使うことで低温やけどは予防することが出来ます。


参考文献

低温やけどって普通のやけどと違うの? 低温やけどの基礎知識: COLUMN-Maison KOSÉ

やけど(熱傷)|一般社団法人 日本創傷外科学会 一般の皆様へ

低温やけどはすぐに応急処置を!身近にある原因を知って適切な予防に努めよう

低温やけどにご注意ください! |クリニックコラム | タナカ皮膚科

低温やけどって見た目はなんともないけど大丈夫?対処や予防法を解説|三井住友海上

『低温やけど』の症状、原因、対処法。重症にならないように予防が大切|田辺三菱製薬

訪問診療の料金の目安について|対応可能な疾患や適切な頻度について

訪問診療 料金

訪問診療とはどのようなものかご存知でしょうか?

訪問診療とは医師が患者様の自宅や施設などに出張して行う診療のことを言います。

特に高齢者や障害のある患者様などの通院が困難な方に対して行われることが多くあります。

患者様のご自宅で診察・処方・治療を一括で行うことが可能であり、今後ますます広がっていく医療の受け方のひとつです。

訪問診療は医師が診療計画を立てて定期的にご自宅に伺い健康管理を行うことが目的です。

混同されやすいものとして往診がありますが、往診は突発的な症状(発熱や呼吸困難など)が出た場合のみに医師がご自宅に伺い診察します。

定期的な健康管理を目的とした訪問診療とは異なりあくまでも対症療法となることが多くあります。

今回は訪問診療の料金についてや、介護保険が利用できるかなどについてご説明させていただきます。



後期高齢者にとって訪問診療が大切な理由


訪問診療 料金

75歳以上の方を後期高齢者といいます。

現在の日本では約13%の割合を後期高齢者が占めており、今後さらに後期高齢者の割合は増えていくことが予想されています。

そして訪問診療を受けている後期高齢者の患者様も増加傾向にあります。

ではなぜ後期高齢者の患者様は通常の通院ではなく訪問診療を受けるようになるのでしょうか?

その理由としていくつかあり、以下の3つが挙げられます。

  1. 入院治療を受けていた方が退院後に通院が困難になった場合
  2. 定期的に通院を行っていたが体力の低下により通院が困難になった場合
  3. 今まで医療機関にかかっていなかったが,突然症状が出現・悪化し通院が困難な場合

これらの原因の全ての理由において体力の低下が見られること、かつ治療が必要な疾患があることが問題となってきます。

特に高齢者の方は高血圧、糖尿病、認知症などといった慢性的な病気を有している方が多く、そのコントロールの継続が必要です。

また患者様によっては点滴や酸素吸入などをご自宅で行う必要もあります。

それらの管理を患者様と、そのご家族のみで行うことは不可能であり、訪問診療の導入が不可欠となります。

また発熱や胸痛などといった突発的な症状が出た場合は、かかりつけである訪問診療病院・クリニックから往診の依頼をお願いすることも可能です。

そのため後期高齢者の患者様では定期的な健康管理と、起こりうる突発的な症状に対しての往診への連携のために訪問診療を導入することが重要になってきます。

調剤薬局の経営は厳しい?今後の課題や生き残り戦略|M&Aベストパートナーズ

◆訪問診療と在宅診療(往診)の違いとは|利用基準や診療内容について


訪問診療は高い?料金の目安について


訪問診療 料金

では訪問診療にかかる費用はどのくらいなのでしょうか?

通常の通院よりも費用がかかってしまうのか気になる方もいると思います。

だいたいの目安になりますが、医療保険において1ヶ月に2回の訪問診療で処方も受ける場合は1割負担でおおよそ7000円となります。

3割負担であればおおよそ20000円となります。

追加の処置や検査をした場合は別途、費用がかかることもあります。

加えてご自宅で酸素吸入や人工呼吸器などを使用する場合も医療保険内で費用がかかります。

◆脳卒中の原因、どんな人がなりやすいか、脳卒中の症状や前兆症状、予防対策をご紹介

◆脳出血の前兆となる危険な症状や原因、後遺症について解説

訪問診療は介護保険が適用されるのか


訪問診療 料金

訪問診療や往診は医療行為であるため医療保険が適応となります。

しかしながら訪問診療でも「居宅療養管理指導」に関しては介護保険が適応になります。

この「居宅療養管理指導」は医師や薬剤師、管理栄養士などがご自宅に訪問して療養上の管理や指導を行うことです。

要介護の患者様に関してはこの「居宅療養管理指導」の適応となります。

また要支援(要支援1、または要支援2)の患者様は「介護予防居宅療養管理指導」の適応となり同様に介護保険が適応されます。

これらは医師や薬剤師などが療養上のアドバイスを行うためにありますが、注意点としては実際の治療は行いません。

ただ医療保険で行う訪問診療の際に合わせて行われることがほとんどであり、診療と療養上のアドバイスを同時に行うことが多いです。

◆高齢者の介護保険が適用になる特定疾病16種類とは?

訪問診療を利用する適切な頻度


訪問診療 料金

訪問診療を行う頻度ですが、決まった回数があるわけではなく医師や患者様・ご家族、ケアスタッフなどが話し合って頻度を決めていきます。

病状が落ち着いていると判断される場合は月2回程度となることが多いです。

また症状が落ち着いていても患者様やご家族が不安が残る場合は訪問診療の回数を増やすことも可能です。

そのため頻度に関しては医師やスタッフに希望を伝えていただければ、希望に沿った提案を行います。

 

訪問診療で対応できる疾患や病気・症状について


訪問診療 料金

訪問診療では基本的には全ての病気に対応することが可能です。

特に多い訪問診療を行う病気・症状として以下などが多く挙げられます。

  1. 寝たきり,または日中のほとんどをベッド上で過ごされている方
  2. 末期がんなどで緩和ケアを行っている方
  3. 病院からの退院後にご自宅で療養を行っている方
  4. ご自宅で酸素吸入を行っている,胃ろうを使用している方

上記の病気・症状以外の方でも訪問診療を行うことは可能です。

訪問診療を希望している、または検討している方は、まずはかかりつけ医に相談してみることをおすすめいたします。

🔻合わせて読みたい🔻
心筋梗塞の危険な前兆と症状|後の生活や後遺症について



訪問診療は緊急性の高い場合でも対応してもらえるのか


訪問診療 料金

訪問診療は定期的な診療を行う必要がある患者様が対象となります。

ただ発熱や体調不良などといった予期せぬ症状が出ることはどんな患者様にもありえます。

その場合は緊急で医師がご自宅に伺い診療したあと適切な処置を行います。

重症度によっては紹介状を記載し病院に紹介することも可能です。

これらの緊急でのご自宅の診療のことを「往診」といいます。

往診を希望される場合は,まずはかかりつけの訪問診療医に電話で相談することをおすすめいたします。

西春内科在宅クリニックができる対応


西春内科在宅クリニックでは様々な病気への訪問診療での対応が可能です。

胃ろうや点滴での栄養(中心静脈栄養、末梢静脈栄養)や酸素吸入が必要な患者様も対応することが出来ます。

またがんなどに対する緩和治療も可能ですので、ご自宅で疼痛管理のための麻薬処方を行うことが出来ます。

加えて肺がんや腹腔内のがんにより胸水、腹水といった悪性の体液が貯留することで呼吸の苦しさや腹部の張ったような症状が起こることがあります。

西春内科在宅クリニックの訪問診療ではそのような症状が出現するまえに定期的にがんによって溜まった水を抜くことで症状を緩和させることが可能です。

その他にも対応可能な症状・病態は多岐にわたります。

患者様ごとで必要な対応は変わってきますので、訪問診療の導入をご検討している場合は遠慮なく当院にご相談ください。

定期的な訪問診療のみならずご自宅で突発的な症状が出現した場合にもご連絡いただければ緊急往診に伺います。

また、ご自宅で病気の患者様のケアを行うことが不安なご家族も安心して在宅ケアが可能です。



まとめ


今回は訪問診療の料金についてや、介護保険が利用できるかなどについて説明させていただきました。

ご自宅で過ごすことに対して患者様並びにご家族様も不安なことが多いと思います。

訪問診療は医師が伺うことで、ご自宅で安心して生活する一助となります。

上記説明で訪問診療に対する不安が解消できれば幸いです。

また不安な点が残るようでしたら、一度当院にお問い合わせください。


参考文献

・厚生労働省.平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について

・厚生労働省.「資料2 在宅医療と連携について」P.2 往診・訪問診療の状況

・厚生労働省「居宅療養管理指導」

・東京都医師会「東京医師会 3章介護保険制度と医療」

動悸や息切れが治らない|原因はコロナの後遺症?ストレス?対処方法について解説

動悸・息切れ
「動悸」「息切れ」は多くは心臓や気管支・肺の病気が原因で起こります。

最近増えてきたのが、新型コロナウイルス感染症にかかって、熱も下がり咳が出なくなっても、動悸や息切れがして苦しいと訴える患者さんが増えてきました。

実はその症状、コロナの後遺症かもしれません。

今回は動悸・息切れの原因や、治療方法について解説していきましょう。



新型コロナ感染症の後遺症に多い動悸や息切れの特徴


動悸・息切れ

動悸とは、自分の心臓の拍動するドキドキという動きにより、不快感や違和感を覚えることです。

心臓の拍動する速度が早くなったり遅くなったり、脈が飛んだりなどの脈も不整が起こることで動悸を自覚されることが多いです。

不整脈がなくても動悸を感じることがあります。

脈拍数というのは自分の意識では動かせない自立神経で制御されています。

しかし、ストレスなどで心拍に異常に敏感になったり、自律神経の働きが乱れることで動悸を自覚することもあります。

息切れも、実際に気管支喘息や肺炎、心不全などの病気で息切れを起こすことが多いのです。

身体に明らかな異常がなくても息切れを自覚して、息が吸えなくなってしまってパニックを起こす方もいらっしゃいます。

新型コロナの後遺症で動悸・息切れが起こることもあります。

新型コロナウイルス感染症は、単に肺炎を起こすウイルスではなく、以下の病気などを起こす可能性のある感染症だということがわかってきました

  • 心筋梗塞
  • 心不全
  • 不整脈
  • 脳梗塞
  • 血栓塞栓

新型コロナウイルス感染症の後遺症として代表的な症状として動悸・息切れ以外にも以下の症状など、多彩にあります。

  • 疲労感
  • 倦怠感
  • 関節痛
  • 筋肉痛

頻度は報告によりばらつきがありますが、息切れ・動悸は18-88%、動悸は5-68%に及びます。

新型コロナの後遺症の場合には時間が経てば大半は改善します。

しかし、1年後も動悸・息切れなど後遺症の症状が残る方もいるようです。

実際に心不全や肺炎後の後遺症として症状が出る場合もありますが、心臓・肺に異常がなくても症状が出てしまうこともあります。

新型コロナの後遺症の動悸・息切れは、胸のレントゲン検査や心電図などの検査をしても異常はないにもかかわらず、症状が持続してしまうのが特徴です。

◆脳梗塞後遺症について知りたい|どんな症状やリハビリがある?

◆脳卒中について知ってほしい危険なサインとは|症状や後遺症、脳梗塞との違いについても


その他考えられる動悸や息切れの原因


動悸・息切れ

新型コロナの後遺症以外で動悸・息切れを起こす原因の中で、心臓の病気は見逃せません。


最も危険な病気としては、心筋梗塞や心不全で心臓の機能が低下している場合です。

心臓は通常定期的に脈を打っていますが、脈がゆっくりすぎる徐脈、早すぎる頻脈、リズムの乱れがある不整脈の場合には動悸、息切れの原因になります。

診断や治療が遅れると命の危険があります。


飛行機などで長時間座って動かない状態の後に、動き出したら突然動悸や息切れが出たなどの場合には、肺血栓塞栓症を疑います。

脚にできた血栓が肺に血液を送る肺動脈に詰まってしまうことで、肺での酸素供給ができず、動悸息切れの症状がでます。

肺血栓塞栓症も治療が遅れると命に関わりますので、疑った場合にはすぐに病院受診が必要です。

心臓や肺の病気でなくても、以下が原因になって動悸・息切れが起こる場合があります。

  • 貧血や低血糖
  • 甲状腺機能異常
  • 脱水
  • ストレス
  • 睡眠不足などによる自律神経の乱れ
  • カフェインの取りすぎ
  • 薬剤性

動悸や息切れが起きやすい人の特徴


前途したように、心筋梗塞や心不全、心房細動などの不整脈は、高齢者で合併しやすい病気です。

高齢者でなくて、高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満などがある場合には若い方でも心臓病のリスクは高くなります。

その他以下などの病気でも動悸・息切れが起こりやすくなります。

  • 貧血
  • 甲状腺機能異常
  • 更年期障害
  • 自律神経失調症

◆動悸はなぜ起こる?原因や起こりやすい人の特徴とは|すぐに病院に行くべき症状を解説

動悸や息切れの治し方


動悸、息切れの治し方は、原因によります。

心筋梗塞や心不全、肺血栓塞栓症などの重い病気の場合にはすぐに病院を受診し治療を行う必要があります。

診断や治療が遅れた場合には、命の危険が出てきます。

貧血、低血糖、甲状腺機能異常などが原因の場合にも、病気の治療をすることで動悸、息切れの症状は改善します。

病気が原因ではなく、ストレスや睡眠不足によって起こっているものの場合には、ホームケアとしてストレスを溜めない、睡眠を十分に取れるような生活習慣に見直しましょう。

自立神経失調のための生活習慣で気を付けるポイントは、自律神経失調の原因になるストレスを解消する方法を知ることです。

散歩や体操などの適度な運動、入浴などがおすすめです。

もし動悸や息切れが続くときは


動悸・息切れ

例えば運動後などに動悸や息切れが出て、数分で改善してしまう場合、この症状が何度もあるようなら平日の日中に内科に相談してみましょう。

症状が改善せず、30分以上症状が継続する場合や悪化傾向の場合には、すぐに病院を受診しましょう。

動悸・息切れの症状が軽いものの、2-3日継続する、コロナ感染症後から常に症状があるなどの場合にも、病院でご相談ください。

まずは心臓や肺の病気がないかどうかを診察や検査を行います。

特に治療が必要な病気がない場合には、ストレスや自律神経失調症などを疑います。

ストレスを溜めないような生活習慣についてアドバイスをさせていただきます。



西春内科在宅クリニックができる対応


西春内科在宅クリニックでは、動悸や息切れの症状が持続し辛い場合、ご自宅にお伺いし診察や治療を行います。

症状に対して医薬品や漢方薬で症状を改善させることができます。

コロナ感染症の後遺症として症状がある場合には、長い期間症状が続く方もいます。

辛い症状がある場合には、ぜひご相談ください。


まとめ


今回は新型コロナの後遺症として出やすい動悸・息切れの原因や治療方法について解説しました。

新型コロナ感染は感染している時も、その後も辛い症状が続く場合があります。

記事を読んでいただき気になる点や不安なことがある場合には、お気軽に医師にご相談ください。

参考文献

新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き 罹患後症状のマネジメント

日本循環器学会「日本不整脈心電図学会合同.不整脈の診断とリスク評価に関するガイドライン」

脳出血の前兆となる危険な症状や原因、後遺症について解説

脳出血

脳出血は1人で身の回りのことができなくなる要介護の状態となった原因の第2位として知られる脳卒中に分類される主要な疾患の1つです。


人は誰しも亡くなる直前まで元気に活動して病に苦しむこと無く生きたい、いわゆる「ピンピンコロリ」の人生を望むものかと思います。

よく患者さんから「脳出血でコロリと死ねるならそれでいいです!」なんて言われることがあります。

しかし、残念ながら多くの方の認識とは異なり、脳出血で亡くなる方はごく一部です。

ほとんどの方は脳出血を発症すると月単位での入院が必要となり、退院後も後遺症が残って病前通りの生活ができなくなってしまいます。

リハビリすれば…なんていう声も聞こえてきそうですが、リハビリは原則的には残された機能を生活に活かすためのものです。

脳の細胞は一度脳出血で壊されてしまうと再生しないので要介護の主要な原因となっているわけです。

ではどうすれば良いのか…

今回は、脳出血になる原因や、治療方法、後遺症などについて詳しく解説していきます。


 

脳出血になる原因


脳出血

脳出血の原因として最も多いのは高血圧症です。

成人の脳出血の80%程度はこの高血圧が原因です。

高血圧状態が続くと、脳の1mm以下レベルの微小な血管が傷つけられて脳の血管のダメージが蓄積します。

他の言葉でいうと動脈硬化と同じようなイメージです。

このようにして傷つけられた脳の血管は血管壁がもろくなり、通常よりも破れたり裂けたりしやすい状態となります。

このような状態が進行するとある日突然血管が破綻して脳出血を引き起こすのです。

高血圧症があっても全員がなるわけではありません。

適切に血圧の管理をしている方が脳出血は起こりにくくなります。

逆に高血圧症があるのに気がついていなくて放置してしまっていたり、適切な治療をされていない場合のほうが脳出血が起こりやすいと言えます。

また血液をサラサラにする抗血栓薬を内服されている場合には、全身が出血しやすくなりますので、脳出血のリスクも内服していない場合よりは高まります。

他の原因としては脳出血を起こすような脳の病気が存在する場合です。

以下などがその原因として知られています。

  • 脳腫瘍
  • もやもや病
  • 脳動静脈奇形
  • 脳動脈瘤

🔽合わせて読みたい🔽
脳卒中の原因、どんな人がなりやすいか、脳卒中の症状や前兆症状、予防対策をご紹介

脳梗塞との違い


脳出血

一言で言うならば脳の血管が詰まるのが脳梗塞、破れるのが脳出血ということになります。

どちらの疾患もなんの予兆もなく突然発症する病気です。

脳出血のほうが脳梗塞と比べるとその症状が重篤であることが多いと言われています。

そのため、発症からより早期に亡くなってしまったり、発症直後から重度の意識障害を伴ったりする頻度は脳出血のほうがより多いと言えます。

また、脳梗塞に関しては血管に詰まっている血栓を溶かしたり、カテーテル治療で除去する治療が発展してきています。

これらの治療によって一部の患者さんは発症前と同様の生活が送れるようにまで回復することが近年増えてきました。

しかし、脳出血の場合はそうはいきません。

脳出血の場合は発症時の重症度でその予後が決まると言って過言では無いほどです。

出血の程度によって生死・後遺症の程度が決まり、残念ながら現代の医療で劇的な回復を得られるような治療というものは存在しません。

脳梗塞の急性期治療は、近年の医学の発展により、後遺症をできるだけ残さないようにするための治療になってきたといえます。

しかし、脳出血に関しては、我々が行う手術は、あくまで命を助けるためのものです。

後遺症を軽くするものではないと言っておくべきでしょう。

このことに関しては【脳出血の治療について】で詳しくお話します。

関連記事:脳卒中について知ってほしい危険なサインとは|症状や後遺症、脳梗塞との違いについても
 

脳出血をまねくかもしれない前兆や初期症状


脳出血の前兆というのは基本的にありません。

脳出血が起こるときは突然で、その初期症状としては、以下など様々です。

  • 頭痛
  • 嘔気嘔吐
  • 顔面麻痺
  • 片麻痺
  • 構音障害(ろれつが回らない)
  • 意識障害

この初期症状として疑うべき重要な初見と取るべき行動は国際的にACT-FAST: Face(顔), Arm(腕), Speech(言葉), Time(すぐに救急搬送)として知られています。

日本脳卒中協会でも下図のような呼びかけを行っています。

これらは脳出血でも脳梗塞でも脳卒中全般似共通していることです。

これだけで脳出血ということはできませんが、強く疑う症状です。

脳出血をより強く疑う症状は何か?ということになりますと、これらの症状に加えて、以下などが上げられます。

  • 強い意識障害(大きな声で呼んだり叩いたりしても起きない)
  • 頻回の嘔吐
  • 強い頭痛の訴えが直前にあったこと

いずれも脳出血と断定することはできず、脳卒中を疑う症状ですので速やかに救急要請して正確な診断を受ける必要があります。


脳出血
(図)公益社団法人日本脳卒中協会HPより引用

関連記事:狭心症の原因や症状、治療について|心筋梗塞との違いは?前兆がある?

脳出血になったときの後遺症


脳出血

脳出血の後遺症は多種多様です。

基本的には、発症時に出た症状が、そのまま後遺症になると覚悟していただいて良いと思います。

例えば片麻痺で発症したら、同じ片麻痺が後遺症として残る可能性が高いです。

脳出血の後遺症で問題となるのは、その「程度」です。

片麻痺にも軽度から重度までありますし、上肢のほうが重度なのか、下肢のほうが重度なのかで退院後の生活の様式、社会復帰に必要な支援などが変わります。

ただ、残念ながら高血圧性脳出血の多くは運動神経の通り道の近くに発生します。

多くの患者さんは様々な程度の片麻痺を中心とする後遺症と付き合いながら社会復帰することになります。

関連記事:【生活習慣病の方は注意】心筋梗塞の症状や命を落とすかもしれない危ない前兆について|狭心症との違いは?
 

脳出血の治療について


脳出血

脳出血の初期治療は、保存的治療と手術治療の2つに大別されます。

いずれも発症早期に治療を開始することが重要となります。

脳出血の保存的治療


保存的治療というのは点滴による治療です。

高血圧性脳出血の場合はもちろん、そうでない場合も脳出血の初期には血圧が異常に高いことが多いです。

これ以上出血を悪化させずに止血が得られるような血圧以下に降圧剤を使用して管理します。

これとともに、止血剤や胃薬などの点滴を行います。

脳出血の手術治療


手術治療を行うのは、生命の危機が迫っているような以下が判明した場合です。

  • 重症高血圧性脳出血
  • 脳出血の原因が高血圧ではなく、脳出血を生じるような原因(脳腫瘍、もやもや病、脳動静脈奇形、脳動脈瘤など)

今回は、高血圧性脳出血で手術が必要となる場合についてご説明します。

高血圧性脳出血で手術が必要なのは、基本的には手術をしなければ命を落としてしまうような重症の脳出血の場合のみと考えていただいて大丈夫です。

脳神経外科の世界では後遺症を軽減するために初期の手術治療でなんとか良くしようという試みが世界中で行われています。

しかし、残念ながら今の所日本の治療指針を大きく変えるほどの成果は出ていません。

命を落とすほどの脳出血は多くの場合、脳ヘルニアと呼ばれる重篤な状態に陥っています。

この状態になるとどんなに強い刺激を与えても目を開けない重度の意識障害、瞳孔の散大、異常な呼吸などが見られます。

これは硬い頭蓋骨に囲まれた脳の中に出血が起こることによって通常時よりも頭蓋内の容積が拡大し、生命維持の中枢である脳幹が圧迫をうけてしまっていることで生じます。

この状態で保存的治療を行っていてもやがて脳ヘルニアによって脳幹の生命維持機能が障害され命を落としてしまいます。

この圧迫を取るために原因となっている脳出血を除去する手術が行われます。

これを開頭血腫除去術と言います。

先に申し上げたように、基本的にはこの手術が行われることがほとんどですが、例外もあります。

それは比較的若い方で中等度の意識障害があるような場合です。

この場合に出血の場所によっては内視鏡下血腫除去術を行うことがあります。

脳出血の治療で重要となるのは、次の項でご説明するリハビリです。

一定以上の意識障害がある場合、その意識障害が改善し、十分にリハビリが行えるようになるまで時間がかかります。

リハビリは早期から取り組むほうが効果的です。

より早期からリハビリが行えるように、比較的軽い侵襲で意識障害の原因となっている脳出血を除去してあげる内視鏡下血腫除去術が行われる場合があります。

このように脳出血は症状が様々である分、治療方法も状態により異なります。

我々脳神経外科医は常に最善の治療ができるように判断して治療を選択しています。


脳出血
(図)MDSマニュアル家庭版より引用

>>動脈硬化で起きる症状とは|改善方法や治すことはできる?

手術後のリハビリについて


脳出血

先程の手術のお話で少し出てきたように、脳出血の治療で最も重要と言っても過言ではないのがリハビリです。

脳出血で壊れてしまった脳の細胞は再生しないので、それによって生じている症状(初期症状)は後遺症となります。

この後遺症を補い少しでも軽くして社会復帰に近づけてくれるのがリハビリです。

人間は、例え病気でなくても何日も横になって過ごしていればどんどん体力や筋力が落ちていくので、その後普段どおりの生活に戻していくのはとても大変です。

なるべく早く、少しずつでも体を動かしていくことが重要なので、脳出血を起こした場合でも、出血が止まって落ち着いていれば早期からリハビリを始めていきます。

例えば、手術を行わず保存的治療を行った場合では、発症翌日のCT検査で出血の拡大がなく止血していると判断されれば、その翌日からリハビリは始まります。

といっても、いきなり歩いたりすることは難しい場合が多いです。

リハビリのセラピストの先生と一緒に以下などをその時の症状に応じて行います。

  • 手足を大きく動かす体操
  • 手指を動かす細やかな運動
  • 認知機能の訓練
  • 言葉を話す訓練

最初に入院した病院で急性期治療を含めリハビリを行う期間はおよそ1ヶ月程度であることが多いです。

症状の程度にもよりますが、その後リハビリの専門病院に転院してさらに数ヶ月リハビリを行った上で退院となる方がほとんどです。

このようにリハビリは早期から始まる上に長丁場です。

しかし、失われてしまった脳の機能を回復させるのではありません。

残っている機能で補うことで少しでも病前に近い生活を取り戻すのに重要な治療となります。

>>心筋梗塞の危険な前兆と症状|後の生活や後遺症について

 

脳出血の再発について


脳出血

高血圧性脳出血以外の原因のある脳出血では再出血率のデータは多く存在しています。

一方、高血圧性脳出血については確立された再発率のデータはありません。

しかし、適切に予防を行えばそれほど高いリスクではありません。

以下などには高血圧性脳出血の再発リスクは高くなります。

  • 高血圧性脳出血発症後も血圧の管理が適切になされない
  • 脳梗塞や心筋梗塞などの理由で血液をサラサラにする抗血栓薬を内服している場合

また、脳出血後には身体の機能障害が後遺症として残る事が多いです。

これにより肺炎や尿路感染症などの感染症を併発しやすくなったり、活動量が低下するために心肺機能が衰えます。

このようなことが原因で脳出血を再発しなくても他の合併症によって命を落とすリスクは高まるので予後は不良であると言えます。



もし身内が脳出血患者になったら


脳出血

ご家族が脳出血になってしまわれた場合、まずできることは本人の気持ちに寄り添ってあげること。

そして本人が「これをしてくれると助かる」と思うことを積極的に助けてあげて、過剰に干渉しすぎないことではないかと思います。

発症直後というのは意識が朦朧としていることも多いです。

本人も十分理解できていないのですが、週を追うごとに意識が回復し、だんだん自分の置かれた状況を理解するようになります。

この時期に大半の人が多少なりとも落胆するのは想像に難くないと思います。

そのような状況の中でも毎日リハビリは行われますし、治療は続きます。

このような精神状態のときに毎日の治療に向き合えるように、心から本人の苦しみに耳を傾け支えてあげられるのはご家族しかいないと思います。

「病は気から」とはよく言ったもので、これは経験則でしかありませんが、このリハビリを前向きに継続的に行える方ほどよく回復される印象さえあります。

少しでも本人が前向きに取り組めるようにしていただけるとよいのではないでしょうか。

また、退院後の生活にも様々な困難が伴います。

リハビリを行っていく中で、自分でできることと、助けてもらわないといけないことがある程度わかってくる方もいます。

このような場合には自分でできないことはもちろん助けてほしいのですが、自分でできることにある程度自信を持ってやっていることも多くあります。

そのため、過剰に助けてしまうことは本人の自信喪失につながってしまう恐れもあるかと思います。

自分の後遺症を障害として受け入れ社会復帰しようとしている本人に対してベストなサポートができると良いですね。



西春内科在宅クリニックができる対応


脳出血は頭部CTによる精査、必要に応じてMRIやカテーテル検査などの追加の検査を行い、適切に治療する必要があります。

発症早期に脳神経外科や脳神経内科の専門医のいる病院で診察・治療を受けることで症状の悪化を最小限に防ぐことができる可能性があります。

そのため、西春内科在宅クリニックでは脳出血の急性期治療を行うことはできません。

しかし、急性期治療を終えて内服薬での再発予防を行う状況となりましたら、外来で治療を継続することは可能です。

お気軽にご相談ください。



まとめ


脳出血は重篤な病気ですが、第一にその予防として高血圧を治療することが大切です。

また発症した場合は、その症状に早期に気がついて対処することで少しでも後遺症を軽減し、より病前に近い状態で社会復帰することができる可能性もあります。

FASTの症状に注意してご家族にその症状を認めた場合はすぐに医療機関を受診するようにしてください。

また発症してしまった場合はリハビリが重要です。

ハビリをしっかり行うことがより良い回復に繋がります。


 参考文献

・脳神経外科学 第12版 太田富雄ら 金芳堂

・令和元年版高齢社会白書(内閣府)

公益社団法人日本脳卒中協会 「ACT-FAST(アクト・ファスト)をぜひ覚えてください」

MDSマニュアル家庭版 「ヘルニア:脳の圧迫」

盲腸の痛みはどんな感じ?手術や入院期間について解説



皆様、「盲腸」「虫垂炎」といったワードを聞いたことはありますでしょうか?


正式名称は「虫垂炎」と言い、急性症と慢性症があります。


腹痛が特徴的な病気で、お子様の腹痛があった際ご不安になられた方も多いと思います。


今回は急性虫垂炎について原因や痛み、手術が必要なのか、入院期間はどれくらいなのか説明していきます。



盲腸とは




大腸の一部で小腸との繋ぎ目にある、大腸の初めの部分を「盲腸」と言います。


小腸から見ると行き止まりになっているように見えるためにそう呼ばれるようになりました。


その下部分にある、5~6cm程の袋状の臓器を「虫垂」と言い、かつてはどのような役割を持っているかわかりませんでした。


しかし最近は大腸の免疫機能の司令塔を担っている大事な臓器として認識されるています。


10〜20代に最も多く、年齢を重ねるごとに徐々に発症する方が減っていきます。


盲腸の原因




虫垂に炎症が起きてしまう原因は大腸菌や腸の中に存在している細菌が侵入、繁殖してしまうためです。


しかし、なぜその炎症が起きてしまうのかが詳しく解明されていません。


下記のような仮説が原因ではないかと考えられています。


虫垂内の異物


虫垂に便の塊(糞石)や食べ物の残りかすが詰まることで血行が悪くなり、細菌の増殖を引き起こすと推測されています。


便秘・胃腸炎


便秘により便がたまり、虫垂を圧迫することで炎症を起こし、虫垂炎につながるのではと言われております。


また、胃腸炎により免疫機能が低下し虫垂内に腸内細菌やウイルスが侵入することも原因ではないかとされています。


不規則な生活やストレス


不規則な生活、過労やストレス、暴飲暴食などの生活習慣が乱れ、腸内環境悪化が誘因となる事もあります。


バリウム検査後


胃がんを発見するために行うバリウム検査後に虫垂炎になるのではとも考えられており、バリウム検査を受けた方と受けなかった方を対象に調査が行われたこともあります。


結果としては、検査を受けた方のほうが虫垂炎の発症数が増えることがわかりました。


特に検査後2か月以内に発症する数が増えるという結果となりました。


しかし、胃がんを早期発見するために必要な検査であり、増えるとはいえ決して多くはありません


また、胃カメラなどで代用も可能なので、ご不安であれば医師と相談して決めていきましょう。




盲腸の症状




虫垂炎といえば腹痛ですが、その進行度によって様々な症状が現れるのが特徴です。


虫垂炎は炎症の進行度によってカタル性・蜂窩織炎性(ほうかしきえんせい)・壊疽性(えそせい)・穿孔性(せんこうせい)の4つに分類され、この順番で悪化していきます。


ここでは進行度と、その時に現れる症状と共に解説していきます。


カタル性


虫垂炎の初期状態で、炎症は粘膜のみにとどまっています。


症状は主に腹痛のみで、痛みの強さに波があり、位置も様々なところに現れます


蜂窩織炎性


炎症が虫垂全体に広がっている状態です。


この段階になると、虫垂がある右下腹部が激しく痛み、緊張して硬くなります


その部分を押して、離したときに痛みが強くなる「反跳痛(はんちょうつう)」や歩いた時に痛みが響くという特徴があります


壊疽性


虫垂が炎症によって腫れ上がったり、壊死を起こしている状態です。


この段階になると腹痛以外の症状が現れます。


  • 右下腹部の強い痛み
  • 発熱(37~38℃)
  • 嘔吐、下痢または便秘
  • 食欲不振

嘔吐や下痢などの消化器症状が出るのは、虫垂の炎症により大腸や小腸が正常な働きが出来なくなってしまうためです


穿孔性


壊疽性がさらに進行し、壊死してしまった虫垂の壁に穴が空いてしまった状態です


虫垂に膿が貯まり、破裂寸前だった壊疽性に比べ、一瞬少しだけ痛みが和らぐ事があります。


そして膿がお腹全体に広がる腹膜炎、もしくは虫垂周辺に膿が貯まる膿瘍形成(のうようけいせい)のどちらかに進行していきます。


盲腸の前兆や初期症状は?




虫垂炎は右下腹部の痛みが特徴的ですが、初期症状はみぞおちからおへそ周囲の鈍い痛みから始まります。


痛みを感じた2〜3時間後に吐き気食欲不振が現れます。


その後数時間〜1日かけて右下腹部に痛みが移動


そのまま炎症が進むと発熱、腹部全体の痛みや下腹部の痛みに変わります。


ここまで症状が進むと次の項目で紹介する合併症になっている可能性があるので注意が必要です




盲腸で注意すべき合併症




腹膜炎


腹膜という、臓器などを覆っている膜が炎症を起こしている状態です。


穿孔性が進行し、虫垂に貯まっていた膿が腹膜にまで及んでいることが原因となります。


急性腹膜炎と慢性腹膜炎の2種類あり、虫垂炎で起きるのは急性腹膜炎で、特徴として急激に発症して放置すると命に関わります


症状は

  • 突然の腹痛
  • 持続的な激痛
  • 徐々に広がる痛み
  • 発熱
  • 歩行困難(歩くと痛むため)

が見られます。


膿瘍形成(のうようけいせい)


穿孔性が進行した後、虫垂の周囲に膿が貯まっている状態です


腹痛や発熱は続きますが、腹膜炎と比べ劇的な症状がありません。


固い膿が貯まるため、下腹部の痛みと張り、違和感が出てきます。


この状態を放置してしまうと炎症が広がり、腹膜炎を引き起こします。


敗血症


感染症(今回の場合は虫垂炎)を引き起こしている細菌が繁殖して炎症が起き、臓器に障害が発生する非常に危険な状態です


何か1つこれといった症状はなく、感染して炎症を起こしている臓器によって、様々な症状が組み合わさって出現します。


主な症状として

  • 悪寒、震え、発熱
  • 体の節々の痛み、不快感
  • 意識障害
  • 息切れ、呼吸数の増加、頻脈

が出現します。



盲腸の治療




最も一般的な治療方法は手術ですが、抗生剤を使って治療する方法もあります。


しかし、軽症〜中等症の方にしか適用できないことと、根本的な治療にならない為30%〜50%の割合で再発すると言われています。


結果として、手術を選択する場合が多いです


手術の方法は腹腔鏡手術開腹手術の2通りから医師と相談して決めていきます。


どちらもお腹を開いて虫垂を取り除く手術ですが、一番の違いは開く際の大きさです。


腹腔鏡手術の方が傷が小さく、回復期間が短かったり傷が目立ちにくいなど、患者様の負担が少ない為選ばれることが多いです。


開腹手術は合併症があった場合に行ったりと患者様に合わせて使い分けます。




盲腸の入院期間はどれくらい?




入院期間はその重症度やどちらの手術を行ったかで変わってきます


軽症で腹腔鏡手術を行った場合の目安はおよそ4〜5日ほどです。


開腹手術を行った場合のおよそ7〜10日以上が目安になります。


西春内科・在宅クリニックでできる対応


当クリニックでは、採血検査・CT検査がありますので、虫垂炎の診断を迅速に行うことが可能です

手術をすることはできない為、手術可能な病院への紹介状作成を行います。

腹痛でご不安な方はお気軽にご来院、ご相談くださいね。





まとめ


いかがでしょうか?

虫垂炎は進行が早く数時間から1日で右下腹部への腹痛が起こります。

そのため、このような兆候が見られる場合は早急な受診が必要です

当クリニック、もしくはお近くの小児科や内科をご受診くださいね。


参考文献
埼玉外科クリニック『虫垂炎(盲腸)の前兆はどんな痛み?初期症状は?』
Medical DOC『「盲腸(急性虫垂炎)」とは?症状・原因・治療法についても解説!』
さくら医院『急性虫垂炎(盲腸)とは』
大阪市立十三市民病院『虫垂炎ってなに?』

MRSAとは?感染経路や症状を解説|高齢者がなりやすい理由も

MRSA

MRSAという細菌を聞いたことはありますか?

あまり聞いたことのない方がほとんどだと思います。

MRSAという細菌は、体の中に入ると病気になることがあります。

この細菌は、普通の薬ではなかなか治らないので、注意が必要です。

特に高齢者は、重篤な症状となる可能性があります

ただMRSAは、専門の医者に診てもらって、適切な薬を飲むことで、きちんと治すことができます。

今回は、MRSAの症状や、感染対策、治療薬などについて解説していきます。

 

 

MRSAとは


MRSA

MRSAとは何か


まずMRSAとは、正式名称をMethicillin‐Resistant Staphylococcus Aureus といい、略語でMRSAといいます。

日本語ではメチシリン耐性黄色ブドウ球菌といい、細菌の一種です。

このMRSAに感染することをMRSA感染症といい、感染する部位によって様々な症状をきたします。

簡単に言うと普通の抗菌薬(抗生物質)が効かない細菌のことをMRSAといいます。

黄色ブドウ球菌というのは、人間の皮膚や鼻の中などに普通に住んでいる細菌の一種です。

MRSAの種類


MRSAには、以下の3つの種類があります。

  • 院内感染型MRSA(HA-MRSA)
  • 市中感染型MRSA(CAーMRSA)
  • 家畜関連型MRSA(LAーMRSA)

家畜関連型MRSAは、豚などの家畜に関わる仕事または獣医師などに関連するMRSAであり、一般的には問題となることがほとんどありません

問題になることが多いのは、院内感染型MRSA市中感染型MRSAです。

院内感染型MRSAは、たくさんの種類の抗生剤に強い(多剤耐性といいます)ので、治すのが難しいことが多いです。

特に高齢者は、院内感染型MRSAにかかることが多いのです。

MRSAとMSSAの違い


MRSAの日本語の正式名称をメチシリン耐性黄色ブドウ球菌と言うと説明しました。

メチシリンと言う抗生物質に対して耐性を持つ黄色ブドウ球菌と言う意味です。

すなわちMRSAとMSSAの違いは、その黄色ブドウ球菌(SA)がメチシリン(M)に対して、耐性 (R) なのか感性 (S) なのかという違いのことを意味しています。

では黄色ブドウ球菌とはどのような細菌なのでしょうか?

黄色ブドウ球菌は人間の皮膚や鼻腔などに健常な人でも存在することがあり、そのままでは悪影響を認めません。

ただし傷口に感染することで皮膚を化膿させたり、傷口から血液に感染することで体内に菌の塊を作ったりすることで発症することがあります。

また、感染が全身に広がることで毒素が広がり発熱などの全身症状を起こすこともあります

MSSAの場合は、抗生剤への耐性は持っていないため、早期に診断し適切な抗生剤による治療を行うことで完治することは十分に可能です。

一方でMRSAの場合はその細菌が耐性のある抗生剤を使用してしまうと、治療効果がないです。

MSSAとは別の抗生剤を選択して治療を行う必要があります

 

関連記事:高齢者の便秘は危険?主な原因や解消方法、病院での治療を解説

 

 

MRSAの感染経路とうつる確率について


MRSA

ここでは主に院内感染型MRSAに関して説明します。

院内感染型MRSAは、病院や老人ホームなどに多く存在しています

また、入院していなくても病院によく行く人にもうつる可能性があります。

感染経路としては基本的にはMRSAを持っている人や、物を触ったことによる接触感染です。

誰しもがその感染源になり得ます

 

関連記事:高齢者がなりやすい肺炎の症状|急変したときの対応や治療について

 

 

MRSAの症状


MRSA

MRSAは感染した部位によって症状が異なります。

肺に感染した場合はMRSA肺炎といって、熱やせき・痰(たん)から始まり、重症化すると呼吸困難などになります。

MRSAが血液に入って体中にMRSAが広がることをMRSA菌血症といいます。

このMRSA菌血症は、点滴の針や心臓のペースメーカーなどの体の中に入れる機械が感染経路となることが多いです。

症状としては、長期間熱が出て、熱の原因がわからず診断が遅れることが多いです

また、MRSA菌血症となりMRSAが全身に広がることで心臓内に菌の塊ができることがあります。

これをMRSAによる感染性心内膜炎といいます。

発熱に加え、心臓機能の低下による下肢のむくみや呼吸困難が出現することがあり、注意が必要です。

MRSAが皮膚の傷口に感染した場合は皮膚軟部組織感染症といい、傷口が化膿する症状が現れます。

その他のMRSA感染症として手術後の腹腔内感染関節内感染がありますが、手術後に発症することから診断は比較的容易です。

上記のようにMRSAは感染する部位によって様々な症状をきたします。

ただし、症状からだけでは、MRSAの感染を疑うことは困難です。

 

 

高齢者がMRSAになりやすい理由


MRSA

それでは、なぜ高齢者はMRSA感染症になりやすいのでしょうか?

高齢者が感染するMRSAは、上述した院内感染型MRSAです。

この院内感染型MRSAは、抗生剤をたくさん使う病院や老人ホームなどで多く存在しています。

そのため、高齢者は若い人よりも院内感染型MRSAに触れる機会が多くなります

また、院内感染型MRSAは感染力はあまり強くありません

体力のある若い人にはあまり感染することはありませんが、高齢者や免疫の弱った人に感染しやすい特徴があります。

 

関連記事:癬疥(かいせん)を放っておくとどうなる?うつる確率や高齢者に多い理由とは

 

 

MRSAになったときの病院の対応


MRSA

MRSAの検査方法


MRSAに感染しているかどうか検査する方法は、感染を疑う部位から痰や血液、膿などを採取し、培養と抗菌薬に対する感受性を調べることで診断します。

そのため、診断に比較的時間がかかり、発症からMRSA感染症の診断まで数日かかることがあります。

MRSAの抗菌薬・治療薬


MRSA感染症の診断がついた場合は、抗MRSA薬という特別な抗生剤を治療に用います。

通常の抗生剤はMRSAに効果がなく、通常の抗生剤を継続しても症状の改善は見られません

抗MRSA薬は、MRSAの細胞を壊したり増えないようにしますが、副作用もあるので注意が必要です。

副作用としては、腎臓や骨髄や筋肉に悪影響を与えることがあります

そのため、医師の指示に従って使用する必要があります。

MRSAは自然治癒する?


MRSA感染症は、自然治癒することは不可能ではありません。

しかし、これまでに説明した通り、MRSA感染症にかかるのは高齢者や免疫の低下した人が多いので、基本的には抗MRSA薬による治療が必要となります。

医師の指示のもと、しっかりと薬を飲み続けることが治療に向けての最短ルートになります。

 

関連記事:熱中症かもしれない初期症状や治し方について|高齢者は注意!

 

 

MRSAにならないための感染対策


MRSA

MRSAは高齢者にかかりやすく、その治療も難しいことが多いです。

MRSAにならないためには感染予防が重要になります。

具体的には、接触感染予防が大事です。

MRSAは空気を通して感染することはありませんが、MRSA感染者が触ったものや唾液などを経由して感染します。

そのため、病院や介護施設に行く際はこまめに手洗いや手指消毒を行うことが重要です。

また、マスクも効果的です。

在宅で高齢者の介護を行っているご家族などは、ケアの前後に手洗いをしっかりと行うことも重要となります。

 

関連記事:尿路感染症に高齢者がなりやすい理由|原因と症状について解説

 

 

西春内科在宅クリニックができる対応


西春内科在宅クリニックでは、MRSA感染症に対して抗生剤治療が可能です。

MRSA感染症は診断が難しく適切な治療が必要です。

MRSAを疑った場合は、採血検査などで細菌培養検査を行い、原因菌を特定して有効な抗菌薬投与を行います。

 

まとめ


今回は、MRSAの症状や、感染対策、治療薬などについて解説しました。

MRSAは、高齢者や体力の弱った人にかかりやすく、治すのが難しい感染症です。

MRSAにかかると様々な症状が出て、普通の薬では効きません。

そのため、MRSAに効く抗MRSA薬という特別な薬を使って治療する必要があります。

またMRSAは人や物から感染することがあるので、予防するためには手洗いや消毒などをしっかり行うことが大切です

もしMRSAを心配される方がいらっしゃれば、お気軽にご相談ください。

更年期の関節痛とリウマチの違いとは?起床時や冬の症状に注目

更年期リウマチ違い

更年期における関節の痛みは、多くの方が経験する一般的な症状です。

しかし、この痛みが単なる更年期の影響なのか、それともリウマチなどの他の疾患が原因なのかを見分けることは非常に重要です。

本記事では、更年期の関節痛とリウマチの違い、特に起床時や冬の寒い時期に現れる症状に注目し、それぞれの特徴と対処法について解説します。

 

 

更年期に関節痛が生じるのはなぜ?


更年期リウマチ違い

更年期は、特に女性において重要な生理的変化の時期です。

この時期には、ホルモンバランスの大きな変動が生じ、それが様々な身体的不調を引き起こす原因となります。

特に影響を受けるのはエストロゲンというホルモンで、この減少が関節痛の一因になり得ます。

また、更年期に起こる関節痛は、リウマチの初期症状と似ていることがあります。

リウマチは自己免疫疾患で、関節の慢性的な炎症を引き起こします。

そのため、更年期に関節痛を経験する場合、リウマチの可能性も考慮する必要があります。

 

関連記事:関節リウマチのしてはいけない10項目とは|リウマチになりやすい性格がある?

 

 

更年期の関節痛はリウマチかも?ホルモンバランスの乱れによる関節痛とリウマチの特徴の違い


更年期リウマチ違い

更年期の関節痛とリウマチは、症状が似ているため、しばしば混同されがちです。

しかし、両者は原因と特徴が異なります。

これを理解するために、更年期のホルモンバランスの乱れによる関節痛とリウマチの症状を分けて考えてみましょう。

ホルモンバランスの乱れによる関節痛

原因

更年期のエストロゲン減少が主な原因です。

エストロゲンは関節の潤滑と健康を保つ役割を果たしているため、その減少は関節の痛みやこわばりに直結します。

症状の特徴

関節痛は一般的に軽度から中等度で、一時的なものが多いです。

手、膝、肩、腰など、複数の関節に痛みが現れることがありますが、痛みは絶えず同じ場所にあるわけではありません。

時間帯や環境の影響

症状は特定の時間帯に限定されず、日中にも感じることがあります。

気温や季節による影響は比較的少ないです。

リウマチ

原因

リウマチは自己免疫疾患で、体の免疫システムが誤って関節を攻撃し、炎症を引き起こします。

症状の特徴

リウマチによる関節痛は、一般的に慢性的で、関節の腫れや発赤を伴うことがあります。

痛みはしばしば対称性に現れ、同じ関節が両側に影響を受けます。

時間帯や環境の影響

症状は特に朝、起床時に顕著で、関節のこわばりが数時間続くことがあります。

寒い季節や湿度が高い環境では症状が悪化する傾向があります。

 

関連記事:自律神経失調症のセルフチェック26項目!こんな兆候は危険かも?

 

参考記事:関節リウマチかもしれない初期症状や変形性関節症との違いを解説!|イノルト整形外科

 

リウマチかも?と思ったら


更年期リウマチ違い

リウマチは、早期発見と適切な治療が重要な慢性的な自己免疫疾患です。

関節に痛みや腫れ、こわばりを感じた際、リウマチの可能性を考えることが重要になります。

以下に、リウマチを疑うべき状況とその後のステップを詳しく説明します。

リウマチを疑うべき症状

関節の痛みと腫れ

特に朝に強く感じる関節の痛みがあります。

リウマチはしばしば手の指、手首、足の関節に影響を及ぼします。

症状の持続性

一時的な関節痛と異なり、リウマチの症状は数週間から数ヶ月にわたって持続することが一般的です。

朝のこわばり

特に朝に強く感じる関節の痛みやこわばりが特徴です。

一般的には起きて30分で症状が落ち着きます。

微熱・倦怠感・食欲不振

37℃台の微熱や体のだるさ、食欲がわかないなどの症状がある場合があります。

対処法

リウマチを疑うべき症状が出た場合、早期に病院の受診をおすすめします。

発症から1〜2年の間に正しい治療を行うことで完治する率は高くなります。

治療としては、薬物療法や、リハビリテーション、手術療法などがあり、日常で出来るセルフケアと並行して治療を行っていきます。

 

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更年期の関節痛は早めに診てもらおう


更年期リウマチ違い

更年期による関節痛を放置すると、場合によってはリウマチによる関節の破壊が進行することがあります。

早期発見・早期治療が非常に重要であり、痛みや不調を感じたら迅速に医師の診断を受けるべきです。

 

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更年期の関節痛の検査・治療なら西春内科・在宅クリニックへ


更年期の関節痛に対して、西春内科・在宅クリニックでは患者一人ひとりの症状に合わせた治療プランを立て、適切なケアを行っています。

また、西春内科・在宅クリニックではCT機器を導入しております。

常勤医に読影専門医(レントゲン・CT画像を読影するプロ)がおり、総合病院と遜色ない画像診断力があります。

CT検査で進行度の評価をすることが可能です。

専門的な治療を必要とする場合は、連携している病院等へご紹介させて頂きます。

 

 

 

まとめ


今回は、更年期の関節痛とリウマチの違いについて解説しました。

更年期の関節痛とリウマチは、似ているようで異なる症状を示します。

特に起床時や冬の寒い時期に痛みが強まる場合は、リウマチの可能性も考慮し、早めの診断と治療が重要です。

寒さが続いておりますが関節痛でお悩みの方はお気軽にご相談下さい。

本記事が更年期の関節痛とリマウチについての理解を深め、適切な対応をするための一助をなれば幸いです。

参考文献
時事メディカル|更年期の手指関節痛 リウマチとの違いは?
中外製薬|リウマチの症状とは~あれ?もしかしてリウマチ?~

肘内障を1日放置したらどうなる?親が治すことはできる?

肘内障

うんていで遊んでいた子供が急に「痛いっ!」と叫び、激しく泣きだした…

 

時間が経つと落ち着いたように見ても、腕を動かさず、元気がない様子が気になる…といったことありませんか?

 

それはもしかしたら肘内障かもしれません。

 

今回はそんな肘内障について原因や1日放置してしまった場合や、親御様でも治せるのかなどについて紹介します。




肘内障とは?

 

肘内障

 

主に5歳以下の子供に多く見られる肘の「亜脱臼」です。

少しだけ女の子に多い傾向にあります。

肘から先は細い骨と太い骨の2本の骨で作られています。

細い骨が動くことにより肘から先を180度回転させることが出来ます。

太い骨近くから出ている「靭帯(じんたい)」という帯状の組織で細い骨を支えています。

 

通常、骨はくびれの部分で靭帯にしっかり固定されていますが、子供の骨はまだ発達途中でくびれが浅いため、靭帯の固定が甘く肘内障が起こりやすいのです。

 

主に以下のような状況で起こりやすくなります。

 

・手をつないでいる際に、子供の腕を急に強く引っ張ったとき
・手を引っ張り合って遊んでいるとき
・うんていなどにぶら下がって遊んでいるとき


関連記事:小児の肘内障についての確認方法や、肘内障の再発予防法について

肘内障の症状

 

肘内障

 

普段は元気な子供が突然「痛い!」と泣き出し腕を動かさずにかばうような仕草を見せた場合、肘内障の可能性があります。

ここでは、肘内障の症状「痛み」と「肘の動かしにくさ」について解説しましょう。

 

痛み

 

肘内障による痛みは非常に強く、子供が激しく泣くことが多いです。

痛みはありますが、腫れや赤みといった見た目の変化はほとんど見られません。

 

肘の可動域制限

肘内障は骨が靭帯から外れかけた状態です。

無理に動かそうとすると強い痛みが報じるため肘の曲げ伸ばしができません。

また、前腕が内向き(手のひらが前を向く形)にだらりとした状態になります。




肘内障は自然に治る?

 

肘内障

 

肘内障は基本的には自然に治ることは少なく、対応できる医療機関での整復処置が必要です。

動かさなければ痛みを感じないため、一見治ったように思えることもあります。

しかし、腕を上げようとしたり動かしたりする際に痛がったり嫌がる場合は、まだ治っていない証拠です。

医師による整復処置は通常短時間で痛みを和らげることができます。

肘内障の症状がみられる場合は、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。

関連記事:捻挫で歩けるけど痛いときは病院に行くべき?重症度チェックも紹介

肘内障を1日放置するとどうなる?

 

肘内障

 

泣き止んだからといって1〜2日間放置してしまうと下記のリスクがあります。

 

  • 元の位置に戻そうとしても戻りにくくなる
  • 一度治ったあとも再発しやすくなる

 

このため、肘内障が疑われる場合は、放置せずできるだけ早めに医療機関を受診することが大切です。




肘内障の整復方法は?親が治すことはできる?

 

肘内障

 

外れかけた靭帯を戻すことを整復処置と言い、方法としては「回内法」と「回外・屈曲法」の2つの方法があります。


回内法

  1. 肘を軽く曲げ、親指側の骨である「橈骨(とうこつ)」の先端を押さえる
  2. 手のひらを内向きに前腕ごと回転させる
  3. 「コクッ」という音が鳴り、数分後にバンザイの姿勢ができれば成功


回外・屈曲法

  1. 肘を軽く曲げ、親指側の骨である「橈骨(とうこつ)」の先端を押さえる
  2. 手のひらを外向きに前腕ごと回転させ、更に肘を曲げる
  3. 「コクッ」という音が鳴り、数分後にバンザイの姿勢ができれば成功

 

違いとしては前腕を回転させるのが内向きか外向きかの違いです。

この2つの方法のうち、成功率は回内法の方が高いという論文が出ており、回内法を使うケースが多いです。

文章や画像を見ていると一見できそうな気がしませんか?

ですが、親御さんによる整復処置はおすすめできません。

肘内障か骨折かを判断するためには、レントゲン検査などが必要です。

また、無理に整復しようとして神経や血管にダメージを与えてしまうリスクもあります。

そのため、必ず医療機関へ受診をし、適切な処置を受けることが重要となります。


関連記事:早く治したい方必見!骨折の見分け方と対処方法

夜中に子どもが肘内障になったらどうする?

 

肘内障

 

夜中に急にお子様が泣いたら焦ってしまいますよね…

しかし、まずは落ち着いて対処をしましょう。

肘内障が疑われるときは、痛みが出ないように腕を動かさず安静にしておくことが大切です。

その後、夜間でも対応可能な救急病院へ連絡をするか、#8000の子供医療電話相談(全国共通の小児救急電話相談)でアドバイスをうけましょう。

肘内障は腫れたり、熱を持ったりすることはほとんどないので、冷やす必要はありませんが、安易に動かしてしまわないよう注意がひつよです。




西春内科・在宅クリニックでできる対応

 

西春内科・在宅クリニックでは、肘内障の整復処置が可能です。

また、骨折が疑われる場合、レントゲン検査、超音波検査も行うことができます。

お子様が急に痛みを訴えた、腕を動かさないなどありましたらお気軽にご相談ください。




まとめ

元気だったお子さんが突然泣き出し、腕に触れるのを嫌がる場合は肘内障の可能性が考えられます。

時間の経過とともに痛みが和らぐこともありますが、腕を動かさない、上にあげることが出来ないなどの症状がみられる場合は、できるだけ早く整形外科を受診しましょう。

肘内障を放置すると、治りにくくなったり、再発しやすくなるといったリスクがあります。

そのため、様子を見ずに早めの対応が必要です。

骨折や他のケガとの区別が難しいため、親御さんの自己判断で整復処置を試みることは避けましょう。

西春内科・在宅クリニックでも整復処置やレントゲン検査などが可能です。

お気軽にご相談ください。

 

参考文献

 

肘内障 – 有明みんなクリニック・有明こどもクリニック総合サイト

肘内障(肘が外れた・腕が抜けた) | 休日・深夜23時まで対応!さいたま市見沼区のせきぐち接骨院

肘内障 | こまつ整形外科クリニック

肘内障 – 小児科 – かわかみ整形外科・小児科クリニック

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