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尿路感染症に高齢者がなりやすい理由|原因と症状について解説

尿路感染症

尿路感染症とは、尿道、膀胱、尿管、そして場合によっては腎臓にまで及ぶ感染症の総称です。

高齢者にとってはよく見られる問題であり、特に注意が必要です。

高齢者が尿路感染症になりやすい理由は、免疫機能の低下や基礎疾患の存在、膀胱の筋力の低下などが挙げられます。

これらの要因により、尿路感染症のリスクが増加します。

尿路感染症の症状には、頻尿、尿の切迫感、腹痛、腰痛、尿の異常、発熱などがあります。

ただし、高齢者ではこれらの症状が明確に現れない場合があります。

今回は、高齢者が尿路感染症になりやすい具体的な理由と、症状について詳しく解説していきます。

 

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尿路感染症になる原因


尿路感染症

尿路感染症の原因として最も一般的なのは、細菌が尿道から尿管や膀胱に進入することです。

一般的な細菌の源は、通常、自身の腸内や周囲の環境から来ます。

高齢者の場合、以下の要因が尿路感染症の原因となる可能性があります。

尿路の排出機能の低下


高齢に伴い、尿の排出機能が低下することがあります。

尿が十分に排出されず、尿路に滞留することで細菌の増殖が促されます。

 

尿道の緩み


高齢者は尿道の筋肉や組織の弾力性が低下することがあります。

このため、尿道が緩んでしまい、細菌が尿道に侵入しやすくなります。

 

女性の更年期の変化


更年期を迎える女性では、エストロゲンの減少により尿道の粘膜が薄くなります。

これにより、細菌が尿道に侵入しやすくなり、尿路感染症のリスクが増加します。

 

前立腺肥大症や尿路結石


男性の場合、前立腺肥大症や尿路結石などの尿路の問題が尿流の妨げとなり、細菌の増殖を引き起こす可能性があります。

 

カテーテルの使用


高齢者の一部は、尿の排出を助けるために尿カテーテルを使用しています。

カテーテルは尿路に直接挿入されるため、細菌の侵入経路となります。

これらの要因が高齢者において重なることで、尿路感染症の発症リスクが増加します。

 

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高齢者が尿路感染症になりやすい理由


尿路感染症

免疫機能の低下


加齢により免疫機能が低下するため、感染症への抵抗力が減少します。

免疫システムの機能低下により、細菌や他の病原体が尿路に侵入しやすくなり、尿路感染症のリスクが高まります。

 

基礎疾患の存在


高齢者は多くの場合、慢性的な疾患や健康問題を抱えています。

例えば、糖尿病や腎臓疾患などの基礎疾患は、免疫機能の低下や尿の排出機能の障害を引き起こす可能性があります。

これにより、細菌が尿路に滞留しやすくなり、尿路感染症の発症リスクが高まります。

 

尿路の構造的変化


高齢に伴い、尿路の構造や機能に変化が生じます。

例えば、女性では更年期以降にエストロゲンの減少により尿道の粘膜が薄くなり、細菌の侵入が容易になる傾向があります。

男性では前立腺の肥大や尿道の狭窄が尿の流れを妨げ、細菌の増殖を促す可能性があります。

 

膀胱の機能低下


高齢者は膀胱の筋力や収縮能力が低下することがあります。

膀胱が完全に排尿しきれない場合、尿が滞留し、細菌の繁殖を引き起こす可能性があります。

膀胱の収縮力が弱まることで、尿路感染症のリスクが増加します。

 

尿路の衛生状態の変化


高齢者は個人の衛生状態を維持することが困難になる場合があります。

例えば、認知機能の低下や運動能力の低下によって、適切な尿道の清潔さを維持することが難しくなることがあります。

これにより、細菌が尿道に留まりやすくなり、尿路感染症の発症リスクが高まります。

 

薬物使用


高齢者は複数の薬物を服用している場合があります。

一部の薬物は尿路感染症のリスクを増加させる可能性があります。

例えば、免疫抑制剤や抗生物質の長期使用は、免疫機能の低下や細菌の耐性形成により、尿路感染症の発症リスクを高めることがあります。

これらの要因が高齢者において重なることで、尿路感染症の発症リスクが増加します。

高齢者は、予防策や適切なケアを通じて尿路感染症に対する注意が必要です。

定期的な医療チェックアップや、医師の指導に従い、適切な衛生習慣や予防策を実践することが重要です。

 

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尿路感染症の症状


尿路感染症

以下に一般的な尿路感染症の症状について解説していきます。

 

排尿痛や灼熱感


尿路感染症では、排尿時に尿道や膀胱の炎症による痛みや灼熱感を感じることがあります。

尿道や膀胱が刺激されることで起こります。

 

頻尿


尿路感染症になると、膀胱が刺激されて頻繁な尿意を感じることがあります。

通常よりも頻繁にトイレに行く必要があります。

 

尿の混濁


尿路感染症では、尿が濁って見えることがあります。

細菌や炎症によって尿中に異常な量の細胞や粒子が存在するためです。

 

血尿


尿路感染症によって、尿中に血液が混じることがあります。

血尿は尿の色が異常に赤くなることを意味します。

 

熱の上がり下がり


尿路感染症が進行すると、熱が上がることがあります。

感染による免疫反応や炎症が原因です。

一部の患者様では、熱が周期的に上がったり下がったりすることがあります。

 

下腹部の圧迫感や不快感


尿路感染症により、下腹部に圧迫感や不快感を感じることがあります。

膀胱や尿道の炎症によるものです。

これらの症状は尿路感染症の典型的な症状であり、注意が必要です。

ただし、個人によって症状の程度や出現頻度は異なる場合があります。

症状が現れた場合は、早期に医師の診断と適切な治療を受けることが重要です。

 

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尿路感染症はうつる可能性があるのか


尿路感染症

尿路感染症は、一般的に他の人に直接感染する可能性は低いです。

しかし、特定の条件や状況下では、感染が他の人に広がるリスクが存在します。

尿路感染症は通常、尿中に存在する細菌が尿道を経由して膀胱や腎臓に進入し、感染を引き起こします。

感染は個人の尿路に限定される傾向がありますが、以下のようなケースでは感染が他の人に広がる可能性が考えられます。

 

性行為


性行為によって、尿路感染症の原因となる細菌が性器から尿道に侵入することがあります。

感染した性パートナーとの性的接触によって感染が広がる可能性があります。

 

感染源との密接な接触


尿路感染症の原因となる細菌は、感染した個人の体液や尿に存在します。

感染源となる個人の体液に触れたり、感染した尿を介して感染が広がる可能性があります。

例えば、介護者が感染した高齢者の排尿の介助を行う場合などが該当します。

一般的に、尿路感染症は感染した個人の尿に含まれる細菌が他の人に直接感染するリスクは低いとされています。

ただし、性的接触や密接な接触がある場合は感染が広がる可能性があります。

感染リスクを最小限に抑えるために以下の予防策が重要です。

 

適切な衛生習慣の実践


個人的な衛生に注意し、手洗いを含む適切な衛生習慣を実践します。

特に性的接触の前後や、感染源との接触後には手洗いを行うことが重要です。

 

安全な性行為の実践


性行為を行う場合は、適切な予防方法(コンドームの使用など)を実践することで感染リスクを減らすことができます。

 

感染源との適切な距離の保持


感染源となる個人との密接な接触を避けることが重要です。

特に感染が疑われる場合や感染リスクが高い場合は、距離を保ちながら適切な予防策をとることが必要です。

介護や看護の場面では、適切な感染対策を行いながら作業を行うことが重要です。

 

 

尿路感染症は自然治癒するのか


尿路感染症

尿路感染症は自然に治癒する場合もありますが、一般的には適切な治療を受けることが推奨されます。

尿路感染症は、細菌感染によって引き起こされる疾患です。

軽度の感染や早期の段階では、免疫系の働きや自然治癒力によって感染が克服される場合があります。

しかし、自然治癒までには時間がかかる上、感染が進行するとより深刻な合併症を引き起こす可能性があるため、早期の適切な治療が重要です。

尿路感染症の治療には一般的に抗生物質が使用されます。

抗生物質は細菌の成長を阻止し、感染を鎮める効果があります。

症状の軽い場合や初期段階の場合、抗生物質の処方を受けて自宅で治療を行うことが可能です。

しかし、重症な症状や高齢者など免疫力の低下が見られる場合は、病院を受診することが勧められます。

病院では、医師が正確な診断を行い、適切な抗生物質の処方や治療方針を立てることができます。

また、重症化や合併症の予防のためにも、早期の医療機関への受診が重要です。

病院では適切な検査や評価が行われ、必要に応じて点滴治療や追加の検査が行われることもあります。

自己判断で治療を中断したり、症状が出ているのにも関わらず放置することはやめましょう。

自己判断や自己処理では感染の根本的な原因を取り除くことができず、感染の悪化や再発のリスクが高まる可能性があります。

また、尿路感染症は膀胱や腎臓など尿路全体に広がることがあるため、適切な検査や診断を受けることで感染の範囲や重症度を把握することが重要です。

なお、近年では在宅診療という選択肢も増えています。

在宅診療では、医師が自宅を訪問し、必要な処置や薬物治療を行います。

特に高齢者や身体的な制約がある患者様にとっては、病院への移動や長時間の待ち時間を避けることができ、負担が軽減されるでしょう。

在宅診療の検討も、尿路感染症の治療において一つの選択肢となり得ます。

 

関連記事:前立腺肥大は自然に治る?原因と症状、予防対策について解説

 

 

尿路感染症の治療について


尿路感染症

尿路感染症の治療は、感染の種類、重症度、患者様の状態に応じて個別に決定されます。

尿路感染症を疑った場合、医師は患者様の症状を詳しく聞き、身体検査を行います。

尿検査や血液検査などの検査も実施され、感染の診断と重症度の評価が行われます。

尿路感染症の主な治療法は抗生物質の使用です。

一般的に、感染の原因となる細菌に効果的な抗生物質が処方されます。

処方される抗生物質の種類や投与方法、治療期間は、感染の重症度や患者様の個別の要因に基づいて決定されます。

また、症状の重症度や合併症のリスクに応じて入院が必要な場合があります。

高齢者や免疫力の低下した患者様、合併症のリスクが高い患者様は入院が推奨されることがあります。

入院期間は、患者様の状態や治療の進行によって異なります。

 尿路感染症の治療期間は一般的に7日から14日程度です。

個別の症状や感染の進行具合によって変動する場合があります。

重症度が高い場合や合併症のリスクがある場合は、治療期間が延長されることがあります。

治療後、医師は患者様の症状の改善を評価し、必要に応じて追加の検査やフォローアップを行います。

治療が効果的であれば、症状は徐々に軽減し、感染は治癒に向かうでしょう。

ただし、完全な治療を終えるまで、抗生物質の使用を継続することが重要です。

治療期間中は、処方された抗生物質を正確に服用し、医師の指示に従って終了することが必要です。

治療を途中で中断したり、処方された薬を適切に使用しないと、感染の再発や抗生物質耐性の発生のリスクが高まります。

抗菌薬の使用に関しては、医師の指示に従いましょう。

抗菌薬は感染を改善するために必要ですが、適切な種類と投与量が重要です。

自己判断で抗菌薬を使うことは避け、必ず医師の指示に従ってください。

在宅診療の場合、医師が患者様の自宅を訪問し、必要な処置や抗生物質の投与を行います。

在宅診療の利点は、病院への通院が難しい患者様がご自宅で診察を受けられることです。

在宅診療の適応や詳細は、医師との相談や状況に応じて決定されます。

尿路感染症の治療には、適切な診断と早期の治療が不可欠です。

自己処理や自己判断をせず、医師の指示に従いましょう。

治療期間中は、抗生物質の正しい使用や処方薬の終了を守ることが大切です。

また、治療後もフォローアップに従い、感染の再発を防ぐための予防策を講じることが重要です。

 

関連記事:尿管結石で石が出る前兆は?バナナやポカリスエットが効果的?

 

 

尿路感染症の予防対策


尿路感染症

尿路感染症を予防するためには、以下の予防対策を実施することが重要です。

 

十分な水分摂取


水分を十分に摂取することで、尿の量が増え、排尿回数が増えます。

これにより、細菌が尿路に滞留する時間が短くなり、感染のリスクが低下します。

1日に推奨される水分摂取量は個人によって異なりますが、通常は1.5〜2リットルを目安にしましょう。

 

適切な排尿


排尿は尿路感染症の予防に重要です。

尿を長時間ため込まず、頻繁に排尿しましょう。

また、排尿時には十分な時間をかけて完全に尿を排出し、残尿がないことを確認します。

 

適切な衛生習慣


常に適切な衛生習慣を実践しましょう。

トイレ使用後は、トイレットペーパーを前から後ろに向かって拭き取ることで腸内細菌が尿道に入るリスクを減らします。

また、清潔な下着やパッドを使用し、頻繁に交換することも重要です。

 

衛生的な性行為


性行為は尿路感染症のリスクを増加させる場合があります。

適切なコンドームの使用や清潔さに注意し、性行為後には排尿を行うことで、細菌の排出を促すことができます。

 

健康な生活習慣


免疫力を高めるために、バランスの取れた食事を摂取し、適度な運動を行い、十分な睡眠をとることが重要です。

免疫力が低下すると感染症への抵抗力が弱まるため、健康な生活習慣を維持することが予防につながります。

以上の予防対策を実施することで、尿路感染症のリスクを低減できます。

特に高齢者や免疫力の低下した人々にとっては、予防対策が重要です。

尿路感染症の予防には、日常生活での意識と適切なケアが欠かせません

医師の指導やアドバイスに従いながら、予防対策を実施しましょう。

西春内科在宅クリニックができる対応


西春内科在宅クリニックでは、尿路感染症の患者様に対して診察・治療を行うことが可能です。

また、当クリニックでも在宅診療を行っていますので、通院が難しい患者様・ご家族様がいらっしゃればお気軽にご相談ください。

患者様、お一人お一人に合わせた、治療を行っていきます。

 

 

まとめ


尿路感染症は、尿道や膀胱、腎臓などの尿路に細菌が感染し、炎症が生じる疾患です。

高齢者は免疫力の低下や基礎疾患の存在などから感染しやすく、重篤な合併症のリスクも高いです。

症状としては排尿痛、頻尿、尿混濁などがあり、発熱も見られることがあります。

尿路感染症の主な原因は腸内の大腸菌が尿道に侵入することであり、女性では尿道の短さや尿道口の近さなどがリスクとなります。

高齢者では排尿困難や尿路の機能低下などが加わり、感染のリスクが増大します。

尿路感染症は感染性があり、他の人にも感染する可能性があります。

しかし、一般的には直接的な感染経路ではなく、自己感染が主な要因とされています。

尿路感染症は、自己判断だけでは自然治癒しないこともあり、専門医による早期の診断と適切な治療が必要です。

抗菌薬の処方や症状管理が行われ、入院期間や治療期間は個人の状態によって異なります。

予防対策としては、適切な衛生習慣の実践や水分摂取量の確保が重要です。

高齢者の場合は定期的な健康管理や免疫力の維持も重要です。


参考文献

Gupta K, Hooton TM, Naber KG, et al. International clinical practice guidelines for the treatment of acute uncomplicated cystitis and pyelonephritis in women: A 2010 update by the Infectious Diseases Society of America and the European Society for Microbiology and Infectious Diseases. Clin Infect Dis. 2011;52(5):e103-e120.
Nicolle LE, Gupta K, Bradley SF, et al. Clinical Practice Guideline for the Management of Asymptomatic Bacteriuria: 2019 Update by the Infectious Diseases Society of America. Clin Infect Dis. 2019;68(10):e83-e110.
Hooton TM. Clinical practice. Uncomplicated urinary tract infection. N Engl J Med. 2012;366(11):1028-1037.
Juthani-Mehta M, Quagliarello V. Infectious diseases in the nursing home setting: challenges and opportunities for clinical investigation. Clin Infect Dis. 2010;51(8):931-936.

咳喘息は喘息ではない?違いや症状のチェック項目をご紹介

咳喘息

みなさんは咳喘息と言う病気をご存じでしょうか。

咳喘息は喘息とは異なり、咳を唯一の症状として、それが2か月以上続く病気です。

今回は、そんな咳喘息と喘息との違いや、咳喘息を放置するリスクなどについて詳しく解説していきます。

最近なかなか咳が止まらないと感じている方は、是非記事を読んでいただき、必要に応じて最寄りの医療機関に相談してみて下さい。


咳喘息と喘息の違い


咳喘息

咳喘息と喘息は両方とも、気道に炎症が起こっている状態と言う点では一緒です。

しかし、炎症が起こった結果、生じる症状に差があります。

咳喘息炎症が起こった結果、気道の組織が敏感になってしまい、ちょっとした刺激で咳が出てしまう
喘息炎症が起こった結果、気道の筋肉などの組織がむくみ、空気の通り道が狭くなってしまう場合や、炎症によって痰が増えて空気の通り道の邪魔になってしまう場合

空気の通り道が狭くなっているので、笛などの楽器で経験があるように、狭いところを空気が通り抜けると「ヒューヒュー」と音がしますよね

それに、十分に空気が肺まで届かない、または体から空気を吐き出せないとなると、息苦しさを感じるようになります。

つまり、咳喘息だから軽症、喘息だから重症ということではないので(呼吸困難感が無い分、咳喘息の方が辛さを感じないかもしれませんが)注意が必要です。

また、咳喘息であっても、気道は狭くはなっていますが、炎症が繰り返されることによって、さらに気道が狭くなったり、痰が増えてきたりと、喘息と変わらない状態になっていく恐れもあります。

そのため、咳が続く場合は、一度最寄りの医療機関に相談するようにしてみましょう。



咳喘息とは?


咳喘息

長い期間、咳がとまらないため病院に受診したら、咳喘息と言われた方もいらっしゃるかもしれません。

咳喘息とは、一般的に喘息(気管支喘息)と言われる疾患の一種なのです。

しかし、典型的な喘息のように、「ヒューヒュー」と言った笛のような呼吸音や呼吸困難感などの症状は伴わず、咳だけが唯一の症状である病気です。

ただ、咳喘息の約30パーセントで気管支喘息に移行すると言われており、早い段階から治療を行うことが推奨されています。

どうして咳喘息を発症してしまうのでしょうか。

そのためには、まず私たちの呼吸について、大まかに理解しておかなければなりません。

まず、鼻や口から吸いこんだ空気は、気道と呼ばれる空気の通り道を経て、肺に送られます。

気道には、加温、加湿、クリーナーの役割が備わっており、最終的に肺の中が無菌状態になるように外敵から守ってくれています。

なぜなら、空気には酸素以外にも様々なものが混ざっているからです。

目に見えないウイルスや、ばい菌、ダニやほこり、その他のアレルギー物質などは、体内への侵入を防がなければなりません。

そういった異物を体内へ侵入させない仕組みが気道には備わっています。

そして、実際に体外へ追い出そうとするのが、咳の役割です。

咳は生体防御反応の一種なのです。

さて、咳喘息では、好酸球と言う炎症を引き起こす白血球の一種が、何らかの原因によって気道に集まってきてしまい、そこで炎症を起こしてしまいます。

気道に炎症が起きてしまうと、ちょっとした刺激で咳が出てしまうのです。

実際に、咳喘息のきっかけとなるのは、風邪をひいた時や、たばこの煙、またほこりやダニ、花粉、動物の毛などといったアレルギー物質を吸い込んだ時、その他にも過労やストレスと言った場合もあります。

▶アトピー咳嗽の原因はストレス?症状のチェック項目や治し方を紹介



咳喘息を放置するリスク


咳喘息

咳喘息をほっておくと、どうなるのでしょうか。

自然に治る場合もあるのですが、統計上は適切に治療を受けないと30~40%の人が喘息に移行してしまうと言われています。

また、咳喘息の様に、咳が長引く病気達を「慢性咳嗽(まんせいがいそう)」と呼びます。

咳喘息以外にも慢性咳嗽の原因となる病気はあるため、自己判断はとても危険です。

咳が長引く場合は、最寄りの医療機関に相談するようにしてください。

尚、2年間適切に治療をすれば、喘息への移行を防げるという報告もあります。

▶高齢者に多い誤嚥性肺炎は治るのか|急変したときの対応法について

咳喘息かもしれない症状のチェック項目


咳喘息

診断に際しては、病歴や身体症状を確認した上で総合的に判断されます。

下記に咳喘息の診断基準を簡易的に示します。


① 喘鳴(ヒューヒューなどの呼吸音)を伴わない咳が8週間以上続く
② 気管支拡張薬が有効である
③ 気管支喘息にかかったことはない
④ 8週間以内に風邪などを引いていない(咳が出始めてからは風邪をひいていない)
⑤ 気道が過敏になっている
⑥ 咳を引き起こすアレルギー物質などに反応して咳がでる
⑦ 胸部レントゲンで異常はみつからない


※さらに簡略化して①②を満たせば咳喘息と診断されることがあります。

また、「からだケアナビ」にわかりやすいチェックシートがあったので、こちらも参考にしてみてください。


□咳が一旦出るとせき込んで止まらなくなる
□夜、横になるとせきこんで寝付きにくい
□夜中にせき込んで目が覚めることがある
□冷気、寒暖差でせき込む
□電車や人ごみの中でせき込む
□たばこの煙や強い香水が苦手
□風邪の後に激しい咳が続いた経験がある
□咳は激しいが息苦しさやゼイゼイと言う音はない
□子供のころ、小児喘息だった
□喉のイガイガを取り除こうと咳をした結果、せき込む


※上記の項目に3つ以上当てはまる場合は咳喘息の可能性があります。



咳喘息は自然治癒するの?


咳喘息

咳喘息は気道の炎症によって起こることは既に解説しました。

自然に炎症が改善することは勿論あるのですが、咳喘息は繰り返す可能性があります。

咳喘息、すなわち気道の炎症が繰り返されるとどうなるでしょうか。

例えば、皮膚の一部分を何度も火傷してしまったとしましょう。

 1回目は多少きれに治っても、何度も繰り返すと皮膚が硬くなったと言う話を耳にしたことはないでしょうか。

これはすべての細胞にいえることですが、炎症が起こって破壊、その後に修復といった過程が繰り返されると、細胞は完全に元に戻ることが難しくなり、伸縮性が失われ、固くなってしまうのです。

結果として、気道は本来の働きが出来にくくなり、より発作を起こしやすくなってしまう悪循環に陥りますし、咳喘息以外にも気道や肺の病気にかかってしまった際にも重症化してしまう原因になります。

自然治癒には期待しすぎることなく、適切に治療を行うことがとても大切です

▶高齢者がなりやすい肺炎の症状|急変したときの対応や治療について

咳喘息の治療について


咳喘息

診断と治療を兼ねて、気管支拡張薬を使用します。

咳喘息においては、吸入による気管支拡張薬により症状が良くなることが、診断に繋がります。

逆に言えば、気管支拡張薬を使ったのに改善が見られない場合は、他の病気を疑うことになります。

咳喘息は気道の炎症によって起こることは既に解説しました。

気管支拡張薬には炎症を抑える効果はありません。

咳喘息と診断された場合には、炎症が再び起こらないように、吸入ステロイド薬を継続していくことになります。

尚、2年間適切に治療をすれば、喘息への移行を防げるという報告があります。

▶乾燥で咳が止まらないのはなぜ?咳の特徴や悪化させないための方法を紹介

西春内科在宅クリニックができる対応


西春内科在宅クリニックでは、常勤医師にて、つらい咳症状に対して丁寧に診察を行い、必要に応じて検査を行い、治療に結び付けていきます。

クリニックには珍しい、CTを導入してるのでCT撮影など、より詳しい検査も可能となっています。

咳が止まらない等、お困りの症状ございましたらお気軽にご相談下さい。



まとめ


長引く咳は、咳喘息である可能性があります。

咳喘息は自然におさまる可能性もありますが、再発を繰り返すうちに喘息に移行してしまう恐れもあり、油断できない病気です。

適切に治療をすることで喘息への移行を防ぐこともできます。

是非、咳がとまらないと心配になった際には、最寄りの医療機関に相談するようにしてください。


参考文献

乾燥する季節は咳喘息にご用心 | 知っておきたい病気・医療 | からだケアナビ 

膀胱ろうとは?在宅でのカテーテル交換時の注意点を解説

膀胱ろう

自力で排尿ができないときの治療では長期的にカテーテルという管を留置(*1)する方法があります。

長期的にカテーテルを留置する方法は、カテーテル挿入経路により呼び方が変わります。

その一つとして、お腹から膀胱に直接カテーテルを留置する方法を膀胱ろうと呼びます。

今回は膀胱ろうについて、必要となる原因や在宅で管理する上での注意点について解説していきます。

*1留置=一時的にカテーテルを固定しておくこと



膀胱ろうとは?原因について


膀胱ろう

膀胱ろうとは、自力で排尿ができない場合に、カテーテルをお腹から膀胱へ直接留置して尿を排出させる方法です。

尿は腎臓で血液から不要な老廃物をろ過して作られ、膀胱に貯められてから尿道を通じて排出されます。

自力で排尿ができなくなった場合には膀胱に尿が多量にたまって、お腹の張りを感じたり、

膀胱内の圧力が高まって腎臓へ逆流していまい、腎臓の機能の悪化や感染症の原因となってしまう場合があります。

これらの合併症を防ぐために、膀胱ろうを利用して排尿を行います。

「ろう」とは瘻孔(ろうこう)のことを意味し、体内の臓器と体外の皮膚や粘膜に交通する穴ができることを指します。

膀胱ろうは、人工的に膀胱と体表面の間に穴をあけて、尿を排出するカテーテルを挿入して排尿させます。

その他の方法には間欠的自己導尿・尿道カテーテル留置・腎瘻があります。

ご自分や介護をする方が適切に処置できるのであれば自己導尿が標準的な方法です。

しかし、導尿ができない方では尿道カテーテル留置や膀胱ろう・腎ろうが選択されます。

長期間の尿道カテーテル留置では尿路感染症などの合併症も多くあります。

尿道の狭窄、膀胱結石などの合併症で尿道カテーテル留置が難しい場合には膀胱ろうがよい適応です。

膀胱ろうが必要となる原因はさまざまです。

最も多い原因が神経因性膀胱(*1)による排尿障害です。

脊髄に存在する膀胱に尿をためたり、排尿をする神経の機能が障害されてしまい排尿障害を生じます。

次に多いのが尿道狭窄や前立腺肥大、外傷性の尿道の損傷などで尿道からカテーテルを挿入できない場合です。

その他には疼痛や違和感のため尿道カテーテルが留置できない場合や骨盤内臓器の手術後、乳幼児・小児の先天的な尿路の障害などがあります。

*1神経因性膀胱=脳・脊髄の中枢神経、あるいは脊髄から膀胱に至るまでの末梢神経の様々な病気により、膀胱や尿道の働きが障害され、排尿障害をきたす病気の総称

膀胱ろうと腎ろうの違い


膀胱ろう

尿は腎臓で生成された後、尿管を通り膀胱へ貯められ、尿道を通過して体外へ排出されます。

膀胱ろうと腎ろうは両方とも尿の排出障害を改善させる方法です。

病気の部位によって適応が異なります。

ふたつの「瘻孔(ろうこう)」の違いは以下です。

膀胱ろう

下腹部の皮膚と膀胱とを交通させた穴からカテーテルを挿入して排尿させる方法です。

病気の原因が、膀胱や尿道の周りにある前立腺の場合には、膀胱ろうが選択されます。


腎ろう

背中から腎臓にまで到達する穴を作成し、カテーテルを挿入して排尿させる方法です。

病気の原因が尿管にあり尿が排出できない場合には腎ろうが適応となります。


>>腎ろうとは?どんな人が対象になるのか?在宅における注意点を解説

膀胱ろうに痛みはある?


膀胱ろう

膀胱ろうの造設・交換時と留置時にわけて解説します。

膀胱ろうの造設は、経皮的(皮膚の上から処置を行うこと)に膀胱を穿刺・穴を作成した後に、カテーテルを挿入します。

局所麻酔や全身麻酔で処置を行いますが、針を刺す行為ですので術後も含めて痛みを伴います。

また、交換時・留置時も軽度ですが、痛みを感じます。

しかし、尿道カテーテルと比較して交換時の痛みや留置時の違和感が少ないことが特徴です。

在宅における膀胱ろうの管理について


膀胱ろう

在宅での膀胱ろうの管理には以下の点に気を付けることが必要です。

カテーテル周囲の皮膚の清潔を保つ


カテーテル周囲の皮膚は汚れがつきやすい部分ですので、定期的にシャワーや入浴で清潔に保ってください。

シャワー、入浴の際には、石鹸などでカテーテル周囲の皮膚を優しく洗って、十分に洗い流すようにしましょう。

挿入部の観察・カテーテルの固定


その後、皮膚をきれいにふき、カテーテル挿入部の観察を行います。

挿入部に赤みや痛みがないか、抜けかけていないか、尿漏れや滲出液がないかなどを観察します。

観察後は挿入部、カテーテルをテープで固定します。

カテーテル挿入部はできるだけ毎日観察して清潔に保つことがおすすめです。

また、それ以外の場合でもカテーテルや集尿袋のチューブの曲がりやねじれがないか確認するようにしてください。

尿の管理については集尿袋に尿がある程度貯まったら、排泄口を開いて尿を廃棄します。

また、以下にも注意が必要です。

  • 集尿袋いっぱいに尿が貯まらないにようにする
  • 集尿袋は腰の位置より低い位置において尿が逆流しないようにする

その他、感染やカテーテルの自己抜去がないように注意することが必要になります。

>>自己導尿の目的とは?カテーテルとの違いや男女別の手順を解説

在宅でのカテーテル交換時の注意点


膀胱ろう

カテーテル交換は原則としてかかりつけの病院か往診で医師に対応してもらうことが必要です。

交換時の注意点として、以下が重要です。

  • 交換までカテーテルが抜けないようにする
  • 痛みや赤みなどの皮膚のトラブルが生じないように清潔に保っておく

カテーテルが抜けてしまった場合には、放置しておくと穴が塞がってしまう場合もあります。

抜けてしまったときにはガーゼを当てて、かかりつけの病院に連絡し受診をすることをお勧めします。

また、かかりつけの病院で抜けた場合に自分でカテーテルを挿入してよいか確認することもよい方法です。

>>自己導尿の目的とは?カテーテルとの違いや男女別の手順を解説

カテーテルの交換頻度


膀胱ろう

カテーテルはかかりつけの病院、もしくは往診で3-4週間に1回程度の頻度で交換します。

ただし、尿路感染症のリスクが高い場合や、瘻管の詰まりや外れが起こりやすい場合などは、交換頻度を短くする必要があることもあります。

カテーテルの交換は、医療スタッフと相談し患者さんにとって最適な交換頻度を決定することが重要です。

>>自己導尿の目的とは?カテーテルとの違いや男女別の手順を解説

膀胱ろうのときの入浴時の対応について


膀胱ろう

挿入部の皮膚に赤みや痛み、尿漏れ、滲出液などの問題がなければ膀胱ろうを作成した2週間後から入浴が可能です。

集尿袋は接続したまま、浴槽の外に出して入浴し、最後に挿入部周囲を石鹸などで優しく洗い、シャワーで洗い流しましょう。

入浴後は挿入部を保護し、カテーテルを皮膚に固定します。

膀胱ろうで尿漏れがあるときは


膀胱ろう

膀胱ろうで尿漏れがあるときには、以下の可能性があります。

  • カテーテルの閉塞やカテーテルの抜けなどのカテーテルの問題
  • カテーテルとカテーテルと排液バッグを繋ぐランニングチューブのトラブル

膀胱ろうによる尿漏れがあった際は、カテーテル挿入部の皮膚や、カテーテル・ランニングチューブのねじれや曲がり、閉塞がないか確認をして医師に相談するようにしましょう。

一般的に膀胱ろうでの尿もれでは短期間ではあまり見られませんが、長期間経過して対処が難しい場合にはパウチの有効性も報告されています。

詳しくは医師に相談するようにしましょう。

>>訪問診療と在宅診療(往診)の違いとは|利用基準や診療内容について

西春内科在宅クリニックができる対応


膀胱ろう

西春内科在宅クリニックでは、訪問診療で膀胱ろうの適切な管理を行っています。

対応可能な処置は以下の通りです。

  • 膀胱ろうのカテーテル交換
  • カテーテル周囲の皮膚トラブルの対応
  • 尿漏れ
  • 尿路感染症に対する抗生剤処方

また、尿の濁りがひどい場合やカテーテルがつまりやすい場合などに、膀胱洗浄などの処置を行うことも可能です。

更に、膀胱ろうの他にも導尿、尿道カテーテル留置、腎ろうカテーテルの交換が可能です。

膀胱ろうのご自宅・ご施設での管理はご不安が多いと思います。

西春内科・在宅クリニックでは皆様のご不安を取り除き、安心してご自宅でも生活ができるよう丁寧な対応を心がけています。

お困りの時にはクリニックへお気軽にご相談ください。



まとめ



今回は、膀胱ろうについて内容や管理における注意点について解説してきました。

チューブの管理など適切に行っていただければ負担の少ない治療方法です。

そのため、ご自宅で過ごすのに適している方法と考えられます。

しかし、何らかの症状がある時にはひどくなる前のサインの可能性もあります。

いつもと違う状態の時にはかかりつけ医や当院にご相談してください。


【参考文献】

‣県立広島病院泌尿器科「膀胱ろう増設術」
‣長崎県看護教会「在宅における腎ろう・膀胱ろう管理の手引き」 
‣千田基宏. 膀胱瘻留置中なのに、(1)尿道口から尿が漏れる!、(2)刺入部脇から尿が漏れる!. 泌尿器ケア. 2008; 13(1): 90-92.
‣西村泰司ほか. 膀胱瘻の現状 特に合併症と患者ケアについて. 日本外科系連合学会誌. 2017; 42(2): 145-153.
‣日本排尿機能学会/日本脊髄障害医学会/日本泌尿器科学会, 脊髄損傷における下部尿路機能障害の診療ガイドライン作成委員会編. 脊髄損傷における下部尿路機能障害の診療ガイドライン, 中外医学社, 2019

めまいはストレスが原因?何科に行けばいい?合併しやすい症状について解説

めまい原因

何かショックなことがあった時に、「めまいがする」と表現されることがあります。

比較的なじみのある言葉だと思います。

そもそもめまいとは、体の平衡、つまりバランスを保てなくなることを指すのです。

原因によってその症状の出方は様々で、「ぐるぐる回る」、「ふらふらする」、「ふわっと気が遠くなるような」などの感覚が該当します。

しかしながら、医者がめまいと言う用語から想像する症状や原因となる病気と、患者さんが訴えるめまいにはすれ違いがある事もしばしばで、これがめまい診療を難しくしています。

めまいを起こす原因は耳であったり脳や心臓であったり、ときに精神的な問題であったりと様々です。

本日は、めまいについて詳しく解説したいと思います。

私は精神科医ですので、やや内容が偏る可能性がございますが、あらかじめご了承ください。


めまいが起こる原因


めまい原因

2008年に発表された、アメリカの救急科受診のデータによると、めまいがすると言って受診した患者で最も多い原因は耳性/前庭性疾患でした。

簡単に言えば、耳に何らかの原因があるという事で、約33%の患者が該当し、3人に1人の割合になります。

これらは、正確には「めまい」ではなかった場合も含むデータです。

しかし、実際に「めまい」であった場合に限ると、約7割~8割が耳の病気によって起こるとされています

「耳の仕事は聴力しか知らない」と言う方も数多くいらっしゃると思いますが、耳は実は複雑な役割をしています。

耳は解剖すると、外耳、中耳、内耳に分けられます。

外耳で集めた空気の振動(音)という物理的なエネルギーを中耳で増強して内耳に伝え、内耳で電気的エネルギーに変換することで、音を聞くことが出来ます。

それとは別に、内耳には体の平衡感覚を保つ働きがあります。

三半規管ならびに前庭と言う組織がその役割を担っており、これらの臓器に不調が起こることでめまいを生じることになります。

内耳の異常によってめまいの原因となる疾患としては、以下が挙げられます。

  • 良性発作性頭位めまい症
  • メニエール病
  • 前庭神経炎
  • 突発性難聴
  • 聴神経腫瘍


その他にも、めまいを生じる原因は複数あります。

代表的なのは脳卒中(脳血管障害)ですが、循環器疾患や呼吸器疾患、感染症に精神疾患、薬の副作用など多岐に渡るため、自己判断は危険です。

関連記事:脳挫傷で後遺症は残る?症状やその後の回復について


めまいと自律神経の関係性


めまい原因

精神科外来においても、めまいを理由に受診されることは少なくありません。

「内科や耳鼻科を受診し、異常が無いと言われたけれども、めまいがして日常生活に困っている」とご相談を受けます。

これはあくまで個人的な感覚ですが、「頭の中がなんとなく変」と言った感覚を、「めまい」と表現される方が多い印象を受けます。

実際に、なんと表現していいかわからないけれど、一番近いのが「めまい」だったと話される方もいます。

めまいの定義に戻れば平衡感覚の異常という事になるのですが、そういった事を意識してめまいと言う言葉を使う患者さんは当然いらっしゃいません。

そのため「めまい」を理由に内科や耳鼻科で異常が見つからないことも起こりえます

そういった症状を感じやすい精神疾患としては、うつ病や神経症(ストレスが体の症状として現れた状態)が一般的です。

特に精神疾患により不眠の状態が続くと、そういった感覚は増悪します。

適切に治療を行うことで症状の改善が期待できるので、耳鼻科や内科で異常が無いと言われたとしても、一度最寄りの精神科へ受診してみてはいかがでしょうか。

ただし、重大な体の病気が隠れていてはいけないので、いきなり精神科を受診することは推奨しません。

関連記事:自律神経失調症のセルフチェック26項目!こんな兆候は危険かも?


めまいの種類

ここではめまいの種類について見ていきましょう。

回転性めまい


めまい原因

回転性めまいとは、その名の通り自分自身がグルグル回転している感じがするもしくは、周囲がグルグル回転する感じを訴える方が多いです。

教科書的には「天井が回っている」と書かれています。

回転性めまいの多くは内耳の異常が原因で起こりますが、脳梗塞や脳出血などの脳の病気が原因で起こることも。

回転性めまいを訴える方の中には、耳鳴りや耳がつまった感じ、ときに難聴を同時に感じる方もいます。

浮動性めまい


めまい原因

浮動性とは、体がフワフワするといった感覚で、教科書的には「雲の上を歩いているような感じ」と表現されるものです。

浮動性めまいは、主に脳の病気によって生じることが多いとされます。

さらに、浮動性めまいに加えて頭痛、顔や手足のしびれ、体の力が入りにくいといった麻痺症状を伴う場合には、十分な検査が必要です。

失神型めまい


めまい原因

失神型めまいとは、ふわっと気が遠くなる感覚を覚えるめまいです。

その他にも、目の前が真っ暗になる(眼前暗黒感)や、立ちくらみがすると表現される場合もあります。

失神型めまいの多くは血圧の変動が原因で起こり、心臓や血管に問題があるとされます。

その他のめまい


めまい原因

精神科的な問題で生じるめまい
で、訴えは代表的な訴えというのはありません。

前述の様に「頭の中がなんとなく変」といったことを伝えたいが、自分の知っている言葉で最も近かったのが「めまい」だったというケースが多い印象を持っています。

関連記事:五月病の症状やなりやすい人の特徴|うつ病との違いなども解説

めまいと同時に起こりやすい症状


めまい原因

めまい診療では歴史的に、前述のように4つのタイプに分類して鑑別診断を進めていく方法が行われていました。

具体的には、以下のような症状を聴取し、鑑別する方法です。

  • 「ぐるぐる回る」→回転性めまい(内耳性)
  • 「ふらふらする」→浮動性めまい(神経性)
  • 「ふわっと気が遠くなるような」→失神型めまい(心血管系)
  • 「それ以外」→精神系の問題


私が医学生や研修医で当直をしていた頃も、そのようにしてめまい診療を行っていました。

しかし、近年ではこの方法は必ずしも推奨されてはいないようです。

先ほどもお話したように、めまいという言葉は実に曖昧で、患者さんの中にはこれらの4つの中から選ぶことが出来なかったり、後から変わってしまったりする方もたくさんいらっしゃいます。

また、「ぐるぐる回るような」と訴えた方が、実は心臓に原因があったり、実際は内耳性なのに「ふわっと気が遠くなるような」と答えたりと、めまいの性状を詳しく問診しても診療の質には結び付かないという事がわかってきました。

ではどのようにめまいとその原因を見つけていくかというと、めまいと同時に起こる症状(随伴症状)に注目します。

めまいだけでなく、「頭や頸部の痛みはないか」「胸痛や背部痛はないか」「呼吸困難はないか」「動機はないか」「発熱はないか」などです。

また、現在飲んでいるお薬も確認します。

それらの情報をもとに病気を探し当てていく、必要であれば検査を加えます。

仮にめまいを理由に病院を受診したとしても、めまい以外にも症状がある場合は、「これは関係ないかも」と自己判断はせずに、すべて診察する医師に伝えるようにしましょう。

さらにいえば、随伴症状以外にもどういったときにめまいがしやすいか、きっかけや誘因となるものはあるかなども重要な情報ですので、併せてお伝えするようにお願いします。

関連記事:【治る認知症】高齢者がなりやすい水頭症の症状から原因、治療について解説


めまいで考えられる危険な病気のサイン


めまい原因

めまいを診察する上では、危険な病気の除外を重要視します。

頻度は多くありませんが、なかでも最も危険な病気は脳卒中です。

脳卒中は突然生じた脳の血管の血流障害によって言葉が離せなくなったり、急に手足に力が入らなくなったり、ときに意識を失ったりする発作を指します。

具体的には脳梗塞や脳出血といった病気が該当します。

ショック(なんらかの理由で重要臓器の血流が維持できなくなり、生命の危機にいたる急性の症候群のこと)や失神のことをめまいと訴える方もいるため、まずは血圧の測定がとても重要です。

低血圧ではショックを、高血圧では脳卒中を疑う一つのサインになります。

その他、脳卒中の可能性を確認するために目の動きや呂律が回っているか、顔や手足の感覚は正常か、動きに問題がないかなどを細かく診察することも必要でしょう。

必要に応じて、頭部CTや頭部MRIなどの画像検査を追加することもあります。

関連記事:知ってほしい脳卒中の危険な前兆・症状や脳梗塞との違いは?


めまいが起きたときの対処法


めまい原因

これまで解説してきたように、めまいの原因となる病気には重大なものも含まれます

特に脳や心臓が原因で生じるめまいは命の危険もあるため、まずは一度最寄りの医療機関に相談するようにしましょう。

あまり脅かすようなことばかりでも良くないので、客観的なデータをお示しすると、めまいの原因の中で、脳が原因であると診断される場合は約5%程度とされています。

実際には耳が原因で起こる場合が7~8割を占め、その中でも「良性発作性頭位めまい症」や「メニエール病」でその半分を占めます

どちらも安静にしていれば、自然におさまることもあるので、まずは自宅で横になりリラックスを心がけましょう。

それでも症状が強い場合や、再発を繰り返すようであれば、耳鼻科にご相談ください。


めまいが起きたら何科に行けばいい?


めまい原因

めまいの原因の7~8割が耳鼻科疾患とされています。

特にめまい以外の症状が無い場合や、めまいによって気分不良があるというだけであれば、耳鼻科を受診することをおすすめします

しかし、めまいには重大な命に関わる病気が隠れています。

言葉が話せなくなったり急に手足に力が入らなくなったり、意識を失ったりするようなことがあれば、最寄りの内科を受診するのが良いでしょう。

特に血管を痛めやすい持病がある方(糖尿病、高血圧、高脂血症など)や、喫煙をされる方は注意が必要です。

場合によっては119番への救急要請も必要になります。

色々受診したけれども原因が良くわからない、もしくは精神的な要因ではないかと言われた、などあれば、是非精神科を受診してみて下さい。


西春内科在宅クリニックができる対応


西春内科在宅クリニックでは、常勤の内科医がめまいに対して適切な診療を行います。

また、頭部CTなども完備しており、めまいの詳しい検査も可能です。

また、必要に応じて精神科とも連携をとって対応させていただきます。

まとめ

「めまいがする」とは、一見良く聞かれるセリフではありますが、めまいの診療と言うのは実に医師泣かせのところがあります。

多くが耳鼻科疾患であり、比較的緊急性は低い病気な一方で、脳卒中や心臓疾患など、死に至る病気が隠れていたり、精神科疾患に伴う場合は検査では原因がわからなかったりするからです。

たかがめまい、されどめまい

この記事を読まれた皆さんには、自分で大丈夫と判断することなく、一度最寄りの医療機関にご相談することをお勧めします。

高血圧・糖尿病だと腎不全になりやすい?腎不全になりやすい人の特徴

腎不全

腎不全とは、腎臓の片方または両方が自力で機能しなくなった状態のことです。

原因としては、糖尿病、高血圧、急性腎障害などがあります。

症状としては、疲労、吐き気や嘔吐、むくみ、トイレに行く回数の変化、ブレインフォグなどです。

今回は、腎不全の概要や、腎不全になりやすい人の特徴、原因などについて詳しく解説していきます。

 

 

腎不全とは?


腎不全

腎不全(腎不全)とは、片方または両方の腎臓が単独ではうまく機能しなくなることを意味します。

腎不全は、短い期間で急激に機能が悪くなる急性腎不全と、数か月~数年といった長い時間をかけて徐々に悪化する慢性腎不全があります。

腎不全は腎臓病の最も重い段階です。

治療しなければ命にかかわります。

 

 

腎臓の働きとは?


腎不全

腎臓はこぶし大の豆のような形をした臓器です。

胸郭(きょうかく)の下、背中の方にあります。

ほとんどの人は2つの腎臓が働いていますが、腎臓が正常に働いている限り、1つだけでも十分生活できます。

腎臓にはいくつかの働きがあります。

最も重要な仕事のひとつは、体内の毒素を排出することです。

腎臓は血液をろ過し、老廃物を尿(おしっこ)として体外に送り出します。

腎臓が正常に働かないと、老廃物が体内に溜まってしまいます

その結果、倦怠感や吐き気など様々な症状を引き起こします。

症状については後ほど、詳しく解説していきます。

 

関連記事:尿路感染症に高齢者がなりやすい理由|原因と症状について解説

 

 

腎不全になりやすい人の特徴


腎不全

腎不全は誰にでも起こる可能性があります。

しかし、以下のような方は腎不全になるリスクが高くなります

  • 糖尿病の方
  • 高血圧の方
  • 心臓病を患っている
  • 腎臓病の家族歴がある
  • 腎臓の構造に異常がある
  • 60歳以上である
  • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの市販品を含め、鎮痛剤の服用歴が長い

 

 

腎不全の人はどれくらい?


腎不全

平成26年に行われた調査によると日本では、慢性腎不全の総患者数が29万6000人という結果だったと報告されています。

また、米国では毎年75万人以上が、世界では約200万人が罹患しています。

腎臓病のステージとは?


腎不全

推定糸球体濾過量(eGFR)に応じて腎臓病の病期があります

eGFRとは、腎臓がどの程度物質をろ過しているかを計算したものです。

正常なeGFRは約100です。

最も低いeGFRは0であり、これは腎機能が残っていないことを意味します。

腎臓病の病期には次のようなものがあります。

  • ステージG1
    GFRが90以上
    この段階では、腎臓の損傷は軽度ですが、まだ正常に機能しています。

  • ステージG2
    GFRが89〜60に低下します。
    腎臓の損傷はステージG1よりも進んでいますが、腎臓の機能はまだ正常です。

  • ステージG3a
    GFRが59〜45まで低下します。
    腎機能が軽度または中程度に低下しています。

  • ステージG3b
    GFRが44〜30まで低下します。
    腎機能が中程度または高度に低下しています。

  • ステージG4
    GFRが29〜15まで低下します。
    腎機能が高度に低下しています。

  • ステージG5
    GFRが15未満。
    腎臓が機能不全に近いか、完全に機能不全に陥っている状態。

 

関連記事:前立腺肥大は自然に治る?原因と症状、予防対策について解説

 

 

腎臓病の症状は?


腎不全

腎不全の最初の警告サインは?

多くの人は、腎臓病の初期にはほとんど、あるいは全く症状がありません。

しかし、慢性腎臓病(CKD)は、元気だと感じても障害が残っていることがあります。

慢性腎臓病(CKD)や腎不全の症状は人によって異なります。

腎臓が正常に機能していない場合、以下の徴候に気付くことがあります

  • 極度の疲労(倦怠感)
  • 吐き気や嘔吐
  • 錯乱や集中力の低下
  • むくみ(浮腫)、特に手、足首、顔の周辺
  • おしっこの回数が増える
  • けいれん(筋肉の痙攣)
  • 皮膚の乾燥やかゆみ
  • 食欲不振または食べ物が金属味になる

 

関連記事:膀胱ろうとは?在宅でのカテーテル交換時の注意点を解説

 

 

腎不全の最も一般的な原因は?


腎不全

糖尿病と高血圧は、慢性腎臓病や腎不全の最も一般的な原因です。

糖尿病を管理しないと、血糖値が高くなります(高血糖)。

高血糖が続くと、腎臓だけでなく他の臓器にもダメージを与えます

高血圧は、血液が体内の血管を力強く移動することを意味します。

治療せずに時間が経つと、余分な力が腎臓の組織にダメージを与えます

腎不全は通常、すぐには起こりません。

腎不全を引き起こす可能性のある慢性腎不全の原因には、他にも以下のようなものがあります。

多発性嚢胞腎(PKD)

PKDは、両親のどちらかから受け継ぐ病気(遺伝性疾患)で、腎臓の中に液体の入った袋(嚢胞)ができます。

糸球体疾患

糸球体の病気は、腎臓が老廃物をろ過する機能に影響を与えます。

ループス

ループスは自己免疫疾患で、臓器障害、関節痛、発熱、皮疹を引き起こします。

また、予期せぬ原因で腎不全が急速に進行することもあります。

また、急性腎不全(急性腎障害)といって、腎臓の機能が突然失われることがあります。

急性腎不全の場合、数時間から数日で発症しますが、その多くは、一時的なものです。

急性腎不全の一般的な原因は以下の通りです

  • 自己免疫性腎疾患
  • 特定の薬剤
  • 重度の脱水
  • 尿路閉塞
  • 心臓病や肝臓病などの未治療の全身疾患

 

関連記事:自己導尿の目的とは?カテーテルとの違いや男女別の手順を解説

 

 

腎不全の診断方法は?


腎不全

腎臓を評価し腎不全を診断するために、さまざまな腎機能検査を実施します。

一般的な検査には以下のようなものがあります。

血液検査

血液検査では、腎臓が血液中の老廃物をどの程度除去しているかを調べます。

尿検査

尿検査では、おしっこに含まれるタンパク質や血液などの特定の物質を測定します。

画像検査

画像検査では、医療提供者が腎臓とその周辺を観察し、異常や詰まりを特定します。

一般的な画像検査には、腎臓超音波検査、CT、MRIなどがあります。

 

 

腎不全の治療法は?


腎不全

腎不全の治療は、問題の原因や程度によって異なります

慢性疾患の治療によって腎臓病の進行を遅らせることができます。

腎臓が徐々に機能しなくなった(慢性腎臓病)場合、健康状態を把握し、腎機能をできるだけ長く維持することができます。

これらの方法には以下のようなものがあります

  • 食事療法
  • 運動療法
  • 薬物療法

腎不全に陥った場合は、生命を維持するための治療が必要です。

腎不全には主に2つの治療法があります。

人工透析

透析は血液をろ過する働きがあります。

また、透析には血液透析と腹膜透析の2種類があります。

血液透析

血液透析では、機械が定期的に血液をきれいにしてくれます。

ほとんどの人は、病院や透析クリニックで週に3〜4日血液透析を受けます。

腹膜透析

腹膜透析では、医療従事者が透析液を入れたバッグを腹腔内のカテーテルに装着します。

透析液はバッグから腹膜に流れ込み、老廃物や余分な水分を吸収して再びバッグに排出されます。

自宅で腹膜透析を受けられることもあります。

腎移植

傷ついた腎臓の代わりに、健康な腎臓を移植します。

健康な腎臓(ドナー臓器)は、死亡したドナーから提供される場合と、生体ドナーから提供される場合があります。

健康な腎臓が1つあれば、問題なく生活することができます。

 

関連記事:【尿管結石で悩んでいる方必見】痛みを和らげる方法や病院での治療について

 

 

腎不全はいつまで生きられますか?


腎不全

透析や腎移植を受けなければ、腎不全は致命的です。

治療を受けなくても、数日から数週間は助かるかもしれません。

透析を受けている場合、平均余命は5〜10年です。

長い人で30年生きられる人もいます。

腎移植を受けた場合、生体ドナーから腎臓をもらった場合の平均余命は12〜20年です。

死亡したドナーから腎臓をもらった場合の平均余命は8〜12年です。

 

 

腎不全の治療にはどのような薬が使われますか?


腎不全

腎臓病の原因に応じて、以下の薬が処方されます。

アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬・アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)
これらの薬は血圧を下げるのに役立ちます。

利尿薬
これらは体内の余分な水分を排出するのに役立ちます。

スタチン
コレステロール値を下げる薬です。

エリスロポエチン刺激薬
貧血がある場合、赤血球を増やすのを助けます。

ビタミンDとカルシトリオール
これらは骨量の減少を防ぎます。

リン酸結合剤
これらは血液中の余分なリンの除去を助けます。

 

 

腎不全を予防するには?


腎不全

腎不全や慢性腎臓病は元には戻りませんが、腎機能を維持するための対策をとることはできます

健康的な習慣や日常生活を送ることで、腎臓の機能が低下するスピードを遅らせることができます。

慢性腎臓病(CKD)や腎不全を発症している方は、以下のことに注意しましょう。

  • 腎機能をモニターする
  • 血糖値を正常範囲に保つ(糖尿病の方)
  • 血圧を正常範囲に保つ
  • 禁煙
  • タンパク質やナトリウムの多い食品を避ける
  • 定期的な受診

 

 

受診のタイミングは?


腎不全

以下のような腎不全の危険因子がある場合は、病院への受診を推奨します。

  • 高血圧、おしっこの習慣の変化、むくみ、ブレインフォグ、吐き気や嘔吐
  • 糖尿病
  • 腎臓病の家族歴
  • 過去に腎臓を痛めたことがある
  • 非ステロイド性抗炎症薬を定期的に服用している

 

関連記事:尿漏れの原因は男性と女性で違う?予防になるトレーニング対策も紹介

 

 

西春内科・在宅クリニックで出来る事


慢性腎不全は進行してしまうと改善が非常に難しい病気であることがわかると思います。

ですから、最も重要なのは進行を予防することです。

当クリニックでは慢性腎不全の診断・慢性腎不全の進行を予防する治療が可能です。

診断には尿検査・採血検査が可能ですし、超音波検査とCT検査で詳細な評価が出来ます

予防治療としては、高血圧症・糖尿病などの生活習慣病の食事指導・運動指導やお薬による治療、糸球体腎炎やループス腎炎に対するステロイド維持療法などが可能です。

また、腎不全に纏わる症状の改善も行えます。

むくみに対する利尿薬の処方や貧血の治療、骨を弱くしないような治療が可能です。

透析治療や腎臓移植は当クリニックでは出来ませんので、専門病院を紹介致します。

慢性腎不全に対する医療を積極的に行っているクリニックでございますので、いつでもご相談・ご来院頂ければと思います。

 

 

まとめ


腎臓は体内の老廃物や余分な水分を排出する重要な働きをしています。

腎不全になると、腎臓が効果的に働かなくなります。

適切な治療を受けなければ命に関わります

透析や腎移植を受けることで、長生きを続けることができます。

治療計画には、薬の服用や特別な食事療法も含まれます。

治療、投薬、生活習慣の改善、その他の治療計画について疑問や不安がある場合は、医師に相談しましょう


乾燥で咳が止まらないのはなぜ?咳の特徴や悪化させないための方法を紹介

乾燥咳

秋も次第に深まり、ずいぶんと空気が乾燥するようになってきました。

乾燥すると咳がでて困ると言う方もいらっしゃるかと思います。

今回はそんな空気の乾燥と、咳について解説を行いたいと思います。

 

 

乾燥で咳が止まらない原因


乾燥咳

空気が乾燥すると、喉ではいったいどの様な変化が起こっているのでしょうか。

まず、人間が呼吸によって空気を取り込むのは、空気中に溶けている酸素を体内に取り込むためです。

酸素は体内に取り込まれると、食事から吸収した栄養分子と酸化反応を起こし、人間の細胞が活動するエネルギーを生み出します。

エネルギーを取り出すと、二酸化炭素が生れますが、それをさらに肺を通じて体外へ排出するまでの過程を、呼吸と呼んでいます。

鼻や口から取り込んだ空気が肺に届くまでを気道と呼びます。

気道には、加温、加湿、クリーナーの役割が備わっており、肺の中が無菌状態になるように保っています。

空気には当然酸素以外にも様々なものが混ざっています。

目に見えないウイルスやばい菌、ダニやほこり、その他のアレルギー物質などは、体内への侵入を防がなければなりません。

そういった異物を体内へ侵入させない、体外へ追い出そうとするのが、咳の役割です。

咳は生体防御反応の一種になります。

また、咳には気道にたまった痰を、体外に排出する役割もあります。

気道の表面には、細かい毛と、粘液が存在しており、潤った状態を維持して保護しています。

この粘液が、ウイルスやばい菌、ほこりなどをからめとったものが痰となり、細かい毛によって運ばれていき、最後は咳によって体外へ排出される仕組みになっています。

しかし、空気が乾燥するとそれらの防御機能が低下してしまい、気道は炎症や感染症を起こしやすくなってしまい、咳や痰が出やすくなってしまうのです。

 

関連記事:免疫力を高める方法や食べ物について|低下してしまう原因も解説

 

 

乾燥による咳の特徴とは


乾燥咳

咳空気の乾燥によって咳がでる、場合によっては痰が出るという事は、気道の防御機能が低下して、すでに何らかの炎症や感染症に罹患してしまった可能性が高いと言えます。

また、病的な咳は、続いている期間によって3種類に分けられます。

① 急性咳そう(3週間未満の咳)


ウイルスやばい菌などの感染症、気管支炎などが該当します。乾燥によって生じた咳であれば、おおむね急性咳そうにあたります。

② 遅延性咳そう(3週間以上8週間未満の咳)


急性咳そうの原因となった感染症が治ったあとに、咳だけが残るケースがほとんどです。

③ 慢性咳そう(8週間以上続く咳)


咳喘息、副鼻腔炎、後鼻漏、逆流性食道炎、心因性や薬剤性などが挙げられます。

 

 

咳喘息かもしれないチェック項目


乾燥咳

長い期間咳がとまらないため病院に受診したら、咳喘息と言われた方もいらっしゃるかもしれません。

咳喘息とは、一般的に喘息(気管支喘息)と言われる疾患の一種なのですが、典型的な喘息のように、「ヒューヒュー」と言った笛のような呼吸音や呼吸困難感などの症状は伴わず、咳だけが唯一の症状である病気です。

ただ、咳喘息の約30パーセントで気管支喘息に移行すると言われており、早い段階から治療を行うことが推奨されてします。

診断に際しては、病歴や身体症状を確認した上で総合的に判断されますが、下記に咳喘息の診断基準を簡易的に示します。

  1.  喘鳴(ヒューヒューなどの呼吸音)を伴わない咳が8週間以上続く
  2. 気管支拡張薬が有効である
  3. 気管支喘息にかかったことはない
  4. 8週間以内に風邪などを引いていない
  5. 気道が過敏になっている
  6. 咳を引き起こすアレルギー物質などに反応して咳がでる
  7. 胸部レントゲンで以上はみつからない


※さらに簡略化して①②を満たせば咳喘息と診断されることがあります。

また、「からだケアナビ」にわかりやすいチェックシートがあったので、こちらも参考にしてみてください。

□咳が一旦出るとせき込んで止まらなくなる
□夜、横になるとせきこんで寝付きにくい
□夜中にせき込んで目が覚めることがある
□冷気、寒暖差でせき込む
□電車や人ごみの中でせき込む
□たばこの煙や強い香水が苦手
□風邪の後に激しい咳が続いた経験がある
□咳は激しいが息苦しさやゼイゼイと言う音はない
□子供のころ、小児喘息だった
□喉のイガイガを取り除こうと咳をした結果、せき込む

上記の項目に3つ以上当てはまる場合は咳喘息の可能性があります。

 

関連記事:高齢者がなりやすい肺炎の症状|急変したときの対応や治療について

 

 

咳を悪化させてしまうかもしれない要因


乾燥咳

咳を悪化させるかもしれない要因として以下のものがあります。

  1. 喫煙もしくは受動喫煙
  2. アレルギー物質(花粉やハウスダスト、ダニ、ほこり、ペットの毛など)
  3. アルコール
  4. アスベストなど環境的な要因
  5. 逆流性食道炎や後鼻漏といった身体的な疾患
  6. 薬の副作用
  7. ストレスの蓄積



乾燥による咳を止める・抑える方法は?


乾燥咳

乾燥により気道の防御機能が低下してしまうことを解説しました。

まずは、室内の空気を乾燥させない対策が重要と言えます。

加湿器を用いたり、洗濯物を部屋干しにする、洗面器やバケツなどに水を張って置いておくなど、室内が乾燥しない工夫をしましょう。

湿度計は自宅に無い方も多いかと思いますが、現在の湿度がどのくらいかを客観的に把握することはとても重要なので、是非購入をご検討ください。

ちなみに、室温が25℃~28℃くらいであれば、湿度は50%~60%が適正とされています。

また室温が18℃~25℃くらいであれば、湿度は40%~50%が適正とされています。

また喉のうるおいを手助けする方法とてしては、水分をしっかりとることや、のど飴などを使用すること、さらにはこまめにうがいすること、マスクを着用すること、などが挙げられます。

いずれにせよ、乾燥は咳を誘発、悪化する可能性があるので、十分に対策をとるようにしましょう。

 

関連記事:高齢者に多い誤嚥性肺炎は治るのか|急変したときの対応法について

 

 

西春内科在宅クリニックができる対応


西春内科在宅クリニックでは、常勤の内科医にて、つらい咳症状に対して丁寧に診察を行い、必要に応じて検査を行い、治療に結び付けていきます。

CT撮影など、より詳しい検査も可能となっています。

咳の症状でお悩みの場合、まずはお気軽にご相談ください。

 

 

まとめ


空気の乾燥は、気道の防御機能を低下させて、ウイルスやばい菌の侵入を許してしまうことで、感染症にかかりやすくしてしまいます。

油断せず、甘く見ず、しっかりと室内を加湿したり、こまめに水分をとったり、うがいをするなどして、元気に秋、そして冬を乗り切っていきましょう。

参考文献

乾燥する季節は咳喘息にご用心 | 知っておきたい病気・医療 | からだケアナビ

腎ろうとは?どんな人が対象になるのか?在宅における注意点を解説

ろう は腎臓から膀胱への尿の通り道である尿管の通りが悪く、腎臓の機能が悪くなってしまうことを防ぐための手段です。


また、身体に管が入ることになるため、管理には注意が必要です。

今回は、腎ろうを造設する目的や対象となる患者、注意点などについて詳しく解説していきます。

膀胱 =骨盤の中にある袋状の臓器



腎ろうとは?




腎ろうは背中から腎臓に穴をあけて、チューブ( カテーテル )を留置し、尿の流れを確保する方法です。

腎臓で作られた尿は、尿管を通り、 膀胱 へ流れていきます。

膀胱 に溜められた後、尿道から排出されるというのが正常な流れです。

ところが 悪性腫瘍 の尿路への 浸潤 (*1)や尿路損傷により腎臓から膀胱 までの尿の流れが妨げられてしまいます。

すると腎臓から先へ尿を流すことができなくなり、そのまま放っておくと腎不全になってしまいます。

そのため腎臓から尿を外に出すための方法として腎ろうが必要になってきます。

*1浸潤 =がん細胞が周囲の組織へ広がること。=悪性腫瘍の尿路への浸潤とは、正常部分に悪性腫瘍が侵入に正常構造を破壊するということ

腎ろうの対象となる患者・適応疾患について




腎ろうの目的は大きく分けると尿路変更泌尿器尿路内視鏡(*1の2つあります。

腎ろうを造設し、長期で管理が必要になるのは尿路変更の場合です。

今回は尿路変更について解説していきます。

尿路変更は、以下に対して、腎機能を守る目的で行われます。

  • 尿管結石 による尿管閉塞(*2)
  • 尿管 浸潤 による尿管閉塞(*2)
  • 尿管ステント留置(*3)が困難な尿管閉塞(*2)
  • 悪性腫瘍 の尿管圧迫

尿管閉塞状態で、特に尿管ステント留置(*3)が不可能な場合に適応となります。

その際、具体的な適応疾患としては、以下のようになります。

  • 尿管結石 嵌頓 (*4)状態
  • 胃癌などの消化器癌による腹膜転移や子宮癌などの婦人科癌による尿管圧迫
  • 尿管 浸潤 のある場合

*1泌尿器尿路内視鏡 =膀胱や尿道を内視鏡で観察する検査
*2尿管閉塞=腎臓、尿管、膀胱、尿道など、尿が通過する経路(尿路)のどこかが詰まり、尿の流れが遮断された状態
*3尿管ステント留置=腎臓と膀胱をつなぐ尿管が塞がらないように、尿管ステント(拡張可能な網目状の小さい金属製の筒)という管を留置する施術
*4嵌頓 =腸の一部がヘルニア門に挟まり込んで、おなかのなかに戻らなくなってしまった状態

腎ろうとウロストミーの違い




尿路変更には腎ろうと別の方法としてウロストミー(尿路ストーマ)があります。

ウロストミーは回腸導管や尿管皮膚ろうといった尿路変更術によって造設されます

尿の出口はお腹からに変更となります。

新しく作られた尿の出口に尿を溜めておくストーマ装具を着用して、適宜交換する必要があります。

ウロストミーを造設する原因のほとんどが膀胱癌で 膀胱 を摘出したことによるものです。

また、腎ろうではなく、ウロストミーを選択するためには尿管が利用できることが必要です。

なので、尿管閉塞状態の場合にはウロストミーではなく腎ろうを選択することになります。

腎ろうに痛みはある?




腎ろうを造設する際には麻酔をして行いますが、麻酔が切れると最初のうちは管の入っている箇所に痛みを感じることがあります

次第に痛みは和らいできますが、落ち着いてからも管が動くことで痛みを感じてしまう方はいらっしゃいます。

なので、管の固定の仕方や、強く引っ張ったりしないよう注意が必要です。

在宅での腎ろうのカテーテル交換時の注意点




在宅で腎ろうのカテーテル 交換を行うために、レントゲン撮影設備を利用しなくても交換が可能です。

しかし、腎ろうを造設した後、カテーテル(*1)の通り道がしっかりと形成されるまでに1ヶ月ほどかかります。

腎ろう造設後、数回は泌尿器科での交換が必要になります。

カテーテルの通り道がしっかりと形成された後、レントゲン撮影設備を使用しなくても、カテーテル交換をスムーズに行えることが確認できれば、

在宅でのカテーテル交換が可能と考えられます。

また、 カテーテル 交換がスムーズに行えず、うまく入らない場合や、抜けてしまってしばらく時間が経過してしまった場合には、在宅でのカテーテル交換は困難になります。

そのため、対応可能な医療機関へご紹介させていただくことになります。

*1カテーテル =体内に挿入して、検査や治療などを行うための柔らかい細い管

腎ろうはいつまで続ける必要がある?




腎ろうを造設した後は尿やカテーテル自体の管理に注意をしなくてはならないため、これまでの生活とは大きく変わってしまいます

徐々に腎ろうに慣れていくとはいえ、いつまで続けなくてはいけないのかと考えるのは当然のことです。

腎ろうをいつまで続ける必要があるのか、ということについては、原因が何であるかが重要です

尿管結石が原因である場合には結石を取り除くことで腎ろうが不要になる可能性はあります

悪性腫瘍 による尿管閉塞であれば、悪性腫瘍(*1)が改善しない限りは腎ろうは一生必要となります。

*1悪性腫瘍 =腸の一部がヘルニア門に挟まり込んで、おなかのなかに戻らなくなってしまった状態

腎ろうの脇から尿が漏れる時は




腎ろうによって腎臓で作られた尿はカテーテルを通じてバッグへ回収されます

しかし、カテーテルの脇から漏れてしまうこともあります。

ほとんどの尿がバッグへ回収できており、多少漏れている程度であれば、あまり気にする必要はないです。

しかし、ほとんどが漏れてしまうような場合には注意が必要です。

原因としては、以下の場合が考えられます。

  • カテーテル内に汚れが詰まっている
  • カテーテルの先端の位置が悪い
  • カテーテルが折れ曲がってしまっている

ご自身で対処可能な問題もあれば、カテーテル交換が必要な場合もあります。

そのため、原因がわからない場合には医療機関へご相談いただくことをお勧めいたします。

関連記事:自己導尿の目的とは?カテーテルとの違いや男女別の手順を解説

腎ろうからの尿量が少ない時は




腎ろうから流れてくる尿量が少ない場合に原因として考えられるのは、以下の通りです。

  • 脱水状態で作られる尿量が減っている
  • 前述の脇漏れの原因と同様でカテーテルに異常がある

脱水状態については水分補給や点滴で対応が可能
です。

カテーテルの異常については前述の通り対応が可能です。

何が原因なのかよくわからない場合やご自身で解決が難しい場合には、医療機関へご相談いただくことをお勧めいたします。

腎ろうの予後について




腎ろうは腎臓を貫いて 腎盂  (*1)までカテーテルの先端が入っています。

そのため、腎臓への影響はないのか不安に感じられる方がいらっしゃるかもしれません。

腎ろうを造設した直後は腎臓から出血することがあります

一時的に腎臓の機能が低下することはありますが、大きく低下することは稀です

また、長期間の腎ろう管理となることが原因で腎臓の機能が低下するということもないので、心配する必要はありません

*1腎盂 =腎臓の中の尿が通る部分

訪問診療での対応




訪問診療では腎ろうの カテーテル を交換し、適切に固定するといった処置を自宅や施設で行うことができます

また、腎ろうから尿が流れてこないなど、腎ろうに関わるトラブルについて簡単なものであれば、医療機関まで行くことなく、自宅や施設で対応することが可能です。

西春内科在宅クリニックができる対応




腎ろうの カテーテル は少なくとも月に1回交換が必要です。

そのため、通院が難しい方は自宅や施設での交換ができると負担が軽減します。

西春内科在宅クリニックでは在宅医療でのカテーテル交換が可能です

カテーテル管理についても丁寧に指導させていただきます。

他にも様々な不安があるかと思いますので、ご相談いただいたことについて親身に対応したいと考えております。

まずはお気軽にご相談ください。



まとめ


今回は、腎ろうを造設する目的や対象となる患者、注意点などについて詳しく解説しました。

腎ろうは造設した後、一生付き合っていかなくてはならないことがほとんどであり、

管理の仕方が大切です。

記事を読んでいただき、今後腎ろう管理が必要になりそう、

現在腎ろう管理しているけれど今後の管理が心配

という方は、ぜひご相談ください。

【参考文献】

「がん患者の泌尿器症状の緩和に関するガイドライン2016年版」日本緩和医療学会

ストレートネック(スマホ首)の症状|改善策や原因について解説

スマホ首

最近肩こりや頭痛が酷くなっていませんか?


もしかするとその症状はストレートネック(スマホ首)によるものかもしれません。

一人1台は当たり前になったスマートフォンやパソコンの使用が多い方必見!!

今回はストレークネックの原因や症状、対処法などについて詳しく解説していきます。

 

 

ストレートネック(スマホ首)とは


スマホ首

通常であれば首の骨(頸椎といいます)は前方に緩やかに湾曲しています。

この湾曲があることで頭の重量を支えるクッションとなっています。

しかしながらスマホの長時間の使用で首の湾曲がなくなり真っ直ぐになる状態をストレートネックといいます。

このストレートネックの状態では頸部から肩にかけて頭部の重量が強くかかり様々な症状が出現することになります。

 

関連記事:なぜ眼精疲労で頭痛になるの?効果的なツボや予防対策を紹介

 

 

ストレートネック(スマホ首)になる原因


スマホ首

ストレートネックになる原因として最も多いとされているものがスマートフォンの長時間の使用です。

そのほかにはパソコンの長時間の使用や猫背による体勢の悪化、外傷なども原因となります。

スマートフォンが原因となることが多い理由として、スマートフォンを使用する姿勢は背中の骨(肩甲骨といいます)と首の緊張を起こしやすいためです。

またスマートフォンは長時間同じ姿勢で使うことが多いことも原因とされています。

 

関連記事:VDT症候群とは?スマホが原因?|症状のチェック項目や治療について

 

 

ストレートネック(スマホ首)が引き起こす症状


それではストレートネックがどのような症状を引き起こすのでしょうか?

以下に起こりうる症状を説明します。

首や肩のこり、痛み


スマホ首

前述した首から肩甲骨の筋肉の緊張によって肩こりや首のこりが現れます。

ストレートネックでは一番はじめに出ることが多い症状です。

頭痛(筋緊張性頭痛)


スマホ首

肩や首の筋肉が長時間緊張することで頭痛を引き起こします。

この肩こりから生じる頭痛を筋緊張性頭痛といいます。

腕や手の痺れ、痛み


スマホ首

頸椎からは腕や手先に繋がる神経が出ており、ストレートネックとなることで神経を圧迫することがあります。

神経が圧迫されることで腕から手先にかけて痺れを感じることがあり、症状が進行することで痛みが生じることもあります。

 

関連記事:ドケルバン病になったら病院に行くべき?|自宅でできる対処法も紹介

 

 

眼精疲労


スマホ首

ストレートネックに加えて長時間のディスプレイの注視によって眼精疲労を併発することが多いです。

眼精疲労によりドライアイや頭痛が悪化することがあります。

 

関連記事:なぜ眼精疲労で頭痛になるの?効果的なツボや予防対策を紹介

 

めまい・吐き気


スマホ首

首の筋肉からは自律神経に影響を与える神経が出ているため、ストレートネックにより自律神経調節機能が乱れることがあります。

これによりめまいや吐き気が出現することがあります。

ストレートネック(スマホ首)が重症化するとどうなる?


スマホ首

ストレートネックは初期であれば軽度の症状のみ現れ、その段階で適切な対応をとれば重症化するリスクは低いです。

しかしながら重症化することで頚椎椎間板ヘルニアになり持続的な痛みを生じたり、持続する症状から抑鬱状態となる可能性があります。

これらの症状により日常生活に支障をきたすようになる可能性すらあります。

 

 

ストレートネック(スマホ首)かもしれないセルフチェック診断


ストレートネックかもしれないと思った時は以下の項目をチェックしてみることをお勧めします。

鏡を使って自分の姿勢を確認する


スマホ首

鏡の前に立ち、側面から自分の姿勢を確認してください。

正常な姿勢では、耳の後ろ、肩、腰、臀部、くるぶしが一直線上に並んでいるはずです。

もし、首がまっすぐではなく前方に突き出しているように見える場合、ストレートネックの可能性があります。

壁を背にして立つと耳の後ろ、肩、腰、臀部、くるぶしが一直線上にあるかどうか分かりやすいです。

首の可動域をチェックする


スマホ首

首の前後の可動域を確認してください。

正常な首のカーブがある場合、首を前方に曲げたり、後ろに曲げたりすることができるはずです。

ストレートネックの場合、首の可動域が制限されている可能性があります。

これらのセルフチェックが当てはまる場合はストレートネックの可能性があります。

 

 

ストレートネック(スマホ首)の治し方・ストレッチ方法


スマホ首

ではストレートネックを疑う症状がある場合、治し方はあるのでしょうか?

ストレートネックは起こさないように予防することが大事ですが予防かつ治療にもなるストレッチ方法があります。

やり方は両肘を肩の高さに上げたのち、徐々に上げていき限界になったらゆっくりと後ろに引くだけです。

これを3−5回行うことで頸部から肩にかけての筋緊張が和らぎストレートネックの改善・予防となります。

注意点としては痛みがあるようならば無理に行わず、痛みのない範囲で肩を動かすようにしましょう。

またご自宅でストレッチポールを用いたストレッチをお風呂上がりに行うこともお勧めです。

 

関連記事:高齢者の足のむくみの原因とは|放っておくと危険な理由も解説

 

西春内科在宅クリニックができる対応


ストレートネックによると思われる症状でお悩みでしたら一度西春内科在宅クリニックにご相談してください。

ストレートネックは様々な症状を呈しますが、お悩みの症状がストレートネック以外の病気が原因となっている可能性もあります。

まずは西春内科在宅クリニックで症状の原因を診断し、適切な治療を受けてみてはいかがでしょうか?

 

 

まとめ


今回はストレークネックの原因や症状、対処法などについて詳しく解説しました。

いかがでしたでしょうか?

ストレートネックは適切な対応を取れば決して怖い病気ではありません。

今回の説明でみなさんの悩みが解消されれば幸いです。


参考文献

‣ Damasceno GM, Ferreira AS, Nogueira LAC, Reis FJJ, Andrade ICS, Meziat-Filho N. Text neck and neck pain in 18-21-year-old young adults. Eur Spine J. 2018 Jun;27(6):1249-1254. doi: 10.1007/s00586-017-5444-5. Epub 2018 Jan 6. PMID: 29306972.
‣ Hansraj, Kenneth K. “Assessment of stresses in the cervical spine caused by posture and position of the head.”SurgTechnolInt25.25 (2014): 277-9

認知症が一気に進む原因とは?入院すると急激に悪化する?

以下皆さん、認知症について深く考えたことはありますか?

 

認知症は予防法をうまく生活に取り入れておくと、万が一認知症になった後でも、症状の進行がゆるやかになり、生活の質を保つことができます。

 

いつまでもはつらつとした生活を送りたいですよね。

 

そこで今回は認知症が一気に進む原因や日頃からできる予防、対策法などについて詳しく解説します。


認知症が一気に進むかもしれない原因

 

怒り

 

認知症の進行速度は人によって大きく異なります。先ほど紹介した認知症の種類や個人個人の遺伝的要因ももちろん絡みますが、生活スタイルでも進行速度が変わる場合があります。

 

ここでは、認知症が一気に進む原因について確認しておきましょう。

 

早期に発見できなかった

 

まずはなんといっても早期に発見できたかが非常に重要です。

 

認知症の発症初期は緩やかに進行しても、ある時点から急激に症状が重くなることもあります。

 

かなり進行してしまってから実は認知症だったとわかるケースでは、発覚して間もなく症状が一気に進むといったこともありえます。

 

早期発見には本人よりも周りの人が気付てあげることが効果的です。身近な人が「最近物忘れがひどいな」と感じたら、物忘れ外来などの病院を受診することを勧めてあげましょう。

 

どこを受診すればいいかわからない場合は、各地区の地域包括支援センターに連絡をすれば適切な医療機関を紹介してもらえます。

 

脳への刺激が少ない

 

脳の細胞は何らかの刺激を受けることで活性化し、使わなければその機能はみるみるうちに低下していきます。

 

日々刺激的なこともなく、脳の機能を使わない生活を続けてしまうと脳が委縮し、結果として認知症の進行を早めることに繋がるでしょう。

 

独居の高齢者が外出する機会が極端に減ったり寝たきりの生活が続き、認知症を発症してから誰にも気付かれずに進行してしまっていたというケースがよく見られます。

 

強いストレス

 

過度なストレスが認知症の進行に悪影響を及ぼす場合もあります。ストレスを受けたときに分泌されるコルチゾールというホルモンは、適量であれば様々なメリットがありますが、分泌されすぎると記憶力の低下などといった副作用があり、認知症を進行させる恐れがあるとされています。

 

また、他人からの過度な責によって無気力状態になってしまうと活動量が減り、認知症の進行を早める結果に繋がることも。

 

さらには病気や怪我による入院、施設への入居、身近な人の死といった急激な環境の変化でも強いストレスを感じ、認知症が一気に進行した例が報告されています。

 

認知症の進行を遅らせるためには脳への適度な刺激が必要ですが、過度な刺激はストレスとなって認知症を悪化させてしまう恐れがあることを覚えておきましょう。

 

>>知らないと危ない糖尿病の症状と合併症について

>>認知症における顔つきの特徴と症状や種類について

 

認知症の種類と特徴

 

脳

 

世間では「認知症」と一括りにされていますが、大きく分けて下記の4種類に分類されています。

  • アルツハイマー型
  • レビー小体型
  • 脳血管型
  • 前頭側頭型


それぞれ原因や症状の現れ方が異なるため、初期の兆候を見逃さないためにも、認知症の各種類について確認しておきましょう。

 

アルツハイマー型

 

認知症の中で最もメジャーな型で、「アルツハイマー病」と呼ばれているのは、実はアルツハイマー型の認知症のことです。

 

アルツハイマー型認知症は脳にアミロイドβというたんぱく質が蓄積することと、神経線維が変性してしまうのが特徴です。

 

初期に見られる症状としては、

  • 数分~数時間前など、ごく短期間のことを忘れる
  • よく使う言葉なのにとっさに出ない
  • 親しみのある人や物の名前が出てこない
  • 大切なものをよく失くす
  • 好きだったことに急に興味を示さなくなる


といったものが挙げられます。いわゆる認知症の特徴に当てはまれば、まずはアルツハイマー型を疑うとよいでしょう。

 

レビー小体型

 

レビー小体型認知症は、認知機能が正常なときとそうでないときの波が激しいのが特徴です。高齢者になると認知症でなくても物忘れが多くなってくるので、認知症を疑われにくいのが厄介な点といえるでしょう。

 

しかし他の認知症と決定的に違う点があり、

  • 幻視
  • パーキンソン症状
  • 睡眠中の異常行動
  • ネガティブすぎる言動
  • めまいや立ちくらみ


上記のような症状が見られやすいことです。

 

実際にはないものが見えていると発言したり、動作が緩慢になったり小刻みに震える様子が見られた場合にはレビー小体型を疑いましょう。

 

脳血管型

 

脳梗塞や脳出血によって脳の一部に十分な血液が供給されなくなり、その結果脳の一部の機能が低下して認知機能に影響を及ぼします。

 

認知機能に関する症状はアルツハイマー型とよく似ていますが、脳卒中の前後で明らかに認知機能の低下が見られる場合は脳血管型であることが濃厚です。

 

前頭側頭型

 

文字通り社会性や倫理観を司る前頭葉、知識や記憶を司る側頭葉に何らかの障害が起こることで発症する認知症。

  • 社会性の欠落(万引き、信号無視など)
  • 性格が暴力的になる
  • 自分や他人に無関心になる
  • 同じ行動を繰り返す


上記のような症状が見られるようになります。一方で認知機能の低下はあまり目立たないことも。

 

そのため認知症ではなく他の精神疾患などと診断されることも少なくない病気です。

 

 

認知症になりやすい人の特徴

 

落ち込む

 

認知症については数々の研究が世界中で行われており、認知症になりやすい人の特徴はかなりわかってきています。

 

まずは年齢ですが、言うまでもなく歳を取るほど認知症になりやすくなります。

 

これはイメージしやすいと思いますが、とはいえ歳をとるとみんなが認知症になるわけではありません。

 

そこで2017年にLancetと呼ばれる学術雑誌に掲載された認知症のリスク因子に関わる研究を紹介します。

 

それによると、認知症になりやすい 人の特徴との言える認知症のリスク因子としての以下の12個が挙げられました。

 

  • 高血圧
  • 聴覚障害
  • 喫煙
  • 肥満
  • うつ病
  • 運動量
  • 糖尿病
  • 社会的孤立
  • 低学歴
  • 過度のアルコール摂取
  • 頭部外傷
  • 大気汚染

 

 上記のうち、特に高血圧や糖尿病は肥満や喫煙、運動不足、アルコールの過剰摂取は、いわゆる生活習慣病とも言われます。生活習慣病をもっていると、それだけ認知症になるリスクが高いと示唆されているのです。

 

これらの12個の因子には修正可能なものもあるため、当てはまる人は積極的に改善していく必要があります。

 

これらの因子に当てはめると、実に全世界の認知症患者の40%がこれに当てはまります。要するに認知症になりやすい 人の特徴とも言えます。


理論的には
上記12個の因子を修正すれば認知症の発生リスクを40%も軽減し、また発症したとしても発症時期を遅らせる可能性があります。これは我々現場の医師からすればとてつもない効果です。

 

また、社会的孤立という因子は、さらに詳しくみると性格と深く関わっています。

 

 どのような人が社会的孤立をしやすいかというと、気が短くてイライラしやすい性格の人は時間とともに人との関わり合いが減ってきて最終的に孤立する可能性が高くなります。

 

 他人との協調性が低い人も孤立しやすいため注意が必要です。また他にもマイナス思考でネガティブな口癖をもっているような人はうつ病を発生しやすいので、結果的に認知症のリスクが高いといえます。

 

「自分に当てはまっているな」と思った方は、将来認知症にならないためにも少し改善が必要かもしれません。

Dementia prevention, intervention, and care: 2020 report of the Lancet Commission
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)30367-6/fulltext

 

認知症は入院すると急激に悪化する?

 

 

医療の現場でしばしば見られるケースとして、認知症のある人が認知症以外の原因で入院・治療し、入院中や入院後に認知症が一気に進むことがあります。

 

これは入院することでベッド上での生活を余儀なくされた結果、食事の用意や洗濯・掃除などの日常生活を一時的にしなくなり、生活にハリがなくなって脳への刺激が減ったことで認知症が一気に進行したと考えられています。

 

生活環境の変化に人は非常に敏感です。

 

認知症になる前から万病の元である高血圧や糖尿病、肥満などを予防し入院する必要がないようにするのが理想です。また認知症になってからは、より一層入院しなくて済むような健康管理が重要となるでしょう。

 

認知症の症状について

 

 

認知症の症状は大きく分けて中核症状行動・心理症状があります。具体的に見ていきましょう。

 

中核症状

 

中核症状とは認知症の症状の中心であり、記憶障害見当識障害が挙げられます。

 

記憶障害

 

記憶障害は認知症の症状として最も有名です。

 

 しかし単なる物忘れなのか、問題のある物忘れなのかの判断は意外と難しいと思います。

 

 少しでもおかしいと思ったらすぐに上記のような専門施設に相談して欲しいですが、一つの目安を紹介します。

 

 患者さんでもよく「最近物忘れがひどくて、昨日食べたご飯がなんだったがすぐ思い出せないんです、私って認知症なんでしょうか?」と心配されている方がおられます。

 

 ただ知っておいて欲しいのは、人間は忘れる生き物です。それは普通のことです。

 

 しかし昼ごはんを「食べた」という事実自体を忘れてもう一度ご飯を食べるというのは問題のある物忘れです。

 

 他にも初めて会った人の名前をすぐ忘れたというのは割とあることですが、昔から知っている友人の名前が出てこないのも問題のある物忘れです。

 

 これを専門用語でいうと短期記憶長期記憶といい、短期記憶は忘れて当然なので普通のことですが、友人の名前や自分の電話番号などは長期記憶に分類され、これを忘れるのは問題があります

 

 これらの例を一つの目安にして、認知症の早期発見に役立ててください。

 

 見当識障害

 

見当識障害」は聞き慣れない言葉かもしれません。

 

 見当識とは現在の日時や時刻、また今自分がどこにいるかなどの状況の把握のことを言います。

 

 医療の現場では意識レベルの評価などに用います。認知症では、この見当識も障害されます

 

 認知症の方に今日の日付を聞くと、日にちを間違えるどころか月を間違えたり、季節を間違えたりすることもあります。

 

 また場所もわからなくなるため普段住んでいる街で道に迷ったり、家に帰れなくなったりすることもあります。

 

以上のような障害の結果、様々な症状が出現します。

 

いくつか例を挙げましょう。

  • 理解力が低下してお金の管理ができなくなる
  •  運転がうまくできなくなる
  •   今までできていた料理ができなくなったり、味付けなどがおかしくなる
  •   家事の段取りができなくなったり、仕事の効率が落ちる
  •   身だしなみが疎かになって季節にあった服を選べなくなる


我々人間は記憶や見当識といった能力を日常生活の中で無意識に使っており、これらが傷害されることにより様々な症状が引き起こされるということです。

 

行動・心理症状

 

 行動や心理症状では、性格の変化が挙げられます。

 

 例えば今まで熱心にやっていた趣味に興味を示さなくなったり、何をするのも面倒くさがったりします。

 

 また、一人でいることを異常に怖がったり不安に思う一方で、些細なことで怒ったりイライラすることが多くなったりします。

 

 また被害妄想が多くなり、自分のものが誰かに取られたと疑う「物取られ妄想」をいった症状が出現することもあります。

 

 おそらくこれらは、認知症によって今まで生きてきて獲得した「我慢」など高度な脳機能がうまく働かなくなり、持って生まれた「気質」みないなものが前面に出てしまい、その結果上記のような様々な症状が出るのではないかと思います。

 

 認知症の症状は、本当に人それぞれです。

>>アルツハイマーと認知症の違いは?原因や初期症状、なりやすい人の特徴について

  

日頃からできる認知症の予防と対策法

 

 

認知症の予防や対策法としてはすでに紹介した「修正可能な12個のリスク因子」である下記を改善する必要があります。

 

  • 高血圧
  • 聴覚障害
  • 喫煙
  • 肥満
  • うつ病
  • 運動量
  • 糖尿病
  • 社会的孤立
  • 低学歴
  • 過度のアルコール摂取
  • 頭部外傷
  • 大気汚染

 

また、すでに認知症を発症している場合も同様です。1つずつ日頃からできる認知症の予防と対策法について見ていきましょう。

 

運動

 

運動は激しい運動よりも、散歩やジョギングといった有酸素運動が効果的です。

 

 こういった有酸素運動は肥満の改善・予防に役立ちます。

 

 また運動は思いつきで時々やるのではなく、日々できる程度の有酸素運動(頑張らなくてもいい程度)を毎日の習慣にすることが重要と考えます。

 

 これらは認知症の予防だけでなく肥満の解消から高血圧や糖尿病、コレステロール異常などといった生活習慣病の改善にも効果的です。

 

 どうしても「運動しなきゃ!」と思うと頑張りすぎて3日坊主になりがちですが、なんといっても重要なことは習慣化することです。まずはできる範囲で(5分くらいの散歩でも)十分なので、はじめてみましょう。

 

 ここで一つ注意しなければいけない点があります。それは定期的な運動については、先述の「Lancet」の論文によると効果は患者の年齢によって異なるとされています。

 

 一番効果的なのは中年の方と言われています。ちょうど生活習慣病が発症するくらいの年齢です。

 

 それを過ぎて高齢者になりますとやや運動の重要度は下がります。

 

 とはいっても運動がダメなわけではありませんので、自分のできる範囲の軽い運動を是非続けていただきたいと思います。

 

社会的孤立を防ぐ

 

 認知症は社会や他者との関わりがなくなると発症しやすく、またすでに認知症の方は症状が早く進行します。

 

 これは社会や他者と触れ合うことは、コミュニケーションなどの様々な脳の活動を無意識に行う必要があり、言うならば最高の「脳トレーニング」になるからです。

 

 人間は社会性を持つ生き物です。趣味などがあるならぜひそれを大事にして、それを通じて社会との関わりを持ち続けましょう。

 

 趣味がこれといってない方は、是非色々な知らない世界を覗いてみて、積極的に趣味を持ちましょう。

 

 どうしてもそういったことができない場合は、指先を使ったような手遊び、例えば裁縫なども脳トレーニングになりますので検討してみてください。

 

生活習慣病を治す

 

 上記の修正可能な12個のリスク因子の中に高血圧や糖尿病といった生活習慣病も入っています。

 

 これらの病気は医師による適切な対応が必要ですが、ご自身でも食事や運動習慣の見直しが重要です。

 

生活習慣病は何か症状が出た時にはかなり進行しています。

 

 普段からバランスの取れた食事を心がけ、運動習慣も持ち適正体重を維持するようにしましょう。

 

 世の中では食事は様々なことが言われており、何がいいかはわかりにくいと思います。

 

 医学的にも確実にこれがいいという食事は実はよくわかっていませんが、日本人にあった対応としては

  1. 野菜を積極的に撮る
  2. 外食はし過ぎないようにする(外食は塩分が多い傾向にあります)
  3. 魚や大豆製品を積極的に食べる(豚肉や牛肉、鶏肉といった動物性脂肪は取り過ぎないようにする)
  4. 夕食は和食中心にする(夕食は食べ過ぎず、夕食後は食べないようにする)

 
といったポイントが挙げられます。また喫煙や過度なアルコール摂取の習慣がある方は改善する必要があります。

 

 会社の検診で生活習慣病の疑いがあると言われた場合は放置せず、医療機関を受診することをお勧めします。主婦の方などで会社の検診がない方は時々でも大丈夫なので地域の健康診断を受けてみましょう。

 

 病気は全て、病気になってからの対応よりも早期発見と予防が最も重要です。

 

>>当院の健康診断について 

 

難聴を治す

 

 難聴も認知症のリスク因子のひとつです。

 

 難聴はいきなりなるとわかりやすいですが、徐々に進行すると本人は意外と気付かなかったりします。

 

 難聴になると外界からの情報が脳に届きにくくなり、結果として認知症のリスクが高くなります

 

 検診で聴力の低下を認めた場合は早めに医師にかかるようにしましょう。

 

 最近では様々なタイプの補聴器が出ており、これらの道具を使えば難聴も十分に修正可能です。

 

 難聴も本人だけでなく周囲の人の気付きが重要です。最近聞き返しが多いなと感じたら放置せず、医療機関の受診を勧めてください。

>>物忘れがひどくなる原因は?|認知症との違いや物忘れ対策について

 

もし家族や身内が認知症になったときの対応

 


もし身近な人が認知症になった場合、その後の対応がこれまで以上に重要となります。

 

 まずは修正可能な12個のリスク因子について当てはまるものを調べ、それぞれ可能なら医療施設なども受診しながら改善していくことが重要です。

 

 また認知症を診察するための主治医、地域のかかりつけ医を見つけることも重要です。

 

 認知症には進行を遅らせる飲み薬などもあります。

 

 積極的に医学の力も使いながら、適切に対応しましょう。

 

西春内科在宅クリニックができる対応

 

当院では認知症・物忘れ外来を設置しております。

 

 当院の医師による問診と心理検査など物忘れ・認知症に関する専門的な検査を受けることができます。

 

 さらに詳しい検査が必要な場合には、頭部CTなど画像検査を使っての検査も行うことができます。

 

検査の結果を確認し、医師による総合的な診断が行われます。

 

>>当院のCT検査について

 

まとめ

 

 本記事を読んで、認知症についての理解が少しでも深まり、その結果自分や身近な人の役にたてば幸いです。

 

 繰り返しになりますが認知症は予防と早期発見が非常に重要です。

 

 そのためには修正可能な12個のリスク因子について、一つでも減らせるように少しずつ生活習慣を見直しましょう。

 

 参考文献

 

(1)   Gill Livingston, et al. Dementia prevention, intervention, and care: 2020 report of the Lancet Commission. The Lancet Journal. 2020 Aug 8;396(10248):413-446.
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)30367-6/fulltext

(2)   Petros Stamatelos, et al. Alzheimer Dis Assoc Disord. 2021;35:315-320.
https://pmc.carenet.com/?pmid=34654042

健康診断の前日は何に気を付ける?悪あがきをしても意味ない?

健康診断

皆様、いきなりですが定期的な健康診断は受けていらっしゃいますか?

健康診断は、どこかへ勤められている方であれば年に1~2回受けていらっしゃるかと思いますが、現在はリタイヤされた方や、フリーターの方など様々な理由から分かってはいるけど健康診断を受けていらっしゃらない方も多くいらっしゃるかと思います。

しかし、健康診断を受けることで、ご自身の健康状態を把握し治療を行わなければならない疾患が見つかった際に早期治療を開始できる事が可能です。

今回は、そんな健康診断の前日に気を付けるべき事を詳しく解説していきます!

そろそろ健康診断の時期だよ!という方も、健康診断受けてみようかな?とお悩みの方も参考にしていただければと思います。

 

 

健康診断の前日に気を付けるべきこと


健康診断

前日夜~健診が終わるまで胃にものを入れない

健康診断では、血糖値やコレステロール値などの検査を行う場合があります。

そのため、検査12時間前より食事・糖分を含んだ飲料を控えていただくことを推奨しています。

食事や、糖分を含む飲料を摂取してしまった場合、正確な値が出ない可能性があります。

検査12時間前からは食事を控え、水やブラックコーヒーなど糖分の含まれないものを飲みましょう。

睡眠をしっかりとる

睡眠不足になると、血液検査や尿検査に影響する場合があります。

検査前日は早めに就寝し、体調を整えることが大切です。

飲酒は控える

飲酒は肝機能の検査結果に影響を及ぼします。

肝機能検査を行う場合は検査前日の飲酒は控えましょう。

タバコは控える

喫煙は血管を収縮させる作用があるため、血圧の検査結果に影響を及ぼします。

正確な検査結果を得るためには、検査前日からの禁煙が大切になります。

激しい運動は控える

強度のある筋トレや、水泳、テニスなどの運動は、尿酸値や、尿蛋白、肝機能の数値が通常より高くなってしまう可能性があります。

そのため、検査前日の激しい運動は控えることが推奨されます。

薬の服用は医師に相談

薬やサプリメントの使用をされている場合は、健康診断を受ける病院、または、主治医の指示に従いましょう。

薬やサプリメントを摂取することで様々な検査結果に影響を及ぼす可能性があります。

しかし、持病などでどうしても飲まなければならない場合もあります。

ご自身で判断するのは絶対に止めましょう。

また、毎日摂取しているお薬がある場合は、検査当日にお薬手帳を持参し、問診で聞かれても答えられるようにしましょう。

 

関連記事:健康寿命を伸ばすためのポイントや気をつけるべき病気や疾患とは

 

 

健康診断の前日の食事と注意すべき食材について


健康診断

検査12時間前までに夕食を済ませる

検査の12時間前までに夕食を済ませましょう。

先述した通り、検査前に食事を摂ることで、血糖値やコレステロール値といった数値に影響を及ぼします。

また、食事についてはなるべく消化の良いものを選びましょう。

脂質の多いもの

脂質の多い物を摂取すると、血液中の中性脂肪を上昇させます。

検査12時間前の食事でも検査結果に影響を及ぼす可能性もあります。

脂質の多いものは避け、消化の良い食事をいつもより少なめに摂ることを推奨します。

糖質の多いもの

健康診断では、血糖値の検査も行う場合が多くあります。

糖質の多い食事を摂ることで、血糖値の結果に影響を及ぼす可能性があります。

脂質と同様に、糖質の多い食べ物を控える必要があります。

食物繊維を多く含むもの

食物繊維と聞くと、腸を整えてくれたり、血糖上昇を抑える役割があるため体によさそう!と考える方も多くいらっしゃると思います。

しかし、健康診断前日の場合は違います。

食物繊維は人間の消化酵素では分解されないため、健康診断で大腸検査を行う場合には避けたほうが良いでしょう。

また、少量であっても控えるのを推奨します。

 

 

健康診断の時間帯ごとで注意すべきこと


健康診断

午前の場合

午前中に健康診断を受けられる場合、基本的に朝食は抜きになります。

健康診断の内容によっても変わりますが、検査2時間前まではコップで1~2杯のお水の摂取が可能です。

その他、前述した飲酒・喫煙は控え、前日の食事にも気を付けましょう。

午後の場合

午後に健康診断を受ける場合、検査の8時間前から食事を控える必要があります。

8時間前であれば朝食を摂ることも可能です。

しかし、脂質の多い食べ物や、糖質の多い食べ物などは避けましょう。

消化の良い食べ物を少量摂る程度にしておくのが良いでしょう。

 

関連記事:免疫力を高める方法や食べ物について|低下してしまう原因も解説

 

 

健康診断の当日に気を付けること


健康診断

健診はリラックスした状態で受ける

健康診断で緊張や、興奮してしまうと血圧が上昇する場合があります。

自宅で血圧を測定しても異常はないのに、病院で血圧を測定すると高くなってしまうことがあります。

血圧測定時には、深呼吸などのリラックス方法を試し落ち着いて検査を行いましょう。


水やお茶が許可されていても飲みすぎない

糖分の含まない飲料を摂ることを許可されているがため、お水やお茶を大量に飲んでしまったという方がいらっしゃいます。

糖分を含む飲料に比べ、血液検査や尿検査の結果に直接的に影響を及ぼすわけではありませんが、体内の水分が少ない方がより正確な数値が出せるため喉が渇いたら、潤す程度に飲むようにしましょう。

 

 

健康診断の前日の悪あがきは意味ない?


健康診断

健康診断の数日前に少しでも良い結果をと一切食事を摂らなかったり、禁煙や禁酒をしたりする方がいらっしゃいます。

しかし、数日で数値の改善は見られないため、無理な断食等は止めましょう。

また、激しい運動を行い、少しでも結果を良くしたいと考える方もいらっしゃいますが、前述した通り健康診断前日の激しい運動はNG行為です。

健康診断で良い結果を出したい!という場合は日々の生活習慣が大切です。

健康診断の前だけでなく、長い目で食生活の改善や、適切な運動を続けることが健康を維持するのには大切な鍵になります。

 

関連記事:生活習慣病の方は注意!動脈硬化が引き起こす命に関わるリスクについて

 

健康診断の前日に性行為を行うとどんな影響がある?


健康診断

健康診断の前日に性行為を行うと、男性の場合、精漿(せいしょう|精液の精子以外の液体部分を示す)にタンパク質が含まれているため尿蛋白の結果に影響を及ぼす可能性があります。

女性はコンドームの使用で検査への影響を避けることが可能です。

しかし、基本的に健康診断前日には男性は性行為や自慰行為を、女性の場合は性行為を控えるのを推奨します。

 

 

健康診断なら西春内科・在宅クリニックへご相談を


西春内科・在宅クリニックでは、簡易検査・一般検診・人間ドックといった健康診断が可能です。

当院では、CTのご用意もあるため、胸部CTや腹部CTなどの検査も可能です。

健康診断では、一般の方はもちろん企業様の健康診断も行っておりますのでまずはお気軽にご相談ください。

当院の健康診断について詳しくはこちらから
https://nishiharu-clinic.com/medical_examination/

 

 

まとめ


今回は、健康診断の前日に気を付けるべきことについて詳しく解説しました。

健康診断は、病気の早期発見・治療が行える大切なものです。

何もなければ、健康な状態をつづけられるように定期的に検査を続ける。

病気が見つかった場合は早期に治療を開始することができる重要な鍵になります。

この記事を通して、健康診断が少しでも皆様の身近に感じられると幸いです。

参考文献

日本人間ドック健診協会|人間ドックQ&A
Growbase|健康診断前日の悪あがきに効果はある?NG行動と実施すべき行動などを解説
人間ドックのミカタ|知っておきたい健康診断前日の注意点まとめー食事、お酒、たばこの制限はいつから?

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